デスゲーム出身PK狩りがいろいろやる話   作:ゴリ押しこそ至高

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第一章 暗躍

とんでもない内容の話だった。機密情報なんてレベルじゃない。

 

須郷伸之…向かいの病室に出入りしていた彼こそが、この眠り続けるSAOプレイヤー達の元凶。

 

話が難しくなってきてしまった。

 

〈手に入れた情報を使っての脅し〉というのは、あくまでも〈須郷伸之がレクトに従順な好青年であり、会社の情報が漏れると非常に困る立場である〉という前提で成り立っていた。

 

悪人に対しての脅しほど、成功し難いものは無い。

自分がSAOで得た経験で、それが痛いほどわかっている。

彼等への脅しを含めた交渉が通じるのなら、自分が殺さなければならなかったかつての犯罪者プレイヤーの何名かは殺さずに済んでいただろう。

 

………予定を変更するしかない。

 

 

そんな訳であの爆弾情報を得てから数日。

 

須郷の尾行を開始した。盗聴も継続して行なっている。

 

新たに策も考えた。脅すという策から、取り入るという策に切り替える。

 

彼が仮面を被っているのだ。利用させていただく。

 

情報の出所を出さずに、彼がレクトの中でSAOサーバーのログを閲覧出来る地位にある事を知っている事を仄めかす事にした。

 

彼のよく行く病室の主も、知らない人物では無い為利用させていただく。

 

血盟騎士団の副団長、〈閃光〉アスナ。

 

ラフコフ討伐戦にて初めて顔を合わせ、その後めちゃくちゃ勧誘を受けた。

…はっきり言って彼女は苦手だ。なんというかこう…自分とは真逆の人物だと思う。

 

キリトという元相方の人には同情された。

 

でも新聞でこの2人が結婚したとの情報があったあたり、キリトの「あいつの勧誘、本当に怖いよな…強引って言えばいいのかな」のセリフはツンデレなのだろうか。

 

案外黒一色の彼はあの頃から付き合っていて、尻に敷かれていたのかもしれない。

 

 

策の全貌としては、SAO内でのアスナの知り合いである事を明かした後、リアルに戻ってからアスナを殺すと言っていたプレイヤーがいるのだと持ちかける。

 

そしてそのプレイヤーを監視したいから情報が欲しいと頼み込むのだ。

 

……アスナを含めた、電子の檻に未だ囚われ続ける人達には申し訳ないけど、そこまで介入するつもりは無い。

 

自分は悪を許せない正義の味方なんかじゃない。

 

復讐鬼というある意味PoHや須郷とは別の方向性の悪人だ。

 

悪人が悪人を利用して悪人を殺す。

 

正しさなんてない負の連鎖が、自分が考えた計画だ。

 

 

 

1月22日。

 

夜の寒空の下、慣れた様にゼリー食を食べながら張り込みを行なっていると、アミュスフィアでのログインを終えたのだろう須郷の盗聴音声が聞こえてくる。

 

『糞!あの小僧が!たかが多少ゲームが出来るだけの分際で!現実では何も出来んガキがぁ!』

 

家からから飛び出して来る彼の顔に違和感を覚える。

 

(不自然な痙攣…怒りでなるレベルじゃ無いでしょ。何がどうなってるの?)

 

明らかに普段とは違う様子と言動に、計画失敗の危機感と若干の恐怖を抱いてしまう。

 

だが少なくとも恐怖で立ちすくむ暇は無い。

 

須郷はマイクを仕込んだ鞄を持たずに飛び出していた。

状況の変化に対して、音声という大きな情報源が消えるのはまずい為追いかけなければいけない。

 

いざとなれば彼の犯罪の片棒を担いででも、PoHの情報を手に入れてみせる。

 

冷たい空気を肺いっぱいに吸い込む。

 

嫌な予感でたつ鳥肌を、寒さのせいだと誤魔化すように。

主人公の種族は?

  • 緑色着てたんだろ!シルフでしょ!
  • 歌って戦え!プーカこそ至高!

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