WOLVERINE STRANGER OF LYCORIS   作:織姫ミグル

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第6章

 

 

「イチャつく写真をひけらかすから! こんなことになんのよぉ~っ!」

 

「僻まないで下さい」

 

「僻みじゃねぇよ!! SNSへの無自覚な投稿がトラブルを招くって言ってんのよ!!」

 

 

メガネのお姉さんがスマホの中に保存してある写真を見てムカついた様子になると、隣に座っているたきなから呆れたような声が返ってくる。

 

彼女達は以前受けた任務を振り返りつつ会話を楽しんでいる。

 

 

「楽しくねぇよこの状況!! 何が悲しくて女二人で店番してないといけないのかッ!!」

 

 

今店には二人しかいない。

 

開店し始めたばかりだから一番客が来る時間帯ではないのもあるだろうが、だとしても従業員二人で店をやっていくには些か心細すぎる。

 

すると、たきなはその言葉に肩を落として、

 

 

「······私だって嫌ですよ」

 

「あ? 私といることが?」

 

「違います······何で千束さん達だけなんですか」

 

「······」

 

 

たきなは頭の中にいっぱい疑問を抱えているようだが、ミズキは深く考えない。

 

たきなが言っているのは、あの男の件についてだ。

 

髭を生やした謎の男の捕獲。

 

その報告として千束とミカが同行し、二人とも今はある場所に向かっている。

 

そこはたきなにとって、戻りたい場所でもあった。そこに行けなかったことを悔やんでいるらしい。出来ることなら自分も一緒に行きたかったが、ミカが断固としてそれを許さなかった。千束も今回ばかりは折れるようにお願いまでしてきた。自分が着いていっちゃいけないほど大事な用事みたいだが、詳細さえ教えてくれなかった。あの男の件であるのはわかっていても、少しくらい話してくれたって良いのではないかとさえ思う。

 

自分を除け者扱いされている気分に腹が立ち、下唇を噛み締める。

 

そんなたきなに、ミズキはちょっとくだらなそうな声で返す。

 

 

「いいのいいの! あんな所に行かなくて。あんたらみたいな孤児を集めて殺し屋を作る組織なんて行かなくて正解」

 

「ッ!!」

 

 

その語尾が皮肉っているのを感じ取り、たきなの目つきが憎悪に染まる。空気が読めてない発言には、普段から冷静な状態でいるたきなでも我慢ならなかった。

 

しかし、たきなが噛みついてくる前にミズキは真剣な表情に切り替えて彼女に伝える。

 

 

「本当、今回はマジで行かなくて正解だったよ。冗談抜きでね」

 

「······?」

 

 

丸椅子に回転機能はないが、彼女は腰を動かして体勢を変えるとカウンターテーブルに肘をつけて天井を眺める。

 

そのまま目を鋭くし、同情するような声色でポツリと呟いた。

 

 

「······()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え?」

 

 

ミズキはぷらぷらと手を振って何でもない、とだけ言うとさっさと仕事に戻るようにたきなに促す。

 

その言葉の意味を、彼女は理解できなかった。何を言われても、彼女の中にある劣等感が考えることを阻害する。

 

たきなはテレビ画面に目をやる。

 

春の知らせを告げる天気予報は終わり、今日の話題としていつものように『アラン機関』が認めた才能達の報道が始まっていた。

 

 

 

✕✕✕✕✕

 

 

 

時刻はもうすぐお昼の十二時といったところだった。

 

たきな達がいたところからかなり離れた場所で、ローガンを乗せた車は走り続けていた。山奥で新鮮な空気がしこたま吸えるような場所に嫌悪感を感じながら、怪訝そうな顔で運転手にいる男、ミカの後頭部を見た。

 

 

「俺を何処に連れていく気だ?」

 

「わたしの知り合いがいる場所だ。千束にとっては母校みたいな所だな」

 

「あそこ嫌いなんだけどなー」

 

 

隣にいる少女が不服そうにそう呟いた。

彼女は窓に肘を立てて頬杖をつき、外を眺めている。まるでこれから地獄に行くみたいな顔をしている。

 

そんな所に連れていかれるとか、

 

 

「何故俺がそんなところに行かなきゃならない?」

 

「君を連れてくるように、と言われていてね。まあ安心してくれ。悪いようにはしない」

 

「······()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「うあッ!! ちょっ!?」

 

 

ローガンが左腕を上に上げると、何故か千束の右手が上に持っていかれる。

 

現在ローガンの手首には手錠が掛けられている。しかし、片側だけだった。もう片方はどいうわけか千束の右腕に装着されており、二人は今片方ずつの腕しか使えない状態だった。

 

運転に集中しているミカは後ろを振り向かず、ミラーだけを見てローガンに話しかける。

 

 

「すまないな。君を連れてくる際に自由の身のままにさせていると向こうがうるさくてな。秩序と言うか治安と言うか、そういったものを守るために形だけでもそうしておいて貰わないといけないんだよ」

 

「なら俺だけに手錠を掛ければいい話だろ。なんでわざわざこんな奴と一緒に繋がれなきゃならないんだ?」

 

「こーらー! こんな奴とか言うなよ~!」

 

 

ローガンが不服の声を漏らすと、千束がノリツッコミみたいなテンションで会話に入ってくる。

 

ミカは苦笑し、

 

 

「疑っている訳じゃないが、こうでもしないと大人しくついてきてくれないかもしれんからな。着くまでもう少し我慢してくれ」

 

 

報告によれば、彼は精神的不安定な部分があると聞く。よく現れる感情は怒りであり、ちょっとしたことで頭に血が上りやすいと千束とたきなからの報告を受けている。であれば、日常生活でも感情のコントロールが出来ないほどであるという可能性もある。そんな奴が暴れないという保証もない。

 

たとえ暴れられても、千束なら余裕で取り押さえることができる。万が一力が強くて撥ね除けられても、力が自慢なミカも加われば一瞬で鎮圧できる。

 

出来れば、話をして素直についてきて貰えればこちらとしても助かるのだが、念には念をというわけで常に監視するためにこういう処置を取った。

 

ローガンは口を歪めて、

 

 

「で、何をしに行く? まさか、俺の体でも調べるつもりか? だとしたら、お前達の望み通り今すぐ暴れてみせるぞ?」

 

「ちょっとー、冗談でもそういうこと言うもんじゃないよおじさん~?」

 

 

千束が案外マジな顔で言ってくるが、ローガンも案外冗談抜きで言っている。

 

自分が他の人間とは違うということを知られたくないんだろう。もう周りの奴らは理解しているとは思うが、それでも体の中を弄くり回されたらたまったもんじゃない。プライバシーの侵害とも言える行為を許すはずがない。

 

それに、理由はそれだけではない。

 

ローガンはかつて、ある『極秘計画』の『実験』に参加していた。今となっては過去のことだとしても、彼は世界から見れば希少な存在であり、貴重な研究素材でもある。どこのどいつかもわからない奴らに色々と調べさせて、新たな兵器開発技術に応用できれば、その組織は莫大な利益を得られることになる。

 

そんなこと許すはずもない。

 

利益自体は特には気にしないしどうでも良いが、自分と同じような力を持つ存在が生まれてしまったら、また世界で争いが起きる。

 

『この力』は、本来あってはならないものだ。『この力』のせいで、多くの命が失われた。

 

せっかく自分と同じような人間達はほとんど絶滅したというのに、そうなってしまってはまた世界の均衡が崩れてしまう。普通の人間達が多くなってしまった今、この力は世界には過ぎた代物だ。

 

譲るわけにはいかない。

 

しかし。

 

 

「言っただろ? 悪いようにはしない、と」

 

 

ミカは振り返りもせずに告げた。

 

 

「ああ?」

 

「詳しいことはまだ言えないが、現状君をどうこうする権利は我々にはない。体をいじったりするなんてとんでもない。ただ今回は、話をしに行くだけさ」

 

「······という事はつまりこういう事か? その話し合いで俺をどうこうする権利を手に入れて、どこかの見知らぬ研究施設にでも預けるための準備をするってわけか?」

 

「おいおい、それは少し被害妄想が激し過ぎるぞ。心配しなくても我々は君に危害は加えない、約束する」

 

「······」

 

 

ローガンは目を細めて頭の中で吟味する。

信用できる部分が何一つ無さすぎて、むしろ不安になってきた。

 

そもそもまずこいつらの正体がわからない。この二人からはどうも一般人という雰囲気がしない。前で運転している男もそうだが、隣に座っているこの少女もどうも気に喰わない。子供が放っていいオーラを軽く越えている。殺意は上手く隠しているみたいだが、警戒心だけはどうも隠しきれていないらしい。

 

さっきからやたらと窓の外を見ているし、まるで気にしてませんどうぞ話を続けてくださいと言っているかのようだ。だが、意識だけはこちらに向けている。目は外に行っていても、聞き耳だけは立てている。素人の素振りではないのが明らかだ。

 

ローガンは元々軍人。そこで、尋問官としての知識を学んだ。長く生きてきてその知識はどんどん洗練されていき、嘘をすぐ見抜けるようになった。顔色一つで何を考えているかなんてすぐわかる。

 

どうやら、このまま行くと確実にめんどくさいことになりそうだ。怪我をしない程度に暴れて、丁寧に逃げた方が手っ取り早いとも思い始める。

 

が。

 

そこで唐突に、隣に座っている少女が呑気そうな声で言った。

 

 

「逃げても構わないよ? その代わりこっちもマジで追いかけるけどね~!」

 

「······」

 

「でもそんなに警戒しなくていいよ。先生は嘘はつかないから、安心して身構えてなよ~おじさん!」

 

 

ドヤッ!! と最後の台詞を言い終えた瞬間にそんな効果音が聞こえてきた気がした。

 

安心した方が良いのか、身構えた方が良いのか。

 

にししと笑ってふざけた感じで言ってきたのを見ると、彼女はかなり楽観的のようである。

 

しかし、ローガンはある部分がどうしても許せなかった。男には、年齢や見た目的にはそうだとわかっていたとしても決して譲れないものがある。

 

気に入らなかったローガンは千束に指差して念入りに忠告をする。

 

 

「お前におじさんと呼ばれる筋合いはない。二度と俺をおじさんと呼ぶんじゃないぞ」

 

「えー? だって名前知らないしぃ~?」

 

 

お・し・え・て? みたいに頬に指をあてて首をこてんと傾げているが、ローガンにそんな子供染みたからかいは通用しない。

 

しかしまあ、お互い名前を知らないのは困る。

 

ローガンはため息をしながら、

 

 

「······ジェームズ・ローガン・ハウレットだ。ジェームズでもハウレットでも、好きに呼んでくれ」

 

「うんはいわかった! 私は錦木千束!! あ、ち・さ・とでオーケー! よろしくねローガンさん!!」

 

 

自分が言った候補のどれも選んでいない千束に、ローガンはちょっと苦手そうな顔をする。好きに呼べとは言ったが、まさか“一番嫌いな名前”を選ぶとは。

 

ローガンは千束から視線を逸らすように、忌々しげに車窓の外へ目を向けた。やはり子供は苦手だと改めて認識した彼は、今まで抱えていた不安を忘れて日本の風景を楽しんでいた。

 

 

 

✕✕✕✕✕

 

 

 

その建物は一般人は立ち入り禁止だった。

 

フェンスで道を塞いで許可した車以外は一切通ることを許さず、侵入しようものなら茂みに隠してある全自動感知式ガトリングガンが火を噴く。

 

常に監視カメラが録画しており、顔の認識も自動でやっている。千束はそれを理解した上で、検問を通る際に監視カメラに視線を向けて舌を出して馬鹿にする。

 

彼女にも、彼女なりの都合があるのだろう。

 

そんな事情もあって、彼らは現在施設の正面玄関に立っている。

 

車を入れるための駐車場は特なく、玄関前にハザードだけを出して放置する。結局、ここに来るまでずっと車の中から千束の腕と共に拘束されていたローガンは、腕を痛めたかのような様子を見せて入り口へと入っていく。

 

すると、それを見たミカが忘れてたみたいな顔をして手錠のロックを外す。それと共に、千束はローガン以上に解放されたことを喜ぶ。両手を上に上げて思わず快哉を上げる。もう敷地内に入ったから、逃げようものなら監視カメラに捉えられて捕獲装置が作動して即確保されるので、もう必要ないと説明された。

 

しかし、喜ぶのはまだ早い。

 

次の検問を通り抜けなければならない。

 

金属探知機と顔認証。

 

これを通らなければ次に進めない。

 

 

「······」

 

「? どったのローガンさん?」

 

「······いや、なんでもない」

 

「君は客用ルートで入ってきてくれ。荷物とかあったらそのレールに置くようにな」

 

 

ゲート式の金属探知機を見て、ローガンは渋い顔をする。二人は自分達の荷物を一度レールの上に置いて、危険物がないかをチェックする。正確には、登録されていない武器がないかをチェックする。彼女達は武器の所持を許可されており、登録していれば検査には引っ掛からない。

 

二人は無事に通過。

 

残りはローガン。

 

ミカに言われた通り、ポケットから余分なものは抜いて、一番端にあるゲートを通りすぎようとする。

 

が。

 

 

ビーッ!! と。

 

 

その時、ゲートの金属探知機が甲高い音を立てて、そしてローガンは駆けつけた係員に睨まれる。

 

二人もびっくりしてる。彼の手を見ると、持っているものは何もない。ポケットの中に入っているものも全て抜いた状態だ。

 

しかし、係員は厳しい。

 

まだ何か隠してんだろ的な目つきだ。

 

 

「もう何も持っていない」

 

「そうですか。では一度下がって、服を脱いでまた通ってみてください」

 

 

どうやら信じてくれないらしい。

そう言われてゲートの外に押し出されるローガン。

 

彼は不服ながらも上着を脱ぐ。下に着ているものは何もなく、上半身裸の状態でまた通り抜けていく。それを見た千束は少し顔を赤めている。

 

が。

 

またしてもビーッ!! という音が鳴り響く。

 

 

「·······まだ金属製のものをお持ちでしょ?」

 

「もう身に付けてるものは何もない!! 全部出したッ!!」

 

「ズボンの中は?」

 

「下も脱げって言うのか!?」

 

「しかし、探知機が反応してますので······」

 

 

疑惑の目で見られるローガンは少しこめかみに青筋を浮かべる。もうないと言っているのに、彼女はいつまで経っても疑いの目で見てくる。

 

だが実は、彼には心当たりがあった。

 

金属探知機が何に反応しているのか、彼はうんざりとするほどよく理解している。

 

苛立っているのか体がピクピクと小刻みに震え、奥歯を噛み締めながら告げる。

 

 

「生憎と······取り外しが出来ないんでね」

 

 

ゆっくりと両手を前に出す。

拳を作り、指の付け根を上にして係員に見せる。

 

その様子に係員は首を傾げている。だが見せろと言われたんだ。ちゃんと見せなければこいつも自分も納得しない。

 

そして、

 

 

シュン!! と。

 

 

物騒なもんがローガンの手から飛び出した。

 

 

「ひッ!?」

 

 

人外染みたマジックに絶句する係員は背筋に寒いものを感じながら後退る。

 

ローガンはそんな彼女に自慢の爪を見せつけるように詰め寄ると、

 

 

「見えてりゃ文句はないだろッ!? これでどうだッ!?」

 

「オイコラぁぁぁあああッ!! 着いて早々何やらかしてんだぁぁぁああああああッ!!!!!」

 

 

係員を恐怖させていることに気付いた千束は迅速にその不審者を捉えるべく、見たこともない顔をしながら勢いよく突撃してきた。

 

 

 

✕✕✕✕✕

 

 

 

散々な目に遭った。

 

謎のチョークスリーパーを受けたローガンは強制的に大人しくさせられた。ミカがしばらくの間係員に言い訳を述べている間、千束からありがたいお説教を受ける羽目になった。

 

もう行っていいと許可されると、ミカによって施設内に案内される。行き交う者達がこっちを見てくる。ローガンはもちろんだが、千束とミカにも注目が行っている。

 

しかし、この施設には女しかいないのか、とか考えていると千束がミカにこう言った。

 

 

「そもそも、何で私までここに呼ばれたの先生?」

 

「言ってなかったか?」

 

 

それを聞いたミカがそう聞き返すと、千束は嫌そうに頷く。

 

 

「心配しなくても、お前は何もしなくていい。一応礼儀正しくはしてろよ」

 

「だから、何しに私も連れてこられたの?」

 

「······契約手続き」

 

「? 何の?」

 

 

そこまで聞かれると、ミカは横目でチラリとローガンの姿を確認して、

 

 

「彼のな」

 

「???」

 

 

疑問に思うのも束の間、ミカは一つの扉の前で足を止める。

 

この施設の中でも、一回り大きな両開きの扉だ。

 

 

「げっ!? やっぱり?」

 

 

その扉を見て、千束は何故か露骨に嫌そうな顔をする。悪い予感が当たったとでも言いたげな感じで悩むように額に手を当てている。

 

何か事情があるのだろうが、千束がそうまでなるなんて、この先に一体何が待ち受けているのかむしろ気になりはじめる。

 

 

「こうならないようにわざわざ先生に相談したのにぃ〜」

 

「千束が困るようなことはない。安心しろ」

 

「でもだって、ここって───」

 

「だから言っただろ、今回は彼の件だ。こちらの考えは予め伝えてある。勿論DAに復帰とかそういう話は一切しないようにとも言ってある」

 

「マジ!?」

 

「ああ、マジだ」

 

 

言いながら、ミカは巨大なドアに三回ほどノックする。中から『入れ』という声が聞こえてきたと同時に、ミカはノブを回す。

 

結局、二人の事情がよくわからないままローガンは扉をくぐって中に入る。

 

三人が広いスペースに踏み込むと背後の扉は静かに閉められる。映画かなんかに出てくるようなだだっ広い部屋は、司令室のようだった。

 

真ん中には白いソファが二つと、その間に黒い机が一個。

 

その先に、何やら疲れてそうな目をした女性がデカイ机の先にある大きな椅子に腰かけ、こちらを食い入るように見ていた。

 

千束でもなく、ミカでもなく、何の変哲もないどこにでもいるような中年のおっさんに。

 

ミカはそんな彼女に声をかける。

 

 

「久しぶりだな」

 

「いつも電話先でしか話しませんからね」

 

 

彼女はそっと息を漏らすような声でそれだけ言うと立ち上がり、机の前へと移動する。赤い髪をしてどこか見下すような目つきをしている彼女は来訪者をジロリと見返す。

 

その目を見た千束はにっこりと笑って、

 

 

「どぉーもぉー」

 

「リコリスの義務は果たさないくせに、こういう時は呼び掛けに応じるんだな」

 

「DAの仕事もたまにはやってるじゃないですかぁ······」

 

 

礼儀の欠片もない姿勢で話す千束。

 

女性にそう言われ、最低限の敬意は払っているものの生意気な口調で応じる。

 

そして更に舐めた態度で。

 

錦木千束は目の前にいる女性に対してこう呼びかける。

 

 

「楠木さんも、相変わらずお元気そうで」

 

「ああ、お前もな千束」

 

 

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