「なぁジブリール。お前って他人のプレイしてるゲームを楽しんでみられるタイプ?」
「そうですね。内容によりますでしょうか。ハイレベルな戦いであれば参考になりますから、興味を持つことはあると思います」
「そうか。俺は全く面白くない。何にもすることないし。何が楽しくて観戦なんかしなきゃならんのかっていつも思ってたわ」
「では、今もそうなのですか?」
「ああ。審判役って言っても、どっちかが戦闘不能になるまでなんもすることないし。変わってくんない?」
「マスター。私も審判役です。変わっても同じでございます」
「確かにそうだな。くそ。思いだしたら腹立ってきたわ。いつもゲームしてるところを見せるだけ見せて、「これは俺のだからお前にはやらせてあげねぇ」って貸してくれなかった杉村の顔」
「誰ですかそれ」
ゲームが始まり、次の日を迎えた。
白の生活態度が分からなかったので、朝方6時くらいに少し早く起きて白の様子を見に行ったのだが、流石に起きてはいなかった。
白が起きたら知らせるようにジブリールに見張りを任せ、王城の厨房を勝手に借りて、白の分の朝食を作っておいた。
どちらかのメリットになる行為は禁止となっているので、しぶしぶクラミーの分も用意した。
まぁ結論を言うと無駄になってしまったが。
白に関しては昼過ぎまで起きてこなかったし、クラミーからは「施しはいらないわ」と一蹴されてしまった。
ゲームが始まってから、約一日が経過した。
ようやく白が起きたようだが、なにやら様子が変らしい。
兄が消えてしまったから、動揺するのは当たり前だが、ステファニーの様子に面食らっているんだとか。
今は兄を探すために城内を駆け回っているそうだ。
可哀想だが、ゲームのルールによって俺達は事情の説明はできない。
だから、俺達の身の振り方も考えなければならないのだが。
「ジブリール。白が目覚めてから、お前は白と会話をしたか?」
「いえ。白様が目を覚ましてから、マスターにこのことをお伝えするまで、白様とは会話どころか顔を合わせてすらおりません」
よかった。先に白と会話しちまってたら、俺達が何か口裏を合わせても、矛盾が生じてしまう可能性があるからな。面倒なことにならなくてよかった。
「そうか。ステファニーの様子がおかしいって言ってたが、どんな風にだ?」
「空様に関する記憶の抹消及び改ざん、そして白様もドラちゃんも、今回のゲームに関する記憶は失われており、今現在どのような立ち位置に存在しているかがわかっていない様子でございます」
「だったら、俺達もその設定に従って動く。空に関しては明言せず、ゲームに関する一切を口に出さないようにする」
「承知いたしました」
「まぁとりあえず白に会わないとな。白一人でこの状況を打開すんのは無理だ。白がもし一人でもこの状況を打開できるなら、俺必要なかったし。多分この時のために俺呼んだんだろうし」
「はて。マスターが呼ばれたのは、ゲームに審判役が必要だったからではないのですか?空様が消滅したとき、ゲーム続行不可ではないといいはり、逆転の芽を残しておくために呼んだのでは?」
「?ジブリール、もしかして気づいてないのか?」
「…?何にでございましょう?」
「あのゲーム、審判役必要ないだろ。合作とはいえ、お前がこのゲームのシステム作ってんだぞ?俺が判断しなくても、「パートナーが絶対に打てなくなるまではゲームを続行する」っていう仕様にしておけば、クラミーが駄々こねようが泣き叫ぼうが、ゲームは終わらない。そんでもって白がゲームの内容をゼロから暴いて逆転勝利。ほら。どこにも不都合ないし、なんなら俺の存在をクラミーに教えてしまうことで、情報的にアドバンテージを失う。どう考えても俺いらないんだよ」
その言葉を聞いて、ジブリールは「確かに…」と小さくつぶやく。
「問題が発生する可能性があるのは、白がゼロからゲームの内容を暴けなかったとき。手詰まりになったときは、参加者全員がゲームが終わらなくて、世界から認識されなくなって、疑似的に消滅する最悪のエンドになる。空が白の実力を過少評価するってことはなさそうだし、多分このままいったら手詰まりになるはずだ。空は元々俺に白の「お助けマン」としての役割をしてほしかったんだと思う。知らんけど」
やばい。急に自信なくなってきた。
どうしよう。空の本当の目的を暴いてやったぜ。みたいな感じでしゃべってたけど、あとで確かめてみたら「え?一個もあってないけど」みたいに言われたら。恥ずかしくて死にそう。
「流石はマスター。慧眼かと存じます」
「やめて。なんか急に恥ずかしくなってきたから。もしかしたら違う可能性もあるから。しょせん俺なんかが考え付く程度のイメージでしかないから。保険かけさせて」
「謙遜なさらなくともよろしいかと思われますが…では、白様と合流しましょう」
「そうだな。うん。早くいこう」
俺達は白のいるであろう玉座の間へと向かった。
移動中も少し想像して恥ずかしくなってしまったのは内緒だ。
「‥‥にぃは、空は‥‥いる!‥‥絶対、絶対いるの!」
俺とジブリールが玉座の間の扉を開くと、泣き叫んでいる白と、それをなだめているステファニーがいた。
「白!ど、どうか落ち着いてくださいな。ほ、ほら!八幡とジブリールが遊びに来てくれましたわよ!」
そうか。記憶がなくなっているから、俺とジブリールがここに泊まったということを知らないのか。
「‥‥はち、まん?…!!!八幡!」
ハッとした顔で白が俺に駆け寄ってくる。
何故そんな行動をとるのかも、次に出す言葉も、そしてそれの返答に絶望するのも、全てわかってしまう。
だが、俺は手助けすることはできない。
「‥‥八幡、にぃのこと…空のこと、覚えてる!?」
「…何言ってるのかわからん。にぃってなんだ。あだ名か?あいにくと、お前と違って知り合い少ないんだよ俺」
そういうと、白はやはり泣き出しそうな顔になって、それでもまだ頑張って、今度はジブリールに質問する。
「‥‥ジブリール、は、どう?…空、知ってる?」
「もちろんでございます。わたしでなくともご存じかと思いますが、頭上はるか高く広がる青い空間のことにございます」
おお。なんかジブリールっぽい。下手に知らないっていうよりも、なんかこっちのほうが知識ひけらかしてる感があってジブリールっぽいな。
本当に記憶がなくなったら、こういう感じになるんだろう。自分のことをよくわかってんなこいつ。
ただまぁ、わかってたことだが、それは白の求めた答えではない。むしろ、欲しくなかった答え。
白はうつむいて、瞼に涙を浮かべてしまった。
「…にぃ‥‥」
小さく嘆く白。可哀想だとは思うが、俺達は直接ヒントは出せない。傷つけてしまうこと、許してくれ。
「‥‥白。多分お前の言ってる空っていうのは、お前にとって大切な人?なんだと思う」
「‥‥‥うん」
「んで、そいつがいなくなって、俺達もそいつのことを覚えてないことになってる?っぽいと」
「‥‥‥うん」
「じゃあ、その程度だったってことなんじゃねぇの?その空は、俺たちにとっては忘れるに値するくらいの、存在感の薄いただのモブキャラで。その空にとっては、お前は放置しておいてもいいって思われるくらいの絆でしか結ばれていなかったってだけのことだろ」
「!!!!違う!にぃは‥‥空は、そんなことない!にぃと、しろは‥‥二人で、一人‥‥二人で、
白は泣きながら、俺に向かって怒る。
知っているさ。知っているとも。お前たち二人が、もはや兄妹をも超える絆で結ばれていることくらい。
「だが事実その通りだろ?じゃなきゃ、俺たち二人が覚えてないわけがない。俺はともかくとして、
そういって俺はステファニーに話を振る。
「え、ええ。まぁ」
「ほら。白の傍付きであるステファニーですら覚えてないんだ。空って言ったか?そいつの価値は、ステファニーですら覚えるに値しない程度だったってことだよ」
「マスター。それは少々言いすぎかと」
「言い過ぎってどういう意味ですの!?わたくしこんなタイミングまでけなされるんですの!?」
めんどくせぇ。ステファニーはもう放っておこう。
ジブリールが俺をたしなめようとする。白はもうほとんど泣いている。だがまだだ。まだこいつを奮い立たせるには足りない。
空との絆。白の中にあるこれは、絶対の希望であるから。
どれだけ叩こうと、決して折れない強い芯を持つそれは、俺がいじった程度では崩れたりしない。
だから、俺がそれを気づかせればいい。
ではどうすればいいか。簡単だ。
「お前もうっすら気づいているんだろう?俺たち全員が覚えていない時点で、白が偽りの存在を植え付けられているっていうことは確定してる。現実に存在しない人物を崇拝し、余計な時間を割くようにだれかがしむけたんだろうな。お前が思い描いている大切な人物は、そうであるように作られただけの話で、この世には存在しない。それにしては、そんな御大層な人物像であるようには思えないけど」
「!!!‥‥ちがう、ちがう!ちがう!!!」
怒りだ。
否定されること。価値なんかないといわれること。存在そのものが間違っているといわれること。
自分にとって大切なことであれば、それらは怒りを引き出すトリガーとなる。
そして気づく。自分にとって、否定されたそれは大切なものであったことに。
加えて、その怒りは、エネルギーとなってこれからの行動力につながってくる。
「にぃのこと…悪く、言わないで!」
「まともな人間だったらな。まぁ空がいたと仮定したとしてだ。お前をこんな風に悩ませ、涙を流させるくらいだ。自分が消えたらそうなることも分からない脳なしであることは間違いないな」
「‥‥そんなこと…そんなことない!!!」
そろそろだ。白が体をプルプル震わせている。もう少しで、最大限の怒りを引き出せる。
あとはジブリールに任せればいい。
「いいや。そんなことある。白が認めたくないなら、俺が認めてやる。空という人物は、存在しない、どうしようもないろくでなしの存在だって――」
パァン。
と、乾いた音が部屋に響いた。
俺はその音とともに、よろめいて膝をついてしまう。
そう、俗にいう平手打ちだ。
俺はもろにそいつを喰らってしまった。
ただ。
「‥‥‥白がやるならまだしも、なんでお前がやるんだ」
俺はそう言って、俺の従者に視線を向ける。
叩いたのは怒った白ではない。ただ横で話を聞いていたジブリールだった。
ジブリールははたいたときの状態のまま、何も変わらない状態でただ俺を見ていた。
「‥‥わかりません」
そういって視線を落とし、ジブリールは自分の手を見つめた。
「私はマスターほど、人の気持ちの機微に鋭くはありません」
ジブリールは、ですが、といって軽く手を握った。
「今回は、私もマスターと同じ立ち位置でございます。何を考えているかは、少しばかり察することができると存じます。しかし、それを理解し、それが最も効果的であると、分かったうえで‥‥なぜか、
「‥‥」
「拒絶しているのです。理解していても。何がそうさせるのか。おそらくは、私の、心、なのでしょうね。このまま続けば、白様はおそらく、怒りをもって立ち直ることができたでしょう。ですが、その代償として、マスターは白様に怒りを向けられ、最終的に‥‥」
「もういい。それ以上言うな。何を勘違いしているか知らんが、妄言もたいがいにしろ」
「‥‥マスター。従者でありながら、勝手なお願いを申し上げます。どうか、自分を犠牲にすることはおやめくださいますよう。不詳このジブリール、切に願い申し上げます」
「‥‥やめろ。お前は間違った理解をしているし、仮にお前の妄言が正しかったとしても、こんなもんは自己犠牲とは言わん。ただ思ったことを言っただけだ。誰が好き好んで他人のために犠牲にならなきゃいかんのだ」
「‥マスター‥」
シーン。と、周りが静まり返ってしまった。
唐突なジブリールのビンタにオロオロするだけのステファニー。
さっきまでは怒りと悲しみで泣き叫んでいた白も、いつのまにかじっと俺のほうを見ている。まぁ涙目ではあったけど。
クソ。ジブリールのせいで思ったようにうまくいかんかった。
まぁいいや。あとは全てジブリールに任せることにしよう。これでうまくいかなくても知らん。ジブリールのせいだもん。
「しらけちまったな。悪い。俺帰るわ。ジブリール、白の傍についとけ。今はお前と顔会わせたくない」
「‥‥承知しました」
そういって、俺は玉座の間から出て行った。
なお、本当に帰ると審判役ができないので、昨日寝泊まりした王城の一室に向かった。
「‥‥ジブリール、さっきの…どういう意味?」
マスターが部屋から出て行ったあと、開口一番、白様は私とマスターの会話に気になるところがあったのか、意味を尋ねてきました。
「さっきの、とは?」
「‥‥自己犠牲、とか‥‥妄言、とか‥‥
「‥‥私の口からはうまく表現できません。もし気になるのであれば、マスターの口から直接お聞きになったほうがよろしいかと」
私も、マスターと同様、直接的な説明はできませんゆえ、回答を濁しました。
しかし、白様にとっては十分だったようで。
「‥‥わかった。
「そ、それで、白。これから、どうするんですの?」
ドラちゃんが白様にこれからどうするのか、という、私たちが一番気になっている問いをしました。
「…きまってる。にぃを‥‥空を、探す」
「‥‥もはや、存在する云々は無視するとして話します。お聞きしますが、それはどのようにして見つけるおつもりで?」
「‥‥見つける必要、ない。‥‥答えは、すぐ、そばに…あった。いろいろ、
「‥‥あの~。まったく言っている意味が分からないんですの…」
「ドラちゃん。今は多分大事なシーンです。口を挟まないでもらえますでしょうか」
「なんかわたくしの存在雑すぎませんの!?」
軽くドラちゃんをあしらっておきませんと。
まったく。重要なことに気が付いていそうだというのに。
「…ヒント、そのいち。二人が、遊びに来たこと」
白様は人差し指をぴんと立てて私たちに説明してくださいました。
「それが何のヒントになるというのでしょう?それくらい普通なのでは?」
「…ううん。絶対、ありえない。八幡は、めんどくさがって‥‥遊びに来たり、しない」
「ま、まぁ、八幡なら、面倒だから絶対来ないって言いきっても、問題ないくらいの信憑性がありますわね…」
「…なのに、来た。理由は一つだけ。にぃに呼ばれたから。‥‥そうじゃなきゃ、絶対、うごか、ない」
次は、中指を立てて、
「…ヒント、そのに。八幡が、にぃのことを…悪くいったこと。八幡は、自分を悪く言っても‥‥他の人の、悪口言ったりは、しなかった。今回が、初めて」
「…そういわれてみれば、八幡が他人を悪くいったり、極端に貶めたりっていうのはなかったですわね」
「…冷静に、考えれば‥‥しろに、あそこまで言う必要、ない。わざわざ、喧嘩になるようなこと‥‥いわない。…めんどくさがりの、八幡なら…なおさら」
最後に、薬指を立てて、こういいました。
「…最後の、ヒント。今日の二人は、にぃのことを聞くと、はぐらかした。yesとも、noとも答えてない。そうでなくとも…不可解な発言、多かった。明言を、避ける感じ」
「言われてみれば、今日の二人は確かに変だったような気が…」
ま、まさかドラちゃんにまで違和感を持たせてしまうとは。これは修業が必要なようです。
「ここから、導き出される答え‥‥二人は、にぃの用意したゲームに参加して‥‥
白様はそういうと、私の手を握ってきました。
「‥‥しろが、もっと、しっかりしてれば…多分、八幡はあんなこと…いわなかった。全部、しろの、力不足。ぶたせて‥‥‥ごめん、なさい」
「…いえ。気になさいませんよう。あの行動も全てひっくるめて、マスターの意志でございます。仮に白様がしっかりしていても、いずれはああいったことは起こっていたでしょう。‥‥そして、申し訳ありませんが、先ほどの答えには、何も答えることはできません」
「‥‥大丈夫。もう‥‥わかったから。ゲームの内容。
白様は私の手を離すと、部屋の中をうろうろと動き回り、何かを探しているようでした。
「白?何してるんですの?」
「…あと、必要な情報は‥‥ゲームの媒体。どんなゲームを、にぃがしかけたのか、完全には‥‥わから、ない」
「ゲームの媒体ですの?」
「しろが、一人で勝つなら‥‥しろも、知ってるゲームを、モチーフにしてなきゃ‥‥さすがに、情報、ゼロは‥‥難易度、たかい」
「この部屋の中に、ヒントがあると?」
「‥‥にぃは言った。「俺は、白を信じてる」「白、俺らはいつも二人で一人だ」…にぃは、しろを、一人にしない。‥‥ぜったい、ある。しろ、ここで目覚めた。‥‥しろと、にぃのへや…別にあるのに。…だったら、ゲームしてたのは、この部屋」
ここまでくると、すごい、の言葉につきます。
次々と、知らないはずの情報をぴたりと当て、着々と正解に近づいていく白様。
さすがは、
「‥‥!!!!みつ、けた!!」
「えっ!!??どこ、どこですの!?」
どうやら、見つけたようで。ゲームに参加する鍵を。
「‥‥これ、オセロの、駒。三つだけ‥‥おいてある。不可解。これが‥‥多分、答え」
私にその駒を見せてきた白様は。
「‥‥ジブリール。これ、多分…
「さようでございます。
「でも、なぜ駒だけが見えるんですの?」
「…ゲーム続行中で…しろも、参加してる、から。だから…駒の色も、白。」
白様が私の顔を見つめてきました。
当然、わたしは何も答えるわけにもいきませんので。何も言葉にはしませんでしたが。ただ、
「でも、ゲーム続行中とはいえ、盤面が見えなければ、どうしようも…」
「‥‥確かに、みえない。…けど、分かる。にぃなら、どうするか。どうやって相手を誘導し‥どうやって、自分の狙いを伝え‥‥どうやって、相手をだまし、そして…どうやって、勝つのか」
そういうと、白様は、駒をひとつ、ふたつ、みっつと、見えないはずの盤上に置きました。
すると、何もなかったはずの空間から、盤面が現れ、その盤上の駒を、
マスターが言っていた、ゲームが終わる要因。普通に、オセロのルールにのっとって、白様が勝利したのでございます。
「まいったな」
俺に魔法の感覚なんてものはないが。
俺が参加していたゲームが終了したことになぜか気づいた。
そして俺は今まで、王城のとある一室にて待機していたのだが。
「どうやって戻ろう」
白やジブリールにあんなこと言った手前、すごい戻りづらい。
だが、よくよく考えてみれば、待機すること自体がいらなかったのかもしれない。
俺がいなくても、決着がつけば自動でゲームは終了するはずだし、審判役がもう一度必要になるとも思えん。あと三駒だぞ?絶対いらん。
いっそのこと、もうジブリールにも会わず、直接図書館に帰ろうか?
いや、結局後で会うことになるし、事後報告とかされてもそれはそれでめんどい。
結局、勇気を出して会いに行くしかないのか。ちくしょう。
「‥‥はぁ、いやだなー。帰りたいなー。なんならもう元の世界戻りたいなー」
「うおぉぉぉおおお超怖かったもうマジあんなこと二度としねぇぇええええ!!!!」
「びぇえええええんうぇええええええ!!!!」
「うへぇええええええんふぃいいいいいい!!!!」
「うえぇぇぇええええんこわかったのですよぉおおおお!!!!」
「…なぁ、ジブリール。俺理解できてないんだけど、これどんな状況?」
「さぁ?白様の様に、ご自身で考えてみては?」
「‥さっきのは悪かったって。いいから教えろよ」
「そういわれましても、私にもわかりかねます。ゲームが終わったあと、事後処理の云々を終えたら、緊張の糸が溶けたのか皆泣き出しまして」
「わかってんじゃん。わかりかねますとか、いらない枕詞つけんなよ」
「いいえ?マスターほど、他人の心を理解できるとは思いませんで。その程度しか察することができないという意味でございます。これくらいなら、見ただけでもマスターならお分かりでしょう?」
「‥‥どうしたら機嫌直してくれる?」
「人の心は読めても天使の心は読めないようでございますね。もう一度言います。ご自分でお考え下さい」
「‥‥はい」
いろいろ試行錯誤して、原作のあの感動的なところを表現したかったんですが…私の表現力不足で、いまいちな仕上がりになってしまったかもしれません。
原作ファンの方、申し訳ないです。
なんなら大幅カットしてもよかったまである。