仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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地の精霊chapter⑧

最終日の朝。

 

「今日で最終日だな……」

アウレリアの家から出た僕はアウリスに向かってそう呟く。

 

「そうだな」

 昨日気が動転してしまったアウレリアは朝になっても起きてこなかった、それもそうか今日でもし見つからなければ僕自身の手でエンデルやゴーレムを……いやそんな最悪のシナリオのことを考えても仕方がない……絶対にハッピーエンドにして見せる。

 僕は採石場へと一歩一歩歩みを進めた。

 

 

「ゲン……、今日で絶対みつけよ」

 洞窟内に着いた僕は笑顔のエンデルに迎えられる、それに対して僕は「そうだな絶対見つけよう」と笑顔で答えた。だけど内心はどうしよう、どうしようと心臓がバクバクと大きく鼓動を打っていた。くそ!せっかく昨日アウリスに元気づけられて、揺るがないと思っていたのに……!!!いつもこうだなんで僕の意思は弱いんだ……僕は唇を噛みしめて自分に沈まれ沈まれと訴えかけ続ける。

 

「ゲン、休む?」

 

「いや……、まだ何にもやってないけど?」

 僕がそう言うとエンデルは「なんとなくだけどダメ」と言った。

 

「なんとなくって……、まぁエンデルがそう言うなら」

 僕は水を受け取って、座るとエンデルも僕の隣に座りこむ、早くしないと時間が無くなってしまうんだけどな……。

 

「パパ言ってた、気分が落ちたままだと仕事が捗らないって」

 

「僕が気分が落ちてるってわかるのか?」

 

「なんとなくだけど、いつもと様子が違うなって思った」

 この娘はおそらくは感で言ってるいると思うのだが、かなり鋭い……確かに今の僕は

かなり気分が落ち込んでいた、だけどこんな休憩している場合じゃないんだけどな……。

 

「気分が落ち込んでいる時は、深呼吸が一番」

 すーはー、すーはーとエンデルは何度も吸ったり、吐いたりを繰り返した。すると何度も繰り返したせいかむせてげっほげっほと大きく咳をしてしまう。

 

「なんでぇ……」

 そのエンデルの様子に僕は笑いが抑えきれず吹き出してしまう。

 

「あははは!!何やってるんだよ」

 

「やりすぎた……」

 エンデルは「おかしい、おかしい」と機嫌を悪くしながらまた息を吸って吐いたりを繰り返すことを始める。その様子を見ていた僕は健気なエンデルの姿を見てさっきまでの不安はもう忘れていた。

 

「あんまりやりすぎると、息できなくなるぞ?」

 頭を撫でるとエンデルはこっちを向き笑って「気分良くなってる?」と問う。

 

「なんかエンデルにパワーもらったよ、ありがとな!!」

 

「うん、良かった……」

 僕は立ち上がってツルハシを持つと立ち上がって壁に向かって打ち付け始めた。

気分が落ちてる場合じゃない……絶対見つけてやるんだ!!

 

「ゲン、絶対見つけようね」

 エンデルも僕の隣に立つと拳を壁に向かって振りかざして掘り始めた。

 

 

 

 

 

 

 古びれた研究室、男は注射器をいつものように腕に刺していた。そしてそれは男が持っていた最後の一本だった。そうして使用済みの注射器を床に投げ捨て立ち上がる。

 

「頃合いか……」

 引き出しを開けると、黒いドライバーを持つ。

 

「ふふふ……ついにこの時が来たぞ何年、いや何十年待ったと思っている……」

 男の目は赤く光り輝いていた、まるで邪悪な悪魔のように……。

 

「フハハハハハ!!!待っていろディーパ……」

 ドライバーを自身の体に当てる。

 

≪spiritdriver!! start up!!≫

 エレフェントドライバーとはまた違った少女の声と共に男にベルトが装着された。

 

「賽は投げられた」

 男の不敵な笑い声だけが研究所内で響き渡っていた。

 

 

 その頃フォンセは人気が無い街を息を切らしながら歩いていた。

 

「はぁ……はぁ……」

 自分の身体の中に何かがいる感覚だった、まるで自分が自分じゃないかのようだ。

 

「出て行ってよ……私の中から……」

 だけどそれは届かない願い、自分の願いとは裏腹に自分が自分じゃなくなるような……。

 

「助けて……ダーリン……」

 フォンセは歩き続けた、自分の意思とは無関係に……早くダーリンの元に戻りたいのに

体が言う事を聞いてくれない……このまま私は、私じゃなくなってしまうのかな?

 

 

 

 

 

 

「ここにもないか……」

 周りにはアウリス、そしてアイアンゴーレムとゴードンが見守っていた。時は過ぎ、夕方……刻一刻とタイムアップが迫っていた。

 

「ゲン、こっちにもない……」

 エンデルも慌てていた、このままだと夜になってしまう……。

 

「エンデル、あっちを掘ってなかっただろ?あっちの壁を頼む!!」

 ゴーレム達も必死にあちこちの壁を掘り進めていた。

 

「ソゲン、私も何か手伝おうか?」

 

「すまない、じゃああっちの方を頼めるか?」

 アウリスは一言「わかった」とだけ言い、ツルハシを持ってまだ掘っていない場所を掘り始めた。刻一刻と時間だけが過ぎていく……出てくるのはいつも通り鉄鉱石とたまにミスリル……散らばる二種類の鉱石だけが増えて行く。

 

「ソゲン君、お疲れニャ」

 

「リリアン……」

 振り向くと作業服に着替えたリリアンもツルハシを持って僕の隣にいた。

 

「タイムアップまで後2時間ニャ、私も手伝うニャ」

「ありがとう、助かる」と言うとリリアンは笑みを浮かべて、「お礼を言うのはこちらの方ニャ」と言ってこちらを振り向いた。

 

「ソゲン君には、すごく、すごーく感謝しているのニャ、このまま見つからずに手伝ってくれたゴーレムや精霊を街を救ってくれたソゲン君に処罰してもらうの申し訳ないニャ、だから最後くらい手伝わせてくれニャ!!」

 

「最後くらいって……じゃあ今まで手伝ってくれなかった分、ぎっちり働いてもらおうかなー」

 

「そ、それは勘弁してほしいニャー!!後でなんでもするから許してほしいニャー!!」壁を掘りながら泣き叫ぶリリアンを見て、クスっと笑ってしまう僕、ほんの数日前までは多分こんな冗談は言い合えなかっただろうこんな冗談を言い合えるのはリリアンが僕を信用してくれているからだろう、それで泣ければ一緒に採石場で掘る事を手伝ってくれることはなかっただろう。信用してもらえるってこんなにうれしい事だったんだ……

 

 どれくらい時間が経っただろう?当たりには壁にツルハシが当たる音だけが響いている。時間が短くなるに連れて、精神がすり減らされていく感覚だった、4日目に感じていた焦り、今日の朝に感じていた不安その両方が混ざり合ってぐちゃぐちゃに混ざり合う感覚だった。この場から逃げ出したいとも思っていた、そうすればもうこの感覚とも

おさらばができる、でもそれは自分の良心が叱られてしまうだろう、エンデルを助けたいと言う最初に抱いていた決意はどこへいったと大丈夫……きっと見つかる……絶対見つかる……そう自分に何度も願い続けた、神様どうか……頼む!!

 

 そしてその願いが現実になる時がきた。

 

「ゲン!!こっち来て!!」

エンデルがこちらに向かって急いで走ってきた、そして僕服を掴むと持ち前の怪力で僕を引っ張った。その後を声を聞いた、アウリスやリリアン、ゴーレム達も僕についてくる。

 

「これ、もしかして!!!」

 エンデルは子供のようにはしゃぎながら少しえぐれた壁を指指差した。そこには虹色に輝く大きな何かが埋まっているのが見えた。

 

「……まさかオリハルコンか?」

 アウリスとリリアンに見せると、二人は指でその物体の汚れを慎重に払いその物体を凝視すると。二人は顔を見合わせて理解が一致したのか

 

「間違いないニャ!!オリハルコンニャ!!」

 

「しかも、これ相当大きいぞ……」

 それを聞いてゴーレム達から歓喜の声が漏れた、ゴードンも「良かった」と喜んでいた。

 

「これで……やったよパパ……」

 エンデルも感極まって涙を流していた、良かった、本当に良かった。エンデルのこの顔が見れて……頑張った甲斐があったていうものだ……。

 エンデルも感極まって涙を流していた、良かった、本当に良かった。エンデルのこの顔が見れて……頑張った甲斐があったていうものだ……。

「取り出すニャ、せーの」

 リリアンと僕で慎重に掘り出し、二人で両端を持って静かに地面に置いた。

 見つかったオリハルコンはかなり大きいものだった、僕の手に収まるか収まりきらないかの大きさでリリアンと僕は二人で掘り出し、オリハルコンを、地面に置いた。

 

「本当にでかいな……」

 

「この大きさは、今までに類を見ないものだぞ……」

 そのオリハルコンの輝きはアウレリアの家に負けず劣らずの

輝きを放っており、洞窟の照明が反射して虹色に光り輝いていた、その輝きに僕達は感服するばかりだった。

 

「タイムアップまでに見つかってよかったニャ……、ひとまずは入口に待ってるタイタン達に見せるニャ」

 入り口で待ってるの?というツッコミは疲れて、する気にもなれなかった。

 

 

 

 

 洞窟を出ると、いるわいるわの大人数のタイタン、皆冷やかすように「どうせ見つからなかったんだろ?」や「残念だったなあ」なんていう罵声が聞こえてきたが、リリアンが持ってきた木箱を開けた瞬間にそれは驚きの声へと変わった。

 

「マジかよ、坊主本当にこれここで見つけたのか?」

 リリアンは呆れたように「さっきからそうと言ってるニャ」と言うと、口々に「すげぇ」や「本当にあったのか」と口々に言いながらオリハルコンを見つめてる、そんな中一人のタイタンが僕の方へやってきた。

 

「よう、本当にやりやがったな」

 それはもう少しでやられそうになっていた時に助けてくれたタイタンの男だった。

 

「あんたのツルハシ役にたったよ、ありがとうな」

 

「それはよかったよ、実は俺はアンタが見つけてくれると信じていたんだ」

 

「え?」

 

「本当は内心では信じてやりたかったんだ、でもそうなると俺もこの町の笑われ者になっちまう弱虫な俺はそれが怖かった、非力な俺を許してくれ、すまなかった……」

 そういって頭を下げるタイタン、だけど彼の頭を下げるべき相手は僕ではない。

 

「なぁ、僕に頭を下げるんじゃなくて、エンデルに下げるべきなんじゃないのか?」

 僕がそう言うと、タイタンは静かにエンデルに近づく。

 

「エンデル、お前の父さんを信じてやれなくて悪かった……」

 タイタンがそう言うと周りにいたタイタンも「すまなかった」と全員頭を下げた。それに対してエンデルは少し戸惑った表情を見せたが僕に確認するかのように振り向いてきたので、僕はうんと頷いて返した。

 

「皆、パパを……信じてくれてありがとう……」

 我慢できなかったのか、お礼を言った後エンデルは目から大粒の涙を流していた。それもそうだろうようやく父の功績が認めてもらえたのだから彼女にとってこれ以上の心配はないだろう、良かった、本当に良かった彼女のために頑張って……。

 我慢できなかったのか、お礼を言った後エンデルは目から大粒の涙を流していた。それもそうだろうようやく父の功績が認めてもらえたのだから彼女にとってこれ以上の心配はないだろう、良かった、本当に良かった彼女のために頑張って……。

だが喜んでる僕とは裏腹に、気掛かりな表情で見つめるアウリス。その隣にはゴードンが無表情でエンデルを見ていた。あの時聞いたゴードンの計画……それは例え結果がどうであれこの日に遂行される、止めるべきか……いや……止めてもその後はどうすればいい?

様々な思いがアウリスの頭の中を錯綜する。

 そんな時だった、採石場へと小さな影が近づいているのが見えた。どんどんと近づくその影は黒い長い髪そして特徴的なゴスロリ服、まさか……!?そのまさかは起こった、いや起こってしまったのだ。突如として周りが夜になったように暗くなり、フォンセが天高く腕を上げた。

 

「Aeternus carcer, te constringo……」

大声で何の呪文かもわからない言葉で唱えると空は雷鳴が轟き始めた。突然の出来事にに周りにいたリリアンとタイタンも何が起こっているか分からず騒ぎだしている。

 

「フォンセ?」

 僕が彼女に気づいたときに遅かった、空から凄まじい勢いで禍々しい光がエンデルに向かって降り注いだ、嘘だろ?今まで精霊目がけて光を当てようとしなかったじゃないか!?くそ!!フォンセの野郎……!!ダメだ……間に合わない……!!せっかくエンデルを笑顔にできたのに!!

 

「たすけ……」

 恐怖で体が動かなくなったエンデル、僕に向けて助けてと手を伸ばしてくるが、それも届かない……万事休すかと

 思ったその刹那だった。ゴードンがものすごい勢いでエンデルにタックルしその場所から突き飛ばす、そしてその光はゴードンへ直撃した。

 

「ぐおおおおおおおお!!!!」

 まるでこの世の終わりのような声で苦しむ声をあげるゴードン、その場にいた全員突然の出来事に何もできずに動けずにいた。

 

「ゴードン……」

 このおぞましい光景はエンデルには見せたくなかった……、自分の身代わりとなったゴードンが苦しむ様を……エンデルは呆然としたままその場に座り込んでしまった。

 

「エンデル、しっかりしろ!!」

 僕はエンデルに近寄り体を揺さぶるが応答はない……、僕がエンデルを機にかけていたその後ろでは呪縛の光から解き放たれたゴードンが立ち尽くしていた……。アウリスは「お……おい」と声かける。

 

「ゴードン……?」

 アウリスが顔を覗き込んだその時だった、ゴードンの目が赤く激しく光り輝くと、「ぐわあああああああ」と雄たけびを上げ暴れ始めたのだ、周りにいたタイタンは叫び声を上げながらその場から逃げ出す。

 

「フォンセ……やっぱり嘘ついてやがったのか……」

 フォンセがいた方向を見ると、彼女は糸が切れた人形のようにその場に倒れこむ、力を使い果たしたって言うのか?いやそんなの今は関係ない……!!

 

「ソゲン君、あ、あれどうするのニャ!!」

リリアンがガタガタと震え、涙を浮かべながら慌てふためていた。

 

「リリアン、エンデルを見ててくれ!アウリスいくぞ!」

 リリアンは「わかった」と呆然としているエンデルの腕をもって物陰へと運んで行った、それを見た僕はドライバーを装着しアウリスのカードを取り出す。

 

「変身!」

 

≪Gail metamorphosis!≫

 ディーパ ゲイルフォームとなった僕は背中の翼を広げ、ゴードンの周りをけん制するように飛ぶ。

 

「真っ向からはダメだな……、アウリスどうすればいい?」

 

「一かバチかだが、方法はなくもない……」

 アウリスの作戦内容はこうだ、ゴードンの周りを超高速で旋回しその旋回した時にできた風力を利用して竜巻を起こすというものだ。

 だがこれにはゴードンにかなりの距離で近づかなければならず、最悪の場合叩き落される可能性もある危険な作戦でもある。

 

「だけど、セレステやネレイスがいない今、やれる作戦はこれしかない……」

 だけど本当に倒してもいいのか……?しかもエンデルの目の前で……いやでもそうしないとこの町は守れない!!僕は速度を上げてゴードンの近くへとよりその周りを旋回し始める。

 

 その後ろではリリアンがエンデルに声かけていた。

 

「エンデルちゃん、大丈夫かニャ?」

 エンデルは魂の抜けたように何もしゃべらなくなっていた、目に光もなく人形のようだ。

 

「あのゴーレムの事はソゲン君に任せてここから離れるニャ!」

 そういってリリアンはエンデルの肩を持ちその場から運ぼうとする。

 

「いやだ……」

 

「ニャ?」

 

「いやだああああああああ!!!!」

 赤ん坊のように泣き叫ぶと、エンデルの体が黄色く光り輝き、民族衣装のような霊服となったエンデルは目を黄色く光り輝かせる。

 

「どうしたのニャ……?エンデルちゃん?」

 

「ソゲン、まずいエンデルが暴走してる!」

 

「嘘だろ!?こんな時に!!!」

 エンデルの様子に気づいたときに遅かった、イニシオ村のセレステの時のようにエンデルが黄色く光り輝き暴走しているのだ。

 まずい……二人は相手にできないぞ!!そんな劣悪な状況はさらに悪くなる、エンデルは「ゴードンをいじめないで!!」と叫ぶと足で地団駄を踏むとまるで大きな地震が起きたように大地が揺れた。

 

「お、おい嘘だろ……地震は飛んでるやつには影響ないんじゃないのかよ!!」

いや違う……大地が揺れているんじゃない……今いる空間ごと揺れているんだ!!なんて力だ……僕は上空から叩き落される。

 

「あいつ、なんて霊力だ……」

 だが悲劇はそれで終わりじゃなかった、叩き落された場所にゴードンの体が迫ってきていた。万事休すか……と覚悟を決める、だが迫ってきていた体があとちょっと間一髪と言うところで止まっていた。

 

「みんな……」

 ゴードンを支えていたのは、他の喋れないアイアンゴーレム達だった。そのすきに翼を広げてなんとか空中へと浮遊する。アウリスの「ありがとう」という一言にアイアンゴーレムはサムズアップする。だが本当にまずい状況となった。

 暴走した精霊に、呪縛の光を浴びたゴードン……、この状況をどう打破すればいいんだ……。

 

「た、助けてニャー!!」

 リリアンの叫び声が聞こえた方向を向くと、斧を持ったエンデルが今まさにリリアンに斬りかかろうとしていた。

 今いくぞ!とリリアンの方へ向かおうとするとアウリスが「待て!」と制止する。

 

「ゴードンもやばいぞ……」

 

「なに!?」

 ゴードンがいる方を向くと、周りで抑えていた仲間のアイアンゴーレムと殴り合っていた、このままでは仲間のアイアンゴーレムも全員死んでしまう……、いやでもまずはリリアンの方が大事だ……!!そう決めてリリアンの方へと飛ぼうとした時だった。突然エンデルの足元に青い銃弾が撃ち込まれた、そしてその刹那赤い髪を靡かせた少女が振り下ろされる斧を刀で制止する。

 

「間に合って良かった……」

 

「お待たせしたわ」

 

「セレステ、ネレイス……」

 そこに立っていたのはエンデルに気絶させられ気を失っていた精霊の二人だった、とてもいいタイミングで来てくれた。

 セレステが刀で制止している間にネレイスがリリアンを背負い、軽やかなジャンプで安全地帯へと届ける。それを見たセレステは刀で制止した斧を蹴り上げて地面に落とした。

 

「邪魔をしないで……!!!!!!!」

 エンデルとの間に間合いをとるセレステ、その隣にネレイスは並び立った。

 

「エンデルは私たちに任せて!!アウリスとソゲンはゴードンを!」

 

「わかった!」

 僕はゴードンの近づく、4体のアイアンゴーレム達はゴードンを抑えるのに必死だ……

 

「アウリス……一か八かだけど奴に必殺技を打ってもいいか?」

 

「危険だ!!」

 たしかにもしエンデルの時のようにアウリスが大けがをしてしまう可能性がある、だが今4体が抑えている今がチャンスなのに……どうすればいいんだ……

 

 一方こちらはエンデルと戦う、セレステとネレイスは武器を構えてにらみ合っていた。

 

「セレステ、作戦通りにいきますわよ」

 

「わかりました、ネレイスさん!」

 二人は同時にエンデルに武器を構え襲い掛かる、するとエンデルは拳を構えてまたあの時のように衝撃波を出す構えをとる。だがネレイスにはそれがお見通しだった。

 

「もう同じ手は食いませんわ!その霊術は1対1の怠慢勝負の時じゃないと強くないない!!しかもその技は連続では打てず、一発ずつしか打てない!!」

 そうエンデルの霊術は1対1のタイマン勝負の時にこそ効力を発揮するもので1対2だと弱いのだ、それに衝撃波も連続では打てず一発ずつしか打てないのもネレイスは全て見切っていたのだ。どうすればいいかわからず混乱するエンデル……それに対してセレステとネレイスは一気に同時に襲い掛かる。

 

「く……」

 それでもあきらめきれずエンデルは、衝撃波を放つが二人の間をすり抜けてしまう。

 

「捕まえた!!」

 

「正気に戻ってください!エンデルさん!」

 二人はエンデルを捕まえて必死に説得する、だが暴走した精霊はそううまく元には戻らない……。抑えた二人を持ち上げ振りまわしながら持ち上げると力いっぱい放り投げる。

 

「きゃああああ!!」

 放り投げられた二人、ネレイスは華麗な身のこなしで着地するが、セレステは上空を舞い上がってしまう。

 

「セレステ!!」

 ネレイスは飛び上がり、セレステをお姫様抱っこするように助ける。

 

「ありがとうございます」

 

「礼には及びませんわ、さてどうやって説得すれば……」

 

 

 そして戻って、ゴードンの上空をまだどうするか決めていなかった僕、このままだと抑えているアイアンゴーレム達もやられてしまう……でも、本当に倒してしまっていいのか?

 

「なぁ、アウリス。ゴードンを本当に倒していいのか?」

「なぁ、アウリス。ゴードンを本当に倒していいのか?」

「……」

アウリスは黙り込んでしまう、本来のアウリスなら「何を言ってる!!」なんて一喝するようなものだが、そんなこと言ってる間にもゴードンは、アイアンゴーレム達を襲い始めていた。まずい……やるしかないのか……!!

 僕はベルトに手をかけようした時だった。突如としてゴードンの暴走が止まったのだ。

 

「な、なんだ?」

 いや止まったというよりも無理やり抑え込んでるといった方がいいのだろうか……?

そしてゴードンはエンデルの方を向くと「聞け!エンデル!!」と力強く叫んだ。

 

「ゴードン!!」

 その声聞いたエンデルは正気に戻ったのか、体から放たれていた黄色い光が止まり、まるで子供の用にゴードンへと駆け寄った。

 

「ゴードン大丈夫?」

 

「ふん……大丈夫じゃねぇな、体がまるで言うことを効かねえ……」

 

「どうしたら、助けられる?」

 

「いや、もう駄目だ……、もう元には戻らねぇ……まるで体が黒い絵の具で染められていくような感覚だ」

 「そんな……」と目から大粒の涙を流して泣きじゃくるエンデル、彼女に一番聞かせたくなかった一言だ。

僕も胸が締め付けられる思いだ。

 

「どうしたらいいの……」

 

「俺を倒せ!!」

 

「いやだ、そんなのできないよ……」

 

「どうせ、俺のものじゃなくなる体だ……このまま操られてこの町を破壊するくらいなら……エンデル俺を倒してくれ!!」

 

「でも……ゴードンがいなくなっちゃ……エンデル……」

 

「もうお前は一人じゃない……、ソゲンがいるだろ?」

 ゴードン、お前本当に僕を信頼して……、エンデルも僕をじっと見つめるが、まだ思い残すことがあるようでもう一度ゴードンの方を見た。

 

「俺の死を乗り越えて行けエンデル!!お前はもう一人じゃない!!」

 そう叫んだ瞬間、ゴードンの目はまた赤く光り呪縛にとらわれてしまった、周りにいたゴーレムを吹き飛ばしその反動でエンデルに目がけて拳を振りかざした。

 

「危ない!!」

 間一髪拳が当たりそうになったところを、僕はエンデルを抱き上げ空中へと運び彼女を救出することに成功する。

 

「大丈夫か……?」

 

「ゲン……エンデルは……」

 

「どうした?」

 

「エンデルは、あれを倒す!!だからゲン手伝って!」

 僕の顔を見たエンデルの顔は今までとは違う決意に満ち溢れてる顔をしていた、ようやくゴードンを倒す決心がついたようだ。

 

「わかったやろう!」

 僕が頷いたと同時にカードケースからエンデルのイラストが描かれたカードが飛び出す、これで全精霊のカードが揃った……!

 

「ソゲン、交代だ」

 アウリスがそういうと僕は地上へと降り立ち、アウリスのカードを抜いた。

 

「エンデル、力を貸してくれ……」

 

「うん!」

 

「地の力よ……解放せよ!!」

 

≪geo!stand-by! geo!metamorphosis!≫

 ベルトがそう発した瞬間、エンデルは黄色い粒子となり、ディーパの身体に筋肉を思わせるような頑丈な鎧となり肩には城の城壁を思わせるようなパーツが装着され、目には象のようなパーツが装着され目は黄色く光り輝いた。

 ベルトがそう発した瞬間、エンデルは黄色い粒子となり、ディーパの身体に筋肉を思わせるような頑丈な鎧となり肩には城の城壁を思わせるようなパーツが装着され、目には象のようなパーツが装着され目は黄色く光り輝いた。

ディーパ第四のフォーム ジオフォームが誕生した瞬間だった。

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