チート貰って転生した先がfate世界だった話   作:なゆさん

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遅れてすみません。
言い訳はない。
悔いはある。


冥界の女主人と殺し合いしたらいつもの展開になった話

「冥界の赤雷よ!!」

「チッ!」

 

飛んできた赤雷を躱す。

状況は最悪だ。なんで冥界の女主人(エレシュキガル)と冥府で戦わないといけないんだ。冥府の刑罰を使ってきてはいないからまだ拮抗できているが、イシュタルですらなすすべなく一方的にボコボコにするそれを使われたらもう終わりだ。

 

「あーもう避けるな!!」

「避けないと死ぬでしょ!?」

「そうよ!! 死になさい!!」

 

そんな理不尽な。襲って来たの向こうからですよ? 正当防衛でしょうが! 少しぐらい話聞いてくれても良くない?!

 

「しょうがない。一回勝って話を聞いてもらう事にしよう……フッ!!」

 

加速して一瞬で距離を詰める。

 

「舐めるな!!」

 

エレシュキガルが腕を振るうと、接近する私に向けて禍々しい槍のようなものがいくつも放たれる。

 

「【アレスト】」

 

向かってくる槍を停止させ、そのままエレシュキガルを捉える。

 

「ハッ!!」

「な!?―――冥府の獣よ!!」

 

渾身の拳はエレシュキガルを庇った狼のような獣に防がれてしまう。

 

「やるじゃない。どうやってかは知らないけど、私の権能を無効化しているし。――けど、いくら冥府の刑罰が効かないからって私に冥府で勝てるとは思わないことね!!」

 

へ? いや、別に無効化してるつもりはないんですけど。なんでだろ。体質?

 

「行け!!」

「――おっと!」

 

考えを中断し、向かってきた先程の獣の一撃を躱す。エレシュキガルが来る前に倒した獣よりも数段速い。恐らく、エレシュキガルの加護で能力が上昇している。並のサーヴァント以上の可能性すらある。

 

「逃さない!!」

 

エレシュキガルが追撃の槍を放ってくる。

それを取り出した剣で捌きつつ、油断なく獣に意識を向ける。

 

「GAaaaa!!」

 

咆哮を上げて向かってくる獣。

 

「【■■■■(燃え盛れ)】!!」

 

私の開発したオリジナル。私が魔術に最適化して()()()()()()()()()による魔術。某裏切りの魔女の高速神言以上の速度と威力を出せる。

炎が獣に向けて放たれる。――が、

 

「GAA!!」

 

私の高火力の魔術を無視し、そのまま突進してくる。

 

「やっぱり魔術は効かないか。」

 

それだけじゃない。物理攻撃も効果は薄いだろう。恐らく、霊体に対して特攻のある攻撃でなければダメージにならない。一応そういう魔術も使えるには使えるが、オリジナルに改造しているわけでもなければ使い慣れているわけでもない。某神父の真似事なら完璧に出来るが、それ以外だと手間がかかるし、某神父のアレもエレシュキガルが見逃す筈がない。必然的に霊体特攻のある剣を使う事になる。

 

「はぁ。私ってどうしてこう、スマートな戦闘が出来ないんだろう?」

 

愚痴りながら剣を構える。私だって、かっこいいセリフ言って、クールに魔術で強敵を倒すみたいな、そんな戦い方がしたいのに。

 

「GAaaaaaaa!!」

 

繰り出された爪を躱し、前足を斬りつける。

 

『ガキン』

「硬っ!!」

 

私の剣は前足を斬り裂く事は出来ず、半分もいかないところで止められる。

 

「Graaa!!」

「チッ!!」

 

獣の噛みつきをスレスレで躱し、距離をとる。――しかし、

 

「冥界の赤雷よ!!」

「しまっ――ぐっ!!」

 

私の行動を読み跳躍した先に放たれたエレシュキガルの雷は、私の横腹を焼き貫く。

 

「ようやく捕まえたのだわ。」

 

エレシュキガルが手を振るう。動きが止まった私は呆気なく手足を串刺しにされ、拘束されてしまった。

 

 

 

 

 

「さて、私の冥界に侵入し、あまつさえ蘇るとはいえ私の眷属を殺した大罪。しっかり償って貰うのだわ!!覚悟はよろしくて?」

 

そう私に告げて、近づいてくるエレシュキガル。

落ち着け。相手は油断している。なら、まだチャンスはある。あと少し、あと少し引き寄せて……今!!

 

「まだまだ死にたくはないからね!!【(輝け)】!!」

 

瞬間、まるで太陽のようなまばゆい閃光が辺り一帯を覆った。魔術による目潰しだ。

 

「キャッ!?」

 

もろに光を浴びてしまうエレシュキガル。その隙に私は拘束を解き、肉体を治癒させる。

 

「あー、痛かった――」

「GAaaaaa!!!」

「君の動きはもう見切ったよ。」

 

後ろから噛みついてくる獣の一撃を紙一重で躱し、躱しざまに開いた口に剣を投げ込む。

 

「トドメだ。【壊れた幻想(ブロークンファンタズム)】」

「Gr―――」

 

獣の体内で剣が爆発し、獣は消滅した。

 

「あ~あ、あの剣造るの大変だったんだけどなぁ……まぁそれはいいとして―――私の勝ち、だよね?」

 

視界がようやく戻ってきた様子のエレシュキガルの首元に新たに取り出した剣をかざし、そう告げる。

 

「ぐっ……私の負けよ。好きにしなさい。」

「それは良かった。じゃあ、話し合いといこう!」

「へ?」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

――事情説明――

 

「え、えっと、それってつまり………」

「まぁ、エレシュキガルの眷属を(蘇るらしいけど)たくさん殺しちゃったし、私も悪いとは思うんだけど……私に侵略とかの意図はないし、何なら早く帰りたかったから、その勘違いは正さないとね。」

「つまり私は、勘違いで殺そうとした挙げ句、油断で負けたってこと!? イシュタルより性質が悪いじゃない!!」

 

あ、そこの比較対象イシュタルなのね。

 

「それで……この件はチャラってことでいい?」

「むしろこっちに非があるし、貴方が良いならそれでいいわよ。」

「全然いいよ!私達、もう友達でしょ?」

「へ?」

 

エレシュキガルが呆けた顔をする。

 

「え? いやだから、もう友達でしょ?」

「友達、なの?」

「友達だよ」

「でも、会ったばっかり――」

「友達だよ」

「さっきまで殺し合いを――」

「友達だよ」

「………そう、かしら?」

「うん。」

「そう、よね。私達は友達なのよね。」

 

よし。丸めこめた。エレちゃんは押しに弱いってのは原作殆ど覚えてなくとも分かる。だってエレちゃんだもの。

 

「じゃあ、私はもう行くから。出口はあっち?」

「ええ。……また来なさい。貴方なら出来るでしょ?」

「――うん! 友達だもんね。またね!!」

 

ふぅ。疲れたけど、友達できたし、冥界探索なんていうなかなか出来ない体験も出来たし、結果オーライだね。

 ……私、今いる友達全員と殺し合いしたことあるんだけど。なんで皆ファーストコンタクトがこんなんばっかなんだろ?

どうやら私は、殺し合いをしないと友達をつくれないようです。

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