仮面ライダーディーパ   作:瓜生史郎

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終わらない日常 chapter⑤

「はぁ……遅いですわね……」

 馬車を引っ張る馬と戯れていたネレイス。

 

 ソゲンの言う通りもし日付が変わってしまえば今日の事を私は忘れてしまうのだろうか?と考えていた。

 そう考えると彼にはとても残酷な事を4回もしてしまったという罪悪感に駆られてしまう。でもそれは私のせいじゃない……誰かの陰謀だ……。そうに違いない……。

 

「はぁ……」

 

 またもう一度ため息一つはいた瞬間だった。「ドカーン!!」と爆発音が町中に響き渡る。

 

「な、なんですの!?」

 

 ネレイスは辺りを見渡していると、ソゲンたちが買い物に向かった市場あたりから煙が上がっているのに気付く。

 

「まさか……!!」

 

 市場からは突然の爆発音に驚いた民衆がこちらに向かって逃げて来ていた。これは尋常じゃない……。

 

「ソゲン……!!」

 ネレイスは市場の中へと走って行った。

 

 

 

 

「くっ……」

 

 その一方僕はデルヴォイドの突然の奇襲でその場に倒れ込んでいた。

 何が起こった説明すると、まず僕は剣と刀を両手に持ちデルヴォイドに襲い掛かった。しかしヤツが持っていた人形が突如として動き出し、さらに分身までするという奇怪に満ちたことをしでかした。

 そしてその分身した。人形は僕に一斉に襲い掛かり、まるで爆弾のように爆発し今に至るという訳だ。

 

「なんなんだよ……あの人形……」

 

 僕の周りにでは僕を見下して馬鹿にするように分身した人形が囲んでいた。さらに気味の悪い笑い声も上げていて耳が痛い……。

 

(ソゲン君……人形の笑い声が気持ち悪い……)

 

「くそ……なんなんだこの人形は……」

 

「あはははは~可愛いでしょ~?うちのアニーちゃん♪」

 

「ご丁寧に名前で付いてるのか……」

 

 僕らが苦しんでなかなか立ち上がれないでいると、疾風の如く礼服になってアウリスが周りにいた人形を次々と薙ぎ払う。

 

「大丈夫か?」

 

「ありがとう、アウリス……」

 

「あちゃー、振り払われちゃった……」

 

 立ち上がって、アウリスと並びたちもう一度武器を構えて二人でデルヴォイドに斬りかかる。

 

「「はぁぁ!!」」

 

 するとデルヴォイドは背中の黒い羽を広げ空へと飛び立ってひらりと避けた。

 

「くそ……アイツ空も飛べるのかよ……!!」

 

「あはは~残念だったねー」

 

 空を飛べるとなるとイグニスフォームでは分が悪い……僕はアウリスにアイコンタクトを取ると彼女も察したのか首を縦に振った。

 

「風の力、解放せよ」

 

≪Gail metamorphosis!≫

 

 アウリスのカードを装填すると、セレステと入れ替わるように粒子化し僕の体に形成されると、風のディーパ ゲイルフォームとなる。

 

「緑になったー!」

 

「いくぞ!アウリス!!」

 

 背中の白い翼を広げて大空に飛び立ち、デルヴォイドの前に立ちはだかる。

 

「嘘!?ディーパも空飛べるって聞いてないんだけど……」

 

「お前をここで倒して、忌々しいループから抜け出す!!」

 

 ゲイルスピアを向けてそういうとデルヴォイドは「ひぃ!!」と言いながらその場から退散しようとする。

 

「逃がすか!!!」

 

 ディーパソードガンをガンモードへと変形させ、逃げようとするデルヴォイドに一発弾丸をお見舞いする。

 

「いった!!!なんで!?こんなに離れてるのに!!」

 

 左右上下に移動するデルヴォイドに正確に弾丸を打ち込んでいく。ゲイルフォームを空を飛ぶ能力だけではない……。

 狙った相手を逃がさない、いわば鷹の目、いやそれ以上のレーダーように正確に相手に攻撃を当てる事ができるという訳だ。

 

「なんですか!?それ!?チート過ぎませんか!?」

 

「うるさい!!!」

 

「いやあああ!!!!!」

 

 尻すぼむデルヴォイドに素早く飛び込みゲイルスピアの一撃を追観ますると、そのまま落下し地面に激突。少しして辺りは砂煙に包まれた。

 

「やったか……?」

 

 僕らは地面に着地し、当たりを見渡す。だが砂煙の姿が晴れても奴の姿はなかった。

 

「無駄だって、私を倒しても脱出は不可能だって」

 

その声とともに背中から凄まじい奇襲を食らう。

 

「ぐわぁぁぁぁ!!」

 

 その奇襲をしてきたのはデルヴォイド自身ではない。あの不気味なフランス人形だった。なんなんだあのフランス人形は……。

 あのフランス人形をどうにかしないとデルヴォイドを倒すことはできない……さて、どうしたものか……。

 

「てか、アイツどこ行きやがった……?」

 

 当たりを見渡しても、デルヴォイドの姿はなかった。それどころか先ほどまでいたフランス人形も消えていた。

 

「無駄だって……私を倒したってこのループから抜け出せないって」

 

 どこからともなく、デルヴォイドの声が響く。

 

「お前、どこにいる!?」

 

「それよりも知りたくないの?ここから脱出する方法をさ」

 

「それは……」

 

「まぁそうだよねぇ、こんなとめどなく襲い掛かる無限ループ嫌だもんね」

 

「ソゲン君、惑わされないで!!!」

 

 確かにそうだ。こいつ、こんなことを言って惑わそうとしてどこからともなく奇襲をするつもりか!?僕とセレステは武器を構える。

 

「あははは……だけど、もう手遅れだね。あーあー昨日の時点で気づいてれば1ちゃんあったのになー」

 

「お前何を言ってるんだ?」

 

「え?4回目のループの夜を迎えた時にもう君は脱出はできないって事だけど?」

 

「は……?」

 

(なんだと……??)

 

 デルヴォイドから言葉に俺は唖然としていた。4回目って……。まさに今じゃないか……。

 

「あははは!!でもかわいそうだから特別にヒントを教えてあげるよ」

 

「そのヒント本当なんだろうな……?」

 

「本当だよ?じゃあ言うね。私の呪縛は魔力の供給がないと持続しないの」

 

「どういうことだ?」

 

「つまり動力源を破壊すれば良いって事。まぁ見つけられるかはわかんないけどねー」

 

 そう言い終わると無邪気に少女のように笑い、もうそれから声が聞こえてくることはなかった。

 呪縛の魔力の動力源ってなんだよ。そんなものどこにあるって言うんだ?

 

 呆気にとられながら僕はドライバーを脱着して、変身を解除する。

 

「今の話、本当ですの?」

 

 振り向くと悲壮感を漂わせて立っているネレイスの姿があった。どうやら僕とデルヴォイドの話をすべて聞いていたようだった。

 

 

 

 

 屋敷に戻った俺と3人の精霊はリビングに集まっていた。完全にお葬式ムードだ。でもこんなムードを漂わせている場合ではない。

 

「なぁ。魔力の動力源ってなんだ……?」

 

「一概には言えませんが、広範囲に持続させる魔法とかだと維持させるために魔石とかを使うのが一般的ですわね……」

 

「てことはその魔石ってやつを探せばいいのか?」

 

「簡単に見つかればいいがな」

 

「どういうことだ?」

 

 アウリスとネレイスは2人して顔をしかめていた。

 

「多分だけど、相当小さい魔石だと思うぞ?」

 

「そうですわね、もし魔石を動力源としているなら、気味の悪いエネルギーの柱みたいなのが立っているはずですもの」

 

「でもそんなの立ってないよ……?」

 

 セレステは窓から顔を出してあたりを見渡している。僕も同じように辺りを見渡すがそれらしきものはなかった。

 

「ないということはその魔石は相当小さいって事ですわね……」

 

「そんなの探せるのか……?」

 

「ほぼ、無理だろうな。もうお昼だこんな広い街の中で小さな魔石を半日で探すのはほぼ不可能に近い……」

 

「でも探さないと、私達は愚か、ソゲン君も脱出できないんだよ……」

 

 アウリスの言う通りだ。タイムリミットはほぼ12時間。5人でこの広い街を探したとしても見つかるかどうわからない。

 だけど……。

 

「俺は探すぞ……。もうこんなループはごめんだ」

 

「そうだね」

 

「ソゲンがそう言うなら、しょうがないですわね」

 

「そうだな」

 

「ソゲンと一緒に探す」

 

 僕と4人の精霊は屋敷を出ると、動力源の魔石を探すために急いで街中へ飛び出したのだった。

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