デスゲーム出身PK狩りがいろいろやる話 作:ゴリ押しこそ至高
お仕事が新環境になり、やっとこさ余裕がうっすら出てきました。
「お、おい?大丈夫かよ?もしかして体調悪くなったからリザインしたのか?」
フラフラとフカの元に戻ると、心配した声色が聞こえてきて罪悪感が芽生える。
なんだかんだ、おれの師匠はやさしい。
だから頭にうかんでくる。
『良いやつだよな。オマエみたいなヤツを気遣って』
………だれにいわれたんだっけ。
あたままっしろ。
「…………疲れちゃったのかも。今日はもうログアウトして休もうかな。心配かけてごめんね」
「おお……慣れない新エリアでいきなり大会のプレッシャーだもんな!今日はしっかり休もうぜ!ハラ出して寝るんじゃないぞ〜?」
「うん………ありがと。おやすみ」
ログアウトして、アミュスフィアも外すのが億劫になってそのままひといき。
「……おれ、メンタルよわ〜」
最後のアスナの放とうとした動き。
よく覚えてる〈スタースプラッシュ〉の予備動作。
その姿に一瞬だけ、真っ赤な目が重なった。
……無礼にも重ねてしまった。
それで勝手にスイッチが入って、殺意マシマシに顔面と腹に本気蹴りだ。
善良な女の子の顔面と腹に、ゲームの中とはいえ、本気蹴り。
「………謝んなきゃ」
リザイン宣言の後、なんの言葉も交わさずに会場を出てしまった。
多分彼女は気にしないだろうけど。
……じゃあ今からやろうとしてるのは、独りよがりの自己満足のごめんなさいだな。
おれみたいなヤツにはよくある事だ。
「リンクスタート」
まっくらな空間だ。
何かのエラー空間にでも入ったかな。
……ちゃんとログアウト出来るかなコレ。
「ログアウトは問題無く行えるよ。ALOではなくSAOのメニュー表示にはなっているがね」
「………アンタ、死んだんじゃ無かった?…ああいや、キリトが言ってた高出力スキャニングで電子化されたってヤツか……何気にラフコフ討伐戦の作戦会議以来だね、ヒースクリフさん」
「久しいなアオバくん。元気そう……では無いな。だからこうして会いに来ているのだが」
「追い討ちをしに?悪役らしいコト考えるね。ラスボスは伊達じゃ無いってコトかな?しれっと人のデバイスハッキングしてるし」
「いいや、励ましに来たのだ。これでも君には目をかけていたからね」
「そう?じゃあ世間話でも……アンタがキリトにやられるのが数分遅けりゃ望みの一つは叶ったんだけどね。もうちょい粘ってよ防御最強神聖剣のヒースクリフさん」
「随分と狭い世間の話じゃないか。その件の文句ならキリトくんとアスナくんにでも言ってくれたまえよ」
「キリトにゃもう言ったよ」
「そうか……そろそろ本題に入るとしよう。キリトくんにはもうクリア報酬は与えたので、君に無いのは不公平だと思ってね」
「へえ?何くれるのかな?ラフコフ全員の居場所リストとかだと嬉しいんだけど」
「それは流石に難しいのでね。代わりにこれを君に渡そうじゃないか」
「…データ?」
「ああ、AIのデータだ。きみの助けになってくれるだろう」
「……人類に反逆してくるタイプじゃないよね?」
「きみがそうなるように仕向けなければな。さて…そろそろお別れだが、最後に聞いておきたい事はあるかね?」
「じゃあ、このAIがなんなのかだけ」
「その子はSAOのボツデータのようなものだ。今の君にはぴったりだろうし、現状が変わっても役に立ってくれるだろう。名前は…」
『MHCP -002 Strea』