束さんがやっつけちゃうぜ! 作:かきごおり
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北極に大陸はなかったので一部表現を変更しました
銀世界より
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絶賛国際逃亡犯と化して世界から狙われている世界の女。どうも、『私』です。人気者になりすぎたね『俺』も。まさか、変装必須になるとは。空港経由では入国できません。
いや、寒すぎ。炬燵に入ろ。
『俺』の長いまつ毛もこの外気温に晒されて凍りついている。なんなら、周囲は吹雪いている。お手元の気温計は-10.2°、風込みなら体感温度は−20°は固いか。
まあ、『私』の細胞スペックに限れば凍るだけで抜け落ちたりはしないんだけど。つくづく肉体スペックが凄まじいね『俺』。
ISスーツの技術の進化と『俺』の研究によって耐寒性能も獲得した不思議の国のアリス風ドレスなのであった。どうしてもデザイン上、露出してる部分があるって?そりゃもう気合いです。お洒落は戦争なんだ。
そう、ここは北極。見渡す限りの銀世界。後、ペンギン。あれ?シロクマじゃなくて?
まあいいや、『私』がなんでこんな人の居住権でもないところにいますかといえばもちろんお分かりでしょう。
そう、IS開発だ。ラボをここに設立しているのだ。この前にISじゃないといけない深海にある開発拠点があると言ったけどそれがここだ。北極の地下深くに建造している。全て水の大陸の地下だ。
こんな辺鄙な場所に建設するのは大変だった。「ゴーレム」ちゃんもまだ自動で制御できないから『俺』が常に監督しなきゃいけなかった。
量子格納の発展で運搬技術が飛躍的効率化したおかげでなんとか間に合った。
エネルギーは地殻が近いので熱エネルギーでそこから貰う。水分は北極の氷をちょちょっと貰う。うーん、このエコ生活。食事は栽培すればいいしね。苔とかしか生えないけど。寒すぎて微生物すらいないんだよねここら辺。
この建設工事を並行してると流石に『俺』はISに乗れなかった。ISは『私』の容量を使いすぎる。「ゴーレム」も二機運用が精一杯だった。一人じゃんけんをずっとしている感覚が近いかな。
『俺』の苦労話はここまででなぜ『私』が行方を眩ましたのかについて。みかんでも食べながらと思ったけど冷凍通り越してた。釘打てるって本当だったんだ。
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あのISの世界大会「モンド・グロッソ」だったけど、明らかにきな臭かった。『私』やちーちゃんの血液や毛髪のDNAデータなんかを掠め取ろうしたり、酷いのは睡眠薬*1や自白剤*2を仕込んでたりしてた。
精神が二つ分の『俺』からすればそんな薬なんてわけない。強靭すぎる細胞込みで即座に解毒したので効かなかった。味も変だったし、テトロドトキシン*3もイボテン酸*4なども入っていたかも知れない。取材の時とかが顕著だった。
おかげで大会期間中の私の大体の食事は「ゴーレム」に仕込んだカップ麺だけだった。ちーちゃんの分は選手故に監査が入ってたけど『私』の分はそうはいかないよね。
企業、政府、後は裏の界隈なんかが執拗にやってくるものだからしつこい。ISの開発データや『私』自体が狙いだろうなのが見え見えだけど。
それに取材や挨拶回りで時間を取られて、宇宙を目指すという目標も遅々として進まない。学校の時はちゃんと一日の半分くらいは開発に使えたけど、移動時間だけでおじゃんになる。最初の数年間は我慢してたけども。大会も区切ったし丁度いいかなって。
いいかげん、フラストレーションというものが『俺』の中で高まってきた。ので、少し放浪の旅に出ようと思う。
研究施設や1.5世代版「白騎士」はそのまま国連に献上だ。第二世代開発に役立てて欲しい。コアだけは差し替えておいたけど。データ的には同じものを詰めている。
後、「モンド・グロッソ」の会場跡地になった人工島の利用プランだ。あれだけの興行収入があったんだ。次はウチの国でってなるはず。連続で人工島が会場にはならない。
これは『俺』の総合商社に投げたのでなんとかなるはずだ。IS普及には必要な施設だから。
この数年間で地球周辺に浮かぶ人工衛星を始めとする監視網や防空圏の手薄な場所もシミュレーションできた。そのためにプライベートロケットなんか使って世界を飛び回っていたんだ。
そう思うと取材も悪くはないなと思う。毒を盛ってくること以外はね!
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これからはより実践的な研究データを取得していく。
大気圏の熱の壁の実験データ、及び大気圏外での短期的宇宙活動。軌道計算の習熟。後は宇宙空間でも効率の良いスラスター開発などなどやることは山積みだ。他に構ってはいられない!
大凡、国連の許可が必須だけどここは条例を押し通した甲斐があった。
・ISの開発において、極めて重要な研究や発明と判断された場合、国境関係なく平等とする。
本来は国家間での共同訓練などに使われる想定だったんだろうけど、『私』がやっているのは間違いなく重要な研究で、かつコストの関係からまだどこもやりたがらない研究だ。
なら、率先してやってしまおう。こっそりやるしバレてもとやかく言われない。5万フィート以上でやるつもりだし。
まあ平等なのは国境じゃなくて大気の境だけどさ。
『私』のしばらくのスケジュール的に6割地上、4割宇宙くらいの頻度のペースになると思われる。精々、『俺』を探し回ってくれたまえ。ワハハ。
現行のISだと無理だし、仮に到達できてもすぐに感知できる。ハイパーセンサーの強化は抜かっていないのだ。
ついでのサブプランで『私』の秘書探しと男性搭乗者探し。おまけで怪しい奴は叩きのめすことにしよう。暗躍の『俺』をすることにする。仮面でも作ろうかしら。
ちーちゃんや箒ちゃんには書き置きと連絡先を残してあるし。なんかあったら『俺』に掛けてくるだろう。
けど、一ヶ月経っても二人ともから掛けてこないのは少し不思議。ちょっと寂しいかも。
それとも『私』って頼りない?
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ひたすら燃え続ける「ゴーレム」ちゃんのデータを監視しながら、『私』は成層圏に佇んでいる。
戻ってきたところでありったけの冷却材をぶちまけ、燃料を積み替える。
タイムは5秒縮んだね、よし。「ゴーレム」を再び宇宙へと飛ばす、後12セットだ。飲もうとしたジュースも当然外気でカチコチなのでかき氷感覚で食べることになる。−8°だと適当に放置してても凍りつく。みんなも成層圏に行った時に試してみると良いよ。
現在、『俺』がやっているのは耐久試験だ。ついでに効率のいい燃料の配合のテスト。
そこでシールドエネルギーを開発した。開発というよりは強化が正しいか。
ISコアから出力する非実体の防御壁。今までは装甲に重ねがけして機能させてたけど、出力が向上した今なら単体でも機能すると踏んでいる。
ISスーツの防御性能向上も一役買っているね。
今ではISの半分くらいは生身でも機能する。肩・胸・腰・腹部・アーム・レッグ。後はスラスターで完了だ。
人体関節の方が柔軟性があって色々便利だ。『俺』の装備しているISも同じ理念の元、設計している。
名前は「
現在やっているのは「ゴーレム」を意図的に強度を落として人体相応のものにしてからのシールドエネルギーの効果実験。
大気圏を離脱しては突入を繰り返す耐久試験を延々と行なってもらう。まさしくこれが
あっ、燃え尽きた。しかもパーツも爆発四散だ。
流石にこれらを地上にばら撒いたら流星群どころの話じゃない。『私』が回収用に待機させている「ゴーレム・多腕仕様」*5を起動させて、『俺』も唯一残ったISコアを回収に向かう。
記録は連続154回か。結果としては微妙だし、シールドエネルギーが無くなった瞬間に燃え尽きたのは不味い。
対策を練らないと。非常用の防御システムとかISコアのネットワークにいいのないかな。「絶対防御」システム?なるほど、良いアイディアだ。
そんなことを繰り返しながら『私』のここ一年間はこんな感じ。結構、充実している。男性搭乗者は見つかっていません。ISの進化に応じて男性も進化してくれると良いのに。こう目立ってくれると探しやすいのに。光ってくれないかな、今も流れている「ゴーレム」みたいに。
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『私』に秘書が出来ました。
良い拾い物をしたと思う。某国であった実験施設。規模の割には設備も良かった。あそこの周囲一部だけ不自然に地域一帯の哨戒ルートが怪しかったので研究の箸休めに襲撃してみたらこれだった。この為に作った隠蔽用マスクが光って唸る!
少し嫌な気持ちになったけど。暴れたのでセーフだ。
『俺』が研究員の人にお話を伺うと肝心の研究テーマはデザインベイビー。どうも『俺』がISを研究する前からやっていたみたいで「人間を超える人間」というコンセプトだった。世間がIS一色に染まったせいで研究が滞っていたようだけど。
もちろん、非合法だったので『俺』は地元の警察署に匿名で連絡入れておいた。きつく縛っているし、手早くやったせいで荒いところもあるから、早めに寄越さないと鬱血でアザが酷いことになるかもしれない。気絶してるから自力で助けを呼べないしね。*6
そこでの唯一の研究成果が銀髪美少女のクロエ・クロニクル。折角なので保護した。『私』は愛称で「くーちゃん」と呼ぶことにする。
くーちゃんは色覚系の強化の為にDNA改造を受けていた。変質しているのか黒い眼球と金色の虹彩に変化していた。一度だけ診察のために見たけど、個人的にはなかなかキュートだ。身体能力も現段階でちーちゃんの三分の一くらいの出力がある。
ちーちゃんがバグすぎるから弱く見えちゃうけど、一般基準だとオリンピックで世界記録狙えるくらいかな。
彼女はコンプレックスのようで滅多に瞼を開かないし、そのせいで色々*7なものにぶつかったりするドジっ子ちゃんになっていた。
ちーちゃんなら目を瞑ってもいけるだろうけど、*8研究所から出たことのない女の子がいきなりは無理だよね。
そこで『私』は少し考えた後にISをくーちゃんに渡すことにした。ちょっとくすぐったいけど我慢してね。
名前は「黒鍵」。『私』謹製のくーちゃんの身の回りのサポートをするために開発した生体同期型のISだ。
ISを展開しなくとも常にハイパーセンサーを常時起動。目を瞑っても使えるように調整した機体だ。
物理的な装備やISの装甲を排除している異例な構成だけど、空いた枠に電脳戦ができるように内部を弄り回した結果完成した歪な試験機。
異常反応はなし、良かった。
こういったふうに医療技術の応用にもISが使える。『私』の前にいくつか作った論文にも可能性としてあるかもね程度の示唆だったんだけど、まさか『俺』が実証することになるとは思わなかった。
こうなった以上はIS、しかも『私』オリジナル機体を渡した以上はここで、『さよなら』とはいかない。『俺』の逃亡生活に付き合ってもらう。
「黒鍵」の使用感や、日常的にハイパーセンサーを使用する際の違和感の修正。後は電脳戦というおまけの性能試験などをやってもらうことにする。こうなった以上は『私』の実験の糧になってもらう。
後は部屋の掃除とか出来たら食事とかもお願いできると嬉しい。自分で作るとどうしても栄養価でしか見ないし。掃除も自分一人と「ゴーレム」数機だとする気が失せるというか。
そう告げるとくーちゃんは泣き崩れた。
いや、あんまりハードだと大変だから徐々に慣らしていこうといったらもっと泣き始めた。『私』の告げたのってそんな大変な業務内容だっけ。
箒ちゃん以外に年下の女の子と接したことがないから、何もわからない。助けていっくん!!
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くーちゃんの事務能力がかけ離れている件について。
『俺』が頭の中にあるからと適当に放置してあった資料とかも整理整頓とかしているし、面倒臭くて放置していた掃除もいつの間にかピカピカになっている。
なんなら、地上活動なら自立行動可能になった「ゴーレム」に指示を出して効率的に作業している。下手したら『私』より「ゴーレム」の扱い上手いんじゃないかとすら思える。
『俺』が大量にストックしていたカップ麺は、賞味期限が切れてたものは片っ端から捨てられるのが難点だけど、まだ食べられるのに。*9
『私』の服装に合わせて製作した白と青のゴスロリ風のドレスも合わせてどこぞの貴族かってくらいの立ち振る舞いだ。
しかし、似合っている。「ゴーレム」にもああいう服装を着せて統一感を出した方がいいのかもしれない。『俺』としてはメイド服とか?*10
後、料理も美味い。このゲル状になったアメーバ系のピンク色の食べ物*11とか。ほぼ炭みたいな味がするカレー*12とかも感触が面白い。栄養素は今後の課題かな!ちーちゃんよりは才能あると思う。
そういうとすごい複雑な顔をするくーちゃんなのであった。いや、気にしなくてもいいよ。一時期、『私』の食生活チョコレートだけだったから!
そういうとくーちゃんは『俺』に説教をし始めた。逃げようとしても「ゴーレム」に囲まれる『私』、こういう時だけ連携するの誰に似たんだ。
もしかして、『俺』のせいか?
料理スキルは一夏>>箒>おいしい料理>束>料理の壁>>材料単品>>>千冬≧クロエ
・束の評価基準は栄養価>味なので大体なんでも美味しいと言う。自分で料理をする場合、栄養価を重視するので味はまともだけど高カロリーなものになる
・某未来のイギリス代表候補生のサンドイッチも束なら美味しいと言って完食する。栄養価はあるため
本当ならここらへんまでを3話にまとめる予定でした
アンケートありがとうございました