デスゲーム出身PK狩りがいろいろやる話   作:ゴリ押しこそ至高

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今回ちょっと長いです。

戦闘描写って難しくないですか?


決闘〈2〉

控え通路に転送される。

 

向かいの通路は真っ暗で対戦相手は見えないけれど、転送の光の残りポリゴンがうっすら見えた。同じタイミングで転送されたらしい。

 

「………」

 

さっきの戦いの感覚が残っている感じがする。

 

気持ち悪いって訳じゃ無かったけど、違和感があった。

 

戦いの途中に喋って紛らわせていたその違和感が、喋る余裕の無い相手と戦って向き合わざるを得なくなったという方が正しいだろうか。

 

相手から殺気を感じるのに、一切の悪意を感じない。この二つの感覚はセットだと思っていた。

 

人間のカタチをしたモノに剣を向けているのに、悪意を感じないのは今まで経験がな……

 

『両選手、入場をお願いします』

 

「……あっ入場か」

 

急いでフィールドに出ると、すでに対戦相手が待っていたようだ。

 

青いロングの髪で、両サイドを三つ編みにして後ろでまとめたレイピア使い。

 

「……アスナ、だよね?」

 

「そういう貴方はアオバ…でいいのよね?やっぱりアカウント引き継いだら似た顔のアバターになるのね」

 

「…そうなのかな」

 

「まさか決勝に来て知り合いと当たるとはね。手加減はお互い無しでいきましょう?アオバ」

 

「………できる事なら加減は欲しい所だね」

 

デュエルのカウントは30を切っている。

 

両者抜刀。

 

25

 

そういえば、アスナと正面から武器を構えて対峙するのは変な感じだ。

 

「……実はちょっと嬉しいのよね。命懸けでも訓練の目的でも無く知り合いと剣を重ねるって…SAOから帰ってきたって実感しない?」

 

「おれはまだ違和感あるよ」

 

13

 

「ふふっそれを言い訳はナシよ?」

 

「もちろん全力でやるよ。手加減なんて失礼を働くわけにはいかないからね」

 

3

 

「いくわよ」

 

青髪の美女が半身で鋒を前に向ける。

 

2

 

「いくよ」

 

緑がかった黒髪の少年が引きずるような、それでいて刃は地面に付かない形で剣を構える。

 

1

 

初手、高速のレイピアの刃が顔の右側の髪を数本切り飛ばした。

 

無論、脅しでも無くアスナの狙いがブレた訳でも無い。

 

振り上げた両手剣の柄で突きを逸らしたのだ。

 

その勢いのまま下からアスナに迫る両手剣を、突きの勢いそのままアオバの背後に向けて跳躍する事によって回避が試みられる。

 

「ッラァ!」

 

アオバは身を低くして剣と場所を入れ替えるようにして、そのまま数瞬前まで背後だった空間に斬りかかる。

 

アスナは空中故に回避行動が取れないと観客の誰もが思ったが、間一髪で両手剣とアスナの間にレイピアの鞘が割り込み大きく吹き飛ばされるに留まった。

 

着地に隙が無かった為、下手に追撃出来ずに両者は剣を構え直す。

 

(今の鞘で受けるのか。すごい判断能力)

 

(流石に初撃が捌かれるのは想定してたけど、反撃を兼ねたうえに回避への対応まであんな無茶苦茶な動きで…)

 

「その速度でソードスキルじゃないなんて勘弁して欲しいなあ。こちとら手数が出しにくい両手剣だよ?」

 

「そっちこそどんなステータスしてるの?あの不安定な体制でここまで吹き飛ばしてくるなんて……」

 

お互い雑談を交えながらも、ジリジリと距離を詰める。

 

数回のフェイントのやり取りの後、2人の剣が再び激突した。

 

 

アスナside

 

(今まで見てきたどんな両手剣使いとも動きが違う…!)

 

本来手数の差で相性が良いハズのレイピアで、ここまでまともに攻撃を当てられていないと言うのはアスナにとっては初めての経験だった。

 

(本来デメリットのハズの武器の重さとそれに伴う剣速の遅さ……それが剣と身体を入れ替えるような動きでカバーされるどころか、普通なら避けられないような体制でも避けて来るし体術での反撃も入れて来る!)

 

体力を減らされているのはアスナの方だった。

 

重量級の両手剣のクリーンヒットを貰ってはいないものの、ちょこちょこ回避に挟まれる拳や蹴りが(アスナが速度重視の防具というのもあって)どんどんHPゲージを削って来る。

 

(ソードスキルのあるSAOだったらもう負けてたわね……剣速がまだ遅いからこの程度のダメージで済んでるけど、あの入れ替える動きなら無理矢理ソードスキルの発動体制に持っていけるでしょうし。実際何度か単発ソードスキルの体制になってたから、発動されてたら最低でも武器を吹き飛ばすくらいはして来るハズ)

 

思考がAIで動くゲームのエネミーでは無く、明らかに人間にしか効果の無いようなフェイントも多く入れて来る。

 

プレイヤーキラーを…人間を殺す為の動き。

 

軽装の速度重視ならこの体術で削り殺される。

 

重装の防御重視なら重い両手剣で押し切ってくる。

 

少女はもはや心底軽蔑していたPKプレイヤー達に、同情すら覚えていた。

 

(なるほど………これは、勝てないわね)

 

『対人戦』という点において明らかに格上。

 

あの浮遊城で培った経験が、『勝てない』を教えてくる。

 

だけどここはあの城じゃない。

 

勝てなくても死なないし、自分が負けても何か失う訳じゃ無い。

 

『今勝てないから』で諦めるようなら、私はあの城のどこかで死んでいる。

 

「一か八か………!」

 

今までは受け流しで対処していた両手剣の一撃を、わざとまともにガードする。

 

衝撃に逆らわずに、跳躍。

 

その勢いのまま、バク宙を挟んでさらに距離を取る。

 

「この攻撃で、勝ってみせる!」




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