デスゲーム出身PK狩りがいろいろやる話   作:ゴリ押しこそ至高

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師は鎹

真っ暗な空間から一変、最後にALOからログアウトした宿屋の一室が視界に飛び込んで来る。

 

「茅場に接触した以上、アスナには謝罪もだけど相談もしないと…」

 

もちろんキリトにも相談しないといけない。

 

完全に予想外かつ一人で抱えるには厄介過ぎる出来事だった。

 

落ち着いてみれば茅場を前にして随分と色々足りない問答をしたものだ。

 

最も気になるのは『明らかにこちらを気にしていたような言動をしていた』という事だ。

 

同じギルドを運営していたアスナと、そのパートナーであり自身を直接撃ち破ったキリトの二人を気にするのは分かる。

 

だが自分を……言ってしまえばクリアそっちのけ、特定のプレイヤーのPKを狙っていた自分を気にするのは何故だろうか?ラフコフ討伐にすら興味がなさそうだったのに。

 

………何はともあれ連絡を取ろう。アスナの連絡先は交換を忘れていた為に知らないが、キリト経由でコンタクトを取れるハズだ。

 

早速キリトへメッセージを……とメニューを開くと、丁度新たに二つメッセージの通知が来た。

 

一つはどうやらこちらがオンラインになったのを察したのか、フカからのようだ。

 

そしてもう一つは…運営から?

 

とりあえず開いて内容を見てみる。

 

『準優勝景品:フェンリルバイト〈短剣〉をお送りします!

参加ありがとうございました!

繝励Ξ繧シ繝ウ繝:ナビゲーションピクシー』

 

 

『体調は大丈夫なのか?

あの後決勝戦での対戦相手の人に話しかけられてさあ。

お前の知り合いだったんだな!心配してたぞ〜

大丈夫そうなら今一緒にメシ食ってるから顔出さない?』

 

………………………………何してんのあの人?

 

 

 

 

 

〜央都のレストラン〜

「フカ、アスナ」

 

フレンドの位置検索でレストランに入ると、2人は冗談みたいな大きさのパフェをつついていた。

 

……明らかに6〜7人くらいでシェアする量だと思う。キリトや他の人でも呼ぶつもりなのだろうか。

 

「おー!来たかあ!お前知り合いなら教えてくれてもいいじゃーん!そんで?アスナちゃんは苦手な方と最悪な方どっちだい?」

 

「本人を前にそれ聞くの?……いやそうじゃない何してんの」

 

頭が痛くなってくる。

 

茅場の件を抱えた状態のおれにこれ以上返答に頭を使わせないでほしい。

 

当然フカにその事を言えるハズも無いが。

 

「私から声をかけたの。あんな決着だったし、その……あまり見ない表情をしてたから心配で…話をしようと探したらフカさんと話してたから。

お話しが終わってから声かけようって思ったんだけど、終わった直後にすぐ飛んでっちゃうんだもん。びっくりしちゃった」

 

「それはまあ……ごめん」

 

「ううん、体調が悪くなっちゃったなら仕方ないよ。あ、コレ食べる?美味しいよ」

 

「そうそう!美味いもん食ったら元気出るって!ほーらいっぱいあるぜ?2人で店に入った事を後悔するぐらいにはな!」

 

「さてはコイツの処理を期待して呼び出したね?」

 

「……ちょびっとだけ思って無くはないけど、その…呼び出しの動機は善意だよ?」

 

そう言いながら新しい取り皿にひょいひょい盛っていくフカ。彼女に弟子が断るという想定は無いのだろうか。

 

まあ食べるけども。

 

「……ちょっとフカ、クリームの部分ばっかり盛らないでよ。おかしいでしょこのクリームの量に対してフルーツがいちご2個って」

 

「バレたか。でも最も量を凶悪にしてんのクリームなんだわ!どうにか減らせ!師匠命令!」

 

そんな理不尽を言いながらも、どんどこクリームばかりを盛っていく頼れる師匠。

 

申し訳程度の追加のベリー3個で譲歩しましたみたいなドヤ顔が出来るメンタルは見習いたい所だ。

 

「師匠命令の使いどころかなぁ…?」

 

「絶対に違うけど、まあ食べるよ……これでも甘党だからね」

 

「これでもも何もリアルで初めて会った時、コーヒーめちゃくちゃ甘くしてたじゃない」

 

「…アレは甘さが目的じゃ無いから。苦味を消すのが目的だから」

 

「ああん?リアルで知り合い?もしやイイ関係か?返答次第じゃ破門にすんぞリア充が!」

 

「破門の基準が常識外れすぎる。おれに恋人は居ないよ?アスナにはSAOから連れ添ってる立派なナイトが居るけど」

 

「……うぐっ…ふぐう……」

 

「アオバ?フカさん結構ダメージ受けてるけど…」

 

「気にしなくていいよ。色恋沙汰の話題にはしょっちゅうこんな感じ」

 

「もう少しダメージ受けてる師匠を労って!」

 

 

 

「その……ごめんアスナ。あんまりにも乱暴な手を使った」

 

パフェの6割近くが消えた頃、ようやく話を切り出す。

 

「結局優勝譲ってもらっちゃったし、気にしなくていいよ!それに真剣勝負だもん。ちょっとびっくりはしちゃったけど」

 

「いや〜すげえと思ったよアレは!あんな崩された状態からの回し蹴りで人体が半回転だもん!」

 

「ホントに気にしてるんだから解説控えて?」

 

「気にしてるってなんだよ〜私だってデュエル中勝ちに必要だったら金蹴り数発いくって!」

 

「それはそれでどうなのかしら」

 

「それは方向性が違う。そんなもんおれでもやるし、なんなら勝ちに必要無くても相手に心底不快感を感じたら1桁回数では済まさない」

 

「似たもの師弟なのね……?」

 

「行動そのものじゃなくてその行動に至る理由の方を気にしてるんだよ…」

 

「ナニソレすっげー気になるじゃん!」

 

「デリカシーをシルフ領に置いてきたのか?」

 

そんでさらに人の皿にパフェ盛ってるし……全体の4割おれが消費してるんだけど?

 

食うけど。

 

「いやまあアスナが怒らないって約束してくれるならぼかして言っても良いよ」

 

「急に不穏じゃね?」

 

「リザインの瞬間凄く怯えた表情に見えたよ?アレ見て怒る前提で理由聞いたりしないよ!」

 

「………じゃあ言うけど、〈スタースプラッシュ〉をおれに放った事のあるプレイヤーに心当たり……あるよね?」

 

「……もしかして、ラフコフの?」

 

「アレと一瞬でも姿を重ねられたって…不快じゃない?」

 

「確かに良い気はしないわね……」

 

「待って?マジで何のハナシ?SAOプレイヤーならわかるネタなの?」

 

「ぼかした時点で教えたく無いってわかってくれ師匠」

 

「彼等の事は口に出すことすら悍ましいわ…知らないならその方が幸せよフカ次郎さん」

 

「本当に怖いな!わかったよ深くは聞かないよ!」

 

「深くは聞かない……フカ次郎だけに?」

 

「…教える事が少なくてつまらん弟子だと思い始めてたけど、鍛えてやるべき事がたった今増えたな。ギャグセンスだ」

 

「……『おかげで少しは元気になったよ』ってアピールだと考えてもらってもいい?」

 

「その…無理があると思うわよ?」

 

「………こればっかりは真似出来ないなぁ」




お久しぶりです。

とりあえず完結を目指して再開していこうと思います。

いずれはお酒の力を借りずに投稿できるようになりたいなぁ…なんて思ってます。

でもネガティブだって何年も付き合ってきた自分のアイデンティティで文の一部、上手く飼い慣らせるよう試行錯誤していければと!

……コレってポジティブでは?つまり私は…ポジティブ……?

ネガティブに対してポジティブに付き合っていくってなんだか変なお話ですが、深く考えると酔いが覚めそうなのでさっさと投稿してしまおうね私。
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