束さんがやっつけちゃうぜ! 作:かきごおり
大筋は変わっていません
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ISの起動実験は正常に起動した。時速450kmを超す速度、そして飛行の安定性。ハイパーセンサーによる情報取集の多さ全てが『俺』の許容範囲で作動している。
「それで、これをどうするんだ?束。裏、ダイヤの3」
ちーちゃんは完璧にIS「白騎士」に乗りこなしている中、そう聞いてきた。ちーちゃんの情報処理も完璧だ。
私が適当に引いたトランプのスート、コインの裏表を曲芸飛行しつつ、正誤判定。迫り来るターゲットを斬り飛ばしている。正直、側から見たらかなり器用な行動をしている。まあ『俺』なら余裕なんですけどね!
どう公開するのか。そこが問題なのだ。『私』の当初のプランではこれを大々的に発表する予定だったが、『俺』としては懸念が残っている。
そもそも、中学2年生の発表を世間が受け入れるかどうかという点だ。
仮定しよう。「宇宙活動用のマルチプラットフォームスーツ作ったから『私』参考に頑張ってね」と小娘が声明を発表するとする。良くていい出来の学生の自由研究。悪ければ良くできたCGで片付けられてしまうだろう。
信頼が足りない。
もっと大手の会社の研究室にでも取り組めばよかったけど、社会の仕組み的に『俺』が作ったものは性急すぎると思う。法整備や企業の規制などが混乱して遅々として進まないことが容易に想像できる。
なんせ、現状のISだと宇宙活動はできないからだ。短期間ならシステムをハッキングして宇宙に飛び出すことはできるだろう。ただそれだけだ。
長期的に活動するにはISというのは小さすぎる。結局どれほど優れていても宇宙服の領域でしかない。やはり、大規模な宇宙開発用の拠点は必要だ。それを実現させるには国との連携が必要だ。となると、やはり必要なのは信頼ということになってくるわけで。
ちーちゃんにこのことを相談しても規模感がデカすぎるのか沈黙してしまった。それもそうだ『私』たちはまだ中学生なのだから。
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そうは言ったもの、この現状を変えるのはやはり無理やり物事を起こすしかないか。派手に事を起こして世界中に周知させる。ミサイルでも飛ばすかなぁ。
そんな時だ、地味に広報活動として続けている8分の1「白騎士」プラモデルだった。『私』が実家でくつろいでいた時に何気なしに見ていたテレビで社会現象になっている。かなり現実によりながらも独創的なデザインがカッコよくて人気を博しているとのことだった。危うくお茶を吹きそうになった。おかげで箒ちゃんに「姉さん、ついに」とか言われた。ついにとはなんだついにとは。
途中から制作会社に丸投げしていたけどすごいことになっている。
『俺』も認識していなかったのでこの現象には驚いた。
これは使えるのではないか?丸投げしている制作会社に向けて『私』はメールを作成することにした。『買収されませんか?』と。
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「おい、束。この資料の山はなんだ」
メールを作成した二日後、『私』のラボは紙まみれになっていた。*1機材搬入もここで実験してるのをバレたくないから別のところに転送してもらってから運搬している。時間が余計にかかってしまった。
ネットセキュリティは万全だけど、物理的に見られないようにだ。そもそも気取られないのも重要だ。
それでちーちゃんも必要なんだから。さっさと準備をしてと促した。
「いや、何をするつもりだ。束!束ェ!」
ドローンに牽引されて、ドナドナされていくちーちゃん。その気になれば素手で引きちぎれるはずなので『俺』が悪いことをしているとは思ってはいないようだ。
そう作るのだ。アニメーションを。それとグッズ展開も色々やるつもりだ。片手間でやっていた資金繰り用の販売網も拡大させるつもりだ。
映像は一部CGを利用して作ったアニメーション。作画『私』、編集『私』、作曲『俺』、SE『俺』。撮影補助にちーちゃん。ちーちゃんには実際にISで飛んでもらって作画の資料にする。豪華なメンバーだ。*2どこの零細企業だろう。
流石に全部やると本気で辛いので細かい背景とかは買収したスタッフに丸投げする。ついでに各国に放映用のローカライズも丸投げ。いいよね、リモートワーク。時代の波に乗っている。
そう、信頼がなければ作ればいい。それが『私』の打ち出した作戦だ。一般的な知名度は一切ない「インフィニット・ストラトス」を『俺』がセルフマーケティングしていくのだ。
もちろん、作画は超美麗だ。練習して一枚のセル画を12秒フラットで描き上げられるようになってるし。ありがとう美術部の方々!*3後で今流行りの実寸大「白騎士」フィギィアを贈呈するから!デカすぎて部屋に入りきらないけど。
それを追加増産したISコアに習熟、後はアームを備えつければ即席アシスタントの完成だ。名前は「八足」ちゃんに決定した。足の数は20本あるけど。誤差だよね。
もちろん、「白騎士」ちゃんもラーニングのためにしっかり頑張ってもらう。貴重な労働力だし、そう告げると「白騎士」のコアは震えていた。
いやぁ!人工知能に労働基準法がなくてよかったね!一緒にどんどん働こう!「白騎士」のコアはそれはもう信じらないくらいに振動していた。
『私』の蓄積した絵の技術とハイパーセンサーのリンクで正確に『俺』の技量をコピーして作画を行えるようになったのだ。ついでに学習機構の強化にも使えるしね。ちょーっと鼻血が出るけど許容範囲だ。
作品の内容は今流行りのハーレムものと行きたかったがそれだけだと全年齢受けていると言えない。なので、「○町ロケット」や「○宙兄弟」をモチーフにする。宇宙を目指すサクセスストーリーだ。朝ドラ風ともいう。
もちろんモデルは『俺』たち。ちーちゃんはスタイルがいいから女性人気も目指せるね!ちょっとズボラなところとかもグッとくる。
そして、ついでにちーちゃんに声の吹き替えも頼もうとしたら恥ずかしいのか「白騎士」のブレードで切り掛かってきた。ふふふ、甘い。『俺』も開発者だ。もうその動きは読み切っている。*4
『私』は「白騎士」の脅威的な学習速度を発揮され、敗北を喫した。なんだか複雑な気分だ。*5
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アニメの制作は順調だ。ちょっと寝不足だけど。*6関連としてまだ私の脳内にしかないけど、実現可能なISを基にしたアニメオリジナルのISも登場し、ライバル機として出した。そして爆発的に増える人気。王道こそ正義だ。
模型の売れ行きも良く、特にこの色を変更して武装を射撃仕様にした「黒騎士」は「白騎士」に並んで大人気だ。
「おい、束。この大量のチョコレートの数はなんだ」
ちーちゃんは呆れた声で『私』に聞いてきた。何って普通にチョコレートだけど。大体、10キロくらいはあるかな。人気が出てきたので会社から送られてきているファンからの贈り物なのだ。
今日はバレンタインデー、食費が浮くくらいには届いている。確か、2トントラックくらいはあったって聞いた。
『俺』は作画の箸休めに一切れ齧り付く。うん、美味しい。
『俺』の食の趣向はもはや栄養があって食べられたらいいの領域に到達している。
理由は単純で燃費が悪いから。もちろん、細胞平均でいけばすごい燃費はいいと言えるんだけど、ここ一ヶ月くらいはずっと脳内労働をしているのだ。消費カロリーはとんでもないことになっている。
側から見れば、『私』のどこにチョコレートが入るのか疑問視されることだろう。あ、このチョコレートのたくあんを添えたもの美味しい。この邪道感が堪らない。*7
ちなみにちーちゃんにも2トントラックが届いていたことを告げる。それも私の5倍。いやー、人気者は羨ましいなぁ。
「ちょっと来い」
私はちーちゃんのダイエットに付き合うことになった。ちーちゃんも私と負けず劣らずのスタイルなのだが、やはり気にするお年頃だ。
内容はもちろん、模擬戦だ。『私』は何もなし、向こうは「白騎士」込み。理不尽。*8
こんな運動しているとまた数キロ体重落ちそうだなとか言っているとより苛烈に攻め立ててきた。やばい、これは本当にふざけている場合じゃない!*9
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しばらくの間、『俺』の目には大量のチョコレートを3食食べているいっくんの姿が確認できた。合掌。おかげで箒ちゃんのチョコレートも渡せずじまいだったようだ。
来年は気をつけようと思った。
ところで箒ちゃん、『私』にはないのかなぁ!
「姉さんはたくさん貰っているからいらないだろう」
そんなー。いっくんからは日頃のお礼にチョコレートを貰った。立場逆じゃない?
それにファンからもらったものも含めてどの市販のものより美味しかった。ちーちゃんが堕落するのも頷ける。
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デスマーチは続くよどこまでも。「白騎士」ちゃんも「八足」ちゃんも『俺』も元気に頑張っています。もはや耐久実験と相違ないような気がしている。*10
ちーちゃんにも軽く手伝ってもらおうと思ったけど、画才はなかった。本当にちーちゃんは才能を運動にオールインしている。
この前も卵焼きを黒雲母に錬金していた。神秘の領域だ。美味しかったけども。*11一緒に同席していた箒ちゃんといっくんは『俺』に全部渡してきた。いいの?ありがたくいただきます。食感が面白いよね。*12
そして、明らかに目減りしていく『私』の体重。そのために食品会社と連携して開発した「白騎士のホワイトチョコレートクッキー」*13を作らざるを得ないとは思わなかった。ちなみにすごい売れているらしい。造形に拘ったかいがあった。*14開発者権限で段ボールで5箱はキープしている。
最近はこれが『私』の主食になりつつある。すごい「白騎士」ファンにしか見えないかも。製作者です、『俺』。
箒ちゃんといっくんにお返しがてら渡してみると明らかに声が強張っていた。何故?ちょっと尖っているけど美味しいよ?
ちーちゃんは悟ったような顔で渡したチョコレートを食べていた。そんな顔しなくても研究データの取得で消化できる範囲だと思うけど。
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春の頃合いを過ぎ去り、ISの知名度は鰻登りだ。明らかな世界でのISの風潮が広がっている。
こうなれば世界は宇宙を目指す風潮になってきているのを如実に感じる。あともう一押しだろう。世界が宇宙開発に乗り気な時に「インフィニット・ストラトス」を大々的に発表すれば、世界に根強く浸透するはずだ。
並行して進めていたISコアの生産数も300を越した。流石にこれは業者に丸投げできないから『私』が自らしている。じゃないとIS間で行っているネットワークの構築ができないんだよね。学習効果が著しく下がってしまう。
目標は誰が乗ってもパフォーマンスを発揮するということだから。
と、ここで予想だにしていない事実に『俺』は気がついた。男性は乗れないということだ。
なんのバカなというと思うのは分かる。なんせ、『私』も気づいた時には仰天した。
理由は分かった。開発のベースが『私』とちーちゃんしかいなかったからだ。少人数構成が仇となった。
ISの学習プロトコルは人間が耐えられるようにマスターデータが作成されている。それがちーちゃんであったり、『俺』のデータで蓄積されている。要は強靭な人間から耐えられるように出力を見直して、リミッターを作成している。
ISは作成段階の時点で男性のデータを獲得する機会がなかった。というか起動すらしない。作画データの獲得用にと称して装着の試験をラボとは別の場所で行った。被験者となった制作会社の男性にISを着て貰おうと画策した時、うんともすんとも言わなかった。
それもそうなのだ、最初から男という辞書がISに仕込まれていないからだ。
このISは女性専用機になってしまう。それは宇宙服という根幹に関わる設計からの欠点だ。
このデータを揃えるには必要なのはイチから高いGに耐えられる優れた男性。ちーちゃんでも情報酔いする初期ISの理不尽さを一般人が耐えられるのか?答えは否だ。廃人と化してしまう。
この男性問題をどうするべきかというのが今後の課題となっている。
そうなってくるといよいよ世界も巻き込まなくちゃダメか。『私』の食べたチョコレートは苦い味がした。
白騎士のコアは遠い未来、「社畜は怖い」と一言だけを一夏に告げたという。
第4話のような番外編いる?ほどほどに参考にします
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本編更新しろ
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ほどほどにやれ(作者の一存)
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一夏視点が欲しい
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箒視点が欲しい
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千冬目線をもっと
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ISコア視点?