もしブルアカがノベルゲーで、バッドエンド好き転生者が混入していたら。 作:産業革命
先生の苦労と『夢』
私は『先生』である。
名前は…別にいいか。大体私の名前を呼ぶのはアロナしかいないし、皆からは『先生』と言えば私くらいには認知されているようだしね。
そんな私ことシャーレの『先生』――より正確には連邦捜査部の顧問――としての仕事は多岐に渡る。
連邦生徒会や各学園の視察、各学園や企業からの依頼、某戦隊モドキや使途モドキAIによって頻発する騒動の鎮圧、捜査部の運営に関わる事務処理や財務処理、生徒からの私個人の宛てに届く連絡や御願い、キヴォトス全体を巻き込む様な異常事態の解決、更には何故か運営を任されているシャーレ併設のカフェの経営、etc……。
……改めて思うのだが、先生の仕事とはいったい……?
連邦生徒会や学園の依頼については(時々変なのがあるけど)まだ理解できる。
この部活動の創設目的からして彼等からの依頼をこなす事が前提であり、逆にやらなかったら行方不明だと言う生徒会長、ひいては連邦生徒会の沽券にも関わるのだから問題どころではなくなってしまう。
企業や生徒からの依頼についても十分先生の仕事の範疇ではある。
企業は文字通りのスポンサーとしての依頼、生徒からは所属している学園や連邦生徒会には話せない様な内容についてであり、これもシャーレの活動として必要な事だろう……多分、きっと、メイビー。
…えっ?生徒と個人的に連絡を取ったり予定に付き合ったり、私個人宛への御願いを遂行するのは先生として如何なものかって?
……ノーコメント。
と言いたいけど、うん。本来なら正直やってはいけないとは思うけど、何故かキヴォトスには教育委員会もPTAも無いからね。言われないなら問題ない。
というか、私の大半の休日はこれに充てている。流石に公務中に生徒一人に集中するのは駄目だからね。先生としても、大人としても宜しくないし。
…って、私が言いたいのはそういう事ではない。
いや、確かにちょっと「それ私に頼むことかな?」と思うような依頼は沢山あったけど、何だかんだ巡り廻って生徒の為になるから良いのだ。少なくとも依頼者の為にはなったから気にはしない。
でも……
先生の仕事に戦闘指揮があるのはおかしくない?
『先生』って言葉の意味*1知ってる?決して言葉の意味合い的には間違っていないけど、少なくとも私が想像するような『先生』ではない。
……もしかしなくても、これがキヴォトスの一般教師像なのだろうか?住人(というより大人)がほぼロボか獣人だからか?キヴォトス人とは摩訶不思議なり。
私、銃弾一発でも死んでしまうようなか弱い人間ぞ?いくら後方にいるとはいえ流れ弾の可能性はゼロではない以上、常に死の危険と隣り合わせなわけで……
(以下、延々と仕事に関する疑問が続いている。)
……後、ついでとか言われてカフェの経営も行うとか、控えめに言って職務を逸脱していないか?生徒達がよく来るから仕方なしにやっているけど、これは兼業に引っかかるのでは?先生は公務員だと思うのだが…。
後は労基法を守ってほしい。本当に割と真剣に切実な願いである。今週だけで何時間徹夜で残業したか。
最近を鏡を見る度にただでさえ前線が後退し始めた(薄くなったともいう)のが気になるのだ。これ以上になると真面目にストレス源を処理するか薬に頼むしかなくなる。
もしそうなった時は…
私自ら、関係各所の方々の口に……
書類とエナドリをぶち込みますよっ!?(物理的処理)
ここ最近の仕事に対する疲れとストレスから錯乱していた。私は『先生』だからギリギリで耐えられたけど、只の『大人』だったら我慢できなかった*2。
いや、まあ…嘘ですけどね。
寝室だからまだ良かったが、誰もいない部屋で独り言をブツブツと呟き続ける私の姿なんて生徒に見られたら、また心配と迷惑をかけてしまう。
特に医療関係や過保護関係の生徒には注意しなければならない。
以前過労で倒れた際の話だが、目が覚めた時には病院の寝台に文字通りの意味で縛り付けられていた。それも精神患者用の拘束付きベッドでだ。
その時の生徒たちの笑っていない笑顔がガガガガガガ…!?(ハイライトオフになった生徒達の笑顔のフラッシュバック)
暫く(強制的に)休めたおかげで、もう本当に大丈夫だから!自分の世話は自分でできるから!だからその手に掴んでる物を放そう?そしてそんな
ああ…頼む!頼むから、その注射器を置いてくれ!どうせ君も危ない薬を私に打つ気だろう!?私が今動けないからって
ゲフ…!?誰か!御願いだから、今私の口にねじ込んだゲテモノを吐き出させてくれ!ロールケーキとかは耐えられたけど、
やめろ!やめてくれ…!
アッ…アアアアアアアああああああ!?
私は、思い出すのを止めた。
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夢を見ている。
夢だとはっきり認識しているので、明晰夢というものなのだろう。
星空を映し出す大海原にポツンと浮かぶ、本来はなら艦橋がある代わりに何故か学校の校舎がある一つの船。
一部が損壊して中身を覗かせる校舎と水平線の彼方まで延々と広がる水面、そして満点の星々が輝く夜空という独特の雰囲気と景色が広がる空間。
見覚えなど無いはずなのに、私は何故か強い既視感と心地よい安心感を感じている。
船上に建つ校舎という訳が分からない組み合わせ。これが本当の学園艦というやつなのだろうか?だったら戦車乗らなきゃ…。
そんな船の甲板らしき場所に私は気が付くと一人立っていて、何処からか聞こえるチャイムの音色に合わせて身体が勝手に校内へ進んでいく。
これが私の夢だからなのか、通り過ぎていく際に教室の扉から覗く景色はキヴォトスの各学園の光景だった。
身を任せた先に辿り着いたのは外から見て損壊していた教室らしき扉の前だった。
教室の銘板には『ノベルゲーム部』と書かれている。ミレニアムに存在するゲーム開発部とは活動内容が違うのだろうか?
扉から漏れ出る黒いオーラに恐怖と悪寒を感じるが、数回の深呼吸の後に覚悟を決めて扉を開けた。
そして、私の視界の先に映っていたのは……
因みに先生はモテモテ設定。
もしギャルゲーなら誠になれるくらいには愛されてる。