仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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終わらない日常 chapter③

「ソゲン君大丈夫かなぁ……」

 

「いろいろあったし疲れてるのですわ、そっとしといてあげましょう」

 4精霊はベッドに横たわる僕を横目に部屋を去って行った。またみっともないところを見せてしまった。

 

 あのカラス変なビジョンを僕に見せてどういうつもりなんだ……?だがこれでこの現象があのカラスが原因であるという事はわかった。

 

さてここからどうするかだが……。

 

「やっぱり今日も外に馬車はあるな……」

 ふらつきながら窓まで行くと今日もあった。やはり完全に無限ループしているようだ。

 

 しかも僕だけがループしていると錯覚に陥っていて、僕以外は記憶がリセットされているようである。誰かが僕を苦しめようとしている……。だが負けるわけにはいかない!!絶対脱出して見せる!!

 

 

 起き上がって階段を降りながら考える。まずは精霊たちに無限ループしているという事を話さなければいけない……。だが、本当に信じてくれるのだろうか……?

 

 いや信じてくれるはず……だってこれまで戦ってきた仲間達だから……。

 

「どうした?ソゲン?もう大丈夫なのか?」

 階段の上で考え事をしているとアウリスが下から声をかけてきた。それを見て僕は意を決してアウリスに懇願する。

 

「なぁ、リビングに皆を集めてくれるか?」

 

 

 

 リビングでソファーに座って待っているとアウリスは3人の精霊を連れてくる。

 

「ソゲン、皆を連れて来たぞ」

 

「ソゲン君どうしたの?急に呼び出して……」

 

「何かありましたの?」

 

「ゲン、何かあった?」

 僕は4人の精霊たちに、今起きている事を話す。今この空間が無限にループしているということ。そして僕だけがその事を覚えていてそれ以外の人たちは記憶が亡くなっているということを……。

 信じがたい話ではあるが。苦楽を共にしてきた4人の仲間なら信じてもらえるはずだ……。

 

「それ本当ですの……?」

 ネレイスの驚愕して震えたような声に僕は「本当だ」と言い返す。

 

「ソゲン君……そんな辛い思いしてたんだね……」

 セレステも僕を抱きしめて「よしよし、もう一人でそんな思いをしなくていいんだよ」と言って撫でていた。その後ろからはエンデルもセレステと同じく「よしよし」と言って頭を撫でていた。なんか御利益のある石を撫でられてる感じだった。良かった信じてくれて……。

 

「本当にそうなのか?」

 だけどそれを信じていない精霊が一人いた。アウリスだ。アウリスは僕を疑いの目で見ていた。

 

「なんだよ……」

 

「本当に今いるこの空間が無限ループしているのか?」

 

「な、何言ってるんですの?ソゲンは……一人で……」

 ネレイスは僕を庇うようにそういうがアウリスは引き下がらない。

 

「証拠がないじゃないか……、今この空間が無限ループしているというな」

 くっ……確かに無限ループを体験しているのは僕一人だけだ。それ以外は記憶も消されているし、置いているもの、景色等は全てリセットされてしまっている。

 

「証拠がないと信じられないって言うのかよ……」

 

 それを聞いて納得したのかネレイスは「そうですわね」とあっさりとネレイス側についた。

 

「アウリスの言う通り証拠がないとだめですわ……、というかソゲンはデジャブを感じてるんじゃないんですの?」

 そう言って逆に疑いの目をかけるネレイス。やっぱり彼女はネレイスの言葉になんでもうんうんと頷いてしまうのかいやでもネレイスがだめでもセレステとエンデルがっと思ったが二人もアウリスの側に付いた。

 

「ごめんね……ソゲン君……」

 

「ゲン、どんまい……」

 くそ……マジかよ……。僕はこの非常な現実を受け入れるしかなかった。4人の精霊は立ち上がり全員神妙な面持ちでリビングを後にしていく。そして去り際アウリスは僕に近づき。

 

「すまない、ソゲン……。私は証拠がないと信じない達でな……」

 そう言い残してリビングを後にした。なるほどだからエアリアのフォンセの一件の時、フォンセの話を信じなかったのはそういうことだったのか……。

 

 

 

 僕は馬車の荷台の上で寝転びながらため息を付いた。まさかいつも心強い味方のアウリスが今回は敵側になってしまうとは……。

 これは難敵だ……。しかも証拠がないたって……俺以外の物がリセットされてしまうこの空間でどうすればいいんだよ……。そんな事を考えてると唐突に耳を引っ張られる。

 

「いででで!!」

 

「市場につきましたわよ」

 

「あ、はい……」

 

 市場へセレステと向かうが、やはり行く場所、買うものすべてが一緒だった。

 

 そして金髪の長い髪の女性が襲われてる出来事も全て僕の記憶通り起り、それを僕が助ける。金髪の女性にお礼を言われ、その後オーラを纏ったセレステに引きずられていく。

 

 全てがまるで台本のあるドラマのように進んでいくのだ。これが永遠に続くのかと思うと狂いそうになる……。

 

 精神がどんどんとやすりで削られていくような感覚だ。

 

「ソゲン君大丈夫……?」

 馬車の上でやつれている僕に声をかけるセレステ。

 

「あ……あぁ……」

 

 僕の精神状態は限界に達していた。

 

 

 

 

 

「疲れた……」

 

 その夜、僕はベッドにばたんと倒れ込む。肉体的にも精神的にももう限界だ……これが明日明後日、ずっと永遠に続くのかと思うともう狂いそうだ……。

 

 しかも精霊たちも味方になってくれない……、これは一番の大誤算だ。ずっと一緒に戦ってきた仲間だから信じてくれると思っていたのに……。

 

 味方は誰もいない……、なんだよ証拠って……どうせリセットされるてしまうんだからそんなのできるわけないだろ……

 

 もういっそのこと、死んでしまった方が……。

 

「ごめん……みんな……俺もう限界だ……」

 ディーパソードガンを、ガンモードに変形させて頭に突きつける。

 

 もう限界だ……。僕は意を決して引き金に指をかける。

 

「弱いね……私を倒した男はそんな物なの?」

 

「!!??」

 どこからともなく妖艶でそれでいて幼さが残っている声が響く。

 

「消えてしまうなら、印かなんかで残せばいいでしょ?」

 

「印……、てかお前フォンセなんだろ?どっから!?」

 

 それ以降声をかえってこなかった。なんで死んだはずのフォンセの声が聞こえてきたんだ?いや今はそんな事はどうでもいい……印ってなんだよ……。

 

そもそも俺以外の物が全てリセットされてしまうのにそんなものを残せるわけが……。

 

 ダメだ。とりあえず頭を冷やそう……。僕は部屋を出て一階に降りて台所に飲み物を飲みに階段を降りると、その途中にネレイスの部屋のドアが開いており、ちらっと覗くとネレイスは何やら本に何かを書いていた。

 

「よぉ、何書いてるんだ?」

 

「あら、ソゲンこんな遅くに珍しいですわね」

 

「ちょっと頭冷やそうと思ってな……、てか何書いてるんだ?」

 

「これは日記ですわ、この屋敷に来た初日から書いてますの」

 そう言ってぺらぺらとページを捲って見せつけるネレイス、僕は内容をマジマジと見ようとするがネレイスはとっさに手で隠し「恥ずかしいから見ないでくださいまし」と言った。

 

 日記か……、そういえば書いたこともなかったな。これを付ければいつどこで何が起こったかわかるからいいな……。

 

ん?待てよ……。

 

「そうか!!その手があったか!!」

 

「どうしましたの……?」

 

「ネレイスのおかげで前に進めそうだよ、ありがとうな……」

 

「そうですの?それは良かったですわ……」

 ネレイスは突然の歓喜に満ちたを声に困惑した様子だったが、これでようやく道が開けた……。

 

 部屋に戻り早速今日の出来事を紙とネレイスから借りたペンを用意して日記を付けようとする。日記と言うより明日の精霊たちにとっては預言書のようなものになるが……。

 

 いや待てよ?これではだめだ。結局リセットされてしまうから無意味になってしまう……。

 どうすればいいんだ……??と思いながらふと自分の手を見る。いや……。紙に書かなくてもいい……。

 

 どういうことかと言うと、紙やものなどに書き写してしまえば明日になればリセットされてしまう。だが僕がリセットされないところを見ると、おそらくは傷を負ったとしてもリセットはされないだろうから自分の身体に書けばいいという考えだ。

 

 それなら、明日書けばいいのでは?と思ってしまうかもしれないが、なんとこの屋敷で筆記用具を持っているのはネレイスだけ、明日になれば貸したことは忘れてしまっているので、もし僕の体にペンで書かれていれば僕が同じ日をループしているという事をわかってくれるはず……。

 

 僕は意を決して手に今日の出来事を要約して書いていく。ペン先が尖っているので相当痛い……。

 

我慢しろ……。この無限ループの精神的苦痛に比べればこんなもの!!

 

「書けた……。」

僕の手には黒いインクで要約された今日の出来事がしっかりと書かれている。

 

後はこれが明日になっても残っている事を祈るのみだ。

精霊で誰が好き?

  • セレステ
  • ネレイス
  • アウリス
  • エンデル
  • フォンセ
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