W杯決勝、スコアは5対5の同点。ラストアディショナルタイム残り10秒。次、点を決めれば英雄になれる空間。混戦するフィールドの中で蜂楽の弾いたボールを
出すわけねーだろ元拗らせブラコン。
「流石だ潔世一」
猛スピードでノエル・ノアが追いついてシュートコースを塞いだ。さっきまで蜂楽とやり合ってたのにもう追いついてくるのかよ!バケモンが!
しかし俺はシュートモーションを止めない。そして、ここで行うべきなのは挑戦的集中による
そしてノエル・ノアが感じているそれは主人公感の更に上。
だから俺の主人公感は通用しない…訳ないだろ!通用しないなら適応すればいい。ノエル・ノアが頂点だとするならば、俺はそれに目標を設定して主人公感を更に押し上げる。
これは適応能力の天才である俺だからこそ出来る業。ここで真正面からノエル・ノアを倒す。これが俺の挑戦的集中であり、主人公感の更に上、
俺のファーストタッチは右に
つまりこのボールは右に
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試合終了後、俺は名実共に世界最強のストライカーとなった。歴史に残る偉業。W杯日本優勝、その事実に世界は驚き、日本は歓喜の声を上げた。
今日この日、この瞬間俺の夢は叶った。憧れを倒し、俺が頂点に君臨した。
そして翌日、俺は交通事故によって死亡した。
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ある一軒家のリビングにて一人の男が子供を膝の上に乗せてテレビを見ていた。テレビにはかつてのブルーロックのメンバーが海外で活躍する様子を映した特集だ。子供を膝に乗せた男は顔を綻ばせる。しかしこの特集に一人映っていない人間を思い何処か悲しそうで、はたまた虚無のような顔をしていた。
絵心甚八。日本をW杯で優勝させるという夢物語を成し遂げ世界で最もフットボールの熱い場所を作り出した張本人だ。そして世界一のストライカーを作り上げるという命題を見事証明してみせた。潔世一の手によって。
かつてのブルーロック選手達もプロのストライカーとして海外で暴れ回っている。批判の多かったブルーロックはいつしかブランドとして確立され今ではプロになる為の登竜門とも呼ばれるようになった。
しかし、Mr.ブルーロックと呼ばれた男はもうこの世にいない。彼は世界一位の座を欲しいがままにして直ぐにこの世を去った。界隈では伝説として語り継がれているが共に戦ってきた人間やライバル達からすれば憤慨ものだ。
何故、俺の教え子だったんだ?運のカラクリ、あいつに教えたはずだったんだがな…。そう思うと絵心は子供を抱き上げソファーに座り直す
「世一。お前はサッカー好きか?」
膝に座る息子に話しかける。
「…」
しかし、息子は無言でテレビを見つめるだけだ。
俺は世界一のストライカーを作り上げてみせた。しかしこの子をサッカーの世界に入れていいものか…。もし、この子も潔のように死んでしまったら。そう思うと我が子を修羅の道に送るのを躊躇ってしまう。
すると急に息子は前のめりになる。机に手をつき顔をテレビに近づける。何かに気付いたような。驚いたような表情をしている。そんな様子の息子にどうかしたかと尋ねる。
世一は振り向くと狂気を秘めた目を輝かせ言った。
「おい、クソメガネ。俺にサッカーをやらせろ」
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俺はテレビの前で父さんの膝に座り優雅にサッカーの特集を観ていた。内容はブルーロックという日本で有名な施設の特集だ。正直サッカーの事は知らないから面白いか面白く無いかで言えば面白く無い。しかし何故か目が離せなかった。
いつの間にか俺はテレビに夢中に観入っていた。
そこスペース空く。パス来る。裏抜けた。まだ撃たない。これもフェイク。本命は向こう側。
俺は何故かその戦況戦況が瞬時に理解出来た。テレビという俯瞰した視点ということもあるだろうが俺はサッカーのルールすら知らない。しかし何故かイメージが湧いてくる。自分のゴールのイメージが。
あれ…?俺は…。潔世一だ。そう感じると世界は一瞬にして見え方が変わった。
あれ、俺なんで絵心さんの膝に乗ってんだ?いや、そうか俺は
そしてもう一度テレビを見やるとかつてのブルーロックのメンバー達が活躍していた。
蜂楽だ!こっちは千切!凛!みんなが映ってる。俺も!そう思い父親の方を向く。
「おい、クソメガネ。俺にサッカーをやらせろ」
すると父さんは驚いた顔をする。当たり前か息子にクソメガネ呼ばわりされたんだ。しかし、何故か何処か嬉しそうな表情を浮かべていた。
「コラ、よっちゃん!お父さんに向かってそんな言い方はダメでしょ!」
すると聞いた事のある声が聞こえてきた。
え?この二人結婚してんの?
エプロン姿で俺を叱る女性は正しくブルーロックで絵心さんの助手をしていた帝襟アンリだった。
「シャラップ。アンリちゃん」
父さんが母さんを収める。
「世一、一つ聞きたい事がある。サッカーをやると言うのならお前は何を目指す?」
「俺は世界一のストライカーになる事以外興味無い」
「いいだろう!俺が直々にサッカーを教えてやる!」
父さんはなんだか上機嫌になった。
ここから俺の二周目の人生が始まる!
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そこから父さんによるサッカーのトレーニングが始まった。ブルーロックでやった事があるような内容や知らないものまであらゆるトレーニングをした。
この体スゲェーーー!!!なんでも吸収するし、物覚えも良い。最高の体を手に入れた。これは武器になる。
ていうか俺は一度世界一になった。つまり理論は完璧じゃない?ならまずするべきなのは体作りだ。この体でメタ・ビジョンを使えば10分も持たないだろうし。思いついた俺は父さんに言って重点をフィジカル強化にして貰った。あの頃の地獄の体作りが始まる。
楽しいーーー!これから俺の!
転生世一の
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「潔…俺は一人でもサッカー出来るけど…最近楽しく無いよ…」
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「腹が減ってしかたねー。クソが!」
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殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すもう居ない殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺せない殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す