仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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地の精霊chapter⑨

「あれが、ディーパがエンデルちゃんを宿した姿……」

 3人はジオフォームとなった、ディーパを後方から固唾を飲んでみていた。

 

「二人とも見てる場合じゃないですわ!ソゲンをサポートしますわよ!!」

 ネレイスが二人に発破をかけるように声をかけると、二人は「あ、そうだった!!」と武器を構えてディーパの隣に急いで並び立った。

 

(ゲン……これって……)

 エンデルは困惑気味に僕の脳内へと話しかける。

 

「エンデル、これがお前の真の力だ……」

 

「そうですわ、まぁ簡単に言えばエンデルさんがソゲンの役に立ってる姿ですわ」

 

「ゲンの役に……」

 エンデルは嬉しそうな、ちょっと照れくさいよう声だった、よほど僕の役に立てているのが嬉しいようだ。そんな中こちらに向かって襲い来る操られたゴードン。

 

「3人ともサポートを頼む!!」

 

「「「了解!」」」

 襲い来るゴードンへ一歩一歩歩み寄る僕、鎧が重くてあまり速く走れない……だけど相手もあまり早く歩けないので敵との相性は互角のようだ。

 そしてついに相手の間合いに入るとゴードンは拳を僕に向かって振り下ろすが、それを何のたわいもなく受け止める。凄まじいパワーだ……他のフォームでは押しつぶされるであろう。

 

「うおおおおおりゃああああ!!!」

 そのままゴードンの腕を掴み、一本背負いの要領でゴードンを投げ飛ばした。

 

「ふぅ、すげぇなこれ……」

 

「ちょっと、強すぎじゃないですの?」

 

「私達サポートしなくても勝てるよね……?」

 

「いや、そうでもないぞ?」

 アウリスが言うようにゴードンはフラフラしながらも立ち上がり油断している僕の背後から奇襲をしかける。

 

「やっべ……!」

 気付いた時にはもう振り上げてもうこちらへ殴りかかろうとしている時だった。

 

「ソゲン君!危ない!!」

 セレステは手に火を宿して球状にして何発もゴードンの腕へと投げつけると、腕へ直撃してふらついた。

 

「危なかった、ありがとうセレステ!」

 

「えへへ」

 

「馬鹿!何油断してますの!!」

 

「はぁ、ソゲン……」

 

(ゲン叱られてる……くすくす)

 4人の精霊から笑われたり、喜ばれたり、叱られたり、呆れられたりする……久しぶりの感覚だ。僕の精霊たちが戻ってきたと肌で実感する。

 

「ぐおおおおおお!!」

 そんな事を思っている間にも、雄たけびを上げるゴードンは死にものぐるいで僕の頭上で両手を振り上げる。

 そんなに両手を振り上げて隙だらけだぞ、ゴードン!!

 

「はあああああ……あたたたたたたた!!!!」

 気合を込めて何十発いや何百発ものパンチをゴードンにお見舞いし最後に渾身の一撃叩き込み吹き飛ばした。彼の体中に凹み傷ができていて痛々しい状態になっていく……少しやりすぎてしまったみたいだ。

(ゲン!私の武器の名前ジオ・アックス)

 

「よし!ジオ・アックス!」

 僕がそう呟くと手元にエンデルが使っていた武器の斧が召喚される。

 

 

「とどめだ……今楽にしてやる……」

 僕はベルトを操作しようと、手をかけた。だけどなかなか手が動かない。一緒にエンデルを助けた友……と言っていいのだろうか?その友をこの手で殺めることに戸惑いを見せていたのだ。くそ……!!こんな時に!!!

 

「ソゲン!!!」

 戸惑っている姿を見た、アウリスの叫び声が響いた。

 

「言うのを忘れていたが、ゴードンは君に倒されたがっていたんだ!!」

 なんだって!?ゴードンは僕に倒されたがっていた……??どういうことだ?

 

「最終日の前日……ゴードンが教えてくれたんだ」

 

 

 

「もし最終日の夜、オリハルコンが見つかっても見つからなくても俺は悪い魔物になったふりをしてエンデルを襲う。そして俺はエンデルと共に騎士になったソゲンに倒される……そうすればソゲンはこの町の英雄になれるはずだ」

 

「なんで……そんなことを……」

 それだけはダメだゴードン、エンデルが悲しんでしまう……アウリスは必死にやめさせようと説得する。

 

「所詮俺は魔物だ……人間とは仲良くなれない、奴らタイタンや人間たちはもしオリハルコンを見つけたとしてもソゲンが俺達魔物と仲良くしていたら疑念を抱くだろう……もしかするとソゲンは魔物たちを操る一味なのではとなその疑念払拭するために俺はやるんだ!!」

 ゴードンは清々しい表情で「エンデルもそろそろ親離れが必要だろう……」と呟いた。

 

「本当にいいのか!?エンデルやソゲンが知ったら……」

 

「俺は構わない!!全部奴のためだ……」

 

 

「……あいつの馬鹿野郎……」

 何が俺やエンデルのためだ、間違いなくその場にいたらぶん殴っていただろう……何が自分の命をかけて僕を英雄にするだ。そんな偽りの称号なんてもらってもすぐに捨ててやる……。

 

(ゲン……)

 

「エンデル?」

 エンデルが僕の脳内に話しかける、少し泣きそうな声ではあったが……でも何かが違う。前までのエンデルなら泣きじゃくっていたとは思うが、確実にエンデルは成長していた。

 

(もう、これ以上ゴードンが苦しむ姿を見たくない!!だからゲン!!早くとどめ!!)

 

「言われなくてもわかってる!!」

 ゴードン、望み通り倒してやるよ……だけど覚えとけ冥土で会ったらぶん殴ってやるからな!!

 

≪Geo finalatack!≫

 

 ベルトから音声が発せられると、ゴードンの周りの地面が隆起しどんどんとこちらへとまるで磁石のように吸い寄せられてくる。目の前まで迫ってくると斧に全エネルギーを集中し黄色く光り輝いた斧でゴードンを切り裂く。

 

「おりゃああああああああ!!!!!」

 

「ぐわあああああああ!!!!!」

ゴードンはその場で真っ二つになり爆散する直前だった、エンデルは僕の手を使ってゴードンに手を伸ばそうとするが脳内にゴードンの声が響く。

 

「お前の掴む手は……もう俺じゃないだろ?強く生きろエンデル……」

 そう言い終えた後その場でものすごい勢いで爆散した。ゴードン……ありがとな……多分お前みたいな優しい魔物はもうこの先二度と会えないだろう。

 僕はドライバーを脱着し変身を解除すると黄色い粒子がエンデルとなって現れる。

 

「ゲン、これからよろしく!」

 そう言って僕に甘えるように抱き着いた。僕はため息交じりに「あぁ、よろしくな」と返した。やれやれまだエンデルは親離れが出来なさそうだ。

 

「やりましたわね、ソゲンこれで4人目の精霊ゲットだぜですわね」

 いやまるでどっかの少年みたいなことを言うなと突っ込みたくなるとこだったがやめとこう……。

 

「ソゲン君すごいニャー!!!」

 影からそう言いながら出てきたのはリリアンだった、どうやら逃げずに暴走したゴードンを倒しているところをずっと見ていたらしい。僕はなんとも言えない気持ちで「は、はぁ」と気の抜けた返事を返した。

 

「これで依頼達成ニャ、ギルドハウスで報酬を渡したいので後で来てほしいニャ」

 そう言って採石場を後にするリリアン、「待ってるニャー」と言いながら走り去っていった。

 

「さて、こいつをどうしますの?」

 ネレイスはうつ伏せになって倒れているフォンセをまるで邪魔な岩をどけるように何度も足で蹴っている。

 

「放っておけ、どうせそのうち起きる」

 まるでゴミを見るような目でフォンセを睨みつけるアウリス、まだ相当恨みが溜まっているようだ。セレステも「うんうん」と二人に同意見のようだ。

 

「こいつそういえば、昨日夜来た」

 

「え?!」

 一同エンデルの言葉に驚愕して一斉にエンデルに注目した。

 

「なんかよくわかんなかったけど、頭抱えて帰って行った」

 それを聞いてネレイスは「ざまぁないですわ」と言ったり、アウリスは「当然の報いだ」と言ったり二人に散々な言われようだ、まぁ当然の報いだな、そう言われるようなことをしたのだから。でもさすがにこうやって放っておくのは……

 

「まぁ……ここに放っておくのも可哀そうだし運んどいてやるか……」

 

「「「「けっ……」」」

 僕がそういった瞬間は3人はものすごく不機嫌な表情をする。やれやれと呆れながらもフォンセを起こそうとするあぁ3人の針のような視線がいたい……いやいや我慢しろ……そう言い聞かせながら起こそうとした時だった。

突然フォンセの目が赤く光り輝き、まるで上から上で紐で引っ張られるようにに起き上がった。突然の出来事に4人の精霊は「いやあああ!!」と悲鳴を後ろに退避し、僕も驚いて後ろに一歩下がる。

 

「久しぶりだねディーパ、いやこっちのディーパは初めましてか……」

 突然フォンセの声で話し始める、フォンセではない誰か……僕は「お前、誰だ」と質問する。

 

「そうだねぇ、ひとまずオディオとでも名乗っておこうかな……」

 オディオと名乗るフォンセの中にいる何か……、とてつもないオーラを感じる……

それは果てしない闇……と言えばよいのだろうか?フォンセを通して僕を威圧するかのようなオーラに圧倒されていた。

 

「オディオ、お前はフォンセを操っているのか?」

 

「そうだよ、俺は呪縛の使い手だからね操るのもお手のものさ……」

 オディオは「例えば」と言いながらフォンセをマリオネットのようにくねくねと動かした。

 

「今、呪縛の使い手と言いましたわよね?まさか今までの各地で魔物が暴れまわる事件

全てあなたの仕業ですわね?」

 ネレイスが後ろから疑問を投げかけるとオディオは「ご明察通り」とネレイスを格好をつけて指を指した。だけどそれにアウリスは口をはさむ。

 

「呪縛はその場所にいないとできないはずだ……どうやってやったんだ?」

 アウリスの疑問に対してオディオはフォンセの手を使ってフォンセを指差した。

 

「おい待て、まさかフォンセを利用したって言うのか!?」

 

「その通り、呪縛は便利だよちょっと埋め込むだけで何もかも伝書鳩みたいにできるからね……こいつが移動した場所で魔物がどこにたくさんいるかとかすべて把握できるんだよ?すごいでしょ僕の呪縛」

 そんなことのために彼女を利用したのか……ぐつぐつと腹の中で煮えたぎるオディオの怒り……今すぐにでも殴ってやりたいが、フォンセを殴るわけにはいかない……僕は拳を強く握りしめ殴りたい衝動を抑え込む。

 

「そんなことをして何が目的なんだ……」

 

「無論君の抹殺だ」

 

「ちょっと待って……今までフォンセが言っていたことと逆だと思うんだけど」

 セレステの言う通りだ、今までのフォンセが操られていたなら、今オディオが言ったこととフォンセが精霊たちに言っていたことは明らかに矛盾している。セレステの質問にオディオ不敵な笑みを浮かべる。

 

「簡単に死なれちゃ困るからねぇ……、いたぶるにはディーパ……君に強くなってもらわなきゃいけないんだよ……」

 

なんだよこいつ……狂ってやがる……

 

「あぁ……早くディーパぁ……君をいたぶって……いたぶって……悲鳴を上げながら死ぬところがみたいよ……」

 本当に頭がいかれてやがる……豹変したオディオに寒気が止まらない……ドン引きしている僕を見たオディオは咳ばらいをし「あぁそうだ」と元の口調に戻る。

 

「予告しとくよ……、今から1週間後に王都に呪縛で操った魔物数十万もので攻めようと思っているよ」

 

「なんだと!?」

 突然の予告に驚愕する僕と精霊……、今から一週間後だと…??

 

「僕を殺すだけなら、そんなことをする必要はないだろ?」

 

「俺もそう思うよ、でもやっぱりディーパが作り上げたこの平和な世界も壊さないと

気が済まないんだよねぇ……」

 

「なんでそこまでディーパを……」

 

「まぁ君に話したところで俺のこのきもちは分からないだろうね、さて俺も王都に向かうために出発するよ、じゃあまたねディーパ」

 そう言い残してフォンセは黒い靄のように消える。呆然とする僕王都に数十万の魔物……僕は守り切ることができるのか?

 

「ソゲン君……」

 心配そうに近づいてくる4人の精霊、いや迷ってはいられない……くよくよしてる間にも時間は過ぎていくばかりだ……前に進まないといけない!!僕は改めて顔を引き締めた。

 

「ソゲン、最初に会った時より顔つきが変わりましたわね」

 

「そうなのか?」

 

「ええ、とても精霊の騎士らしい強い男の人って顔してますわ」

 他の3人にも確認すると、エンデルは首をかしげたがセレステとアウリスはうんうんとネレイスの意見に同意見だ。

 

「こうやって変われたもの、4人のおかげだよありがとう」

 4人はどういたしましてと言った、出会う人によって人生がまるっきり変わる言うが、今の僕を見るとその通りだと思う。本当にこの世界にきて精霊たちに出会えて良かった。

 

「よし、次は王都へいく!!オディオを絶対止める!!」

 僕と4人は「おーーー!」と気合を入れた、あんな狂った男なんかの好きにさせたたまるものか……期日まで絶対に見つけ出して止めて見せる!!そう決意を固めているとネレイスが言いづらそうに「あのー」と言う。

 

「とりあえず、まずはギルドハウスに向かいましょうか……」

あ、そうだった……今までの事で全部抜けていた。僕と4人の精霊はギルドハウスへ足早に向かった。

 

 

 

 

ギルドハウスへと到着した僕らは、リリアンに開口一番「遅いニャ!!」と怒られる。

かなりの時間待たせてしまったようだ。僕と4人の精霊はリリアンと向かうように座った。

 

「すまん、遅くなった」

 

「報酬減らしてやろうかと思ったニャ……」

ぶつぶつと言いながらリリアンは奥から小袋二つと木箱を持ってくる。

 

「あれ?二つ?」

 

「こっちはギルド報酬で、こっちは町からニャ……町を立て直してくれたお礼という事ニャ」

 僕は小袋の中身を確認する。ギルドの方には大量の銀貨、そしてもう一つの町からの小袋には大量の金貨が入っていた。4人からは「金貨がこんなにたくさん……」という呟きが聞こえてきた、あの鉄鉱石やミスリルは寄付のつもりだったんだけどな、まぁ、5日働いた給料だと思ってもらっておこう……。

 

「ふん、良かったですわね」

 ネレイスは機嫌を悪くして、そっぽを向いた。なんで機嫌を悪くしているんだ?そしてもう一つ、持ち手がついたアタッシュケースのような木箱を開けると、眩く虹色に輝くオリハルコンが入っていた。

 

「すごい……」

 

「これが幻の鉄鉱石……」

 セレステとネレイスの二人は改めて初めてみるオリハルコンを興味深くみている。

 

「エンデル、これは君のものだ」

 エンデルの前にオリハルコンが入った木箱を寄せようとすると、首を振って「ゲンにあげる」と言う。

 

「でも、お前が見つけたんだし……」

 

「ううん、ゲンに持っていてほしい……、大好きなゲンに使ってほしい……」

 顔を赤らめながら言うエンデル、リリアンからは「ひゅー、ひゅー」という声が上がってセレステとネレイスは凄く機嫌を悪そうにしていてアウリスは気まずそうな顔をしていた。

 

「わかった、大事に使わせてもらうよ」

 

「うん!」

 万年の笑みで返事をするエンデル、僕は小袋二つと木箱を持ってきた荷物袋に入れているとリリアンが「それと……」とすごく暗い顔をしながら話しはじめる。

 

「エンデルちゃんの処遇についてなんニャけど……」

 ああ、すっかり忘れていた一応エンデルは採石場を不法占拠して町の経済を悪化せてしまった言わば罪人みたいなものだ。このままお咎めなしと言うのも

 だけど僕はもう決めていたことが心の隅にあった。

 

「エンデルを僕に預けさせてくれないか?」

 

「ニャ?」

 精霊3人も一斉に「え?」と仰天した様子で一斉にこちらを見た。

 

「どうせ牢屋に入るくらいなら、僕の元で一緒に戦ってもらって罪を償ってもらった方がいいんじゃと思って……」

 

「たしかに……!!じゃあそういうことにしとくニャ!!」

 え?結構話し合うんじゃ?と思っていたがこんなにあっさりと決まるとは……

 

「ゲン!!大好き!!」

 

「ぶふぉ!!!」

 僕の背中に勢いよく抱き着くエンデル、「ゲンと一緒~」とご機嫌になりながらすりすりと頭を背中にこすりつけている。

 あ~すごくでかくてやわらかいメロンのようなものが当たってる~それと隣のセレステから凄まじい赤いオーラも感じる~

 

「ソゲン君~、後でお話ししようね~」

 

「エンデル離れて!!」

 隣にいるセレステから殺気を感じた僕はエンデルにはなれるように指示をするが「やだ!」と言い離れようとしない。

 

「あらあら、もうそんなスキンシップするくらい仲いいんですわね~」

ネレイスも不気味な笑顔でセレステともに僕をにらみつける、あーアウリスさん助けて~と合図を送るが「無理だ」と言う風にそっぽを向かれてしまう。

 はぁ……これからまた大変なことになりそうだ。

 

「あはは、皆仲良いニャね……」

 

 

 

 

 

 

「そうですか!娘が罪滅ぼしの旅に!!」

 アウレリアの家に戻った僕は、エンデルの処遇について話した、処罰をされず僕と一緒に旅をして戦うことで罪滅ぼしという形になるということでアウレリアも大喜びしていた。

 

「やっぱりソゲンさんを信用して良かったです、本当に感謝しています」

 アウレリアさん笑顔が見れてよかった……頑張った甲斐があったというものだ。僕も「そう言ってくれると嬉しいです」と返した。

 

「エンデル、ソゲンさんの言う事しっかり聞くのですよ」

 

「はーい!」

 まるで保育園の先生と園児のような微笑ましい場面に自然と頬も緩んだ。

 

「ところで次は王都に行かれるんですよね?王都から直々にご招待なんてすごいですねー」

 

「ま、まぁ……それほどでも……」

 

「となると……まさかエンデル?その服装でいくんじゃないでしょうね?」

 まるできなこがまぶされたような汚れた白いワンピースのエンデル、さすがにこの服装では……

 

「ちょっとこっちに来なさい!!」

 

「ママ~いたいいたい~」

 そのまま奥へとアウレリアに引っ張られて連れ行かれるエンデル、一体どんな服を着てくるんだろうか?楽しみだ。

 それにしても着替えてくるまで暇だ、セレステは買い物に行ってるし……アウリスとネレイスもどこかへ言ってしまってるし外で待つか。本当はネレイスにも話したいことがあったんだけどな……

 外へ出て食料などが入った荷物を積み込んでいると建物の裏辺りから誰かがすすり泣く声が聞こえた。誰かいるんだろうか?僕はそっと物音を立てずに覗き込む。

 

「よしよしアウリス、私とセレステがいない間よく頑張ってくれましたわね……」

 

「私……頑張ったよね……?」

 

「うん、うん……アウリスはよく頑張りましたわよ……」

 

「だったらもっと褒めてよ~ネレイス~」

 いつものクールで落ち着いた雰囲気とは違い、駄々をこねる少女のようにネレイスに抱き着くアウリスの姿がそこにいた。ネレイスは「おーよしよし」とアウリスはお母さんのようにあやしている。

 すごく見てはいけないものを見てしまった気がする。

僕はそっと物音をたてずに戻る。ネレイスには少し無理をさせてしまったなと心の中で反省する、2人がいない間ずっと僕の事を気にかけてくれたのは彼女だ、王都へ着いたら何かお礼をしないとな。

 

「ゲン、おまたせ」

 戻ったと同時にドアを開けてエンデルが出てくる、「似合うかな?」とフリフリのフリルがついたドールのようなワンピースをくるくると軽快なステップで回るエンデル。

 

「すごく似合ってるよ、エンデル」

 

「えへへ、ありがとう」

 エンデルはお気に入りの服だったのかとてもご満悦な顔をしていた、あーすごく癒されるなぁエンデルは……にんまりと彼女を見つめていると、後ろから「おまたせー」と愛々しい声が聞こえた。

 

「わー、すごく可愛い~お人形さんみたい~」

 小さな袋を持ったセレステがフリフリの服に着替えたエンデルを褒めると「ありがとう」と恥ずかしそうに返す。

 

 

「あら、エンデルさんとても可愛らしい服装に着替えたのですね」

 

「すごく似合ってるぞ」

 建物の裏から出てきたネレイスとアウリスもエンデルをまじまじと興味深そうに見つめていた。あ、そういえば……忘れていたことがあった。

 

「エンデル、セレステやネレイスに言わなきゃならないことがあるんじゃないのか?」

 僕がそういうとエンデルも忘れていたようで「あ、そうだった」と、気まずそうにセレステとネレイスの前に立った。

 

「えっと……エンデル二人にすごく悪いことした、吹っ飛ばしたりした、ごめんなさい」

 頭を深々と下げる姿を見た二人は、笑顔で「もう気にしてませんから」と言う。

 

「そうだよ、エンデルちゃんもう私達ソゲン君を助ける仲間だよ、だからエンデルちゃんももう気にしないで」

 ネレイスやアウリスも「うんうん」と何度も首を縦に振っている。

 

「仲間……うんわかった!」

 エンデルは満面の笑みでそう答える、良かった……これから賑やかになりそうだ。

 

 

 

 

 

 街の入口で馬車に乗った僕達はアウレリアとリリアンに「では、お世話になりました」と頭を下げる。

 

「エンデルをよろしくお願いします」

 

「王都の用事が終わったら、またアイロンベインに遊びにきてくれニャ」

 

「はい、またこちらにも来させてもらいます……」

 

「また元気になった町を見に来てほしいニャ……、ソゲン君が救ったこの町をニャ」

 そう言って右目でウインクをして、尻尾をフリフリとするリリアン、「あ、はい……」と顔を赤くする。後ろからは「ソゲン君……、今度は精霊意外の女の子を……」や「これだからソゲンは……」などの罵声と思えるひそひそ声が漏れていた。

 

おーい聞こえてるぞー。

 

「ソゲン、そろそろ出発しますわよー」

 

「わかった!」

 僕は急いで荷物置き場に乗り込むと、ネレイスは馬に合図を送って馬車を出発させる。

門の前で「バイバイにゃー」と大きく手を振るリリアンと小さく手を振るアウレリアに手を振り返す4人の精霊たち。エンデルは急に寂しくなったのかだんだんと離れていくアウレリアの顔をずっと見ていた。

 

次は王都だ。オディオをいち早く探し出してやつの野望を阻止しなければならない。あんな狂ったやつの好きにさせてたまるものか!!絶対4人の精霊と共にお前をぶっ倒してやる!!そう決意を固め王都に向かうのだった。

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