せめてISに乗らせてくれませんかねぇ!? 作:とある物書きMr.R
感謝の連日投稿じゃオラァン!
『強襲兵装』、ゲームでの『ボーダーブレイク』では最初から解放されており、サブマシンガンや突撃銃といった主武器、手榴弾やグレネードランチャー等投げ物を装備する副武器、硬直時間等のデメリットと引き換えに一撃必殺も狙える近接武器を扱う補助武器、SPを消費することで爆発的な加速を発揮するアサルトチャージャー(ACと略される)を特殊装備とする、バランスの取れた王道の兵装である。
万能であるが故に乗り手の個性もよく表れ、全身を軽量機で統一し、武装も最小限にした上で、スピードを活かして前線を突破し敵コアへの攻撃を狙う凸屋や、プラント制圧戦に主軸を置き前線を押し上げるスタイル、果てはスピード型や重防御型に分かれるが巨大な剣や槍を振り回して敵機を薙ぎ払うブンブン丸……などなど、プレイヤーの数だけ戦闘スタイルがあると言ってもいいだろう。
そんな強襲兵装が解放されたのは非常に喜ばしい。私の乗っている『シュライク』は軽量機に分類されるため、ACのスピードを最大限発揮できるからだ。
では、早速解放されたてホヤホヤの武装一覧を見てみよう。
・主武器
M90サブマシンガン:(軽量でリロードも1.4秒と速い。なお射撃精度は最悪レベルのEプラス。ド至近距離で撃ち合う必要があるが、1発あたりの火力が低いため初期型ではまず撃ち負ける)
ヴォルペ突撃銃:(一般的なアサルトライフル。射撃スタイルが3点バーストのため扱いには慣れが必要だが、射程はサブマシンガンの倍はあり、射撃精度もそこそこあるため中距離での射撃戦でも使える)
・副武器
38型手榴弾:(みんな大好き手榴弾。通称は『おにぎり』。投擲後一定時間が経過すると爆発する。敵機に追われた時にコイツを逃走ルート上に投げておき、自分はACを吹かして通り過ぎる。するとちょうど追いかけてきた敵機が近くに差し掛かったタイミングで爆発するというトリッキーな戦法もできる)
グレネードランチャー:(名は体を表す。発射されるグレネードにはセーフティがかかっているため、発射直後は敵機に直撃しても爆発しない。一度何かにぶつかるか、発射から1秒以上経過することでセーフティが解除されるため、中距離からプラントへの制圧射撃に使ったりする)
・補助装備
デュエルソード:(見た目はザ・グレートソードって感じの大剣。通称デ剣。近接武器としてはかなり軽く、攻撃方法も横薙ぎなため比較的攻撃を当てやすい。初期武器なだけあって威力は低め)
ロングスピア:(槍。デュエルソードより更に軽いのが売り。初心者の皮を被ったベテランがこれを装備して凸屋をやっていたイメージ。やはり攻撃力が低く、槍の特性上攻撃方法が刺突であるため当てにくい。使いこなすにはある程度の習熟が必要)
これらの近接武器には通常攻撃と特殊攻撃があり、ダッシュしながら攻撃することにより威力も行動後の硬直時間も大きい特殊攻撃を繰り出せる。
・特別装備
アサルトチャージャー:(レースゲームでよくあるいわゆるニトロ。SPを消費する事で凄まじい加速を得られる。初期型は前進しかできないが、それはそれで突撃にも撤退にも使える)
と、こんな感じのラインナップになっている。まぁありきたりな初期武器のオンパレードだ。
主武器はヴォルペ突撃銃で今の所固定だろう。サブマシンガンの弾幕とリロードの速さは魅力的だが、ある程度距離を開けての高機動戦がほとんどのIS戦闘では残念ながら出番に期待ができない。
あーあ、テロリストとかどっかの国の特殊部隊とかが強襲してくれないかなぁ、そうすればIS基準では豆鉄砲でも人間に向けるには物騒な威力かつマガジンあたり60発近い火力で歓迎できるのに。いや、中二病の妄想かよと。
副武器は場合に応じて両方使おう。グレネードランチャーでポンポングレネードを捲いて削ってもいいし、手榴弾の爆発半径の広さを活かして面制圧してもいい。
近接は……まぁ、とりあえず両方持っていこう。ACは標準装備。
はい出来ました個性もクソもない強襲装備。まぁ初期武器だからね、仕方ないね。
さて、現実逃避はここまでしようか。
強襲兵装の解放と同時に、私の機体にいくつかの変化が現れた。
・シュライクⅡ型の実装
これまで私は『シュライク』という機体のⅠ型に乗っていた訳だが、その上位モデルであるⅡ型が使えるようになったのである。これは嬉しい。というかⅠ型が全体的にアレ過ぎたんだよ……
シュライクのコンセプトは、かなり大雑把に言うと「防弾装甲も取り外して軽量化しました! どうです? 早いでしょう? あ、でも重めの武器は積まないようにしてね?」という感じなので、装甲にはそもそも期待してはいけない。
これだけだったら織斑先生に報告するだけで、そこまで頭を抱えるものではなかったのだが……
・複数の機体の実装
『複数』である。どうしよう。
そもそもIS世界に、複数の機体のパーツを掛け合わせる『キメラ』という概念は今の所存在しない。『打鉄』だったら全身『打鉄』、『ラファール』だったら全身『ラファール』と、機体構成は決まっているのだ。
一方、ブラストは違う。もちろん私の全身シュライクのように全身の機体パーツを統一するプレイヤーもいるが、それなりの数のプレイヤーは、頭は索敵性能に優れたあの機体、胴は装甲がそこそこあるこの機体……といった感じにかなり自由度の高い組み分けができたのである。
しかしだ。周りの人全員統一機体な所に私だけキメラかましたら目立つよな? という訳でキメラは織斑先生に相談の上決めることにした。
さて、肝心の機体だが、以下の通りである。
1 『クーガー』シリーズ(Ⅰ型・Ⅱ型):標準型
ゲームの『ボーダーブレイク』ではザ・初期機体だった。上位の機体になると化ける。
2 『ヘヴィガード』シリーズ(Ⅰ型・Ⅲ型):重量型
Ⅱ型が無いのは仕様。装甲モリモリ、マッチョマンの変態だ。装甲を盛りすぎて動きがクッソ遅いが、並大抵の攻撃ではビクともしない。
3 『ツェーブラ』シリーズ(A1・A2):標準型
標準型ではあるが、『クーガー』と比べて索敵や射撃補正能力に優れた遠距離戦向けの機体。その代わりに装甲は薄め。
と、こんな感じで3機体が解放されたのである。これだけでも考える事が多いのだが、加えて、
・チップ機能の実装
チップとは何ぞやとなるかもしれないが、『ボーダーブレイク』では機体性能を向上させるチップを搭載する事が可能だった。
例えば、近接攻撃の威力を上げる。マガジンの弾数が1発増える。コマンド入力によりタックルやスライディングができるようになる。といったように、補助的なものだが、結構バカにできない差が生まれたりするチップもある。
じゃあチップをモリモリ付けて最強機体を作ろうぜ! と思うかもしれないが、そこまで都合よくはいかない。機体の頭・腕・胴・脚の各パーツにはチップ積載量が設定されており、その合計値の分しかチップを付けられない上に、強めのチップほど容量が大きいので、強いチップを大量に付ける、というのは一部の機体以外ではできないのだ。
ちなみに、上位プレイヤーたちに愛されるいわゆる人権な機体ほど、このチップ積載量が低く設定されているし、性能的にもう一声欲しい機体は逆に高く設定されていたりと、結構うまくできていたのだ。
え、私の愛機シュライクはどうだったのかって?
全機体の中でも特にチップを付けられる機体だったが何か?
いいんだよシュライクでもSランクまでは余裕――ごめん盛った。頑張れば――で上がれるし。大事なのは愛じゃよ愛。
チップについてはまだちゃんと見ていないが、いずれにせよ機体構成と併せて考えていかないと後で酷い目を見るのは間違いないだろう。スライディングで敵の攻撃を避けつつ接近し、近接武器でずんばらりなんて浪漫攻撃は、憧れるけれど自分の命を懸けてまでやろうとは思わない。
一通りの新要素をまとめた私は、織斑先生にアポを取るべくメッセージアプリを立ち上げるのだった。
※※※※※
「さて、色々と面白い事になったようだな?」
「私としては厄介事にしか思えないんですがね……」
場所は変わって訓練用アリーナ。今回はというか今回もというか、イレギュラーな案件のため、この場には私と織斑先生しかいない。
「まぁいい。とりあえず一通りの新しい機体を展開してみろ」
「分かりました」
まずは『クーガー』を展開。デュエルソードを装備してACを起動。訓練用ターゲットに突進し、1回転して遠心力を乗せた大剣で薙ぎ払う特殊攻撃を当てる。軽量機とかならデュエルソードの特殊攻撃で吹っ飛ぶんだけれど、ヘヴィガードのような重量機だと少しよろめくだけで済ますから気を付ける必要があるな。戦闘慣れした相手だと吹き飛ばされながらもブースターを使っていち早く体勢を立て直して反撃してくることもある。いずれにせよ早く上位の武器が欲しいなぁ。
続いて『ヘヴィガード』を展開。装備したヴォルペ突撃銃を構えてターゲットに射撃していく。この銃は3点バーストのため、3発目を撃つと同時にまた引き金を引かないといけない。
射撃を行うのに射手の重さは案外無視できないファクターになる。もちろん姿勢とかの要素もあるが、自分が重ければそれだけ銃の反動を吸収でき、射撃精度を上げられるからだ。その点で言えば『ヘヴィガード』は最高だ。全機体の中でもトップクラスに重いこの機体は、突撃銃の反動を難なく抑え込み、ターゲットに面白いように命中する。一方で小回りは最悪なため、この機体に乗る時は相手に俊敏な動きをさせないよう立ち回る必要があるな。
最後に『ツェーブラ』を展開し、『遊撃兵装』にチェンジ。先日織斑先生に才能無しと断じられた狙撃だが、この機体の恩恵である程度動くターゲットにも弾を当てられる。……訓練用ターゲットに当てられるのは当然とか言ってはいけない。
「以上が現時点で私が装備できる機体です」
「なるほどな。しかもそれらの機体パーツを組み合わせる事も可能、と……」
「はい。……やはり禁止ですかね?」
「……いや、その必要はない。もちろんカバーストーリーも必要だがな。
そうだな、『危険も伴う採掘現場で損傷した場合、現場にある機体での共食い整備を行う事で早急な現場復帰を目指す』。こんな所か?」
「ある程度理にかなっていると思います」
「ならこれで行こう。今日はもう休め。
あぁそうだ、来週1組に転入生が2人やってくる。最初は環境に慣れないかもしれんが、まぁ目をかけてやってくれ」
「この時期に転入ですか。……いや、鳳さんの事例もあるし各国としても織斑と繋がりを持たせたいか。
分かりました。私にできる範囲でよければですが」
「慣れない環境なのはお前も同じだ。無理はするなよ」
「はい」
国の思惑だの大変だなと、その時は思っていた。
ウカツにも私は、
「皆さんはじめまして。シャルル・デュノアです」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
(転校生ってこの2人のことかああああぁぁぁぁ!!!!)
そう、ウカツにも、『この時期にやってくる転校生』と『原作ヒロイン2人』の関係性が、実際に姿を見るまで全くつながっていなかったのである。
待って、ラウラさんもう来ちゃったの? 強襲兵装のレベリングしないとフレアグレネード手に入んないんだけど!?
こうして、私の放課後の予定は当分の間潰れることが決定したのである。
タッグマッチトーナメントが先か、強襲兵装のレベルアップが先か、タイムアタックはーじまーるよー
お気に入り登録、評価、感想をお待ちしてます。