HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
「よう、遊びに来たぜ」
「「「スバル!」」」
ある日。
俺は、ゲーム開発部の部室に顔を出した。
…はいそこ、通報する手を止めてもらおうか。
確かに俺はアリスをモデルに無知シチュもの描いたしそれの続編に出すヒロイン達もモモイミドリの姉妹をモデルにしたさ。
でもな、それを元にして描いたヒロインとモモミドの共通点は「双子の姉妹」と「年齢」だけだ。髪型も服装も目の色も性格も何もかもが違う。果たしてそれが、ナマモノと言えるだろうか?
―――まぁ名前がそれぞれ
それはそれとして、今回ゲーム開発部に来たのは、ユズをこの俺の漫画に華々しくデビューさせるためではなく…………ただ単にゲームをしに来ただけなのだ。
「TSCやらせてー」
「2ならあるよー」
「いや、2じゃなくて1の方を」
「正気!?!?」
遊ぶゲームは「テイルズ・サガ・クロニクル」。
2ではなくて1の方だ。そう言ったらモモイから大分失礼な反応を頂いた。
まぁ無理もない。テイルズ・サガ・クロニクルの1の方の評価は「ゲームとしての完成度がダントツで絶望的」「このゲームに一番足りてないのは正気」など悪評の嵐で、最終的には『今年のクソゲーランキング1位』を頂くレベルだからな。
だがそれはゲーム内の評価の話。最序盤こそ描写されてたが、同じクリエイターとして、評価はゼンブやってからしなければな。
「気持ちは分かるけどさぁ…」
「ぶっちゃけDL版でやったら詰んだからトゥルーエンド見てみたいまである、ってのが本音だけどな」
「詰んだから来たんだ…」
「ちなみに、来てるのは俺だけじゃないぜ」
「こんにちわ、トキです」
「「「トキ!?!?」」」
「グーゼン見つけたから連れてきた」
ひょっこり出てきたのは、C&Cの隠し玉だった、飛鳥馬トキである。
ここに来る途中、たまたま通りかかった個室で寂しそうに銃の整備をしているのを見かけたので、「お前もゲームをやらないか?」と誘って連れてきたのだ。
「い、いいの? ここに来て…」
「先輩がたは任務に行ってしまって。
暇を持て余していたところです」
「暇だったんだ…」
省かれていたのを隠すことも無く寂しそうに主張している。
どうやら、俺のよく知るトキであるようだ。
風の噂で一時期敵対していたという話を聞いていたが、この様子だとひとまず会ったら数秒で撃ち合い、なんてことはなさそうだ。
「モモイ!さっそく用意しようぜ?」
「えーー……良いけどさぁ…後で文句は言わないでね?」
「言わねーよ。攻略法は聞くけどな」
モモイのセッティングによってテレビ画面に浮かんだ「テイルズ・サガ・クロニクル」の文字。トキは見学と称して俺にコントローラーを譲ってくれた。俺は懐かしさを感じつつスタートボタンを押す。
『チュートリアルを始めます。
Aボタンを押して武器を装備してください』
テキストを無視してBボタンを押す。
カチャリと武器装備の音が鳴り、ストーリーが始まった。
『コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた…』
「これもまぁメチャクチャよな」
「あー!メチャクチャって言った!!」
「褒め言葉に決まってんだろ。
『た○しの挑戦状』とか……知らねーんだろうなぁ」
「ソレをいうなら『タケミの招待状』でしょ…というかあのクソゲーとこれを一緒にするな!!!」
キヴォトス人はきっと知らないだろう。地球のクソゲー(褒め言葉)を。
いや、キヴォトスにもクソゲーはあるんだろうし、なんなら地球の神ゲーを紹介したいが、俺のゲーム初体験があっちのゲームだったからなぁ。屈辱と虚無感が入り混じったあの感覚や、神ゲーの感動を説明できないのが残念だ。
まぁ俺も○けしの挑戦状は詳しくないけど……ゲームでありながら「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」とか言うからねアレ。
「悪名は無名に勝ると聞く。
100年後にコレが歴史に残るクソゲーになるかもしれないだろ。
俺も最後までヤッてからレビューするから」
「うっ……い、いいもーん!『Ⅱ』は神ゲーだもーん!!」
拗ねるな拗ねるな。
俺はこのまま、ゲームをプレイするのみ。
それを全部味わった後で、必ず感想は言ってやるから。
あ、あと詰みかけたら攻略法教えてね。
『ボスッ!』
『あなたは落とし穴に落ちました。』
『GAME OVER』
「……し、死んだな」
「死にましたね」
「モモイ…? なんで最初の街に即死落とし穴があるんだ……???」
―――しかし、この時のスバルは油断していた。「テイルズ・サガ・クロニクル」というゲームに何が隠されているのかを。
……スバルは、パヴァーヌ編を2章まで見ていないのだ。故に、天童アリス……正式名称:AL-1Sが、無名の司祭製の世界破壊兵器“名もなき神々の王女”であることを知らなかったのだ。……そして、それをハッキングさせることに成功したのが「テイルズ・サガ・クロニクル」であることも。
否、仮に知っていたとしても、「テイルズ・サガ・クロニクル」が自身に悪影響を及ぼすなど考えもしなかっただろう。
あの効果は、“名もなき神々の王女”であるアリス特攻でしかなく、「テイルズ・サガ・クロニクル」はアリスのみに通用するハッキングツールに違いない、と。
それを知らずに、ゲームを進めていった。
次々と展開されていく宇宙猫展開。
理解を置き去りにするストーリー。
油断してもしなくてもすぐ死ぬ罠と、すぐ殺しに来る敵とコマンドの鬼畜設計。
カオスがカオスを呼ぶというに相応しい世界観。
そんな中で、スバルと、彼女のプレイを横で眺めていたトキは巻き込まれていく。
宇宙の隅から紙がめくれて彼女達の脳裏を襲い来る―――
―――
そこには、間島スバルという生徒はいなかった。
代わりに、先生が名前付きで呼ばれていた。
だが、その違いは些細なものである。そこの『先生』もまた、キヴォトスの生徒の為に奔走していた。
アビドスで巨大な企業と戦ったり。
トリニティの疑心暗鬼と歴史の闇に埋もれた負の遺産を清算したり。
SRTの後処理で生徒達を癒したりもした。
大きな違いがあるのだとしたら………ミレニアムの戦い…のちに「エリドゥ事変」と呼ばれる出来事でのことだろう。
この戦いにおいて、『先生』は我々の知る「先生」とは決定的に違うことをした。それは―――
「言おうか、言うまいか、迷ってたけど…言うよ」
「先生?」
「リオ、君がやっているのは『ただの独りよがり』だ。
人は、君よりも合理的に動けない。ならば、話し合って道を探るべきだった。それすらやらず、独断専行した結果………私達と敵対した。
うまく話し合えていれば、こうはならなかったのにね。こうなったのは、君が『どうせ話し合っても無駄だ』という
『……それこそ非合理的な考えね、先生。
私にはミレニアムを、キヴォトスを守るという大義がある。それさえあれば十分よ。卑怯だのなんだの、そのような感情論など、好きに言わせておけばいいものよ』
「…強情だね。ならもう一つ教えよう。
話し合いを捨て、軽々しく『ズル』をしちゃいけない理由。それは―――」
『それは?』
「―――ズルをした子は、本当にズルい大人の格好の餌になるからだ」
―――
奇跡の光は、あっという間にエリドゥの演算機能を破壊し尽くし、飛鳥馬トキのアビ・エシュフを無力化した。
それは、その後に出てきた
……だが、そのような結末は、リオは認められなかった。
当然だ、ミレニアム機転と知恵の組み合わせや、アリス自身の意志、ゲーム開発部の不屈の精神に負けたならまだしも、あんな掲げただけで望んだ結末を導くかのようなチートアイテムのせいで負けたなど受け入れられるハズがない。
リオが他の生徒よりも合理性を極めたからこそ、突飛で非合理的にもたらされた敗北は、より屈辱的だった。
だから……本来のリオでは絶対にしない事を、彼女は選択していた。あえてミレニアムを去り……アリスを暗殺することを。
「どこへ行くのかな」
「先生……っ!!」
ミレニアム自治区の一角で、『先生』は逃げようとしているリオを見つけた。
声をかけられたリオは、『先生』を睨みつける。そこには、いつもの感情を排した合理的な彼女の姿はなかった。
『先生』は、掌大のカードを持って近づいた。それは、リオの電子生徒手帳だった。
「落とし物だよ」
「捨てたのよ………『王女』を、壊すために…!」
「まだ…そんな事を考えていたんだね」
悲しそうな表情を隠しもしない『先生』。
リオは、自動拳銃の銃口を彼に向けた。
『先生』は、その行動に対して何もしない。
「もう、やめよう。リオ、今ならまだ戻れる。
生徒手帳を持って、ゲーム開発部に……みんなに、謝りに行こう。
失敗したら責任を取るのが私達の責務だ、ってことは君も知っているハズだ」
「どの口がそんなことを…!
私は…あれが失敗だなんて思ってない…!
あんな…下手な手品みたいな、絶対に起こり得ない結末なんて……っ!」
「リオ……」
『先生』はリオの目を見て、己の失敗を悟った。
やり過ぎてしまったのだ。一方的にリオを悪と決めつけ、打ちのめしてしまったと。
合理性を何よりも尊び、人の機敏を敢えて無視する……そんな彼女は見る影もない。それこそ、失敗の証だったのだと。
「もう追ってこないで。私の目的はAL-1Sただ一人。
邪魔をするというのなら……命の保証は出来ないわ」
パン、と銃声が鳴る。
『彼』に向かって真っすぐ飛んだ弾丸は、不思議な電磁バリアのようなものに弾かれる。
それだけで、リオは『先生』の無傷の秘密にアタリをつけた。
「……やはり、何か細工をしているのね。そのタブレットかしら」
「………分かってはいたけど…やるしかないみたいだね、アロナ」
『…後悔しますよ、先生』
「もうしてるよ」
アロナとのやりとりの後は、リオには理解できなかった。
何故なら、タブレットの画面が煌めいたと思ったら、スマホと拳銃が爆発したからだ。
持っていた武器が唐突に爆破されたことに目を閉じた隙に、『先生』はアロナに奪わせたものを……タブレットの中に入ったソフトを確認する。
「『Assyria』…アッシリア、ね」
『これは…かなり高性能で悪質なコンピュータウイルスです! 対象の意志とは無関係に、行動を操る……!!』
「なるほどね」
これでアリスに自害でもさせるつもりだったのか。
効くか否かは兎も角、リオのアリスに対する強烈な殺意を明確に表すもの。
それを前にして、『先生』は決意した。目の前の“悪しき大人”を倒すことを。
「な……!? か、身体が!」
「流石に、あのウイルスは見過ごせない。没収だし、お仕置きだ」
「何故、分かったの……そのタブレットになにかあるの!?」
「教えるつもりは無い。
リオは息を呑んだ。
生まれて初めてのことだった。ひゅ、という音を聞いたのもきっと。
これまでの『先生』の雰囲気とは何もかもが違う。
恐怖が表に出てこないよう、リオは取り繕う。
「な……なによその目は…!
あなたそれでも先生なの!?」
「………」
「なんとか言いなさい……
しかし。相手は何も堪えていないかのような、無反応。
リオがまくしたてるように言葉を並べてからようやく、『先生』は…口を開いた。
「…生徒手帳を捨てただけならまだしも……執拗に生徒の命をつけ狙う人は流石にダメだ」
「!!?」
「しかも、生徒の籍を捨てた理由が『アリスの命を奪う為』で…それでいて、反省する気もないなら……容赦はできない」
「ふざけないで……私は500回以上選挙を勝ち抜いたビッグシスターよ!」
リオがそう叫んだ途端。
『先生』は……オーラを解放した。
普段は見えないハズのそれが…『先生』の身から大きく溢れ…この一帯を覆いつくした。
「…!?」
「リオ。今、君の目の前にいるのは……1000回以上イキ抜いた大魔法使いだ」
ここでリオは、己の失策を悟った。
自分が、言葉と合理で相手を屈服させたように……『先生』は、オーラで敵を欺いていたのだと。
そう思うも、もう遅し。勝負は……立ち去るリオが見つかった時に…或いはもっと前から、決まっていたのだと。
決まり切った勝負の終止符を打つ『先生』は踵を返し、立ち去り際にこう言った。
「リオ、社会的に自害しろ」
リオの両腕が、意思に反して動き出す。
ボタンを外す音から始まり布擦れの音が鳴り出す。
もはや、それを止められる者は誰もいない。
「あ…ありえない………この私、が…」
リオの瞳から涙が零れた。
だが、悲しみや絶望に表情を歪める事すら許されない。
ひきつったような、無理矢理作り出されたような、そんな風に笑うことしかできなかった。
やがて、夜のミレニアムの街にカシャ、というスマホのカメラの音がわずかに響いた。
目が覚める。
それは、ほぼ同じタイミングだったようだ。
俺は、寝起きのトキと目があった時、背筋に寒気が走った。
今にも誰かを殺しそうな……というかもう既に数人殺してそうな…そんな目をしていたのだ。
俺は咄嗟に、突進でトキを巻き込みゲーム開発部の窓をブチ割って、トキごとミレニアムの校外に出た。割った窓の部屋から「うわぁぁぁ!?何事!?」とか「部室の窓がー!」とか聞こえるが、後で何か埋め合わせをさせてくれ。
何故なら……目の前のトキが、凄まじい剣幕でアビ・エシュフを召喚しだしたからだ。
「何故…あのお方の命を奪われたのですか、先生……!!」
「トキ……」
「お陰で会長は……もう2度と、人前を歩く事が出来ないッ!!」
あたかも俺がリオを社会的に殺したかのような言動。
いや、わかるよ? 俺もあのあり得ない記憶見たし。
だが…俺は「こんな記憶ありえない」と突っぱね、俺の記憶とは別物の「どこか別世界の記録」と整理ができたが、どうやらトキはそうはいかず、あの記憶を「マジに経験したもの」と思い込んでしまっているようだ。
もしかして、ヒヨリが俺をママ扱いし始めたのも、こんな感じに変な記憶を―――
「――っと、危ねえ」
「どうやら神秘を得て、かなり厄介な存在になったようですね……アビ・エシュフ、武装展開。演算を開始します」
息をつく暇もない。
彼女の殺意は本物だ。普通に話しても説得など出来ない。
なら、彼女のウソに乗って、記憶が戻るまで俺に引きつけて戦わせるしかない…!
深呼吸。そして…トキに目を向ける。
「………トキ。君が戸惑い、怒る原因を作ったのは俺だ。好きに撃ち込んでくるといい。けれど……」
そして、ゲーム開発部をちらりと見る。
「俺への恨みを晴らすために、えー……モモイの命とユズの左手を奪ったのはやり過ぎだ」
「スバルーーー!?!?!? 私を勝手に殺さないでー!!」
「それも……全て先生の責任でしょう?
ならば全て背負ってください。背負って苦しんでください……会長の分までッ!!!」
でっち上げた話に全力で乗ってきながら、トキが襲いかかってきた。
トキの弾丸を弾き飛ばしながら、俺は声を張り上げる。
「みんな!今のトキはマトモじゃねぇ!
C&Cか……先生を呼んでくるんだ! 俺は―――」
右手の指を揃え、そのまま上段から振り下ろす。
トキの武装と金属製の音を散らして、鍔迫り合いに持ち込んだ。
「コイツを食い止めるッッ!!」
「わ…わかっ―――」
モモイの返事が聞こえた刹那。
何かが空を切る音がした。
それは……トキによって距離を離された俺の隣に着地したその子は、レールガンを構え、銃口をトキに向けた。
そして、そいつは……
「アリス、知ってます。
スバル、今の発言は『死亡フラグ』というらしいです」
…毎日をゲームのように必死に楽しく生きているといった風な声をしていた。
「死亡フラグを立てたキャラは死んでしまいます。
スバルが…いつもアリスたちと遊んでくれたスバルが死んでしまうのは嫌です。
なので―――アリスも一緒に戦って、スバルを守ります!!」
「お前…!」
俺の隣に立ち、恐れることなくトキに抗おうとするのは、まさしく勇者だ。
俺はさっき見た「存在しない記憶」から、狙いは俺だと把握し、俺以外を巻き込まないようにすぐさまゲーム開発部から戦場を移したつもりだったのだが……
まさか、こうくるとは予想外だったぜ……!
「AL-1S…あなたも邪魔しますか!
良いでしょう。まとめて消し去ってくれましょう!」
「アリス、やるぞ!
洗脳状態のトキを止めるんだ!」
「はい! アリス、特殊戦闘を開始します!」
ミレニアムの校外、校舎のすぐ近くで、唐突すぎるボス戦が始まった。
Tip!
この存在しない記憶がシリアスだと思ったか?残念ながらシリアルである!
才羽モモイは生きているし、花岡ユズの両手も無事だ!!
あとがき
本当はスバルアムロVSトキ・アスマブルでガンダムもどきをやらせるつもりでしたが、コラボ編で消費してしまったので違うネタを使いました。ええ、まだ消費期限はたってないと思います。もし終わってたらまた自害しろ、アウラ。
ちなみにアリスは勝手に動きました。もしスバルとトキが勝手に戦い始めて、スバルが先生呼べっつったとしたら、勝手に首ツッコむと思う。他のゲーム開発部の誰かが先生にモモトークしてくれると信じて。
好きなメイドは
-
大きくて人懐っこいメイド
-
褐色で常識的なメイド
-
上品で眼鏡っ娘なメイド
-
小さくてヤンキーなメイド
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寡黙で不思議ちゃんなメイド
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肉食系な元お嬢様メイド
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その他のメイド(ご意見を!)