妄想はキメられるうちにキメるに限る
GPプロモのテスタでなんか補完来そうだし
366日(閏年なので正確には367日)越しに投稿することで連日投稿してるように見せる高等テク
空を埋め尽くす無数のディスタス。それらに取り囲まれるようにして鎮座する五体のディスペクター。アウトレイジでも頭一つ抜けた実力を持つ漂流大陸からの追放者、エグザイルたちが混ぜ合わされたそれらはただ存在するだけでこちらを押し潰す程の威容。
「な、なんなのだわこれ」
「新たなディスペクターが五体も……」
王とはいえたった一体の勝災電融王ギュカウツ・マグルを倒すため、見知らぬモモキングに最悪のディスペクターを押し付けた上でギリギリの戦いであったのに、それがさらに五体。その絶望感が宙を漂う。
「…………」
しかし今の私にそんなことは関係ない。奪われるのはただ一点。何度探せど見つけられなかった彼。魂がなくとも、その腕が偽りであっても、もう一度動いて───
「あぇ?」
その身を砕く*1。嘲笑うかのようにかつての友を、かつての
「アリス、アリスしっかりするのだわ!!」
「えっ、あ…テスっ───*2」
「しっかりしろ!あれは偽物だ!!一度引くぞ!!」
腕が引かれる。力の抜けた体はズルズルと。偽りのオラクルの街を駆け抜け再び水文明へと。
「ここまで来ればひとまずは安心だろう。だが各地でいまだにディスペクターとの戦いが続いている以上、あの五体のディスペクターは我々がなんとかしなければならない。そうだろう、コットン、アリス、エモーショナル・ハードコア殿」
私たちだけであの五人のディスペクターを倒さなければならない。それも、各地で戦いが続くため増援の見込みがないなかこの少ない戦力で。
「──よ」
「アリス…?」
「無理よ。出来ないわそんなこと」
ここにいるのはたった四人。それも半分以上はディスペクターなどと比べるべくもないちっぽけな人間。束になっても一体のディスペクターに勝つのがやっとで、それが五体同時になんて勝てるわけない。考えずとも分かるだろう。
「アリス…何を言って───」
「だってそうでしょう!!コットン、貴女は知っているでしょう!!エグザイルたちの強さを!彼らと戦ったことがあるなら!!」
「アリス、落ち着いて欲しいのだわ」
「落ち着けるわけがないでしょう!!!」
ブルースに蘇らされてからずっと探していた。もういないというのは明らかなのにその事実を、死んだのだということを受け入れられなくてずっと何処かを探していた。それが偽物だとしても目の前に現れて、また死んで。
「貴女はどうなの!偽物とはいえ目の前でメイプルが、ゾロスターが死んで*3!!」
「ゾロスター様はちょっと…」
ああ、そう…。まあゾロスターだしそっかぁ……。
「彼は可愛い人だよ?」
それはまあゾロスターを罰する為に光臨した神にとっては可愛い人物であろうが、しかしこれまでのやらかしが尋常ではない*4から好きにはなれない。憎めない奴ではある……いや、憎たらしいわ。
「………僕にとっての英雄は、たとえ裏切り者と言われようとも僕たちを守るために闘い続けてくれていた*5。アリス、君にとっての英雄はどんな人だった?」
私にとっての英雄……
「そうね、いつだって友の為にその力を振るい、決して退かない熱い奴……かしら」
誰のことかは分からないけれど。ええ、分からないわね。
「では、今の自分は英雄に胸を張って会えるか?」
それは………
「……会えない。このままじゃ、あいつらに顔向け出来ないわ」
「ならなろう。今度は、僕たちが守るべきものを守る英雄に!」
『よくぞ言った!!だが英雄などと反吐が出る!!!』
何、今の声!?どこから…?
「アリス?どうしたのだわ?」
コットンたちには聞こえていない?私だけに聞こえる声。私の頭がおかしくなった?
『そうではない。私はギュウジン丸。先程貴様が取り込んだだろう?』
ギュウジン丸?取り込んだ?
………ああ、勝災電融王ギュカウツ・マグルのカツキングじゃない方か。プラチナ・ハッキングはその性質上相手の情報と自分の情報を同化させる。その過程でギュウジン丸とやらの魂を取り込んでしまったのね。
『その通りなのだが、この天才をまるでおまけのように扱うのは───』
はいはい、で、急に出てきたけど用件は何?
『いやなに、この天才の魂を弄んだ輩に復讐したいと思ってな。力を貸してやろう』
有り難いわね、で、何してくれるのかしら。
『ディスペクターとしていた間に魂の扱い方を知った。そしてそこの小僧から魂の共鳴法を解析した。出来るかどうかは貴様次第ではあるが、スター進化……その取っ掛かりを与えてやることはできる』
上等。やってみせようじゃない。
「アリス?急に黙り込んでどうしたのだわ?」
「あいつらをぶっ飛ばす方法を考えていただけよ。せめてあの建物が何かわかれば……」
『あれはシルヴァー・グローリー、完全水中要塞アカシック
確か、それぞれ古の光、水、闇、火、自然文明の拠点で……
「あっ」
「どうした、何かあったのか」
そうだ、それぞれの土地には無敵の呪文、インビンシブルがあり、それらの正体は───
「12のプログラムと同じく超常の上位存在からもたらされたもの*6………なら、
これで勝てるわけではないが、やってみる価値はあるはずだ。
「何か作戦があるのか」
「ないわ。強いて言うなら最後に見たとき意思疎通もなしに個別に暴れまわっていたから危険はあれど一対四に持ち込める。そこからの各個撃破。作戦とも言えないけれど、これが一番確実」
『このワタシを入れ忘れているぞ。正しくは一対五だ』
うるさい黙って。
『いいや黙らない。すでにワタシは貴様と同化している。その証拠にほら』
「うわ何このダッサイバズーカ」
いつの間にやら手元に現れた野暮ったいバズーカ。恐らくこれがギュウジン丸のアイデンティティなのだろう*7。
『貴様にも戦う術は必要だろう。そして不本意ながらこうして一つになってしまった以上もう貴様は
───
『それが貴様の新たな名だ』
「
「アリス…?」
「何でもないわ。それより戻るわよ、あの偽物の街へ───」
「こんにち〜ゆりゆり〜!キユリチャンネルです!!今回は今からディスペクターとの戦いに向かう人たちに突撃取材をしちゃいまーす!!ディスペクターと戦う人たちにエールを!ディスペクターに怯える人たちに笑顔を!お届けしまーす!!!」
なんか来た。いや、この子見たことあるような……ああ、Instant Waveで人気のチャンネルの投稿主だった気がする。
「なんの用?忙しいんだけど」
「今言った通りですよ?貴女方に取材をしにきたのと、エールと笑顔を届けに来たのです」
エール?笑顔?
「今エールちゃん*9いないので応援はできないんですけどその代わり、貴女を笑顔にできる人たちを連れてきました!!」
「よっ、アリス。久しぶり」
そこにいたのは五人の人影。そのどれもが見覚えのある顔。
「トップギア!?マイパッドにブラッドレイン!!」
「アクロアイトにケラサス*10もいるのだわ!!」
そこにいたのは
あっ、キユリが笑っている。まあまんまと笑顔にさせられたわけなのだから責められないけど。
*
「まずはミケランジェロと火山要塞ヴァルのディスペクターを叩く。理由は簡単よ。ミケランジェロの持つ守りの力とヴァルに眠るインビンシブル・フォートレスの破壊の力が合わさったら単純に強力だから。そうね、名前は終刃混成 ミケラトレスとしましょうか」
ちらりと見えたミケラトレスのくっつき方は接合部がモザイクで繋がっていた。これは混成の繋がり方であったはず。
「その次に狙うのはブリティッシュとシルヴァー・グローリーのディスペクター。眠る呪文はインビンシブル・オーラだから終槍接続 ブリティオーラってところね。こいつはインビンシブル・オーラの守りの力にブリティッシュの死を力に変える能力が合わさって厄介なはず」
「ブリティッシュ様とはあまり戦いたくないのだわ」
むしろ私は言いたいことあり過ぎるくらいで一発殴るだけじゃ気が済まないのだけど*11。
「次に叩くのがロビンフッドかグローバルのディスペクターね。それぞれ終絶電融 パワーロビン、終獣縫合 テクノローバルと呼ぶわ。フィオナの森にインビンシブル・パワーが、完全水中要塞アカシック3にインビンシブル・テクノロジーが眠っているからね。合成元的にどちらも脅威ではあるものの前二人ほどではないと思うわ」
ロビンフッドは好戦的なところもあるし*12インビンシブル・パワーによる強大な力を活用でき、グローバルはインビンシブル・テクノロジーによって齎される知識を活かせるだけの頭もある*13。まあしかしそれだけ。破壊と守りを兼ね備えたり、死を振りまくだとかに比べれば脅威度は低い。
「最後、終剣連結 アビスハリケーン。正直こいつが一番予想出来ない。インビンシブル・アビスの全てを破壊し尽くす力とハリケーンがどう組み合わせるか未知数なところがあるから他のディスペクターをどうにかした上で余裕を持って対処したいわ」
「我々はどうすればいい」
「基本的にエモーショナル・ハードコアは一体しか止められないから一対四を心掛けたい。だから
この五人の連携であれば一体くらいの足止めはできるだろう。
「頼りにしてるからね」
「任されよう」
*
偽りのオラクルの街。いや、ギュカウツ・マグルに加えて五体のディスペクターによって徹底的に破壊されすでにわずかに瓦礫の転がる荒野と化した。それでも何が憎いのか、それとも生きる理由がそれだけなのかただひたすらに荒野を燃やし尽くす。
「やっぱり連携も何もないわね」
ギュカウツ・マグル同様、各々勝手に暴れまわっており連携も何もあったものではない。今は有り難いが、これが
「目標はミケラトレス。彼女から一番近いパワーロビンの足止めは任せたわ。………行けるわね?」
『当然だ。このワタシを誰と心得る』
アンタが誰で、何を為して歴史に刻まれたかは知らないけど*16今ここ、私の心の中にいる以上力を貸してもらうわよ。
「作戦開始!ミケランジェロ、アンタの
『さあアリスよ!力を借りる者の名を叫べ!!!イッツ・ショータイムだ!!!』
オラクルでありながらアウトレイジになったアンタの型破りなセンスで本当のお洒落を教えてあげなさい!
「
光が包み込む。魂が共鳴する。オラクルとアウトレイジの和解、その先駆けというべき型破りな男の魂が。
───
私の趣味じゃないけど、そこそこキマった金の差し色のついた白スーツ*18に着替え、浮かぶ魔法陣が薔薇を象ったものに、握りしめたバズーカが大きな斧に置き換わる。
「アリス!?その姿はまるでファッション・モンスター様なのだわ!!」
「まるでも何もその通りよ。ファッション・モンスターの魂と共鳴してスター進化したの」
「なら私も頑張るのだわ!宣言!!神聖麒 シューゲイザー!!」
空に巨大な魔法陣が描かれる。エモーショナル・ハードコアが光臨したときのように。
「あ、あれ?おかしいのだわ」
しかし先程のように魔法陣が輝くことも、そこからシューゲイザーが現れることもなかった。
『見たところあれは口にした未来が、訪れ得る無数の未来のうち最も近しい未来と合致した時、一足飛びにその未来を確定させる召喚術か』
占いの逆みたいなもの?あれは未来を見て口に出すけどコットンのは口にした未来を確定させるような。
『そうだな。あれの望んだ未来と今最も起こり得るであろう未来が異なっていた為に何も起きなかったが』
じゃあエモーショナル・ハードコアを呼び寄せたことの方が奇跡だったのね。
「宣言、逆転
『近しい未来とは刻一刻と変わる。闇雲に叫んだところで未来が見えているわけでも無ければ当たらないに決まっているだろう。アカシック・レコードでもあれば別だがな』
やけになって
「コットン、ググッピーと協力して時間を稼いで。私もやる」
神に祈るのは初めてだが、きっとできるだろう。イザナイの階位にのみ許されたオラクルの秘儀、光臨を。………ゾロスターもイザナイの階位だったのよね。
「アリス…?そういうことなのだわ。ググッピー、エモーショナル・ハードコア様!!全力でアリスを守るのだわ!!」
「応!!」
『告げよ、汝が信仰を阻む敵の名を』
「終刃混成 ミケラトレスなのだわ!!!」
龍の姿に戻ったエモーショナル・ハードコアの白光がミケラトレスを包み込む。しかし───
『む…』
「効いていないのだわっ!?」
「いや、効いてはいる。ただギュカウツ・マグルのように激的にではない!!」
ヴァルがまき散らす弾丸も、ミケランジェロの手から降り注ぐ光も治まることはない。しかし確実に、危惧していた守りの力とディスペクターとしての追加の命、
「半分しか効いてない…?」
『物に本来名前などない。付けられた名前は多くの人間によって共通の物体を指し示す認知像として形成されていく。あの龍の能力は名前から認知像を掻き消し、そこから逆説的に結び付けられた物体を掻き消すものであろうから認知像と物体が同位であればあるほど細部まで消せるのだろう。逆にいえば認知像が遠いほど消せる部分は少なくなる』
認知度が足りなくて「終刃混成 ミケラトレス」があのディスペクターのことを指すと認識されていないからエモーショナル・ハードコアの能力が完全には効いてないってこと!?キユリの取材断るんじゃなかった。
「アリス!危ないのだわ!!」
ミケラトレスの掌から出た光が直撃する。
けれど眩しいだけで特に変わったことは───いえ、動けないわね。フリーズさせられている。こんな力をミケランジェロ持っていたっけ。
まあいい。今は別に私が動く必要はない。今はただ集中して思い出せ。コットンがエモーショナル・ハードコアを呼び出したときを。ギュカウツ・マグルがジャッキーを呼び出す様を。かつて戦ったオラクルが光臨させてたところを。
「………来なさい、
光に包まれ、全身に重火器をつけた白い男が現れる。死した仲間の思いを力として、並び立つ友を守る盾とする男。
「いくぜ、
下半身を号泣する船に埋め込んだ筋骨隆々の男が描かれた盾が周囲に浮かぶ。
「ストーンゴルド!カニスとパラノーマルをお願い」
カニスの支援とパラノーマルの弱体化があればきっと私でもあいつと張り合える。
「今すぐは無理だ。時間を稼ぐ必要がある」
まあ私も今は動けないし仕方ないか。だけど今でも出来ることを探ろう。
光臨…さすがに二回目は無理。ハッキング…アカシック3に対してならともかくヴァルには無意味に等しい。化石じみたアナログの絡繰りもこういうところで役に立つのね、腹立たしい。
「アリス!!そろそろ限界なのだわ!!!」
「ストーンゴルド」
「わかってる。
スーツを着た犬。彼の見た目だけ言うのであればその一言で済む。しかし彼の本質はそこではない。盾に描かれた彼の背後に描かれた巨人の鎧。本来は存在しない鎧。そんな物を想起させる程に彼の存在感は凄いのだ。
「力が、湧いてくる!!」
カニスの存在感はともに並び立つ仲間を勇気付ける。本来以上の力が出せるようになり、彼と同じく存在感が増す。それはアウトレイジではないググッピーやコットンにも有効だったようだ。
「動けるようになってきたわね。時間…あるいは知覚出来ない条件があるのか。恐らく時間だとは思うけど」
強化されたとはいえ、コットンたちの限界も近づいている。
「すまないアリス。パラノーマルの魂が見当たらない。探すのに時間がかかる。どこへ行ってしまったんだ*20」
「……仕方ない。少々パワーが足りないけれど、知識でなんとかするしかないわね」
全員で殴れば行ける。バカみたいな結論だけどそれしかない。悔しいけれど今私に出来ることはそう結論付けることだけ。
『無力だな』
うるさい。そんなことは私が一番わかってる。それでも、私だって一員だ。無謀を勇気に変える
「行くわよ、ストーンゴルド」
ミケラトレスの光に当てられ、動けなくなってしまったコットンを庇うように前に出る。エモーショナル・ハードコアはヴァルによるあのシルヴァー・グローリーの防壁をも撃ち抜く飽和射撃を受け、今は動けないから私とストーンゴルドとググッピーでなんとかしなければならない。弾丸の大半を受けてくれるだけでもだいぶ有り難いけど。
「ぐっ、これ以上は近づけないぞ」
ミケラトレスに近づけば近づく程弾丸や光線の発射元に近付くわけで、苛烈になった攻撃に動くことも困難になっていた。火山要塞ヴァルもだが、やはりエグザイルは大きいな。まだ、手が届かなくて。
「お願い、応えて欲しいのだわ。破戒のインガ シャンツァイ!!」
再度、魔法陣が輝く。光が満ちて───奇跡は再び起こる。
「よろしい。ならば力を授けよう」
破戒のインガ シャンツァイ。天使のような純白の法衣に悪魔のような漆黒の翼を持つ、戦うオラクルの背を一押しするオラクル。
ここにいるオラクルは彼自身とコットン、それからエモーショナル・ハードコアに───
「これなら届く」
オラクルであるファッション・モンスターと共鳴してスター進化した私。
カニスとシャンツァイの後押し、オラクルとアウトレイジの力を合わせて振り抜いた斧が終刃混成 ミケラトレスを打ち抜いた。
「おやすみ、ミケランジェロ。アンタの
まずは一人。次はパワーロビ───
「アリス!!」
突然の浮遊感。イカリの盾がその役目を果たし打ち砕かれる。そのおかげか対した怪我はなかったものの、状況の判断が遅れた。
「きゃあ!!」
「なんてパワーだ!!」
乱入者は終獣縫合 テクノローバル。パワーロビンの足止めをしてくれている
私が事態を把握仕切る前に続け様に放たれた体当たりによってコットンが気絶してしまった為にエモーショナル・ハードコアは能力を消すことができず、ググッピーが抑えてくれているけれどそれも時間の問題。短期決戦で決める必要がある。
「いいわ、やってやろうじゃない。……グローバル、そんな小賢しいテクノロジーじゃアンタの
『告げろ』
鉄に塗れた森の音色を蘇らせなさい!!
「
───
毛皮を纏い、その上から鎧が被せられる。ギュウジン丸のバズーカに代わり肩に担ぐは私と同じくらいの大きさの剣。
まあ大見得を切ったものの、正直テクノローバルに関しては脅威とみなしてはいない。理由は単純。
「
水文明の超技術の下敷きとなっているのは12のプログラムだから
「見つけたわ、アカシック3の核!!」
アカシック3を乗っ取ったついでにグローバル・ナビゲーションもはたき落とす。下手にアカシック3の呪文補助機能と結びつけたからアカシック3がこちらの手に落ちた時にご自慢の呪文も唱えられなくなるのよ。だから代わりに私が唱えてあげる。
「大地から私の下へ来なさい、
いっつも渇いてるケローラだが、この姿の時は潤ってる。ま、今この場では関係ないが。
「グローバル、アンタの
アカシック3の
「ケローラ、コットン起こして」
「ゲロゲーロ(さすがに可哀想じゃねえかな)」
ケローラがその背に背負ったコーラをコットンの顔にぶちまける。私そこまでしろとは言ってないのだけどこいつの中での私はそんなことを要求すると思われてるのか。
「ううっ、顔がベタベタするのだわ」
顔にコーラかけられたらそうなるでしょうね。
「ゲロゲロゲーロゲロゲーロ(別にこのコーラがなきゃ戦えなくなるとかはないぜ)」
次の相手は終絶電融 パワーロビン。その相手をしていた
「トップギア、他の奴らは!?」
「あいつに吹っ飛ばされた。そんな距離は離れてないからすぐ合流出来るが……気をつけろ!!」
パワーロビンが踏み鳴らした地から伸びた蔦がケローラの前まで辿り着き、その先端に咲いた花から出る激流がケローラを押し流していく。
「ゲロゲロゲロー!!(またこんなんかよー!!)」
やせがえる 負けるなケローラ スパイラル。彼の尊い犠牲でパワーロビンの能力の解析と、それからほんの少しの未来を垣間見ることが出来た。そこから為すべきことも。
「ロビンフッド、自慢の
『喚べ、魂を』
あんの苔むして鈍った頭に本当の閃きをくれてやりなさい!!
「
───
懐かしい黒のスーツに、到底歩くことを考えていない鋭い靴。シルクハットを被れば斬新なアイデアが湧き上がる。
「アリス、また新しい姿に……え、えーい!私だって役に立ちたいのだわ!!何でもいいから来て欲しいのだわ、シューゲイザー様*24!!!」
空に浮かぶ魔法陣が光り輝く。奇跡が、あるいは悪魔のいたずらが三度訪れた。
「だ、誰なのだわ」
「少なくとも味方、という風には見えないな。コットン、何を呼んだ」
悍ましき肉体、悍ましき視線。コットンが呼んだのだから味方のはずなのに、目の前のディスペクターより恐ろしい。
こちらに、というより主に私に注がれるその視線はまるで家畜に対するそれ。
『何故
コットンが呼び出したそれは、シューゲイザーであってシューゲイザーでない。麒麟のような姿は保ちながらも、体のところどころに虫の眼が浮かび、背から腰から三対の虫の羽を伸ばすそれをシューゲイザーと呼んでいいものか*25。
「ち、違うのだわ!!敵はあっち、なのだわ!!」
『………こちらにも、反抗の芽があるか。潰しきったと思っていたのだがな。では、良き信徒よ。お主の望む数を告げよ』
「えっ、えっと、5とか……?あっ、終絶電融 パワーロビンなのだわ」
『では、終絶電融 パワーロビン。そのすべてを白紙に帰せ』
『選べ、5か、それ以外か』
エモーショナル・ハードコアの能力は相変わらず効き目が薄い。しかしシューゲイザーの宣言は的面であった。パワーロビンの足元に根を張る蔦の一部が吹き飛んだのだ。
さっきケローラが吹き飛ばされた時に解析した結果、あの蔦に込められているのは呪文。恐らくシューゲイザーはその呪文を唱えるのに必要なマナの量を数字に置き換えているのだろう。
『そうだな、そして今吹き飛んだのは恐らくそのマナの量…コストと言おうか。そのコストが5の呪文だ。この天才の見立てだから間違いない』
「……閃いた」
閃いてしまった。
「トップギア、他の
死んでくれない?
「いいぞ。もとより死した身だ」
「ありがとう。ごめん」
マトリクスの持つ転生の力。本来敵に向けるものだが、今の閃きは味方に向ける。
「巡って来なさい、
ストーンゴルドの体に蹴りを入れれば、激流が彼の体を作り変える。
「ロビンフッド!テメエ自分の心曲げてんじゃねえかコラ!!!」
激流の中から現れたのは巨大なレンチを担ぎ、リーゼントをドリルにした男。ガラは悪いが、彼が来たことで蔦に眠る呪文のコストが明らかになる。
「ググッピー、コットンに伝えて。次は2を宣言しなさいと」
「わかった」
手数の多さを優先してか、効果の薄い軽量の呪文ばかりが蔦に込められている。これを重要視するのであればコスト2以外、すなわち効果の高い呪文を捨てるしかなく、逆にそちらを重視するならコスト2の呪文、すなわち手数を捨てなければならない。ググッピーに伝えさせた理由は私が言ったからだと伝わればシューゲイザーは聞き入れないだろうと思ったからだ。
果たして───
『選べ。
弾け飛んだのは手数の蔦。蔦の数が激減したが、一撃必殺の呪文で圧倒すればいいという考えなのだろう。
『この天才が敢えて問うてやろう。読み通りか』
「当然」
再び煌めくヒラメキック。パッチギと以前の恨みを込めて少し強めにシャンツァイを蹴り、激流の中へ。
「アリス!あいつらの心ぶっ叩いて真っ直ぐに戻してやんねえとぶっ殺すぞ!!」
「誰にもの言ってんのよ!!アンタに言われるまでもないわ!!」
パッチギと、ついでにシャンツァイが激流に飲まれていく。呼び出す奴は決まっている。
「
激流が周囲に散らばるディスタスの残骸を吸い上げ*26鎧を作り出す。
「同胞を弄ぶディスペクター共、黙りやがれ!!!」
「本来のアンタは私じゃ相手にならないくらい
激流を纏う蹴りが蔦を切り裂き、パワーロビンの身体を真っ二つに圧し折る。これで三人。ここからは折り返しで、厄介な二人。
「トパーズ、
ここからは私達だけで十分。それよりモモキングが黒幕を倒せなければここまで戦った意味がなくなる。
そして何より、パワーロビンの足止めに時間がかかったことにより
「さて、そんな神々しいオーラ纏うなんてさすが
生き残ったディスタスをまとめ上げ、まるで何時ぞやの如く列を為す。
こいつと相対する時に呼ぶのは誰か、最初っから決めていた。UKパンクの支配に最後まで抗い、そして私達を蘇らせた彼。
『喚ぶがいい』
「今度は呑み込まれんじゃないわよ、
───
こちらに気付いた。周りを囲むディスタスを砕きながら進むその威容は衝撃波を撒き散らしこちらの勢いを削ぐ。
『死が混じってるな。早めに倒さないとまずいぞ』
わかってるわよ。
この衝撃波にはディスタスの死が詰まっている。浴びれば勢いだけでなく命までも削られていくのだ。
「っ…終槍接続…ブリティオーラ……なのだわ…」
『終槍接続 ブリティオーラよ、そのすべてを白紙に帰せ』
もともと強くはないコットンはもうすでに息も絶え絶え、このままでは死んでしまうだろう。
「ググッピー!!」
「わかっている。行くぞ!!」
剣と鎌が並び立つ。向かう先は巨大なブリティオーラ。衝撃波に負けないように───
「なっ!」
シルヴァー・グローリーは守りを得意とする光文明の拠点。ディスペクターになったからといって、その特性が失われるわけではなく。目の前に現れた盾が行く手を阻む。
「行ってググッピー!!私の代わりに!」
現れた盾を潜り抜け、ググッピーとブリティオーラが互いに近付いていく。ブリティオーラが近づけば近づく程衝撃波は大きくなり
盾に罅が入る。まだ保ってカニス。これがなくなればググッピーが倒れてしまうから。
返事の代わりにか盾に入る罅が大きくなり、やがて端から端まで両断する───というところで罅が止まった。
「おおおおお!!!!」
槍と剣が交差する。そしてそのまま剣が槍を、盾を、城を両断すると同時にカニスの盾が砕けた。ありがとうカニス。最後まで応えてくれて。
「まだ言いたいことはたくさんあったけど、それは
ブリティッシュの巻き添えから生き残ったディスタスが散らばっていく。もう彼らは戦いに関与しないだろう。
残るは、終剣連結 アビスハリケーンのみで───
「なんだこの揺れは!!」
大地が、空気が、世界が揺れる。悍ましい何かが現れようとする気配が感じられる。モモキングの方も大詰めに入ったのだろう。これは恐らくディスペクターの親玉だ。
「ググッピー、行きなさい。心配でしょう」
「すまない!」
「エモーショナル・ハードコア、気絶したコットンを安全なところへ」
『汝は』
「私は最後、アビスハリケーンを倒す。
エモーショナル・ハードコアとしても信徒であるコットンが大切なようで、遠くへ飛び立っていく。
「ギュウジン丸。今回は手助けはいいわ。黙って見てなさい」
返答はない。聞き分けいいじゃないの。
「来なさい」
悍ましい気配が完全に顕現したのを感じる。
それを合図にアビスハリケーンの体が炎に包まれ、その勢いが強まった。命を燃やしたその速度では、ギュウジン丸によるスター進化でも間に合わない。その必要はないが。
ずっと、疑問があった。ディスタスとは、魂なき英雄の肉体。ではその魂はどこへ?
『決まっている───』
あの時響いた灼熱の演奏は決して幻などではないのだから、名を呼ぶ必要も、あのうざったらしい天才に頼る必要もない。
何故ならそう、彼は───
『「何時だってここに!!!」』
「
───
アビスハリケーンが命を燃やす隕石というのなら、こちらはテスタの最期の技、ラストバーニングで迎え撃つ。
揺らめく炎が立ち上がる。電脳のノイズを纏う熱血の蒸気が人型を形取る。ここまでの戦いで魂を共鳴させあったファッション・モンスター、ベルセルク、マトリクス、ブルース。共に戦ったパッチギにストーンゴルド。彼らの思いを束ねて一つに。
『「はああああああ!!!!」』
隕石と化したアビスハリケーンと、灼熱を束ねた剣の拳がぶつかり合い───爆ぜた。
「はぁ、はぁ……ありがとう、
戦いが終わり、体の中に眠るテスタの魂とギュウジン丸の魂が抜けていくのを感じる。恐らくモモキングが歴史を束ねた一撃でも放とうとしているのだろう。歴史の一部である彼らはそれに引っ張られて、蘇ったことで今を生きる私は取り残される。
「ありがとう、じゃあねテスタ」
あとついでにギュウジン丸。
これで、一人っきりだ。やり残したことといえば───
「もう一回、テスタとセッションしたかったなぁ」
手元に浮かべたキーボードはあの時と同じく綺麗な音色を響かせる。けれど、それは何処か空虚だ。
『言い遺すことはそれだけか』
「ええ。わざわざ待っていてくれてありがとう、シューゲイザー」
鬼の笑い声が響く空の下、水晶の華が咲いた。
上面
水 コスト4 パワー2000
アウトレイジ/ジ・アンサー/レクスターズ
クリーチャー
・ジャストダイバー
・シンカパワー∶このクリーチャーの上に進化クリーチャーを置いた時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうしたらアウトレイジ・メクレイド5する。
/
下面「
水 コスト7
呪文
◈シールド・トリガー
・次の自分のターンの始めまで、クリーチャーは
・このカードがどこからでも墓地に置かれた時、各プレイヤーはカードを1枚引いてもよい。
光 コスト5 パワー4000
アウトレイジMAX/オラクル/侵略者/レクスターズ
スター進化クリーチャー
・スター進化∶アウトレイジ、レクスターズまたは光のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
・このクリーチャーが出た時、このクリーチャーをタップしてもよい。そうしたら山札を見て、その中からコスト6以下の進化アウトレイジを1体このクリーチャーの上に重ねて出す。その後山札をシャッフルし、自分の手札または墓地からカードを1枚、表向きに山札の上に置く。
自然 コスト5 パワー6000
アウトレイジMAX/侵略者/レクスターズ
スター進化クリーチャー
・スター進化∶アウトレイジ、レクスターズまたは自然のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
・Wブレイカー
・このクリーチャーが出た時、自分の墓地からクリーチャーを1枚マナゾーンに置く。
・このクリーチャーがシールドをブレイクする時、そのうち1つを持ち主のマナゾーンに置く。こうして置いたカードのコストの合計より小さいコストを持つ、進化ではないアウトレイジを1体マナゾーンから場に出してもよい。
・場のフィールドは能力をすべて失う。
水 コスト5 パワー3000
アウトレイジMAX/侵略者/レクスターズ
スター進化クリーチャー
・スター進化∶アウトレイジ、レクスターズまたは水のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
・このクリーチャーが出た時、自分の手札を好きな枚数捨てる。その後自分の山札を上からこうして捨てた枚数分だけ表向きにし、その中からコスト5以下のアウトレイジを1体出す。残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
・このクリーチャーが
闇 コスト5 パワー5000
アウトレイジMAX/侵略者/レクスターズ
スター進化クリーチャー
・スター進化∶アウトレイジ、レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
・このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
・このクリーチャーを墓地から召喚してもよい。
・このクリーチャーがバトルゾーンある時、アウトレイジ、デスパペット、レクスターズを自分の墓地から召喚してもよい。
・このクリーチャーが破壊された時、自分の墓地からコスト4以下の進化ではないアウトレイジ、デスパペットまたはレクスターズを1体場に出す。
火/水 コスト6 パワー7000
アウトレイジMAX/レクスターズ
スター進化クリーチャー
・究極スター進化∶進化アウトレイジ、進化レクスターズ、火の進化クリーチャーまたは水の進化クリーチャー1体の上に置く。
・Wブレイカー □ブロッカー
・ディスペクターとのバトル中、このクリーチャーのパワーを+12000する。
・このクリーチャーが出た時またはこのクリーチャーの
・このクリーチャーがアンタップした時、自分の墓地から進化ではないアウトレイジと進化アウトレイジを1体ずつ場に出してもよい。それらが出ることと進化することで起きる効果はすべて無視され、次の自分のターンの終わりにそれらを好きな順序で山札の下に置く。
続きは明日出る予定
曇らせとか苦手なハピエン厨なのでハッピーエンドになるはず
ちなみに一本目書いた時点では続きとか一切考えてなかったから
登場したクリーチャーなんで出したか解説
ギュウジン丸 → 作中で説明した通り
キユリ → せっかくだしInstantWaveで有名なクリーチャー出したいよね。誰にしようか。ファビュラス一番ドリップ?……マニフェスト君こんにちゆりゆり〜しながらパンドラスペース乗り込んでるじゃん。じゃあキユリにしようか
ファッション・モンスター → ファッションモン.star言いたかっただけ。ゾロスターがディスタスになってなかったら《ゾロ.star》もしくは《ゾロ・ア.star》になってた可能性があった
ストーンゴルド → シールド・ゴーと関連深い進化アウトレイジ。ファッション・モンスターもシールド・ゴーと関連深いので
イカリ → 脚注で説明した通り
カニス、シャンツァイ → 元々の4000にカニスのパワーアタッカー+5000、シャンツァイのバトル中パワー+3000を加えてミケラトレス、
ベルセルク、マトリクス → 好きなアウトレイジなので
麒麟のコード シューゲイザー → 上記二人が
ケローラ → メガ・ラスト・バースト持ちアウトレイジなのでバウンスされた時下面使えるから
パッチギ → ピーピング出来るので
トパーズ →
ブルース → 逆にブルース以外相応しいのいる?
脚注28ってバカじゃないの