「ここがエアリア山道の温泉街か」
エアリアの町を出発し、山道を馬車に揺られて2日目にしてようやく温泉街へ到着する。その景色は日本観光ガイドの絶景温泉街というページに載ってるような景色だった。
全ての建物からはもくもくと湯気が上がっており硫黄の匂いが鼻をつく。
「温泉久しぶりですわ~、アウリスと何年か前に来た以来かしら」
「そうか、ネレイスと来たのはもうそんな前になるのか……」
「そうですわよ、前に誘った時はアルラウネの子たちが~とか言って断ったの忘れてませんわよ?」
「そうだったか……すまん」
「もう……アウリスは小さな子供の事になるとそっちばっか」
ネレイスは頬を膨らませて拗ねる素振りを見せた。
二人が楽しく話してる中僕は周りのお土産売り場を見渡す。温泉まんじゅう、温泉たまご、どれも現実世界でよく見るものばかりだ。しかも卵はニワトリじゃなくてグリフォンの卵か、しかも人気商品という売り文句の札までついてある。
「グリフォンの卵すごくおいしいらしいよ」
セレステが僕の横から顔を出して、「後で一緒に食べようね」と笑顔でくっつく。
あの……すごく近いんですけど、セレステさん。
「とりあえず、疲れたし早く温泉行こうよー」
少し遠くへいったレイナが僕達に向かって叫ぶと、アウリスとネレイスはレイナのいる方向へと走った。
「ソゲン君もいこ」
セレステも僕の手を引いて、3人の元へと僕を引きずっていく。なんかセレステすごく僕に積極的というか……まぁ気のせいか。
一つの建物へと入った僕ら5人は、着物?のような衣装を着た店主初老の女性に向かえられた。本当に元いた世界の旅館にそっくりだ。
「ようこそおいでくださいました、温泉だけ入られますか?それとも一泊されますか?」
僕は4人の方を向いて、意見を求めると4人は口々に一泊しようと言う。
「一泊で」
「承知いたしました、それではお部屋の準備をいたしますので先に温泉にお入りになってください」
そういって、店主の女性は周りにいた若い女性に指示し慌ただしく動いた。
それにしても、お客が少ないな、温泉街を歩いていた人もちょいちょいいたがそれでも少ない。何かあったんだろうか?そんなことを考えていると僕の腕が急に引っ張られた。
「ソゲン君、温泉あっちだって!」
セレステはそういうと我先に僕を引っ張り我先に温泉がある方向へ僕を連れて行った。
その光景を見たネレイスとアウリスは少し小さな声で話を始める。
「ねぇ、セレステやけにソゲンに近いですわよね?」
「たしかに……仲いいのか?」
「まぁ、ソゲンにパンツを見せるくらいには」
「え!?」
アウリスは嘘でしょ!?と言わんばかりの表情でネレイスを凝視していると、ネレイスは何か思いついたという表情でアウリスの耳に小声で話しかける。
「おいおい、そんなことしてセレステさんに怒られないか?」
「大丈夫ですわー」
「ねーはやく行こうよー」
レイナが手招きをすると、「わかった」とアウリスが先にレイナととも温泉へと歩いていく。同じくその後ろをネレイスも二人の後を付いて行った。
温泉に到着した僕とセレステ、やっぱりここも元いた世界と同じく男と女を表しているのか黒と赤で別れた暖簾が吊るされていた。
「じゃあ、ソゲン君上がったらここで待ってるからね、ソゲン君も先に上がったら待っててね」
そういってセレステは赤い暖簾をくぐって中へと入って行った。僕も黒い暖簾をくぐろうとすると、「ちょっと待って」というネレイスの声が聞こえる。
「ソゲン、あっちにも温泉がありますわよ」
「そうなのか?」
「あっちの温泉の方が効能が高いらしいんですの、だから行ってみては?」
「そうか、わかった」
僕はネレイスに案内されるがままについていく、この時僕は気づくべきだった、これがネレイスの罠だと……後ろにいたレイナとアウリスは不安げな表情でネレイスに連行される僕を見ていた。
「ねーこんなことやって怒られないのかな?」
「まあ一応、そういう用の温泉もここにはあるらしいから大丈夫だと思うが」
「へ、へぇ……」
二人は赤い暖簾をくぐって温泉へと入って行った。
「ここですわ」
案内されたのは薄いピンク色の暖簾がかかった場所だった。そしてネレイスは「ごゆっくり~」と言いながら足早にさっていった。僕は脱衣所に入り着ていた服を脱ぎ、ドアを開けるとそこには石畳で出来た浴槽にピンク色のお湯が張られていて、少し上の方からお湯が滝のように流れていく。少し女性的な温泉だなと思いながら浴槽へと体を沈める。
「はぁ~生き返る~」
体から一瞬にして体の疲労が抜けていくのがわかる、普段入っていたお風呂とは全然違う心地よさだ。なぜ現実世界で温泉に入らなかったのかと自分を責めたくなるほどである。いつまでも浸かっていたい……と温泉の気持ちよさに浸っている時だった、突如としてドアが開いた。
「うわー、すごい綺麗な温泉~」
そう言いながら入ってきたのはバスタオル一枚で結んでいた髪を降ろしたセレステだった、急いで隠れようとしたがそれはもう遅かった。僕とセレステはばっちりと目が合った。
「「え……」」
僕は何が起こっていたのか状況が理解できなかった、彼女も状況理解できていないのか顔が燃え上がるように赤くなっていてあたふたしている。
「ごめん、僕さっきの温泉行くな」
そういってその場立ち去ろうとすると、セレステが僕の腕をがっしりと掴んで僕を行かせないようにする。
「ソゲン君、私と入りたくないの?ここ混浴だよ?」
そう言われセレステが指を指したところを見ると後ろの窓に小さく貼ってある紙にたしかに混浴と書いてあった。ネレイスの野郎はめやがったな……、覚えてろ後でお湯の精霊にしてやる!!
「混浴初めてだから、緊張するね」
セレステはそう言いながら、お湯に浸かりはぁ~とため息をこぼしながらお湯に浸る
「初めて混浴する相手が僕でいいのか?」
そういって浸るセレステの前に立つと、セレステはむっとした表情で立ち上がり僕の腕をまた引っ張てそのままお湯に引きずり込む。
「いいから、一緒に入って」
怒った表情のセレステに圧倒され、僕はそのまま彼女と一緒にお湯に浸ることにした。
「ふぅーいいお湯ですわねー」
一方その頃、ネレイス、アウリス、レイナも同じように温泉に浸かっていた。
「今頃、ソゲン燃やされたりしてないだろうか?」
アウリスが心配そうに呟くと、ネレイスは「そんなことあるはずないですわ」と呟く。
「ねぇ、セレステちゃんとソゲン君いつから仲良いの?」
「そうですわねぇ……、私と初めて会った時から仲良かったですわよ?
客室のベッドの上でイチャイチャするくらいには」
「「えぇぇ!!!???」」
二人はよほどびっくりしたのか同時にネレイスの方を向いた。
「なぁ、パンツを見せて、ベッドの上でイチャイチャしてってそれ仲良いってレベルじゃないぞ?」
「うんうん、もう恋人っていうか……」
「え!?あの二人もうそこまでいってますの!?
ネレイスも二人の言葉に驚き二人の顔を交互に見た。
「いや、あくまで可能性の話だぞ?」
「なんだ……」
ネレイスはほっとした表情で「ふぅ……」と安堵のため息を付いた。それをみたレイナは
「なに?ネレイスちゃんもソゲン君に興味が?」
「そ、そ、そ、そんなことあるわけないですわ!!!あんなへっぽこな精霊の騎士の事なんてこっっれぽっっちも好きではないですわ!!」
「本当かなぁ?好きじゃなかったらソゲン君を一緒に探してなんて私に頼まないと思うし
ソゲン君のために私達騎士団に協力しますって約束しないと思うけどなー」
アウリスも「たしかに」と言いながら何度も頷いた。
「そ、そ、そ、それは……」
「ねぇーどうなの?」
顔を赤くして顔を下に向けるネレイスに、レイナは「ねぇ、ねぇ」と二ヤついた顔をしじりじりと接近する。
「あ、そう!あれですわ!ソゲンが一人前の精霊の騎士になるためにですわ!それ以外は……ひゃあああ!!」
そう言いかけるネレイスの背後からレイナは「それくらいソゲン君が好きだってことなの」と言い彼女の小さく膨らんだ胸を強く揉んだ。
「ひゃあああああ!!やめてください!胸は胸だけはぁぁぁぁ!!」
「恋する乙女は大変だな」
「ァ、アウリシュ、たしゅけて……」
弱弱しく助けを求めるネレイスに「無理だ」と言って断るアウリスは温泉に浸ることに集中する
「それにしてもいいお湯……ひゃうん!!」
「アウリスちゃんも意外とあるねぇ……」
ネレイスの胸を揉んだ事に飽き足らないのか、今度はアウリスの大きく実った胸を揉みしだいた。
「やめてくれ……レイナさん……」
「やっぱり大きい胸はいいねー、揉みが……きゃっ!!」
「お返しですわ!!」
油断していたレイナの背後を取ってネレイスは後ろから、アウリスに負けず劣らない胸を揉みしだいた。
「やめてぇぇ!!」
こうして3人のじゃれあいは数十分にも及び、3人の悲鳴が何度も飛び交ったという。
一方こちらはネレイスの罠にはまり、無理やり混浴をさせられた僕とセレステ
しばらく無言のまま時間が過ぎたが、痺れを切らしたのか先にセレステが口を開く。
「ソゲン君、ブライトガーディアンズに協力するの?」
「いや、まだ考え中」
「ネレイスさんもひどいよね、ソゲン君に相談なしで決めちゃうんだもん」
「そうだな、セレステはどう思う?」
「私?私は協力してもいいと思うけどな」
「そ、そうか……」
僕が黙り込んでしまうと、セレステは僕の頬を無理やり引っ張る。
「今のソゲン君、すごく悲しそうというか怯えた顔してた、ソゲン君にそんな顔は似合わないスマイル、スマイルだよ」
「そうだったか、僕顔に出てたか?」
「うん、すごく出てた、とっても辛そうな顔してたよ?私で良かったら話して?多分全部話したら楽になると思うから」
セレステの優しい顔を見て決心する、この娘にだったら話してもいいかなと多分この娘だったら全部受け入れてくれるかもしれないそんな気がしたからだ。
「僕は昔ある組織に参加していた、その組織では僕は営業役だった、雨の日も風の日も馬車馬のごとく外に出て働かされた一生懸命にやったはずだったのに、結果は振るわなかった上司にはいじめられたよお前は役立たずだって、でも僕は必死に頑張った
それでも結果は付かなかった……その度に上司からはいじめられる、何度やっても結果はつかないことがトラウマになっていったんだ役たたずって言われることに……だから!」
続きを言うとした時だった、セレステは僕を抱きしめて僕の顔を自分の大きな胸の間に埋めさせたのだ。凄く柔らかくてお湯に浸かっていたので、まだあたたかった。
「辛かったんだよね、大丈夫だよもうそんな想いしなくてもいいから、私の胸の中でそんな思い出忘れちゃお?」
「お、おう……てかいきなりはやめてくれ」
僕が胸の中で喋るとセレステは少しむかついたのかさらに強く抱きしめた。
「痛い、痛い!!」
「私にこうされるの嫌なの?ねぇ嫌なの?」
「嫌じゃないです!嬉しいです!」
「良く言えました~、ご褒美に触ってもいいよ?」
そういって、セレステは僕の腕を掴み胸のある場所へと持っていこうとする。
そ、それはまずい!一線を越えてしまう!!振り払わなきゃ……
「ソゲン君なら、満足するまで触ってもいいよ?」
なんて力だ……振り払えない、流石精霊だなんて感心してる場合じゃないやばい……なんかタオルの感触が……
「ソゲン、セレステ?いつまでと入ってるの?私達先に上がりますわよー」
ネレイスの声にびっくりした僕達は彼女が入ってきたのかと思い、密着していた体を離した。助かったのか……??安心してセレステの顔を見るととても不機嫌そうな顔でぶつぶつと呪文を唱えるように何かを言っていた。
「セレステ……?」
「何でもないよ、先上がるね」
そういって笑顔で立ち上がり、ドアを開け脱衣所に戻るセレステそしてもう一度ドアを開けて
「ソゲン君も早く上がってきてね」
そういってもう一度ドアを閉めて着替え始めるセレステまずい、影で今何履いてるかわかるじゃん、目を逸らさなきゃ。
「はぁ、もうちょっと温泉を味わおう」
僕はセレステが上がった後、調子に乗って数十分間温泉に浸かった結果、のぼせてしまったのは言うまでもない。