二次選考・セレクション   作:へるしぃーぼでぃ

4 / 6
EX;2nd BLUE ROCKvs.WORLD FIVE

 

 

「さて、どんなモンかね世界」

 

凪誠士郎の声が、狭い廊下内で響く。

彼は今、二次選考(セレクション)を突破してその翌日、特別選考試合である『世界選抜戦』のフィールドへ向かって歩いているところだ。

その後ろからは馬狼照英、千切豹馬、剣城斬鉄、清羅刃と、錚々たる顔ぶれが連なる。

馬狼が言った。

 

「フン、(ヘタクソ)どもは完膚なきまで負けたみてぇだからな。俺が代わりに喰ってやるよ」

 

潔・凛たち二次選考(セレクション)1stクリアチームに続き、彼ら2ndクリアチームはホログラム絵心から事の経緯を聞いていた。

曰く、『1stチームは完封されて負けた』と。

それを聞いて俄然ヤル気に満ちている凪と馬狼だが、反対に千切などは不安が勝るようだ。

 

「完封されたっつっても、1点もぎ取ってんだろ?あのメンツ相手にそれだけでもスゲーって」

 

「あ?ビビってんのかお嬢?俺が居ればもっと点入るっつーの」

 

「いや、俺が5点入れて勝つ」

 

凪・馬狼でメンチを切り合う中、斬鉄が清羅に話しかける。

 

「とうとう俺もワールドクラスか。世界に選抜されるって、中々気分がいいモノだな」

 

「……(首を横に振る)」

 

「え?俺らが世界に選抜されて戦うんじゃなくて、世界から選抜されてきたヤツらと戦う?……いや分かってたけどね。そういうパターンも想定してだな……」

 

相変わらずの早とちりを、無口で修正する。

このメンツが2ndクリアチーム。超攻撃特化のエゴイストたち──“青い監獄(ブルーロック)”を象徴するかのようなメンバーだ。

そんな彼らがいよいよ、世界が待つフィールドへの扉をくぐった。

彼らを迎えたのは、低音の残念そうな声だった。

 

『やっぱヒョロいな。こんなんもう賭けになんねーからヤメだ、ヤメ』

 

『そうだな。ま、お前のシケた1万ドルなんざ元からどーでもいい。つーか、マジでモヤシみてぇなヤツが居るな』

 

凪たちを見て英語で軽口を叩くのは“重戦車”ダダ・ジウバ、“ゲットゴールジャンキー”アダム・ブレイクの雄々しい二人。

彼らは特に凪を見て、もはや心配するレベルで日本人の体格の細さを嘆いた。

 

『んー、でもルックスは中々だね。オイラには負けるけど』

 

“そばかすベイビー”パブロ・カバソスが、庇うように見せかけて自分を立たせる。相変わらずマイペースな世界組だ。

視線を感じた凪が呟く。

 

「なんか、俺のこと言われてる?」

 

「ナメられてんだろ。テメェがボーッとしてるからよ」

 

「英語だから何言ってっか分かんねぇな。ま、ナメられてる感はありありと伝わってくるけど」

 

馬狼がフンと鼻を鳴らし、千切も気合いを入れ直す。斬鉄もメガネの位置を正し、清羅は靴紐を確認して臨戦態勢だ。

そんな挑戦者たちの雰囲気を感じ取り、“レ・アールの貴公子”レオナルド・ルナがニコニコと頷いた。

 

『うんうん、みんな良い眼をしてる。勝てる要素ゼロなのに、やる気だけはあっていいね!』

 

彼はメチャクチャ良い笑顔を浮かべているのだが、ピリッ、と凪たちの雰囲気が一段と引き締まった。何と言っているかは分からないが、何かを言われた事は伝わったのだ。

そんな張り詰めた空気の中、“神童”ジュリアン・ロキがため息をついて音頭をとった。

 

『ルナさん、また……。まぁ気を取り直して、早速始めましょうか。皆さんも待ちきれないみたいですし』

 

「バチ、殺す」

 

「ああ。トップスターだろうが、俺の足でブチ抜いてやる」

 

「なんかバカにされた気がした。許せん」

 

「……」

 

「とりま、早く潔に追いつきたいし……ブッ倒そうか、世界」

 

──“青い監獄(ブルーロック)”三次選考(セレクション)『世界選抜戦』、5vs.5。5点先取マッチ。──KICK OFF!!

 

ボールは先行、凪たちから蹴り出された。

フォーメーションは清羅をアンカーに、扇状に残り四人が突出したエゴ全開の超攻撃形態(フルアタックスタイル)

左右のサイドから千切と斬鉄の最速コンビが切り込み、中央で馬狼と凪のペアが混沌(カオス)を作り出す。

そして開幕、清羅刃から前線へパスが出された。

 

「俺が先陣を切る」

 

パスを受けたのは、剣城斬鉄。彼はトラップすると同時、右サイドを爆走した。

 

『お、けっこう速ぇじゃん』

 

「ぬ!?」

 

そこに立ちはだかる、圧倒的な無頼漢。ダダ・シウバ。

一瞬気圧された斬鉄だったが、直ぐに眼に熱を灯し、進化したフェイントを織り交ぜて抜き去ろうとする。

 

『はいよ、コッチな』

 

「なに!?」

 

……が、その重厚な肉体からは想像もつかない俊敏な動きで先回られ、フェイントで止まった瞬間のボールを取られてしまう。斬鉄は愕然とし、凪たちも驚きに目を剥く。

そのままカバソス→ロキからの再びのジウバへ流れるようなパスが繋がり、ゴールが叩き込まれた。

 

『シャッハァ!』

 

BL(ブルーロック)0-1:WF(ワールドファイブ)】GOAL!!

 

瞬きの間のゴールシーンに、凪たちが戦慄する。

 

「マジか。斬鉄のフェイントが一発で読まれた……?」

 

「何やってやがるバカメガネ!取られるにしてもアッサリ過ぎんだろ!」

 

「ぬ……スマン。しかし、何が起こったのかマジで分からんかったのだが……」

 

斬鉄に慢心はなかった。だが彼の全力全開のプレーは、それを遥かに上回る技量と経験で塗り潰されたのだ。

千切が呟く。

 

「これが世界のトップレベル……っ。潔たち、こんなヤツらから1点取ったのか」

 

その言葉に、馬狼がピクリと反応した。

 

「あ?マジでビビってんなお嬢。俺らが潔以下って言いてぇのか?」

 

ピキる馬狼が全身から熱を発する。「ボール俺に寄越せ!」と威勢を放ち、試合は再開した。

 

──RESTART!!

 

ボールを受けて猪突猛進する馬狼照英。

それに相対するはイングランド代表、アダム・ブレイク。

 

『良い眼をしてるな、小僧』

 

「うるせぇ!どけ!」

 

直進、からの跳弾偽走(チョップフェイント)。鋭角ドリブルで完全に抜け出した馬狼だったが……──

 

『だが、青すぎる。もっと女のように熟れろ』

 

反転(スピン)、からの圧肩(チャージ)

ドガン!と肩がぶつかり合い、馬狼が一方的に体勢を崩した。

 

「なっ!?」

(コイツッ、あのネガ野郎よりパワーが!?)

 

反射体幹、パワー、技術、すべてが格上。

馬狼が立ち上がった時には、パスを繋ぎ終えてフィニッシュに入るゴールジャンキーの後ろ姿が。

 

『ムサいだけの男にゃ見る価値もねぇぜ』

 

【BL:0-2:WF】GOAL!!

 

「クソっ、何だアイツの身体は!?本当に同じ人間かよ!?」

 

「斬鉄も馬狼も、まるで分かってたみたいに止められたな。世界相手に技術で戦うのは、分が悪いみてぇだ」

 

戦慄する馬狼の横で、千切が眼に熱を灯す。

 

「次、俺に寄越せよ。風穴一発ブチ開ける」

 

己の俊足ならば、例え分かっていても止められない。仲間の武器が通用しない今、これが最も合理的なギャンブルと言えた。

 

──RESTART!!

 

「行っくぜ世界」

 

ギュン!と加速する千切豹馬の足。

視界の隅には“神童”ジュリアン・ロキが映るが、その姿は後方へと流れていく。

そして千切にしか届かぬ完璧な弾道のパスが出され──……

 

『良い足ですね。ですが……』

 

「は?」

 

ゴゥ!と風が吹き荒れ、置き去りにしたハズのロキが現れた。いつの間にか隣に……いや、すでに前を走り、一撃必殺のパスを強奪する。

 

『僕はもっと速い』

 

反転、と同時にその姿が消えた。

文字通り目にも止まらぬ速さ。まさに神速。

ロキはそのまま独走し、走るエネルギーそのままにシュートを放った。

 

【BL:0-3:WF】GOAL!!

 

「マジか。お嬢が速さで負けた……?」

 

「あのロキって奴、俺の完全上位互換かよッ!?ヤバ過ぎんだろ世界……ッ!」

 

項垂れる千切に、馬狼が「まだだ、まだ試合は終わってねぇぞクソが!」と荒ぶる。

だがそんな彼らを嘲笑うかのように、次のボールは清羅のパスすらカットされ、カバソスのテクニカルなシュートが叩き込まれた。

 

【BL:0-4:WF】GOAL!!

 

「……もうアイツらリーチか。ヤッバイね、何も出来てない」

 

凪のボヤきに、しかし反応を返すチームメイトは居なかった。

清羅は無口のまま佇み、斬鉄は口をつぐんで、馬狼は悔しさに歯を軋ませ、千切に至ってはダンマリで俯いている。

そんなチームBLに、WFの声が響いた。

 

『あーん?少し大人げなかったか?』

 

『しょうがねぇだろ。1stチームのヤツらが割とフットボール出来てたから、最初からチョイやる気出して来たんだろが』

 

『まぁそれぞれの能力を確かめるために、ある程度は自由にさせてたけどね。こんなモノかな』

 

遥か高みからの見物。

彼らにとってこれは勝負ではなく、文字通り『お試し合い』の試合なのだ。

凪たち“青い監獄(ブルーロック)”が負ける前提の、退屈しのぎのバイト……

 

「凄いね。あの凛よりもまだ上が居るんだ。サッカーって本当に面白い」

 

トン、とボールがセンターマークに置かれる。

圧倒的な実力差を見せ、試合の終わりが見えてきた現在。

いささか気の抜けてきたトッププレイヤーたちは、この男の雰囲気に違和感を感じた。

サッカーど素人の天才、凪誠志郎という男に。

 

『なんだ、モヤシ小僧。まだ元気があったか』

 

『生意気な目ェしてるぜ。負けてるヤツの感じじゃねぇな』

 

『そういや、まだコイツのプレー見てないね』

 

口々に言われるが、生憎と凪は英語のリスニングは得意ではない。授業ではただの睡眠導入剤だった。

それでも雰囲気を感じ取ったのか、凪は頷いた。

 

「けど、このままじゃ面白くない。次は点取るよ」

 

これだけ差を見せつけられて、なおこの発言。驚いたのは、敵よりチームメイトの方だった。

千切が詰め寄る。

 

「な、凪!?正気かよ……、アイツらからどーやって点取る気だ……!」

 

「え?フツーに正気だけど?というか、潔たちコイツらから1点取ってんだし、俺らも出来んでしょ」

 

あっけらかんに言う凪に、千切は絶句した。だがその背後から、異様な熱気が漂ってくる。

怒れる馬狼だ。

 

「珍しく意見が合うな、クサオ。あのヘタクソに出来て、俺に出来ねぇ道理がねぇぜ……!」

 

「ああ、意気投合してる場合じゃないな。意気消沈して行くぞ!」

 

「……(首を横に振る)」

 

「だからそれ逆だって、バカ斬鉄。……つーワケで、なんかアイディアない?」

 

「大見得切っといてソコは他人任せなのかよ!?……分かったよ、一矢報いてやる!」

 

先程までの沈黙は嘘だったかのように、やにわに話し込むチームBL。

その光景を、チームWFは微笑ましそうに見ていた。

 

『良いね、話し合い(ブリーフィング)は大事だよ。良いチームじゃないか、彼ら』

 

『ですね。磨けば光る逸材ばかりです。最後にもう少し、彼らのプレーを見てみましょうか』

 

貴公子と神童の言葉に、『しゃーねぇな』と凪たちの作戦会議を待つ大人たち。

そして五分後。

ザン!とセンターラインに居並ぶ凪たち。

その眼には若干の緊張を滲ませながらも、全員が闘志とも言える覇気を纏っていた。

 

「待たせたね。行くよ世界」

 

──KICK OFF!!

 

遂にボールが動き出した。

そして同時に走り出す、三人の影。

爆発的初速の斬鉄・最高速度の千切・突進力の馬狼。

常に走り回ってパスを待つ彼らと、その中心で凪と清羅がワンツーパスでジュリアン・ロキを避け、中盤を押し上げる。

パスの選択肢を極限にまで増やした、撹乱と陽動の超速交差連動(ハイスピードシャッフル)

 

『およ、いい動き』

 

『ちょこまかとメンドくせぇ』

 

『ガハハ!元気でイイじゃねぇか!』

 

それぞれがマッチアップし、余裕で警戒網を敷く。だがそれこそチームBLの狙い。

 

「……ここだ、行けお嬢」

 

「オーケー、ブチ抜く」

 

凪からの一撃パス。入り乱れる中、中央突破の千切豹馬が連動するが……

 

『赤いの、お前は本当に男なのか?日本人は童顔だから余計に分かんねぇぜ』

 

女狂いと名高いアダム・ブレイクが、疑問を口にしながら千切と同じタイミングでボールの落下地点へと迫る。彼はパスの供給ラインを先読みし、千切との競走を互角の攻防にしていた。

 

(ッボールへのエグい反応に、そもそも身体能力がクソ高ぇ!俺の方がほんの少し速いけど、千切れねぇ!?)

 

これでは無減速(ノーダウン)ドリブルでもワンタッチが限界だ。純粋な競走ならまだしも、ゴールに辿り着くまでのドリブル中に追いつかれてしまう。

それでも、もはや選択肢はない。千切はボールを前方へ弾いた。

 

「そのボール、ゴチ」

 

『ぬ!?』

 

弾いたボール、それを突進してきた馬狼照英が右からかっ攫った。

馬狼の規格外の行動にゴールジャンキーが一瞬驚く。だが暴走する悪役に追随するは、さらなる暴力の塊。

 

『元気いっぱいだなガキ!俺ァ嫌いじゃねぇぜ?』

 

ブラジルの荒ぶる暴君、ダダ・シウバ。彼が馬狼にその全身をぶつけてきた。「ぬァ!?」と呻く馬狼が咄嗟に弾蹴偽走(チョップフェイント)で避ける……──

 

「後は俺に任せろ」

 

「バカメガネ!?てめぇ!」

 

それを剣城斬鉄が爆発的加速で回収。

戦う筋肉たちを置き去りに、ボールは右サイドからゴールへと突き進むが……

 

『奇想天外なのは認めるけど、ちょいと稚拙だよ』

 

ベビーフェイス、パブロ・カバソスが走行ルートに立ち塞がる。蜂楽レベルのドリブルですら容易く止める彼に、斬鉄の勝ち筋は……──

 

「俺の仕事は……ここまでだ!」

 

カバソスとマッチアップする手前、そこで斬鉄はゴールへシュートを放った。

ゴールにはまだ遠すぎる射程(レンジ)。だがその手前に、一人の男が走り込んでいた。

 

「ナイス斬鉄。つーか皆喰い合いすぎっしょ。作戦通りだけど」

 

凪誠士郎だ。

彼は仲間同士が喰い合う中、ただ一人ゴールへ向かって走り込んでいたのだ。

……だが、その背後に迫る2番ビブス。

 

『これが話し合いの成果かな?モヤシくん』

 

「!?」

 

スペイン代表、レオナルド・ルナ。

彼は一人抜け出す凪の背を、ジックリと観察しながら追っていたのだ。

 

『仲間同士で食べ合う非合理性で、俺たちを撹乱したつもりかな?イイ線はいってたけど、詰めが甘かったね』

 

「マジ?完全に抜け出したと思ったんだけど」

 

飛来するボール、ゴール前のワンシーン。

この一瞬、口調はゆっくりだが、凪の眼と脳は高速で思考を巡らせていた。

──斬鉄のシュート性のパス──敵の圧すげぇ──絶妙な間合いでコース塞がれてる──撃っても入らん──どうトラップしても奪われる──

 

「……なら、コレっしょッ!」

 

凪の選択した行動(アクション)。それは直撃蹴弾(ダイレクトシュート)

だが敵にコースを潰されている今、そのボールはゴールの縦枠──ポストにゴガン!と直撃した。

ボールは弾かれ、ルナの背面へ。

そこに、そうなる様に(・・・・・・)シュートを放った凪が回り込んでいた。

 

「まず、1点!」

 

シュートコースを切り開いた。振り抜く、凪の足──……

 

『だから詰めが甘いって』

 

……の前に、超反射&反転で貴公子の足がシュートブロックし──……

 

「ってな感じの弾詰まり(ジャム・アクション)

 

『ん?』

 

ヂュン!と空砲弾(フェイクシュート)

ボールはさながら薬莢を排出するが如く凪の背後へ流れ、ボールをトラップするのは、清羅刃。

 

「……撃つ!」

 

ドッ!と完全ど|自由《フリー』、GKもDFも居ない無人の空間にシュートが放たれた。

完璧な連動と化学反応。

これが彼らの戦い方。互いすらも喰い合い、なお輝く己の武器で敵を打ち倒す──……

 

『ッおっと。良いプレーですが、僕の前では遅すぎましたね』

 

無人の空間、そこに突如として神童・ロキが現れ、シュートボールを横切ってからボールを弾いた。

凪が思わず呟く。

 

「は?マジ?」

 

『おー、ナイス、ロキ。シュートが思いの外遅かったから、危うく通り過ぎるところだったね』

 

全員の死角から神速で現れたロキと、余裕の間合いでシュートブロックに走っていたルナが減速する。

呆ける凪の目の前で、こぼれ球(ルーズボール)を収めるルナがサムズアップした。

そして目を細めると、彼は言った。

 

『俺たちが絵心から与えられた役割は君たちの査定なんだけど、それは十分よく分かった。君たち、とても良いよ』

 

相変わらずの満面の笑みだが、しかしその目はまったく笑っていなかった。

 

『とても良い。……だからこそ、誠意を持って挫いてあげなくちゃ』

 

「!?」

 

ズン!、と空気が重くなった。

凪が構え、清羅がカバーに動いた時、すでにルナは彼らの後方へ。

 

「!?、何突っ立ってやがる!?」

 

叫ぶ馬狼が正面、左右からは千切と斬鉄が挟むも、スッ、トン、ちょん、とゆったりとしたワンタッチで避けられる。

特別素速いワケではない。何か特殊な技術を使われたワケでもない。

なのに誰も触れられない。貴公子は汗ひとつかかず、五人からゴールを奪い去った。

 

【BL:0-5:WF】GOAL!!

 

あっという間の試合終了に、五人は思わずその場にへたりこんだ。

息も絶え絶えな彼らに、トッププレイヤーたちは優雅に去っていく。

 

『最後は本当に良かったよ。君たちみたいなプレイヤーを育てるためなら、この施設を建てた無駄金もちょっとは無駄じゃないかもね。アディオス、才能の原石君たち』

 

凪たちを歯牙にも掛けなかったルナがそう言い残し、彼らは去っていった。

残された凪は、大の字で身を投げ出すと呟いた。

 

「点、取れなかった……。世界、すげー……」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。