「やはり戻ってきたか、ディーパ」
マシンドラゴネスから降りた僕はエーテルと向かい合うようにして対峙していた、二人の間には独特の緊張感が取り巻いていた。
今までの僕ならこの緊張感にやられていただろう、だが今はの僕は違う!
「今度こそお前を倒す!」
「ふん……役立たずのお前に俺が倒せるかな?」
くっ……また僕のトラウマをえぐるような言葉を……、また気がどうにかなりそうだ。
(ソゲン君……)
「大丈夫だ……」
僕はイグニスブレードを構えて戦闘態勢に入る。
「ダーリン、もう一度地獄を見せてあげようねー」
≪sword mode≫
エーテルもクリーナーソードガンをソードモードに変形させ、こちらへ斬りかかってくる。
「セレステ、作戦通りにいくぞ……」
(うん、わかってる……)
こちらも応戦するためにイグニスブレードを構え、クリーナソードガンの刃先をぶつける。
やはりかなりの力だ……。
「守るのに必死なようだな……そんな戦い方で勝てると思っているのか?」
エーテルは僕の腹を蹴り上げ後ろへと吹き飛ばした。
「くっ……」
「はぁぁぁぁ!!」
こちらに向かってクリーナソードガンを構えて飛び掛かるように突進してくるエーテル。それに対して僕は手を前にかざして火球を投げつける。
「なにっ!」
エーテルはすかさず火球を切り裂く。その合間にエーテルの前に移動した僕はイグニスブレードで切り裂いた。
「はあああああ!!!」
「ぐわぁぁぁぁ!!」
地面にはねるように転がり倒れるエーテル、すると不敵な笑い声で笑い始めゆっくりと立ち上がる。
「お前……あの時のお前じゃないな……」
「どうだかなぁ!!」
エーテルは体制を立て直すともう一度武器を構えると、今度はガンモードに変形をさせ遠くから僕を狙って、引き金を引く。
「今度は遠距離か!」
(ネレイスさんがいれば……)
内の者をねだってもしょうがない……こうなれば正面突破だ……僕は刀を構えエーテルに向かって走った。
「自爆する気か……」
走ってくる僕を狙って何発も連射する、だがそれは予測済みであった刀の刀身に炎を宿すとそのまま弾丸に向かって振りかざし全弾はたき落した。
「はぁぁぁぁ!!」
エーテルの腹に目がけて、渾身の一発で殴り掛かる。
「ぐはぁ!このォ!!」
相手も負けず劣らず僕の顔面に向かって殴り返してきた。
「がはぁ……負けてたまるかぁ!!」
何度も殴る、蹴るの攻防が続いた、セレステもさぞ痛かっただろう……。
それは向こうのフォンセも同じか。気づけばお互いフラフラと立っているのがやっとの状態だった。
「はぁはぁ……ごめんセレステ調子に乗った」
(ううん……大丈夫……)
「フォンセ、大丈夫か?」
(ううん、平気……ダーリンこそ大丈夫?)
「あぁ……」
お互い気力を振り絞った殴り合いだった、オディオもフラフラで息も絶え絶えである。
決めるなら今しかない……!
僕はベルトを操作しようとすると、やはり向こうも同じ考えだったか。エーテルもベルトに手を伸ばした。
≪ignis! finalatack!!≫
≪darknes finalbreak!!≫
「うおおおお!!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
お互い高く飛び上がると、肩足で飛び蹴りを繰り出し凄まじい勢いで両方の足がぶつかり合い当たりに大きな爆発が起こった。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
「はははは……やはり力の差は歴然だったようだな」
勝ったのはエーテルだった、やはり力の差が大きすぎる。僕は地面に突っ伏していると
目の前にクリーナーソードガンの刃先が現れた。
「終わりだ……ディーパ……」
武器を振り上げ僕の首に向かって振り下ろそうとした時だった、突如としてクリーナーソードガンにひびが入り、音を立てて粉々になると、地面に破片がボロボロと散らばる。
「ば……馬鹿な!!」
「ははは……作戦成功だ!!」
そう僕はお互いの足がぶつかり合った時にクリーナーソードガンに向かってイグニスブレードで渾身の一撃を与えていたのだ。
「まさか……最初からこれが目的で……」
「正解!」
しばらくすると青と緑と黄色の粒子が現れ、ネレイスとアウリスとエンデルが現れた。
「はぁはぁ……私達助かったのか?」
「狭かったですわ……」
「ゲン!!」
「良かった……、皆無事で……」
(良かった……良かったよぉ!!)
3人は僕の元へ駆け寄るとエンデルとアウリスが僕を起き上がらせ僕は覚束ない脚で立ち上がる。
「ぐぬぬ……」
「形成逆転だな……」
3人の精霊と僕はエーテルに向かってそれぞれ武器を向けた、それを見たエーテルはまた不敵な笑い声をあげ始める。
武器を失ったショックで壊れたか?
「なぁ、お前はディーパになって何をやりたいんだ……?」
「あ?」
僕は突然の質問に困惑する、いきなり何を聞いてくるんだこいつは……?
「ディーパになったところでいい事はないぜ?先代のように殺されてしまうかもしれないし俺みたいな敵を先代みたいに、いや先代以上に作ってしまう……」
エーテルは訴えかけるように力説していたが、その言葉に僕は堪えきれず笑い出してしまう。
セレステも突然笑い出した僕に「どうしたの?」心配そうに声をかける。
「な……何がおかしい……」
「全く、どいつこいつも先代、先代って……うるさいなぁ……」
「なっ……」
「僕は先代のようなディーパにはなる気はない!僕は僕だけのディーパの歴史を作り上げてみせる!!」
今までの僕は偉大な先代ディーパの背中を追うようにして振舞ってきたつもりだった、だがそれは自分自身をを苦しめていた枷になっていたに過ぎない……。
だけどもうそれはやめることにする。僕は僕だけの歴史を作ってみせる。
その宣言を聞いた3人は一斉に振り向くと。よく言ったと言わんばかりに割れんばかりの拍手をした。
「よく言ってくれましたわ、やっぱりソゲンについてきたのは間違いではなかった」
「ソゲン、私もネレイスと同意見だ、君ならきっとやってくれると私は信じている」
「よくわかんないけど賛成」
「皆、ありがとう……」
温かい言葉と温かい拍手に思わず涙があふれて来てしまった、もう泣かないと決めたのになぁ……。
「良いよなぁお前は……そうやって認めてもらえてなぁ……」
突如として体から黒いオーラを出し始めこちらに向かってゆっくると歩を進めるエーテル。
「どうして……どうしてお前ばっかり……ディーパばっかり……」
「おい、本当に頭おかしくなったか?」
僕はイグニスブレードを構えて戦闘態勢に入る。
「お前さえ……お前さえいなければなぁ!!!!!俺は英雄になれてたかもしれないんだよぉ!!!!」
「まさか……ディーパを殺す理由って……」
「だから俺から英雄の称号奪ったお前を俺がこの手で殺す!殺してやるぅ!!!」
結局やつがディーパを殺す理由、そしてディーパが作り出した平和な世界を破壊する理由は奴の個人的な恨みだった。
そんな取るに足らない理由で平和を脅かされてたまるか!
「そんな他愛もない理由で平和を脅かされてたまるか……!!皆いくぞ!」
「「「「了解!!!!」」」」
僕はフュージョンウォッチを右手に取り付け、カードは長針から外し変身をしようとした時だった。
「うっ……ぐわぁぁぁぁぁ!!」
突如として頭を抱えだし、その場にうずくまるとドライバーの安全装置が発動し変身が解除される。
「な……なんだ??」
「うわああああああ!!」
突如として発狂し顔をこちらに向けると、オディオの顔には大量の細いミミズのように血管が浮き出ていた。
グロテスクな光景に3人の精霊を目を逸らした。
「なんだよ……あれ……」
「あぁ……やっぱりそうだったのねー」
妖艶な声が響き突如現れたのは溢れんばかりの豊満な胸、引き締まった体のナイスバディに似合わないゴスロリ服、黒い地面に届きそうなくらいの女性だった。
精霊たちは誰?といった表情をしていたが、子供のような口調、そして特徴的な服装に僕は見覚えがあった。
「お前フォンセか?」
「ピンポーン♡せいかーい♡」
この砕けた口調と妖艶だけど少し幼さが残る声やっぱりフォンセで間違いない。
「この姿に戻ってようやく思い出したー、これ霊液の副作用ねー」
「霊液?」
「そう何の薬かは忘れたけど確か遺伝子を作り変える薬だった気がするー」
「遺伝子を作り替える??」
突然の謎の薬の登場や、化学用語に頭が混乱してきた。
「多分この男、見るに100本は投与してるねー、そりゃエーテルにも無理やり変身できるし、こんな副作用も現れるわ」
「おい、お前をなにを言ってるんだ?無理やり変身できるだの、遺伝子だのって……」
「さぁねー、まぁでも今はこいつを倒すのが先……きゃああ!!!」
突如としてオディオの目が赤く光り始めると、フォンセが黒い粒子となりオディオの体に入ると、再度オディオはエーテル・ダークネスへと変身する。
「ハハハ……お前を倒すためなら……例えこの身滅ぼそうとも……」
そう言いながらエーテルはこちらに向かって一歩一歩、歩みを進めてこようとした時だった。
突然エーテルの動きが完全に止まった。
「な……フォンセおまえ……」
「もうあんたの言いなりはこりごりなのよ!!……ディーパ早くとどめを刺しなさい!!」
「お前……なんで……」
「まぁ今までの罪滅ぼし……って言うのかな?まぁでも別に許してもらわなくてもいいけど」
それは……と戸惑っていると横からネレイスが「奴の言う通りにしましょう」と言って来ていた。だがそれにオディオは不敵な笑い声をあげ始める。
「いいのか?このままだとフォンセも道連れになるぞ?」
確かにそうだこのままとどめを刺してしまえばフォンセもただではすまない……。
「忘れたの!?ディーパ!!エアリアでの私の言葉を!」
エアリアでの言葉?記憶喪失の状態であったが僕はフォンセが言ったエアリアでの言葉を微かに覚えていた。
――貴方は一つの命を守るために大勢の命を犠牲にするの?
――私は大勢の命が助かった方が嬉しいから一つの命を犠牲にするな♪
「くっ……精霊を一人犠牲にしろって言うのか……」
ダメだ……僕にはそんなことは……そう思っていた時だった3人の精霊が僕の右手を握った。
「ソゲン!」
「ゲン!」
「ソゲン……」
(ソゲン君、アイツを倒せば王都が救われるんだよ!だからやろう!!)
4人の励ましに僕はようやく決心がついた、フォンセがやれって言うんなら……!!
カードをベルトにセットする。
≪fusion stand-by!≫
≪agglutination!!≫
ベルトがそう発した瞬間に3人が粒子となって僕の体に入り、右腕は青くなりアクエルフォームのパーツが付けられ、さらに左腕は緑色でゲイルフォームのパーツが付けられ、肩にはジオフォームの特徴的な肩パーツが付けられた。体はイグニスフォームのままで
背中には4色に輝く羽のようなマントが付けられて、顔には赤、青、緑、黄の羽を広げた天使のようなパーツが付けられ、目は赤みがかったオレンジのような色になる。
フュージョンディーパ 4人の精霊を宿した精霊の騎士の姿である。
「なんだとぉ……」
オディオは突然の現れたフュージョンディーパの姿に驚いていた、だがその驚いている間にオディオは吹き飛ばされてしまった。
「ぐはぁ!!何がっ!?」
凄まじいスピードで移動しオディオに殴りかかる僕、目にも止まらぬスピードで
翻弄されて何もできないまま後ろへ吹き飛ばされてしまう。
「すごいスピードだ……」
「ソゲン、早く決めよう思ったより時計の進むスピードが速い!!」
みると右腕の時計の針は思ったよりも早く動いていた。一気に決めるしかない!
翼の羽を広げ天へと舞い上がりベルトを操作する。
≪fusion! finalatack!!≫
「はぁぁぁぁ……おりゃあああああ!!!」
僕は急降下しながら片足を前に出すと、四方に4人のディーパが現れそれぞれエーテルを蹴りつける。そして留めにフュージョンディーパの蹴りがさく裂する。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
5人の攻撃を受けたオディオは悲鳴を上げてその場でフォンセとともに爆散したのだった。
「はぁはぁ……ぐ……」
地上に着地した僕は体に異変を感じてすぐさまドライバーを脱着して変身を解除する。
やはり……4人はやばいな……倒れかかるとすぐさまセレステとネレイスが走って来て僕の体を支えた。
「精霊一人を犠牲にして何が正義だ……」
振り返ると見るも無残な姿になったオディオが立っていた。
「何人も犠牲にしたお前が正義を語るな」
「ふふふ……後悔するといい……ディーパになった事を……いつの日か俺の仲間が
お前を倒す……」
そう言いながらもう一度爆発し息絶えたのだった。
ディーパになったことを後悔なんてしない……、どんな敵だろうと絶対に打倒してやると決意を新たにするのだった。
オディオが爆散した瞬間王都近辺では暴走した魔物姿が跡形もなく消え始めていた。
「もしかして、ソゲンが……」
「ソゲン君がやってくれた!!」
「団長、魔物の群れ全員消えました……!!」
それを聞いたボロボロになったアルベルクは聖剣を上に掲げ「勝利の鬨をあげよ!!」と叫ぶと王城の兵と冒険者は一斉に「おーーー!!」と声を上げた。
「良かった……本当に良かった」
僕はと4人の精霊は丘の上から王都で歓声を上げる人々を眺めていた。
「ソゲン混ざりにいかなくていいんですの?」
「僕はいい」
そう言いながら僕は丘の上から降りようとした時、ふと見るとオディオが爆散した場所に黒いスピリットドライバーが落ちていた。
「これ……」
「それって、オディオが使っていたやつだよね?」
「そうだな」
僕は黒いドライバーを観察していた、フォンセが言うにはオディオは霊液というもので無理やり変身していたということだ。となるとやつは正式な変身者ではないということになる……。
「なぁ、俺意外に精霊の騎士っているのか?」
「さぁ?聞いたことがありませんわね……」
「私も聞いたことはないな」
4人の精霊は首を傾げた、でもドライバーがあるという事は変身できる人がいるという事ではあるが。
まぁ今はいいか……、僕はスピリットドライバーポケットに入れ歩き始めた。
「どこにいくの?ソゲン君」
セレステは小高い丘から下り始めた僕に問いかける、僕は4人の精霊がいる方に振り向き笑顔で返した。
「どこって、帰るんだよ王都に!」
向き直って王都へ向かって歩き出すと4人の精霊は「待ってー」と言いながら追いかけて走ってきた。
こうして僕のディーパとしての新たな物語の1ページが始まったのである。
ここはとある町の路地裏、紫色の髪を靡かせ一人の少女がある人物が来るのを待っていた。
「どうしたの?ゼフィラこんな所に呼び出して」
「やぁ、フィー来てくれてうれしいよ」
そこにやってきたのはいぶし銀のような長い銀色の髪の毛のケープのドレスをきた少女だった。
ゼフィラと呼ばれる紫色の髪の少女は振り向き目に付けていたマスクを外し素顔をあらわにした。
「私立て込んでるんだから、要件はぱぱっと済ましてよ」
「わかってる、わかってるー、聞いて喜んでよフィーの盗まれたドライバーある場所が分かったんだよ!」
「本当!?」
フィーと呼ばれる少女は目を輝かせてゼフィラを見つめた。
「でも場所は分かってもなぁ……、どこにあるか……」
「まぁ場所が分かっただけいいんじゃないの?」
「まぁね、とりあえず王都へいってみるよ」
「うん、気を付けてね……」
ゼフィラは疾風迅雷のように消えてなくなると、それを見送ったフィーはゆっくりとその場から立ち去って行った。
精霊で誰が好き?
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セレステ
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ネレイス
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アウリス
-
エンデル
-
フォンセ