仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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風の精霊chapter⑥

 満月が明るく照らすこの夜、平和なエアリアの町に危機が迫っていた。町の中心で談笑するイカロスの男性が空を見上げて違和感を感じた。

 

「おい、あれなんだ?」

 

「なんのことだよ」

 

「ほら、あの黒い影みたいなやつ……」

 たしかにこちらに迫る雨雲よりも黒い影がものすごい勢いでこちらに迫ってきている。

そして、イカロスの男たちがずっと不思議そうに見ているとこちらに何かが突っ込んで来るのが見えた。不気味な雄たけびを聞き男たちは逃げようとするが、間に合わずその黒い影の正体グリフォンに捕まってしまったのだ。

 

「ひ……ひぃ!!助けて!!」

 グリフォン達だけではなかった、地上ではリザードマン達が何百匹も町に流れ込み民衆に襲い掛かっていた。空と地上からのダブルパンチで町は大パニックだ。

 

「間に合わなかったか……」

 アウリス達が到着するが少し遅かった、もう魔物が町に流れこんだ後だったのだ。

 

「とにかくまずは人々の安全の確保を優先ね!」

 

「グリフォンは私に任せてくれ!」

 レイナはわかったとだけ言い細いレーザーブレードのような剣を構えリザードマンに斬りかかった。ネレイスは地上のレイナサポートに周り、華麗なジャンプで敵を避けて銃弾を発射し続ける。そしてアウリス背中の羽を羽ばたかせ空へ槍を携えてグリフォンを一匹ずつ蹴散らしていく。

 

「なんて数だ……」

 やはり数が多い私一人では……いや何を言ってるんだ今は私しかグリフォンに対抗できる存在がいない!!!森に住むアルラウネのためにも……アウリスは手を刀のような形にするとグリフォンに向かって風の衝撃波を斬撃のように飛ばして真っ二つにしていった。だがこれもいつまでもつか……

 

 さて地上でも激戦が繰り広げられていた、リザードマンの攻撃をものともせずに次と切り裂いていくレイナ囲まれても、閃光のごとく早く動いて交わしていく。

 

「さすが王都公認の騎士さんですわね」

 

「貴方こそ、流石精霊って感じの強さね」

 二人は華麗に避けながらリザードマンを蹴散らしていく、その光景はまるで一つのショーを見ているようだ。

 

「それにしても、ソゲン遅いですわねいくら雑魚とは言えこの数では体力が持ちませんわ……」

 ネレイスが少し息切れ気味にレイナに話していると、突然優しい光に包まれネレイスの疲れが取れていく。

 

「ヒールの魔法をかけたわ、これでまだいけるはず」

 

「レイナさん、ナイスですわ」

 

「けど、いくら私でも魔力の限界がある急がないと……」

 

 アルラウネの皆は大丈夫だろうか……?今はそんなことを考えてる暇がないのに、頭の中はアルラウネの子供たちの事でいっぱいだった。

 

「集中しろ!私!」

アウリスは自分に喝を入れるように頬を両手で叩き気合を入れた、そんな時地上の様子が気になり、ふと下を見ると、リザードマンに囲まれる緑の髪の少し年老いた女性の姿があった。

 

「お母さん!」

 それはアウリスのハーピィのお母さんだった、羽が老いて飛ぶことが難しく体も少し弱かったので逃げ遅れてしまったのだ。アウリスは慌てて地上へと降り、周りにいたリザードマンを薙ぎ払った。

 

「アウリス!」

アウリスの母が娘の姿を見つけて、抱き着いた。

 

「お母さんもう大丈夫だ……ここから逃げよう」

アウリスは母を抱いて空へ飛び立とうと羽を羽ばたかせた時その刹那だった、背中にあった右翼がなんとアウリスの背中から赤い血を散らしながら飛んで行ったのだ。

 

「ぐぅ……ぐわぁ……」

リザードマンが翼を斬ったのだ……今までに感じたことがない激痛がアウリスを襲う。

大丈夫だ、片方の翼がなくなってももう片方が残っていれば飛ぶことが可能だ。背中の激痛に耐え左翼を羽ばたかせなんとか低空飛行で飛んだ。

 激痛に耐え低空飛行し続ける事数分、安全な場所へ母を送り届けることができた、アウリスは優しく母の身の安全を隠せる場所へと降ろした。

 

「はぁはぁ……お母さん大丈夫か?」

 

「アウリスこそ!翼が!!」

 

「た、大したことはない」

 そう言い放って、もう一度低空飛行でリザードマンへと攻撃を仕掛ける、背中が痛い、おそらく背中からは大量の血が溢れていることだろうだけどここで倒れたら……グリフォンの相手が……もう一度片翼で空へ飛び立とうとするとどこからともなく子供の泣き声が聞こえた。どこだ、まだ逃げ遅れている子供がいたのか?泣き声が聞こえる方向へと低空飛行で飛ぶ。いた!ハーピィの幼い娘だ、しかも怪我をしている、周りにいたリザードマンを蹴散らして、子供に近づいた。

 

「大丈夫か?」

 アウリスの顔を見た少女は泣くのやめ、安心した顔を見せた。

 

「アウリスお姉ちゃんが来てくれて良かった……」

 

「もう大丈夫だ」

 周りに何もいないことに安心しきったのか、彼女は後ろから迫る脅威に気づいていなかった、それに気づいたのはハーピィの少女の一言だった。

 

「アウリスお姉ちゃん!!!」

 

「え?」

 気付いた時には遅かった、背中に先ほどまでと比べ物にならないくらいの激痛が駆け巡った。後ろではリザードマンがしてやったりという気分で雄たけびを上げているのが聞こえた。その雄たけびを聞いて少し遠くで戦っていたネレイスがアウリスの異変に気付いた。

 

「アウリス!?」

 ネレイスは華麗にジャンプを決めながらアウリスの周りを囲んでいたリザードマンに銃弾の雨を浴びせ、全員蹴散らした。

 

「アウリス?だ……!!??」

 目を疑った、夢だと思いたかった……そこには片方の羽を根元から切られ、背中から大量に血を流しハーピィの幼女を庇うように倒れたアウリスだった。背中には鋭利なもので刺されたような深い傷がある。

 

「ネ……ネレイ……ス……」

 今にも消えてしまいそうな息だ……まるで命の糸がほつれかかっているようだった。

 

「アウリス!大丈夫?」

 ここは危険だ安全なとこへ……安全な場所へと移動しなければ!彼女は一心不乱に飛んだ、親友を少しでも早く助けたい想いだった。そして少し離れた場所に何もいない安全な場所を見つけた、ここなら!!二人を降ろすと、ハーピィの幼女逃がし、今にも息絶えてしまいそうなアウリスをゆっくりと寝かした。

 

「アウリス……」

 

「ネ……ネレイス……ハーピィの娘は……」

 

「馬鹿!!なんで貴方は自分の事よりも子供なの!?」

 昔からそうだ、アウリスは子供の事になると自分を捨ててまでも守ろうとする、そして周りの事が見えなくなって自分は危ない目に会う……こんなこと繰り返して来たらいつかは自分の命も投げ出してしまうんじゃないかと思っていた。それが今起こってしまった。起きてほしくなかったのに……

 

「あはは……な、何でこんな時も子供の事なんて……考えてるんだろうな……」

 

「貴方はいつもそう!!なんで、なんで……自分の事を大切にしないんですの……」

 

「ご……ごめん……」

 アウリスは震える手をネレイスの顔へと伸ばし、彼女の目から流れる涙を手で拭ってあげた。

 

「ネ……ネレイス……私は君にとっていい親友だっただろうか……?」

 

「な、何言ってるの!?」

 

「最後に聞きたくて……こんな私でも君は親友だと思ってくれて嬉しかったよ……」

 そう言って微笑むと、アウリスの体が少しずつ緑色の粒子となって消え始めていた。

 

「いや……いやぁぁぁぁ!!!死なないでアウリス!!!」

 

「お……お別れの時だ……」

 どんどんと目の光がなくなっていくアウリス、最後にネレイスを慰めようと手をばした。

 

「わ、私の親友でいてくれて……ありがとう……」

 慰めようと手を伸ばした腕は届かず、彼女の足に手をのせて目を閉じた。

 

「アウリス……」

 まだ体は消えていない……レイナさんのヒールでもしかしたら助かるかもしれない!!

ネレイスは立ち上がって走り出そうとするが、悲しいかな周りには先ほどの叫び声を聞きつけてやってきたリザードマンの集団、そして空にはグリフォンもいて得意のジャンプもできない……

 

「上等ですわ……」

 ネレイスは銃を構えようとすると、そうはさせまいとグリフォンが銃を持っている腕に対して急降下し、もっていた銃を奪った。

 

「嘘……」

武器を失った精霊はただの女……いや手から水流を出すこともできるがそれは彼らにとっては致命傷にはならずこちらにとってもその場しのぎにしかならない、どうする?そんな事を考えているともうリザードマンはずりずりとこちらへとギラりと光る剣を持って何匹もこちらへ近づいてきている。覚悟を決めるしかないか……と手をかざした時だった。

 

≪ignis! finalatack!!≫

聞き覚えのある声が聞こえると目の前を赤い火の鳥が駆け巡り、リザードマンとグリフォンを一気に全滅させた。そして燃えカスとなった魔物が散る中、正義のヒーローディーパ イグニスフォームがネレイスの目の前に現れた。

 

「ごめん!!遅れた!!大丈夫か!?」

 呑気に表れた僕に腹を立てたネレイスは僕が拾い上げた銃をひったくるように受け取った。

 

「遅すぎますわ……アンタのせいでアウリスが……!!」

 ディーパの鎧を叩きながら顔を真っ赤にし泣きじゃくるネレイスは後ろを指差した。

 

「アウリスがどうかしたのか!?」

(ソゲン君あれ見て!)

 セレステは僕の体を動かすと、そこには緑色の粒子状となって消えていくアウリスの姿があった。

 

「嘘だろ……」

 

「何とかしなさいよ!!!!!」

 

「何かあったの!?」

 リザードマンを切り裂きながらレイナがネレイスの悲痛な叫び声を聞いて近づいてきた。

 

「あ…アウリスが……」

 「えっ」と驚きの声を上げ、ネレイスに案内されアウリスに近づいたレイナ

 

「ヒールで何とかなりませんの?」

 アウリスの様子をじっと観察したレイナは申し訳なさそうな顔をして首を振る。

 

「こうなってしまったら……もうヒールじゃ間に合わない……ごめんなさい私じゃ助ける事ができないわ」

 

「そんな……」

 それを聞いて絶望するネレイス、彼女はもう泣くことしかできなかった。「うわあああん」と声を荒げなく彼女をレイナは優しく抱きしめて慰めてあげる事しかできなかった。

 

(ソゲン君!!なんとかできないの!!)

 

「そんなこと言われても!!僕にそんな神様みたいなことできるはずがないだろ!!!」

 そうだ、僕にはそんなすごいチート能力なんてない、ましてや死んだ精霊を生き返らせることなんて……アルラウネの皆が無事だっだっていう彼女が喜ぶような知らせもあったのに……くそ!!なんて僕は非力なんだ!!!地面に思いっきり拳をぶつけた。何もしてやれない悔しさと自分の非力さに腹を立てた。こんなことをしても何もならないのに!!

 

 その時だった、カードケースから緑色の光とともにアウリスのカードが僕の手元へと飛び出してくる。

 

「もしかして……」

 僕がカードを見ている間またもリザードマンが押し寄せて来ていた、それに気づいたレイナが剣を構える。

 

「レイナさん、少し時間を稼いでくれませんか?」

 

「わかったわ!!」

 そういうと彼女は光の速さでリザードマンの集団に突っ込み次々と薙ぎ払っていった。

 

「ネレイス、アウリスを助けてやる!!」

 

「失敗したらただじゃおかないから」

 

 ネレイスはアウリスから少し遠ざかると、手を合わせて成功を願うように祈っていた。チャンスは一回のみ……頼む!!成功してくれ!!!僕はそう願いながらセレステのカードを抜いて、アウリスのカードを入れた。

 

≪Gail stand-by!≫

ドライバーが反応した!後は……変身するだけ……頼む……!!

僕は祈りながらバックルを閉じる。

 

≪Gail metamorphosis!≫

 ドライバーがそう発すると、消えかかっていたアウリスが粒子化し僕の体に緑の鎧となって形成される、そして顔には天高く羽ばたく鷲のような装飾施され、瞳は緑色に輝きそして背中には大きな二枚の白い翼が広がり、折りたたまれると白い二つのマントへ別れ天空の聖域を守る、騎士の姿となった。

 ディーパ ゲイルフォーム ここに3つ目のディーパが誕生する。

 

「成功した!」

 

「良かった、良かったですわ!!!」

 ネレイスは僕にすごい勢いで抱き着く、また泣いてるいるが今度はうれし泣きのようだ。

 

(私……、生きているのか?)

 アウリスはまだ自分が生き返ったことに実感がないのか、僕の両手を握ったり開いたりして感触を確かめていた。

 

「あぁ、どうやら奇跡が起きたようだな……」

 だがそんな喜びに浸っている暇はなかった、空には僕らを見つけたグリフォンがいつ襲ってやろうかとそわそわしながら自分たちがいる上空をくるくると回りながら飛んでいた。

 

「二人とも、地上のリザードマンは頼んだぞ」

 

「わかった」

 

「わかりましたわ」

 二人がリザードマンの集団へと向かったことを確認すると僕は背中マントを広げて空中へと飛び上がった。すごい、本当に空を飛んでいる!!

 

(ソゲン、私の武器はゲイル・スピアだ使ってくれ)

 

「わかった!ゲイル・スピア!!」

 僕はそう呟くと、緑の柄で穂の部分の真ん中が鉈のように鋭く光った槍が召喚される。

 

「これなら!!」

 気配を察知したグリフォンが何匹もこちらへと襲い掛かるが、それを華麗に避けてゲイルスピアで切り裂いていく。イグニスブレードよりもとても軽く、扱いやすい……空を飛ぶディーパにぴったりの武器だ。

 

(ソゲン、その槍は追尾機能もある、投げてみてくれ)

 そんな便利機能もあるのか、僕はゲイルスピアに回転をかけてグリフォンに向かって投げつける。そうすると、回転したゲイルスピアは正確にグリフォンを一匹ずつ切り裂きブーメランのように僕の手元へ戻ってくる。

 

「こりゃ、すげーや!!」

 

 その頃地上でも激戦が繰り広げられていた。

 

「はぁ!!」

 

「セレステさん!後ろ!!」

 

「おっけー!!」

 ネレイスの弾丸でリザードマンけん制したあと、セレステが刀で相手を切り裂く見事な連携プレイだ。

 

「さすが精霊だね……私も負けてられないね!」

 そう言って、剣を構え刃先に手をかざすと、刃先の部分が眩く黄色に光り出した。

 

「あの光……見た事ある!!」

 そうセレステはその光に見覚えがあったのだ……それもそのはず、彼女がもっている剣はただの剣ではない……その名は……

 

「聖剣イクリプスよ……光の響き、真実の証清らかなる力、この身に宿り我が剣、聖なる閃光となりて邪悪を焼き尽くし、光を纏え!!イルミネイティング・アポカリプス!!」

光り輝いた剣をまるで軽いバットのように振るうと、黄色く光り輝いた衝撃波が地面を伝いそれに巻き込まれたリザードマンは塵となって消えていった。

 

「すごい……」

 

「あれが聖剣の力、レグナーさんと同じ」

 やはり聖剣の力は凄まじいものだ、こちらも負けてられないと刀の刃に炎を宿し斬りかかる。

 

 

 そして空に戻って僕達はというと、先ほどとは違い集団で襲い掛かるグリフォンと交戦中だった。1対1では勝てないと向こう側も判断したのだろう。

 

(ソゲン、後一踏ん張りだ!グリフォンの数も減ってきている。)

「わかった!」

 グリフォンの方も最後の手段に出たようだ、何十体ものグリフォンが大きな黒い鳥のように大きな形にフォーメーションを組みこちらへと突撃してくる、ならばこちらもとどめと行こう!!僕はベルトを操作する。

 

≪Gail final atack!!≫

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 僕は一気に急上昇すると、白い羽が体を包み込み白い大きなドリルのような形へと変貌する。そして凄まじい速さで回転し大きな黒い鳥となったグリフォンの集団へ急降下する。

 

「おりゃあぁぁぁぁ!!!」

 ドリルのように回転した僕は一気に全匹殲滅、グリフォン達は爆散し全滅させることに成功する。

 

「ふぅ……」

 

 そして地上でも最後の仕上げが開始されていた、セレステが刃に炎を宿した刀で一気に殲滅しそしてネレイスはジェットホースのように勢いを増したエネルギー弾を発射、レイナは閃光のように凄まじい速さで殲滅しリザードマンは跡形もなく消え去った。

 

「終わった……」

 

「ようやく終わりましたわ……」

 

「皆お疲れ様~」

疲れて座りこむ精霊二人にヒールの魔法をかけるレイナ、二人の精霊は「あ~癒される~」といい気持ちよさそうな顔をしている。気付けば辺りは夜も更けて東から日が昇ろうとしていた。

 

「なんとか終わったな」

 空から舞い降りた僕もベルトを脱着して、変身を解除すると緑の色の粒子が人の形を形成しアウリスが現れた。どうやらアウリスの完全復活に成功したようだ、背中に生えている羽も元通り元に戻っている。無事な姿を見たネレイスは涙を浮かべ、アウリスに勢いよく抱き着いた。

 

「もう!心配しましたわアウリス!!よかった、よかったですわ!」

 

「ごめんネレイス心配をかけて……」

良かった、この笑顔を守ることができて……僕もその二人のを見てもらい泣きしてしまいそうになった。その隣ではセレステが「良かったよー、良かったよー」ともらい泣きしている。

 

「ありがとう、精霊の騎士ソゲン君と精霊の力がなければ勝てなかった」

 3人の精霊をよそにして、レイナは僕の前に立ちとニコっと笑い握手を求めた。僕は少し少し顔を赤らめながらレイナの握手に応じる。

 

「ど、どうも……」

 

「それと周りも見てみて」

 レイナの言う通り周りを見ると、町の様々種族の民衆が僕らに「ありがとうー!」と感 謝の意を叫んでいた。そして、それは町の民衆だけではなく……

 

「アウリスせんせーい!!」

 森からもアルラウネ達がアウリスの元へと集まってきた。

 

「皆無事だったのか!」

 

「はい!」

 アルラウネの一人シルビアがそう答えると、アルラウネの子供エルフィーがアウリスに抱き着いて笑顔でこういった。

 

「アウリス先生、皆を守ってくれてありがとう!」

 アウリスも「あぁ」と一言笑顔で答えて、エルフィを抱きしめた

 

 皆からありがとうと感謝の意を言われるのはまだ慣れない、だけどこの瞬間が僕にとって正義のヒーローをやっていて一番良かったと思える瞬間である。

 

「ソゲン」

 アウリスは小走りでこちらに向かって走ってくると、突如として僕に抱き着いた。

 

「アウリス!?」

 

「私の命を守ってくれてありがとう」

 そういって、アウリスは僕を強く強く抱きしめ続けていた。本当に奇跡は起こせるんだな……ありがとうエクスシア。

 

 

 

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