やはり俺の遊戯人生はまちがっている   作:鳴撃ニド

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ある日の二人⑫

「暇だな」

「暇ですね」

「なぁ、なんか賭けてゲームでもしようぜ」

「よろしいので?」

「別に駄目な理由がないだろ。ただの暇つぶしだ」

「では、勝負内容と賭けるものを宣言してください」

「そうだな…無難にオセロとかどうだ?負けたら相手のいうことを一つだけ聞くってことで」

「承知しました」







「62対0でわたしの勝利でございます」

「忘れてたわ。なんか賭けると遊びじゃなくなるってことに」

「では、命令します。頭をなでてください」

「‥‥イエス、ユアマジェスティ」


結局協力って何だろう

うずくまるジブリールに無理やり縄をほどかせ、帰ろうとしたのだが。

 

俺をまたもやジブリールが止めてきた。

 

なんでも、これからやることには俺も参加する必要があるらしい。

 

そんなわけで、今度はきちんと椅子に座り、今度こそ俺も含めて全員が円卓を囲み、コミュニケーションを取る準備が整う。

 

ちなみに俺はコミュニケーションを取るつもりはない。いや、逆に取りまくって早く終わらせてやろうか。

 

「で、なんでまたここに座らせられてるの?今誰の顔も見たくないんだけど」

 

とてつもない恥ずかしさをこれでもかと押さえつけ、空の顔をちらりと見る。

 

「そっか。そういやあの時お前いなかったな。昨日俺らが勝った後に言ったけど、要求として、フィールの記憶を改ざんする権利をいただいたんだ」

 

あのエルフ、フィーって名前じゃなくてフィールって名前だったみたい。

 

よかった。直接しゃべる前に気付けて。めっちゃ馴れ馴れしい奴になるとこだった。

 

「それがお前が言っていた、パートナーの生殺与奪権うんぬんの方の要求か。一応確認するが、もう一つの要求はなんだ」

 

「ゲーム内容の定着と、その返還。つまり、お互いに記憶を共有したってわけ」

 

空が人差し指で自身とクラミーを指で交互にさす。

 

つまり、存在を消滅させるのでなく、あえて生かしたと。

 

「ふーん。まぁ、やっぱり思ってた通りの要求だったな」

 

そういうと、空以外の全員が驚いたような顔で俺を見つめてきた。

 

なんだよ。恥ずかしさぶり返しちゃうだろ。

 

「八幡、あなた、クラミーとのゲームにおける空の考えていたこと全てを、読んでいたってことですの?」

 

ステファニーがおずおずと俺に今の発言の意味を問う。

 

「マスター。私からも質問させていただきます。あの時、空様があのクラミ―という女に対して、記憶の返還をする、と宣言したときのことです。私もドラちゃんも驚きました。てっきり、空様の狙いはクラミー・ツェルの消滅と、あのエルフの洗脳だとばかり思っていましたので。マスターはそれらが真の狙いではないということまで、すべて読んでいた、と?」

 

「別に全部読んでたわけじゃない。実際読んでたらこんな恥ずかしい思いしなかったし。ジブリールが怒ることまでは読んでなかった」

 

「マスター。茶化さないできちんと答えてください」

 

となりの席から責めるような低い声が聞こえる。

 

わかったよ。言えばいいんだろ言えば。

 

「全部読んでたわけじゃないのは本当だ‥‥読むってことのもんでもない。ただ、納得するように話をつなげるには、これが一番筋書きっぽいなーっていうのを頭の中で考えてみただけだ。つーか、お前も俺と同じ立場だったんだから、なんとなく察してたんじゃないの?」

 

俺はジブリールに話を振ってみた。

 

しかし、ジブリールはフルフルと首を振り、分からなかった、と回答する。

 

「申し訳ありませんが、私はマスターよりも思慮が欠けるようで。僭越ながら、その筋書きを思いつくまでの経緯をお教えくださいませんでしょうか」

 

「別に特別考えたわけでもないぞ?それに、気付いたの割と終盤だったし。もし仮に空の要求がクラミーの消滅と、フィールを手ゴマにするっていうのが本当だとしたら、あのオセロ、やる意味なくね?って思っただけだ」

 

「やる意味がない、ですの?」

 

ステファニーがこてんと首をかしげる。

 

「クラミーを消滅させて、空に何のメリットがある?フィールの怒りを買うだけだし、万が一負けた時、消滅という要求をされるリスクがでかすぎる。相手にその思考回路を持たせるような発言をするのは致命的だ。加えて、なぜ記憶の改ざんだけなんだ?しかも一つだけ。本当に手ゴマにしたいなら、隷属するように要求すりゃいいのに。一つの記憶改ざんなら大勢に何ら影響はないし、一度くらいしか味方になってくれねぇじゃねぇか」

 

「た、たしかに…」

 

「あの時の空の挙げた具体例。たしか…「ゲーム結果を恒久的に確定し、相手の存在を永久に葬り去ったり、パートナーの記憶を一つ改ざんして味方にしたり」…だっけか?でも、これはあくまで具体例であって、勝者は敗者に二つ要求ができるっていうのがこのゲームの勝利報酬なわけだろ?だったら、この発言はほぼ確定でブラフだ。そもそも、空が対戦相手に、自分の本当の狙いを馬鹿正直に伝えるような奴だと思うか?」

 

「ありえないでしょうね」

 

「だったら、空の狙いはその二つの勝利報酬じゃない。そんで、ゲームの中盤で空がバカスカクラミーに駒を取られてた。これで俺は俺の考えがあっていると確信した。勝利報酬が狙いなら、最初から圧倒すりゃいいし。わざと負けていたのは、そうする必要があったから。空のほぼすべてを、クラミーに一時的に渡す必要があった。なぜそんなことをしたか?それは途中でクラミーも気づいていたが、空の後ろに誰もいないことを証明し、ゲーム終了後に味方になってもらうため。しかし、空の勝利でゲームが終わったとき、クラミーの存在は消滅してる。味方にはできない。だから気づいたんだよ。要求はゲーム結果の定着と、相手の復活だって」

 

そういうと、空はほう、と値踏みするような視線で俺を見てくる。

 

やばい。こいつに目を付けられるのはまずいぞ。いやもう目はつけられてるかもしんないけど、これ以上過大評価受けるのは勘弁してもらいたい。

 

「でも、俺は結果の定着と復活の要求二つだと思ってたし。フィールの記憶の改ざんのとこは読めてないし、初耳だ。だから、全部読めてたわけじゃない」

 

「それでも、そこまで読めているというのは流石の一言に尽きるかと」

 

ジブリールが恭しく頭を下げ、敬意を示す。

 

流石にまだ恥ずかしさが残っているから、そんな風に頭を下げるジブリールの顔を見ることは難しそうだ。

 

「いや、こんなの少し考えりゃ誰だってわかる。今回はたまたまこの立ち位置にいたのが俺とジブリールで、ジブリールが少し抜けてただけだ。それに、この後のことはどうなるかわからないし」

 

そういって空の顔をちらりと見る。

 

相変わらず空は何を考えているか、顔を見ただけではわからない。

 

「じゃあ、そんな思慮深い八幡くんにクイズを出そう。なぜ俺らが東部連合に種の駒を賭けたのか、その理由はわかるかな?なぜ広大な領土や人員、もしくは俺らの持つ異界の知識などをかけ皿に乗せず、最もリスクの高い種の駒を賭けたのか?」

 

「知るか」

 

俺は適当に話を流す。

 

そもそも本当に知るわけがないだろう。俺がやっているのはあくまで推測であって、ジブリールの様に魔法で頭の中を覗いたりしているわけではないのだから。

 

空みたいに相当頭が切れて勘が良ければ、思考をそっくりそのままトレースしたりする、みたいな芸当ができるかもしれないが、あいにくと俺にそんなスキルはない。

 

俺をお前らみたいな化け物と一緒にしないでもらいたい。

 

「まぁまぁ、そう言わずに少し考えてみろって。こういう小さな機会で思考力を上げてかないと、俺らには到底追いつかないぞ」

 

「なんで俺がお前らに追いつきたいって前提で話が進んでるの?」

 

人の思考を勝手に捏造するのもやめてもらいたい。

 

追いつきたいなんてみじんも思ってないし、追いつけるとも思ってない。

 

この世界をクリアするよりも難易度が高いかもしれない。

 

「はぁ、ジブリール、後は任せた。疲れたからもう俺はここから聞くことに専念する。お前らも俺にこれ以上話を振るな。俺も邪魔しないし、話の内容は聞いてるから」

 

特にお前な。空。

 

クラミーと空白の監督、ジブリールとの十回ゲームですでに体力はゼロに近いのに頑張って残ってるんだ。

 

早く帰りたいがためちょっと積極的に話してはみたが、なかなか終わらなさそうだからあきらめて聞き専に回ろう。

 

「かしこまりました」

 

「え~八幡のいけず~。ま、いっか。そんじゃ、ジブリールにさっきの質問しようか?なぜ俺らが種の駒を賭けたと思う?」

 

ジブリールはふむと少し考えた後、口を開く。

 

「推測ではございますが、おそらくは。この状態を引き起こすため…つまり、クラミーとの接触を図り、我々のスパイとするためかと」

 

「正解だ。種の駒を賭けるとなれば、人類種(イマニティ)全員に情報が行く。そうなれば、エルヴンガルドの内通者である、クラミーが接触してくると踏んだ。その過程で、スパイとなってもらうためにな。そして、そのクラミーとのゲームで俺らは勝った」

 

「そのゲームの中で、私に記憶を渡せば、盟約を使わず私を味方につけられると踏んだわけね」

 

なるほど。賢い。

 

盟約を使って仲間にすることも確かに可能ではあるが、それには絆といったものがない。

 

絶対性はあるものの、盟約によってできた主従関係は、盟約によって簡単に覆る。

 

対して、盟約を使わない生涯の絆。すなわち、空と白のような間柄であれば、盟約よりも強い効果を生み出すこともある。例えば、相手の意図をくみ取り、先の先まで情報を集めておいてくれるとか。

 

おそらくではあるが、クラミーと接触したかったのは、俺にアヴァントヘイムに行かせたのと同じ理由だろう。

 

獣人種(ワービースト)とのゲームの後、他国から攻め込んでもらうための布石として、用意しておきたい駒の一つだったというわけか。

 

「ただ、こっちも乗ってあげるとは言ったけど、アンタの記憶を探っても、東部連合に勝てるとは思えないんだけど。その辺は大丈夫なの?」

 

クラミーが空に疑問の言葉を投げかける。

 

それは俺も思っていたことだ。

 

俺はあいつらの記憶を見たわけではないし、考えなんて知ったことではないからかはわからんが、今のところ勝てる気はしてない。

 

布石ばっかり作っていても、使う前に負けてしまっては何の意味もない。

 

捕らぬ狸の皮算用とならないことを祈るばかりだ。

 

「大丈夫だって。とにかく、お前たちに集まってもらったのは他でもない。今俺らがやるべきはただ一つ。共闘のために、必要不可欠なこと…」

 

場の空気がシリアスなものへと変わっていく。

 

なんだ。いったい何が必要だってんだ。

 

「それは…」

 

「つまり…」

 

スゥーと、軽く息を吸い込んで言った、その重要なこととは。

 

「自己紹介だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥。

 

シリアスな空気返して。

 

「自己紹介?いまさらなんでそんな…」

 

クラミーが嫌そうな顔をして目をそらす。

 

ただ、気持ちはわかる。

 

なんでそんなことしなきゃならんのか。

 

というか、必要不可欠って言うほどのもんでもないだろう。

 

「‥‥‥」

 

全員が黙りこくってしまった。ほら、変なこと言うから。

 

すると、この沈黙が耐え切れなかったのか、クラミーが軽い自己紹介をしてくれた。

 

「…クラミー・ツェルよ。よろしく」

 

シーン。

 

逆に、あまりにも短すぎる自己紹介により生まれた沈黙は、先ほどとは違う意味で気まずさを生んだ。

 

「はい?」

 

「…それ、だけ…?」

 

「もうちょっと他にないんですの?」

 

「ないわ。別に、問題ないでしょう?」

 

問題大有りだ。

 

もしそれで問題ないなら、それこそ本当にやる意味がないではないか。

 

空の肩を持つわけでもないし、ましてや空の考えてることがわかるわけでもないが、その回答は問題しかないといわざるを得ない。

 

だが、じゃあお前はどうなんだ、と問われると返答に困る。

 

自慢じゃないが、俺も自己紹介には自信がない。いや、自己紹介が全くと言っていいほど出来ないことに自信がある。

 

「え~俺と同い年の18才。身長は158cm、スリーサイズは…」

 

クラミーの代わりに、空がゲームで得たクラミーの身体的特徴を含め、自己紹介ならぬ他人紹介をする。

 

「あ、あんた!卑怯よそれ!」

 

「あと、ブラはパッドが入っていて実際は…」

 

「わ、わかったわ!わかったやめて!ちゃんとやるから!」

 

クラミーはわたわたと慌てながら空の話を遮った。

 

「…でもその前に、フィーを紹介しなきゃ説明できないわね…」

 

そういってちらりとフィールのほうを見る。

 

「はぁ~い。フィール・ニルヴァレンなのですよぉ~」

 

クラミーの意図を読み取り、フィールは軽く自己紹介をする。

 

そのとき、ちらりとジブリールを一瞥して一言。

 

「…そこの悪魔以外はぁ~、気楽にフィーって呼んでほしいのですよ~」

 

「はて、ずいぶん嫌われたものですね。なぜでしょう。不思議でございます」

 

どちらも顔は笑っているのに目は笑ってない。怖いなぁ。仲よくして。

 

「だって~、どこかの天翼種(フリューゲル)の某お方が~大戦時に私たちに打った天撃で何人が犠牲になったかと思うと~」

 

‥‥‥まぁ、確かにそれならしょうがない。

 

昔の敵と仲良く飯を喰らえなど、なかなかできるものではないのだし。

 

大戦時の遺恨は根強く残っている。無理をさせるのは得策ではないだろう。

 

「被告ジブリール。弁護を」

 

「弁護といわれましても…身の程をわきまえ、上空に飛行妨害魔法を張らなければ、眼中にとどめることすらなかったのに。自業自得でございます。あれで落下してたんこぶができたのですよ?うっかり皆殺しにして、私に何の落ち度がございましょう?」

 

「ジャッジ。判決ジブリール。ギルティ」

 

「なぜ!?」

 

「いや当たり前だろ。むしろ落ち度しかないよ。なんでそんなにさも私は悪くありません見たいな顔出来てるのか不思議でしょうがないよ」

 

涙目で力なく椅子から地面へとへたり込むジブリール。そんなに悪気なかったの?

 

「フィー。共闘するにあたってわだかまりはなくしたい。どうすりゃジブリールを許してくれる?」

 

「ん~。それはとってもむずかしいのですよぉ」

 

顎に人差し指を当てて、うーんと考えるそぶりを見せる。

 

なんで女の子って、こういうちょっとしたときのしぐさがいちいちかわいく見えるんだろう。

 

当の本人は自覚してないだろうが、なかなか男性にはグッとくるものがある。本当に気を付けてほしい。

 

そういう何気ないことの積み重ねで好意を持たれたりして、面倒なことになるんだから。

 

男の人のためにも、そしてあなたのためにも、女性は可愛らしいそぶりをしないこと。これを徹底してほしい。

 

おっと。脱線脱線。

 

「フィー。空の計画に、彼女の力は必要よ。私からもお願い」

 

「はぁ~。じゃあ、足をなめて、「許してくださいフィール様」って言えば許すのですよぉ~」

 

鬼畜がいる。

 

なんで女の子って、こういうちょっとしたことでえげつないほどの罰を思いつくんだろう。

 

当の本人は自覚してないだろうが、なかなか男性にはうわぁ…と思うところがある。本当に気を付けてほしい。

 

そういう何気ないことの積み重ねで‥‥ってこれなんかつい三十秒前くらいに思ったことと酷似してる気がする。

 

「おやおや~?天の彼方まで付け上がりましたね。耳が長いだけの森の雑種さんが」

 

ジブリールもこの要求には怒りを覚えたようだ。口元はひくつき、羽は広げ、背後には怒りのオーラが見える。笑っているのは目元だけだ。

 

「マスターも何か言ってやってください。この胸だけに栄養が行った脳なしの田舎者にお灸をすえてください」

 

ちらり。

 

ジブリールが胸に栄養が行ったとか言ったもんだから、つい視線が胸のほうへと移動してしまった。

 

‥‥たしかに、これはなかなかのものをお持ちで。

 

「‥‥マスター?」

 

「え?あ、うん、そうだな。いくら罰だからといっても、心に傷をつけるような罰はダメだな。うん」

 

あっぶね。胸に意識が行ってて軽く話の内容すっ飛んでた。セーフ。

 

「でもぉ~、それだと私の気が晴れないのですよぉ~?じゃあ~逆に聞きますけどぉ~、どんな内容だったらやってもらえるんですかぁ~?」

 

「ジブリール。謝罪の気持ちの有無はこの際良い。お前が百歩、いや、どうせお前のことだ。一万歩くらいゆずった場合、ギリギリやってもいい謝罪方法を言え」

 

そうすると今度はジブリールが人差し指を顎に当てて、うーんと考える。

 

「そうですね。一万歩譲ったら「ごめんなさい」の言葉を書ける程度には謝罪してもよいかと」

 

「すまんフィール。こいつの意見は当てにならん。代理で俺がお前に謝罪する」

 

どんだけ傲慢なんだ。幼稚園児でももう少しまともに謝罪するぞ。

 

「マ、マスターが謝罪する必要は…!!」

 

「だったら誠意を見せろ。ある意味俺は今、お前という部下のために謝罪してる上司なんだぞ。俺を救いたかったら取引先にわびの一つでも入れてこい」

 

「説得力あるわね…」

 

「ちなみにリアルの方の会社だったら、多分部下が詫びるより、上司が謝罪したほうが取引先は多分受け入れてくれると思うけどな。仕事したことないから知らんけど」

 

ジブリールは悩んでいるようだ。まだプライドが許せていないのだろう。

 

これはあれだな。俺がやるしかないパターンか?

 

でも、前に自分を大切にしろって言われたし。こいつ本人からな。

 

どうしたもんか‥‥。

 

っていうか、なんで俺がこんなことで考えなくちゃいけないんだ。

 

面倒だ。もうこいつに投げよう。どっちがいいかなんて知らん。

 

「ジブリール。AのプランとBのプランどっちがいい?」

 

「…内容をお聞きしても?」

 

「Aはお前がフィールに土下座して「ごめんなさい。私が悪かったです。許してください」という。Bは俺がフィールに土下座して「ごめんなさい。ジブリールのせいで俺が代わりに土下座することになって本当に申し訳ないです。ここは俺の顔に免じて今回ばかりは協力していただけないでしょうか」といいながら靴をなめながら媚を売る。この二択だ」

 

「クソすぎる二択来た」

 

「‥‥こういうの、が…はちまんの…本領」

 

「さぁ好きなほう選べ。お前のそのプライドと、マスターの尊厳。一応言っとくけど、別にお前がプライドを優先したからって特に何もない。ただ俺の中で評価が下がるだけだ」

 

「内心での評価が下がるのは何もないとは言えませんわ!?」

 

「う、ううううう」

 

悩んでるようだな。まぁ、大いに悩め。悩んで悩んで、そして出した結果なら、俺に文句は言わんだろう。

 

部下に選択権を与えてるから、俺は無理強いしてない。もし無理強いをしたら、パワハラで訴えられちゃうから。

 

ちなみに俺だったらプライドを取ります。上司なんて知ったことじゃないからな。

 

ジブリールは何も言わず、スッと俺の後ろを通り過ぎて、流れるようにフィールの足元まで行き。

 

「申し訳ありませんでした。ごめんなさい。私が悪かったです。許してください」

 

と、土下座をすることとなった。

 

それを見たフィールは上機嫌となり、

 

「はぁ~い。許したのですよぉ」

 

と勝ち誇った顔でジブリールを見下ろしていた。

 

「こんなんでいいのか」

 

「知らん。俺達とは違う生き物だし。フィールの気が晴れたならそれでいいんじゃね」

 

ちらりといまだに土下座をしているジブリールを見る。

 

なんか可哀想だが、他の種族の仲間を虐殺した過去を水に流してくれるというのなら、安い買い物だろうと思ってしまうのは、俺だけなんだろうか。

 

「マスター。このような下等生物相手に頭を下げ、許しを請うというありえないほどの恥辱を感じているのですが」

 

「そうか。まぁ、ご愁傷様」

 

「ですので、このストレスを解消するためにマスターからのなでなでを所望します」

 

「なんでだよ。そもそもやったことないだろ。あと俺も恥ずかしくなっちゃうからダメ」




遅くなって申し訳ありません。

定期テスト期間で勉強していたら、投稿することができませんでした。

代わりといってはなんですが、今日から一週間は、毎日更新させていただきます。
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