仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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王都での日常chapter⑤

 ファンタズマソルダードと名乗る3人はまるで忍者のような素早い動きでレイナに襲い掛かる。だがレイナもそれよりも早い閃光の速さで攻撃をかわす。

 

「く……」

 見たこともない奴らだ、ソゲンと同じドライバーを付けた謎の集団……。

 まさか!オディオの仲間?そんなことを考えていると目の前に小型の剣を構えたファンタズマソルダードが襲い掛かってきた。

 

「ふん!」

 

「くっ!!」

 レイナは間一髪聖剣エクリプスで受け止める。

 

「貴方達は何者?どこから来たの?目的は何?」

 やはり、無言で何も言おうとしないか……、レイナは右腕の肘を相手に向かってぶつけよろけさせると反撃する隙も与えぬまま相手の腹を蹴り飛ばす。

 だがその束の間左右から別の二人のファンタズマソルダードが槍と刀をを構えて襲い掛かってきた。

 

「嘘!?」

 まずい、これは避ける事ができない……万事休すか……と覚悟を決め時だった。

 左右の二人が突如として飛んできた火の球によって吹き飛ばされたのだ。

 

「大丈夫かー?レイナ」

 振り向くと立っていたのはレグナーとミレイユだった。二人はレイナの元へと走り並び立つ。

 

「レグナー、ミレイユ……」

 

「アイツら……なんなんだ……、なんでソゲンと同じような姿してんだ?」

 

「わからない……、レグナーアイツら捕まえるの手伝って」

 

「言われなくても!!」

 2人はそれぞれ聖剣を構えて、ミレイユは後方支援に徹するために後ろに下がった。

 

 

 

 その頃ファンタズマソルダードに二人が襲われているなどつゆ知らず鍛冶屋にいた僕は、内気な店主の女性に地下にある作業場に案内してもらっていた。

 さっきの僕の言葉に機嫌をよくしたのか作成する工程を見せてくれるという。

 

「良いんですか?」

 

「は……はい……せっかくだから見てもらいたいな……って」

 

「そうか興味があったから楽しみだな、あ自己紹介がまだだったな。僕はソゲンと言います」

 

「え……えっと……エレノアと言います……」

 そういうとエレノアは少し顔を赤くしながら「ソゲン……」と小声で言いながら笑っていた。

 なんか凄い怖いな……まぁいいか……。

 

「ところで日数はどれくらいかかりますか?」

 

「ま……まぁ……数時間あれば……」

 

「す……数時間!!!???」

 予想外の言葉に声を荒げるとエレノアは驚いたのか震えた声で「は……はい」と答えた。

 最近のこういう異世界も進化しているんだな……。

 

 しばらく階段を降りていると、目の前に大きな木でできた扉が現れると、エレノアは鍵をドレスのポケットから取りだし、解錠するとドアを開け中へ入る。僕もそれに続いて入ると少し狭い部屋で奥には恐らく鉄鉱石を入れる大きな窯があった。

 そしてその隣の机の上にはこれまた大きな錬金に使う釜だろうか?それが一つ置いてあった。エレノアはまず大きな錬金釜の前に立ち止まり、蓋を開ける。

 

「え……えと……オリハルコンを……ここに入れてもらえますか?」

 

「わかった」

 エンデルに合図をすると、木箱からオリハルコンを取り出して軽々と持ち上げると錬金釜の中に入れる。

 その後エレノアは錬金釜の蓋を閉めるとそれを合図に錬金釜左右に揺れ始めた。

 

「こ……これで……まずは……インゴットにするんです……そうすると大幅な時間短縮になるんです」

 なるほどその発想はなかったと感心する。確かに一度溶解してまたインゴットにするよりも錬金してインゴットにした方がかなり時間短縮になる。

 でもそれだけだとまだインゴットを熱して剣の形にするまでにさらに時間がかかるから1日半で無理そうだが。

 

 しばらくして錬金窯の蓋が開くと見事に綺麗な形をしたオリハルコンのインゴットが出てきた。

 

「錬金ってすごいな……」

 

「で……でも……本番はここからです……」

 インゴットを持ち今度は窯の前に立つと、手をかざして「フレイム」と唱えると窯の中に炎が灯る。

 そして大きなピザを乗せるような道具の上にインゴットを乗せると赤く紅蓮に燃え盛る炎の中に入れた。

 

「こ……これで1時間ほど……待ちます……」

 

「そっか……それじゃあ……」

 僕はエンデルと一緒に帰ろうとすると、エレノアが僕の手を掴み「良かったらお茶を……」と言い引き留めた。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

「はい……」

 エレノアは笑顔を見せると、出入り口のドアを開け、駆け足で会談を登り戻って行った。

 

 しばらくすると、紅茶が入ったティーポッドとクッキーの入ったお皿を乗せたお盆を持って戻ってくると僕の前にカップを置き、ティーポットから紅茶を僕の隣で注いだ。注いでから差し出せばいいのに……。

 

「そ…そういえば……さっき思い出したんですが……精霊の騎士のソゲンさんですよね?」

 自分のカップに紅茶を注ぎながらそう聞いてくるエレノア、少し嬉しそうに聞こえるの気のせいだろうか?

 

「そうだね、一応皆からはそう言われてるよ」

 

「私、光栄です……ソゲンさんの武器を作らせてもらえるなんて……」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ……」

 

「ゲン、皆から慕われてるすごい……」

 クッキーをむしゃむしゃと食いながら、エンデルはサムズアップする。

 

「あはは……」

 

「ところで……な、なんで武器を?確か鎧を付けて戦うんですよね……?」

 

「まぁ精霊の騎士もエンデルのように精霊がいないと戦えない……、これから僕一人でも行動するしいつ襲われるかわからないから自衛もする必要がある、だから武器が必要なんだ」

 「それと」言いかけるが、さすがに精霊の女の子二人の喧嘩を止めるのに使うなんて言えるはずもないよなぁ……、なんか物騒な人達とか思われそうだし……。

 

「そ、そうなんですね……、私武器をいろんな人に売ったり、レイナさんや騎士団の皆さんの剣を研いたりしてるんですけど……、誰かのために武器を作るって実は初めてで……」

 それを聞いて半ば強引に作らせちゃったなぁと少し後悔の念が出てきた。なんか精霊の騎士である

 僕の武器を作るって言う重い物を背負わせちゃったな……。

 

「そうだったんだ、なんかごめんね無理やり作らせる感じになっちゃって……オリハルコンを持っていくとさ、大騒ぎになるからさ……レイナさんに紹介されたここしかなくて……」

 

「べ……別に……私嬉しいですよ?精霊の騎士の武器を作れるって言う、こんな光栄なことはないですから!!」

 

「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいよ……」

 本当に嬉しい事を言ってくれるなぁエレノアさん、嬉しくて少しうるっと来てしまった。

 顔も最初に来た時よりほころんでいた。

 

 しばらくエレノアと談笑していると、「そろそろですかね」と立ち上がろうとした時だった。

 突如として「どーん!!!」と地響きが起こる。

 

「な、な、ななんですか!?」

 

「ゲン……、いこ」

 

「おう!!エレノアさん、武器は頼んだ……、行くぞエンデル!!」

 僕とエンデルはドアを開けて階段を一目散に上り爆発音が聞こえた場所に走った。

 

「行っちゃった……」

 エレノアは僕が走って行った後をしばらく見つめた後、拳を握りしめて「よしっ」と言って気合を入れる。

 

 

 その爆発音は3人の精霊たちがいる屋敷にも聞こえていた。

 

「何ですの!?今の爆発音?」

 

「まさか……ソゲン君が……」

 

「そ……そんなはずは……」

 2人はプルプルと震えた様子だった、その後二階にいたアウリスが青ざめた表情で急いで降りてきた。

 

「おい!!町から変な霊力の気配が!!」

 

「変な霊力?どういうことですの?」

 

「今までに感じたことがないものだ……行こう!」

 3人は同時に頷くと、屋敷を出て城下町へと向かう。どうかソゲンが無事でありますように……。

 

 

 

 

 

「くっ……なんて力だ……」

 

「な、なんなのアイツら?」

 ファンタズマソルダードの強力な力の前になすすべもない二人、圧倒的な戦闘力、あのドライバーのせいだけじゃない。間違いなく戦闘慣れしている動きだ。そして何よりも。

 

「魔法があんまり効いていない……」

 

「アイツら使ってるもの、まさか霊術か」

 

「多分そうね、もしかしたら私達じゃ勝てないかも……」

 だがこのまま尻尾を巻いて逃げるわけにはいかない……、こうしている間にも3人はゆっくりと武器を構えてこちらに向かって歩いて来ていた。

 

「レイナさん!レグナー!!ミレイユさん!」

 僕はようやく爆発した方向にたどり着く、やはり都民が逃げてきた方向と逆の方向へ走って正解だったな。

 

「ソゲン君……良かった」

 

「ソゲン、ナイスタイミング!!」

 2人はこちらに向かってフラフラとしながら走ってきた。相当体力を消耗しているようだ。

 

「な、なんだアイツら?」

 目の前にいる異様な格好をした3人を見つける。

 何なんだアイツら??しかも僕と同じドライバーをしているだと!?

 

「ファンタズマソルダードって言うらしいんだけどそれ以外はわからない……だけど気を付けて、アイツらソゲン君との精霊と同じ霊術を使ってくるから……」

 

「ファンタズマソルダード?わかった」

 僕はドライバーを取り出して変身しようとすると、「ソゲン君~!」という愛愛しい声が響く。

 

「みんな!」

 

「無事で良かったですわ」

 

「アイツら、一体何なんだ?」

 3人の鎧を付けた謎のファンタズマソルダードは静かにこちらをじっとみつめていた。

 

「ファンタズマソルダードって言うらしい、僕らと同じ霊術を使うみたいだ」

 

「ファンタズマソルダード??聞いたことがないな……慎重に戦うしかなさそうだな」

 アウリスの言葉に4人は同時に頷いた、その後僕はドライバーを装着しセレステのカードを取り出す。

 

「いくぞ、セレステ」

 

「うん!」

≪ignis!metamorphosis!≫

ディーパ イグニスフォームへと変身し、イグニスブレードを構えて鎧を着た3人に向かって走る。それを見た3人もこちらに向かって武器を構えてこちらへと走ってくる。僕の後ろからはネレイスが銃弾を発射するが、小刀を持っていた一人に弾かれてしまう。

 

「なッ!!」

 さらにアウリスの手から放つ風刃やエンデルの拳から放たれる衝撃波もまるで見切っているかのように全てかわされてしまう。

 

「どうなってるんだ……!?」

 今までにない敵に3人は困惑していた。

 

 

「副団長!」

 レイナがレグナーに回復魔法をかけていると、エリーゼとヴァレリオが走ってきた。

 

「レイナ副団長、何事ですか?」

 エリーゼは目の前で戦っているディーパとファンタズマソルダードを見て困惑した顔をして訊ねる。

 レイナは冷静な顔でファンタズマソルダードの事について2人に話す。

 

「ファンタズマソルダード?聞いたことがありませんねぇ……」

 

「そうですね、書物にも載ってなかったですし」

 

「とにかく私達じゃ敵わない相手だろうから、ソゲン君に任せるしかないわ」

 2人はうんうんと頷いて二人の戦いを見守ることにする。下手に手を出して足手まといになってしまうのはごめんである。

 

「まぁソゲンもかなり苦戦してるみたいだけどな」

 レグナー心配そうに戦闘を眺めていた。

 

 

「くッ……さすがに3人はきついな」

 騎士団の人たちが見守っている中僕らは苦戦を強いられていた。多人数だからと言うのもあるがなんか見切られているような??そして3人の精霊のアシストはまるで意味がない。

こうなったら……僕は右腕に付けていたフュージョン・ウォッチに手を伸ばそうする。

 

「ソゲンさーん!!!」

 どこからともなく女性の声が響いたと思うと、手に刀身が虹色に輝く綺麗な形をした白いオリハルコンの剣を持ったエレノアが現れる。

 

「エレノア!?どうして?」

 突然の登場に驚きを隠せないでいるレイナを横目に僕は手に持っていたオリハルコンの剣を見て叫ぶ。

 

「エレノアさん!?それってもしかして!!」

 

「はい!!できました!使ってくださーい!!」

 エレノアは両手で力いっぱい渾身の力を込めて僕に向かってオリハルコンの剣を放り投げる。

 

「おっとっと……」

 僕は立ち上がってイグニス・ブレードを地面に突き刺してオリハルコンの剣を両手でキャッチする。

 

(すっごく、綺麗だね……ソゲン君……)

 後ろから見ていた3人の精霊もオリハルコンの剣の輝きに見惚れていた。

 

「よし!!いくぞ!!」

 僕はオリハルコンの剣を構えた時だった、突如としてオリハルコンの剣が眩い輝きを放ったのだ。

 

「え……??」

(何!?)

 

 その様子を後ろの精霊や騎士団、エレノアも一体何が起きているのかと注目して見ていた。

 

「おいおい、何が起きてるんだよ」

 ようやく輝きが晴れたかと思うと手に持っていたのは、先ほど同じように刀身は虹色に輝いているのだが、カードを装填するような場所、そして銃口が備わった鞘の部分、先ほどとは全く別の武器になっていたのだ。

 

「な、なななんじゃこりゃーーーー!!!」

 それを見たその場の全員が突然の出来事に驚きの声を上げていた。

 

精霊で誰が好き?

  • セレステ
  • ネレイス
  • アウリス
  • エンデル
  • フォンセ
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