HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
これは、ヒフミとブラックマーケットに行く前のこと。
「これが注文の品だよ」
「いやぁー助かるぜウタハ先輩。ありがとよ」
俺がウタハ先輩から受け取ったのは、ウェーブキャットのストラップ。市販のそれと全く一緒なそれを受け取った俺は、中にちゃんと仕掛けられている事を確認すると、礼を言った。
「しかし、盗聴器を仕込んで欲しいとはどういう風の吹き回しなんだい?」
「ま、らしくねー事を頼んだとは思っている。
盗聴はコタマの専売特許みたいなところがあるしな」
だが、どうしても必要になるものだ。
ヒフミがブラックマーケットに立ち寄る様子がない今、早いところアビドスとの連絡手段が欲しい。
だから俺は先生がキヴォトスに来たと知った早い段階で、シャーレに入部し……更に、ウェーブキャットのストラップに盗聴器を仕込む依頼をウタハにしておいたのだ。
エンジニア部とは長い付き合いだ。物珍しい顔をされたが、OKはしてくれたから有難い。
「何に使うかは訊かないが、ほどほどにな?」
「当たり前だぜ。エンジニア部には恩がある。
なにせ……俺はここで、ものを見られる目を貰った」
「!」
「潰されて消えかかっていた光を貰ったんだ。
恩義に報いることすれ、仇で返したいとは思っていないよ」
「……完全な視力を取り戻せる代物は、まだ出来上がっていない。
現に、今のスバルの目では、眼鏡やコンタクトありでも、色がまだ完全に―――」
「問題ない。今日はありがとう。
報酬は、例の口座に振り込んでおく」
これが、今から1か月ほど前の話である。
この件で予めウェーブキャットに盗聴器を仕込んでおいた俺は、シロコにそれを渡すことに成功した。
まぁあちらさん側からすればかなり怪しい行為ではあるが、そこはミレニアム製。触感等で絶対にバレないように改良してくれた。
これは助けを求める声を拾うためのものだ。むやみやたらに使う気はないし、アビドスの一件が終わったら盗聴器には自壊命令を出して壊しておく。
……やがて。
音声は、俺の耳へと届いた。
『ん…ホシノ先輩を取り戻しに行く』
シロコの声が聞こえた俺は、とうとう出番を確信し、盗聴器に自壊命令を送る。
そして、先生のモモトークに連絡を送ったのだった。
⋆
かつてアビドスの本校があった、砂漠の廃墟にて。
アビドス対策委員会の生徒4人は、かつてない戦いをカイザーPMCに挑んでいた。
不正な契約に騙され、実験体として連れ去られた先輩・小鳥遊ホシノを助けに行くため……
シロコ・セリカ・ノノミ・アヤネは、先生の引率の下、ホシノが監禁されているアビドス本校跡地までやって来たのだ。
だが、相手は強大だった。
カイザーPMCは、集められるだけ――それこそ越権行為をしてでも――兵力を集め、数の暴力でアビドスに襲いかかったのだ。
いくらシロコ達が強く、そして先生の指揮があったとて……あまりに差がありすぎる戦力差。一言で言えば絶望的。
しかし、そこは先生も想定済。
各地の学園に救援を要請しておいたのだ。
ある時は学園に赴き風紀委員の足を舐め。
ある時は送られてきたモモトークに答え。
若しくは自らモモトークを送り。
その結果、ゲヘナの風紀委員達が、トリニティの制服を着た
それでも、本隊の数だけでもアビドスなどひとひねりにする程膨大だった。陸八魔アル中心に便利屋68も駆けつけてはくれたが、それでも数の差はひっくり返すことができない。
しかし、先生は諦めなかった。
何故ならそこに、苦しんでいる生徒がいるから。
そして……もう一人。
必ず来ると約束してくれた生徒を信じているから。
乱戦の最中、敵のド真ん中に砂煙が上がる。
あまりの衝撃に目を覆う対策委員会と便利屋の面々。
「な、なんなの今度はっ!?」
「あ、新手ですか!?」
「こ、このタイミングで!? うぅぅ…や、やっぱり裏切るのよした方が……」
「大丈夫だよセリカ、アヤネ、アル。
今来たのは、ものすごく頼もしい―――味方だ」
先生の言葉の意味を理解する前に、砂煙が払われる。
そこから出てきたのは……どこかで見たことのある私服を纏い、目だけが空いた黒いレジ袋を頭から被った………覆面の不審者であった。
「な…何者だっ!?」
「我が名はメフィスト。
覚える必要はない。冥土の土産にするが良い…!」
「いやスバルよね? あんた」
というか間島スバルだった。
セリカの至極まっとうなツッコミを聞かせまいと、近くの標識をへし折って、しかるのちにブーメランのように投げる!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」
投げた「止まれ」の標識は、止まることなくカイザーの兵士を紙切れのように吹き飛ばしていく。
標識をキャッチした俺は、対策委員会と便利屋、あと先生にだけ聞こえるような声で言う。
「お前ら、3秒後に先生抱えて上へ飛べ」
「え?」
「ちょ、あんた何する気―――」
何する気なのかは、見てりゃ解る。
右足一点に、全力を集中させていくと、それを察したのか、全員が跳ぶ準備を始めていた。
先生は……シロコがお姫様抱っこしてるな、良し。
1…2…3…と、心の中で数える。
直前に仲間が全員ジャンプで空中にいるのを察して、何の遠慮もなく右足を砂だらけの地面に叩きつけた。
「『擬・烈震脚』」
次の瞬間、カイザーPMCたちの視界が大きく揺れた。
人の力では絶対に起こし得ないはずの揺れ…古来より人は、それを恐れてきた。
長い時をかけて築き上げた頑強な建築物も、それの前には一瞬で崩れ去り、時に津波さえ引き起こす。人は、その暴威に神の怒りを見てきた。
その現象の名は、地震。
「うそでしょ…」
アヤネが呟く。
いくら身体能力が高いキヴォトス人と言えども、地震を起こせるなど聞いたこともない。シロコ先輩でもノノミ先輩でも不可能だ。ホシノ先輩でも無理かもしれない、と。
「これは…凄いね」
「ん、桁違い」
シロコと、彼女に抱えられていた先生が唖然とする。
先生は考える。これがキヴォトス人か、私の知る人間とはまるでスペックが違うじゃないかと。流石に、シロコのリアクションからどうもその認識は違うと判断したようだ。
「な…あっ……!?」
「す、すごいねー、アルちゃん」
アルが白目を剥く。
たったワンアクションでPMCの兵士達を吹き飛ばしていくさまは、アルにとってはある人物を連想させた。
己の所属する学園の、風紀委員会。その頂点に座する少女。
まるでその彼女が、学園に巣食うチンピラ共を薙ぎ払っていくようではないか、と。
他にも、ノノミが、カヨコが、ハルカが、セリカが、宙を舞いながらスバルの起こした“地震”に驚愕していた。
地に足をつけていたカイザーの兵士やオートマタは、ほぼ全てが体勢を崩し、戦いもままならない状況に陥った。
だが裏を返せば、地に足をつけていなかったものたちは全員ダメージを受けなかったという事。
ひこうタイプが「じしん」でダメージを受けないことを体現しているかのように、ドローンは全てが無事だった。
「危ない!」
心配してくれる先生。
だが、俺の心配は無用。
ドローン程度で、俺を倒せると思うなよ!
「ハッハァ! ノロいわポンコツ共!」
「な…弾丸を、避けて……!?」
ここで、注意点がひとつ。
今の俺は、『トリニティの間島スバル』ではなく、『覆面水着団のメフィスト』としてここに来ている。
我ながら忘れかけていたが、何が言いたいのかというと、ここで「今まで俺が使ったことのある技」は使ってはいけないということだ。
火のない所に煙は立たないという諺があるが、怪しまれる材料は少ない程良い。
なので、俺が今ここで使う技は、間島スバルの時には封印しないといけない。
そこで、俺が迎撃に選んだのは……
「『擬・必殺マジシリーズ』―――」
―――まぁ色々言ったけど、特に考える必要ナシ!
何故なら、違う技名言っとけば、98%どうにかなるから!
真実はいつもひとつ。
ホシノおじさんを嘘でだまくらかして、泣かした元凶は……
「『マジ殴り』ッ!!!」
カイザーは死すべし!
慈悲はないッッ!!!!!
技術など一切ない、俺の持ちうる全力とカイザーへの怒りをそっくりそのまま、拳に乗せて放った、いわゆる暴発に等しい力技。
文字通りの全力で振るった一撃が、近くにいたオートマタに当たった瞬間、大爆発を巻き起こした。
俺を中心に火柱が立ち、爆発の煙が辺りを覆う。
「げほっ、げほっ…」
「うぅ、けむたい…」
俺の指示で飛んでいた対策委員会と便利屋が驚きを隠せないといった顔で着地する。
煙が晴れると……カイザーPMCの連中はほぼ壊滅状態であった。戦車はひとつ残らず大破し、
まだまだオリジナルには及ばないな。
「ひ、ひぃ……」
「あ、悪魔だ…」
「勝てる訳がないッ! 逃げるんだァ……!!」
「あ、こら待て貴様ら!どこへ行く!!」
「何なんだ…今のはなんなんだっ!! くそっ! 何故こんな事にィィィッ…!!!」
余りの壊滅度合に、逃げ出すものまで現れた。
カイザーPMCの理事は、機械の図体でも分かるくらいに超悔しがっている。
もう大勢は決まったようなものだ。
……ん? 大勢は決まった?
ヤッベ。
「あんたねぇ、スバル…」
「あっあっ、セリカさん……?
違うんすよこれは…ちょっとしたお助けキャラのつもりで…」
「それにしたって6、7割は持っていき過ぎよ!
お陰で、もう掃討戦しか残ってないじゃない…」
「スマン…」
セリカに呆れ半分に怒られた。
確かにコレ、アビドスの戦いだったもんなぁ。
俺としたことが、適当にお助けしてシロコ達が楽々ホシノおじさん奪還するお膳立てをするつもりが………カイザー死すべしの精神で自重を捨てた結果がこうなるなんて。
セリカに怒られるさまを見ていたアヤネが、ふふっと笑った。
「アヤネ?」
「…あぁ、すみません。
別に誰も責めてないんですよ。
お陰で、ホシノ先輩を助けるのも楽になりそうですし」
「ん、正直助かった。ありがと、スバル」
「それに、私達の為に駆け付けてくれたのは分かっているんですから♧」
「ありがとうスバル。お陰でカイザーに勝つことが出来た。
理事も、捕縛できそうだしね…!」
シロコに、ノノミ…先生まで……
やり過ぎて出番奪っちゃった形になったというのに、そう言ってくれるのは本当に有難い。
「便利屋もスマンな。仕事を奪っちまって…」
「あ…イエ……ダイジョウブデス…」
「?」
「アルちゃーん、メフィストの前だからって緊張しなくて良いんだよ?」
「……ハッ! だ、誰が緊張なんか!?」
「まぁ、助かったのは事実だし…」
便利屋もなんだかんだ言いながら、助かっていたようだ。
後はアビドスだけの感動の再会を待つのみ。
水を差さないように、また残党をひとり残らずブチのめす為、俺は便利屋と共に、砂漠から去ることにしたのだった。
*
―――それからの話をしよう。
…と、言っても、アビドス対策委員会が正式に承認され、生徒会が発足。理不尽な利息に苦しめられる事がなくなった、とかカイザーローンには連邦生徒会の捜査が入るようになった、って点は原作と同じだ。
めでたし……とはいかないし、何なら借金9億がまだ残っているが、それでもマシになったそうだ。
アビドスの子達も、シャーレに所属を認められ、時たまに通うようになっている。
これで一安心、ってとこだな。
『それでは、次のニュースです。
不正が起こっていたカイザーPMCと戦った、謎の生徒の映像が公開されました。
映像では、黒いレジ袋を被った少女が「メフィスト」と名乗っており、ヴァルキューレでは、先日ブラックマーケット銀行を襲撃した「覆面水着団」の…………』
「…………スバル?」
「まだ俺だってバレてないからセーフだと思うんだ、先生」
「その理屈が通じるかなぁ…?」
「つ、通じる……筈だ、多分…。」
…………ひ、一安心なハズだ。テレビがなにか言っているが、こんなもん一過性のニュース。3日たてば元通りってね。
でも油断はできない。
最終編まで長いし、何なら俺は、ここから先の話は殆ど知らないから、正しい『選択』なんぞ分からんのよ。
でもまぁ、俺は俺なりの答えを出していくだけだ。
そして、いつか叶えるのだ。
キヴォトスのカワイイ女の子全てで……エロ漫画を描くという、この野望を!!!
「ん、スバル」
「よう、シロコか。どうした?」
「前言ってたスバルの漫画、見せてもらいに来た」
「あぁ!約束だからな! 良いぞ!今は手持ちがハーレムものしかないが……」
「はーれむ?」
「スバルッッッ!!! シロコに
「えー、ケチー」
この後滅茶苦茶没収された。
でも先生、それ金庫にしまっておいて、後でじっくり読むんですよね?
分かります。いずれ感想聞かせてね?
Tip!
シロコはこの後、スバルの描いた漫画がエロ漫画と知り、若干引くぞ!でも絵がガチで上手いから(ストーリーはともかく)絶賛してくれたぞ!!あと、「砂漠の国のハーレム」のモデルはまだバレなかったぞ!良かったな!!
シロコ「ん、印税はどれだけ入ってくるの?」
先 生「シロコさん?」
スバル「そうだなぁ……ゴニョゴニョ…」
シロコ「!!?………ん、スバル、アシスタントは要る?」
先 生「シロコさん!?」
スバル「欲しい…が、かなりハードだぞ。金なら出すが、覚悟はしておけ」
先 生「スバルさん!!?」
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