束さんがやっつけちゃうぜ! 作:かきごおり
・彼女の所感について
篠ノ之束には二面性がある。
そう気づいたのはつい最近だ。彼女のその二面性はかなり癒着しているので見分けがつき難い。一番接している私だから分かったことかもしれない。
現に箒はまだ気づいてはいないようだしな。…一夏はあいつは他人の機敏に疎いからな。まだ2人とも幼いというのもあるだろうが…
前提として彼女はあまり他人に興味を示さない。私や一夏、後は彼女の両親や妹の箒だろう。それと、同じ部活動の人間はある程度記憶に留めていると思う。
それ以外の人間の名前を覚えようとすらしない。最初から興味を逸している。
初めて会った時、忘れもしない。
目だけ笑っていない物静かな少女だった束は私が自分と話すに能う人間であると一目見て判断すると、私の名前を訪ねてきたのだ。初めて記憶するに値したかのように。
何が彼女の琴線に触れたのかは定かではない。小学生それも低学年の時だけだが、あれが束の本性の一つだろう。最近はうまく隠すようにしている。運動能力などが顕著だな。
それに関連して私の弟の一夏も「いっくん」と呼んでいる。私の弟だからだろう。彼女のハードルは身内だと僅かに下がるらしい。
それ以外で他人と接する束は冷たい。
もちろん、彼女は学校での生活は至って真面目だし、積極的とは言えないが交流もしている。私の見ていないところでもバカをやっているが、あれは本人なりの欠点の演出にすぎないだろう。天才性を誤魔化すために。
覚える気のない束は担任の教師のことを「先生」としか呼ばないし生徒も「君」だけでしか呼ばないことに気づいた時、末恐ろしささえ感じた。
彼女の見えている世界は一体どれだけの名前があるのだろうか。いや、残っているのか。
話が逸れたな。
二面性の話だったか。彼女の一人称だが、基本的に「私」を使っている。
私と一夏が路頭を迷いかけた時、「俺」が出てきたことがあった。あれが彼女のもう一つの、いや
それ以来、彼女が私の両親の名前を口に出すことは無くなった。興味を逸しているのだろう。私に負い目を与えないようにふざけることが目に見えて増えたのも気のせいではないはずだ。
冷徹・合理主義な「私」と温厚・非合理主義の「俺」とでもいうべきか。
「私」と「俺」、普段はそれが絡み合っている。非常に目立たないくらいに。現にアイツの言動に破綻はほとんどない。
本当に趣味趣向の僅かなブレでしかない。テンションが著しく上がっている時やほとんど寝ていない時、その境目が顕れる程度のものだが。
・ISについて
名前は私と束で決めた。決めさせられたというべきか。これが二人の研究だと定義したいのだろう。
あいつはいつも突然に物事を進める。勝手に研究所をこしらえて遊んでいた姿には頭を抱えた。どこからその資金が出てくる。しかも、私以外にはバレずにだ。私が弁明をしていなければ、今頃奴は道場でひたすら木刀を振るだけの機械になっていただろう。
そもそも、束は宇宙にこだわりはなかったはずだ。少なくとも小学生の頃は。私と共に剣道をしていたあの時、あいつはひどくつまらなそうな顔をしながらも剣道に打ち込んでいた。
小学校を卒業する頃までそうだった。「剣道」を辞めると言ったあの頃時の奴の顔はどう見ても。
それでも奴の手のタコは治っていない。完全に捨ててはないと思いたいが…
中学に入ってからだな。あんなに宇宙に関心を持ち始めたのは。そこから奴の脱走癖は始まっている。
ISの話だったな。あいつのことになるとすぐに話が逸れる。
開発だが、ほとんど私はテストパイロットだった。それ以外の全てを束が独学で熟している。
顔に出にくい体質だったが、アイツはほとんど寝ていないというのは流石に一回怒った。まだ、お前は13歳なんだぞと。
それを言うとアイツは僅かに笑ってごめんとしか言わなかった。
束はそれからもほとんど眠らなくなった。眠らないように体が最適化したのだと本人は言っていたが、無理矢理連れて行った健康診断で全て異常なしの健康体そのものと言われたら私も下手に口出しできなくなった。
その代わり、模擬戦には全力で挑ませてもらう。気絶させるつもりじゃないと束はまとまって寝ない。アイツも対応してくるのでいい練習にはなっているな。
食事量も増えたな。体が消耗に追いつかないらしい。大体なんでも好んで食べるな。
流石にあの大量のチョコレートを一人で
1つもらった一夏と箒がトンカチで叩き割りもって2週間かけて食べてたぐらいだ。味はいいんだがな。量が尋常じゃない。
私か?私は、半ば諦めている。束に運動量を調整されている節すらあると感じている。
流石に私の作ったものを躊躇なく食べるのには引いた。一夏ですら躊躇していたぞ。アイツは木の根を食べても美味いと言うんじゃないかとすら冗談抜きで思っている。極端に旨さの閾値というのが低いんだろう。
ともかく。
束は働きすぎる。定期的に見ておかないとすぐに徹夜もする。本人はあれで自制できていると思っているのがなんとも言えん。
研究自体は私自身、楽しく感じている。最初は大変だったが、空を飛び回るというのは面白いものだ。アイツの夢を見るのもな。
そう思っている。
・アニメ「インフィニット・ストラトス」について
ああ、私の悩みの種だ。
が、アイツの夢であるISの布教に必要だと言うから渋々納得している。本当に渋々だがな。
私モチーフのキャラクターは美化しすぎだとだけ言っておく。一緒に見ている一夏の羨望の視線が痛いんだ。
目的はISの知名度向上、と言うよりは世論を掴むために行なっているそうだ。宇宙進出のための意識改善だな。
国という森を動かすために国民という葉を動かす、アイツにしては考えている計画だ。
日本での知名度はもちろんのこと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなど幅広い層が見ているそうだ。
特にドイツは軍の特殊部隊から熱烈なファンレターが来ていた。しかも練習した跡が見られる日本語で綴られた長大な手紙と日本語で感謝を伝えているDVD付きでな。束は珍しく笑っていたが、私は頭を抱えたぞ。
いや、本当にな。
グッズの売れ行きも好調だそうだ。この前、一夏と買い物に行った際にキャラクターのロゴ入りTシャツだったり、食玩なんかも売っていたし、店内BGMで束の作曲した曲も流れていた。
歌に関しては束の声で歌っている。少々音痴だが、あれで受けているのは私がおかしいだけなのか?
時々思うが、束の商魂逞しさには脱帽するな。
一夏も自分の部屋に「白騎士」のプラモデルを飾ってあるからな。あれも正直私にはキツイものがある。
言っておくが、私は「絶対に宇宙に行ってみせる」などというセリフは言ったことがない。脚本に関わったことはない。断じてな。
実写化の話もあったが、私は本人役では絶対出ないぞ。土下座まではするつもりだ。そこは譲れん。
・「白騎士」について
なんだ、その質問は。
そうだな。私もデータ作成を手がけているがよくやっているとは思う。束の無茶振りに対応している点でな。
それをいうと「八足」の方もか。まさか、ISコアにアニメーション作成に駆り出すとは夢にも思っていなかった。
束のことはよくわからない時がある。
・Dr.束の弱点について
お前も大分人間味がでてくるようになったな…誰に似たんだ?私か?束か?
奴に弱点はない。こと戦闘面ではな。
そもそもISの模擬戦でデータを取りながら十分な性能を引き出す生身の人間を束以外にいるとは思えん。初見の技術だけは少し動きが鈍るが、模擬戦だけだろう。
アイツの無茶振りに付き合ってやれ。それが子の責務だと思うぞ。
・そこをなんとか
よっぽど、あの時の映画の作成が身に沁みているようだな。確か2週間連続だったか。
正直、同情もするが…
強いて言うなら妹の箒だな。妹からチョコレートをもらえなかったのが、よっぽど堪えたらしい。
珍しくふて寝を決め込んでいたし、慰めるのには苦労した。一夏がチョコレートを渡してなかったらもっと尾を引いていたと思う。我が弟ながらそこは尊敬している。あれでもっと他人の機微が分かればな。
・では、対処法は?
ない。
美術部の連中曰く「自然災害に抗おうと思うのが間違い」だそうだ。そういう意味なら奴は「天災」ということになるな。本人に言うと心外だとでも言うだろうがな。
・ところでこの研究初期の映像データですが
おい!どこでそのデータを発見した。ログを全て開示しろ。
今すぐにだ。
・この後、20分程度回答者が暴れたため強制終了
・データ再生終了。尚、この記録データは秘匿領域に保管して、ISネットワークにアップロードすることにする。
裏で「八足」ちゃんは今日も束と一緒にアニメ作りに勤しんでいる
第4話のような番外編いる?ほどほどに参考にします
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本編更新しろ
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ほどほどにやれ(作者の一存)
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一夏視点が欲しい
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箒視点が欲しい
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千冬目線をもっと
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ISコア視点?