~ナレーションサイド~
悪魔学校バビルス。全6学年、在校生666名
数多の悪魔が共存する学内で、その秩序を保ち、監督する集団こそ高潔にして冷血悪魔のエリート―――それが生徒会である
「悪魔が下らん悪行をするな。どうせなら(バゴォォン!)」
アメリは壁を蹴り壊す
「壁くらい壊せ」
「カッケー!さすが生徒会長!」
「悪魔の中の悪魔だ!」
他の生徒は憧れる
「会長、特待生の入間と信彦ですが、教室にはいませんでした」
「それと、例の木ですが調べた所、不審な点は特になし。珍しい色で美しいと評判になっていて、見物客で大賑わいでした」
「呑気なものだ」
「そういえば会長、あの木と人間がどうとか仰っていましたが…」
アメリは足を止める
「まさか会長、人間なんて信じてんじゃ―――」
「オイ、バカを言うな。そんなわけないだろう」
「アハハ、ですよね。人間なんて迷信ですもんね」
(いる。人間はいる!一部のハイランク悪魔にしか知らされていないが、人間と悪魔は古より欲を糧とした契約関係にあったのだ)
アメリは手帳を開く
(今、私は一つの仮説を立てている。特待生入間と信彦、コイツらが人間であるという仮説に)
「後は任せたぞ」
「イエス、ボス!」
メンバーは見回りに、アメリは生徒会室へ入る
(そう、私は知っている。人間が実在するという真実を、人間の存在を証明する確かな証拠があるのだ)
アメリが唱えると、本棚が開く
アニメ見て思ったんだけど、スライドじゃないのね
「(それは、我が家系に代々伝わりし秘蔵の品にして、人間界の事象を記した禁書)よし!」
アメリが開いた本、それは少女漫画『初恋メモリー』だった
てかさ、『爽やかさを狙う悪の組織』って何だよ
「(キュゥゥゥン)文字が読めないから、何と書いてあるかは分からぬが、どうにも気になる…!っ!」
アメリは気が付いて正気に戻っ…てるの?コレ
(思わず見入ってしまった…!禁書の名に恥じぬなんと恐ろしき力!どうやら、この女はこの男に惚れているようだが…。ぶつかっただけで惚れさせるとは!こ、これが人間の
※違います
~ノッブサイド~
おいっすー。俺の使い魔、ドラコーでもいい気がしてきたノッブだ
俺は今、用務員らと一緒に壊れた壁の所にいる。どうやら、窓を割るのを防いだ生徒会長がやったようだ
用務員から聞くに、ランクは6で相当の実力を持ってるようで、名前は『アザゼル・アメリ』のようだ
「あ、俺なら直せるかも」
「それは本当かい?」
「ちょっと離れてな」
デザイアドライバー*1を腰に装着して、シーカーのIDコアを嵌める
続けてパワードビルダーとギガントコンテナをドライバーに装填する
<SET WARNING>
「変身!」
警報音が鳴り、レバーを開く
<WOULD YOU LIKE A CUSTOM SELECTION>
俺は仮面ライダーシーカー*2に変身し、ギガントブラスターをパワードビルダーに入れてレバーをもう一度開閉する
<GIGANT BLASTER>
ギガントブラスターを召喚して、モデリングマテリアルを出力し、破壊跡に向けてブラスターからセメントの様な液体を出し、壁を修復していく
「それにしても、窓を割るの防いだならそれでいいってのに、何で壁壊したんだよ。用務員にも迷惑掛かるんだから、壊すのは止めてほしいんだがな。…ほら、直ったぞ」
「おお!ありがとう!」
修復作業を終わらせ、掃除用具を持ってる入間と合流する
「よっ、入間」
「…あ、信彦君か!」
「オイ、今の間は何…あ、変身を解除すんの忘れてた」
今気づいた俺は変身を解除する
「今のって信彦君の?」
「ああ。今のは…ってオイ!前!」
入間は角でぶつかってしまう
「す、すみません!大丈夫ですか?」
ぶつかった相手は赤ロン毛のようだ
「怪我は無いですか?…あの」
「貴様、名を教えろ!」
赤ロン毛は立ち上がってそう言った
「え?入間ですけど…」
「信彦だ」
(入間、信彦、コイツらが…!使い魔召喚では悪魔と究極の生物を召喚し、ランクは全て特定不可能!魔界には無い木を出現させ、そして…ぶつかって私に惚れさせようとしている!間違いない、コイツらは…)
「もごっ!?」
赤ロン毛は入間の頬を手で挟む
(コイツらは…、絶対に人間だ!)
(何だろう、この状況…!?)
赤ロン毛は一息つく
(落ち着け、落ち着くのだ私。成すべき事をしなければ!魔界に人間がいるなどと知れたら大騒ぎになる。魔関署警備長の父に連絡して、然るべき機関へ移送する!生徒会長として、学園の秩序を乱す芽は摘み取り燃やす!)
「(やっぱり、ぶつかった事怒ってるのかな?)あ、あのすみm「オイ、その手を放せ」
俺は赤ロン毛を睨む
(先手を取られた!?やはり危険…!一切の動きも見逃せん!)
「もう一度言う、(カチャッ)その手を放せ」
(え、じゅ、銃!?)
赤ロン毛にカヨコのハンドガン*3を向けると、手を放して距離を取り、何かを落として俺はそれを拾う
「(し、しまった!)そ、それは…」
「初恋メモリー?」
「懐かしい!」
「知ってるのか雷電!」
「僕、毎週読んでたんだよね。特に桜の下で告白するシーンがよくて!凛ちゃんと翔君の距離がグッと近づくって言うか…」
「ちょっと見せて」
俺は初恋メモリーを読む。…ん?
「王道っちゃ王道なんだけど、途中から訳分かんねぇ事になってんな。爽やかさを狙う悪の組織って何だよ。コレ、ホントに少女漫画なの?」
「き、厳しい評価だね…」
「伊達に色んな漫画やアニメ見てねぇんだわ」
「…貴様ら、その本が読めるのか」
「あたぼうよ。それにしても何で漫画がここに?だってここって魔か…」
あ、そういやここ魔界だったんだわ!
赤ロン毛の方を見ると、目を輝かせてた
「読・め・る・の・だ・な?」
「は、はい」
「お、おう…」
「で、ではコレは何と読む?」
「「転校生の青空翔」」
「で、ではコレは?」
「「ドキドキ」」
「コレは?」
「「キュンキュン」」
「一緒に来てもらおう」
そう答えると、赤ロン毛は俺と入間を掴んで、引きずりながらどこかに行く
(ひ、ひぇぇぇ…)
(入間、何かあれば釘で相手する)
(釘!?あんな小さい物で勝てるの!?)
(お前の知ってる釘とは違うけど、人だとバレて殺されるようなら倒す)
(オージャカリバーは!?)
(釘の方が追加効果付与できて多彩なんでね)
部屋に連れてかれる…が
「あの、これ…」
「…くれ」
「あんて?」
「ろ、朗読してくれ」
「朗読って、初恋メモリーを?」
「そ、そうだ!」
そういや、悪魔は日本語が読めないんだっけ?
人間ってバレたら釘*4で応戦すりゃいっか
「は、早く読め!」
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朗読してると外が暗くなる
「ってうわ!外真っ暗!」
スマホを見ると、爺さんからの着信履歴が多かった
「入間!とっとと帰んねぇと、爺さんにドヤされるぞ!」
赤ロン毛は俺と入間のスマホを取り上げ、何か入力する
「私の番号を登録しておいた。呼び出したらすぐに来い!」
「え?」
「ヴェ?」
「誰にも喋らず2人で来い!いいな!」
「は、はい」
「ウァイ!」
「では」
「あ、あの!名前を…」
「…アメリだ」
成る程、コイツがアザゼル・アメリか…
「い、入間です…。よろしく…」
「…信彦だ」
俺らは家に帰る
(な、何だったんだろう?でもちょっと楽しかったな)
トレーニングメニューに釘を追加しようかな…?