HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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このサブタイのチョイスにした理由は小学生の頃に生まれて初めてやったドラクエの曲だからです。


難関を突破せよ

 突如ミレニアム校舎前で起こった俺&アリスVSトキ。

 しばらく戦ってみて、分かったことがある。

 アリスは、その小さな体からは想像つかないレベルのフィジカルを使用した戦闘を得意としている。レールガンを持っているから分かりそうなものでったが、実際に見るとそのアンバランスさがよくわかる。

 

「光よ!」

 

「甘い!」

 

 アリスのレーザーを難なく躱し、お返しとばかりに弾幕を撃ち込んでくるトキ。

 戦いが始まってから常にこんな調子だ。アリスの攻撃は、まるで予測されているかのように躱される。

 かといって、俺が攻撃すればどうなるかというと……

 

「アリス、今度は俺が!

 『擬・六式・指銃(シガン)(バチ)』!!」

 

「無駄です!」

 

「なっ……カウンター!? むうううっ!」

 

「スバル!」

 

 これもまた躱されるだけでなく、カウンターまで撃ち込まれてしまう。

 今は大丈夫だが、このまま膠着状態が続けば流石にマズいかもな。

 今のトキは『存在しない記憶』のせいで俺やアリスに憎しみを向けている。負けたらどうなるかなど火を見るよりも明らかだ。

 

 アリスや俺の攻撃の回避を可能にしているもの。

 それは恐らく……

 

「あのガン○ムもどき……アビ・エシュフか。思った以上に厄介だな」

 

 トキが身に纏うパワードスーツだ。

 俺も「存在しない記憶」で知った事だが、トキのパワードスーツ『アビ・エシュフ』は、要塞都市エリドゥの機能を以て未来予知も可能なチート級の演算能力を生み出していたという。その力はネルパイセンをも下した程だ。

 今となっては、流石にそこまでの力は出せないようだが………それでも、アリスの攻撃を余裕で避ける演算能力と機動力はあるようだ。

 

「うわーん! 攻撃が全然当たりません!」

 

「俺達のデータは既に収集済みってトコロか…」

 

「大人しくしてください。

 そうすれば、痛くはしませんよ」

 

「落ち着け、アリス。

 攻撃の当て方を考えろ…!」

 

「攻撃の、当て方………?」

 

 冷静になろう。

 現在、戦っている3人の中で最も冷静であるハズなのは俺のハズ。

 トキは勘違いとはいえ目の前に仇がいるんだから、落ち着いていられるわけがない。

 アリスは、まだ幼い精神性と攻撃が当たらないフラストレーションからか冷静さを失いつつある。

 こういう時、俺がついてサポートしてやらねーとな。

 

「オラァ!」

 

「なっ…砂煙……!?」

 

 地面を叩き壊す。

 あっという間に砂煙が出て、俺達の戦場を包んだ。

 

「アリス! 常に砂埃を出し続けろ!

 トキの演算能力を少しでも抑えるんだ!」

 

「! はい、わかりました!」

 

「させません!」

 

 アビ・エシュフの演算能力は無限じゃない。

 砂を少しでも多く撒くことで、演算を遅らせることができる。

 トキが俺らの目的に気付き、砂煙を吹き飛ばそうとするが、そうはさせない!

 

「『擬・破壊殺・乱式』!!」

 

「くっ!」

 

「目的を知れば邪魔しに来る!当然だよなァ!?」

 

「デタラメな……!」

 

 すかさず技を放てば、トキは攻撃をやめ回避した。

 結果、砂煙はますますこの場を包み込む。

 視界が悪くなっていく中、俺は落ち着いて、だが出来るだけ早く頭を回す。

 

 いくつか技を放ったが、トキはその全てを回避しきった。おまけにカウンターを撃ち込む余裕すらある。

 アビ・エシュフの性能から考えるに………どこかしらで、俺の情報を集めていたのか? その中で出てきた技のパターンを覚えて、技の予備動作で何が来るか分かっている。だから躱せる。

 ―――とか、だろうか?

 

「はぁっ!」

 

「やぁぁぁっ!!」

 

「くっ……やはり、撃たせてくれません!

 勇者の攻撃中に割り込むなんてズルいです!」

 

「これは現実です!ゲームじゃない!!」

 

 もしそうだとしたら、俺も技の使いどころを考えなければならない。 

 

 

「まだ…この世界がゲームだと思っているんですか!

 死んだ人は生き返らない! 殺された人は回帰しない!!」

 

「トキ…なにを言っているんですか?」

 

「会長が炎上した写真はもう消せないし…失った社会的地位はもう戻らない!!会長の心のキズはもう治らない!

 すべて……あなたが招いた結果ですよ()()()()()! その責任は…ゲーム開発部が命を以て償うべきです!」

 

「何を言っているんですか…!? アリス、分かりません!」

 

「落ち着けアリス。

 アイツは今マトモじゃねえっつったろ」

 

「スバル…!」

 

「あいつの言葉への対処は全部俺に任せろ。

 身に覚えのないことを言われたからって、反応しなくていい」

 

 トキの言葉の中には、“存在しない記憶”を見ていないと分からない部分がある。

 それを、知らない側のアリスが聞いて深掘りしても混乱するだけだ。身に覚えのないことで隙を晒すのは今はどう考えてもよろしくない。

 なので、あの記憶を見た俺が全部対処する。アリスが我慢しきれなくなる可能性もあるが、ノープランよりマシだ。

 チクショウ、俺の攻撃が見切られることといいトキの言葉といいさっきのウソとの辻褄合わせといい、気を配らないといけない事が多いな。

 

 だが、見えた。

 誰の犠牲も出さずにトキを無力化する方法。

 俺とアリスでトキを止める方法が!

 

「『擬・剃』!」

 

「!!?」

 

 走る。走る。

 走る、走る、走る、そして、かき乱す…!

 

「何をする気…!?」

 

 砂煙で覆われる中、俺は両手を額の前で重ね、そこに力を集めた。

 

「食らえトキ! 『擬・―――」

 

「また攻撃!何をしても無―――」

 

 そして。

 そのまま、ぎゅっと目を閉じた。

 

 

 

 

「―――太陽拳』ッッ!!!」

 

「!!!?」

 

 太陽拳。

 それは、『ドラゴンボール』に出てきた天津飯の必殺技だ。

 眩い光を放ち、相手を怯ませる技。直接攻撃しない技の一つ。

 だが、ただ太陽拳を撃つだけではかわされる可能性があった。だから、もう一つの技を隠れ蓑にしたのだ。

 

 魔閃光。

 『ドラゴンボール』において、ピッコロや孫悟飯などが使う光線攻撃だ。

 この技の最も重要な点は……太陽拳と、構えが似ていることにある。

 

 魔閃光は、重ねた両手を額の上に掲げる事で発動する。

 一方、太陽拳はというと、両手を額の近くに掲げて眩い光を放つのだ。

 熟練のオタクになら見分けがつくが、『ドラゴンボール』の存在しないこの世界において、見分ける方法などないに等しい。

 

 加えて―――俺はこのキヴォトスの生徒として生まれてから、かめはめ波は撃ったが、太陽拳と魔閃光は一度も誰にも撃っていない。

 俺は、魔閃光を撃つと見せかけて太陽拳を放つことで、より確実にトキのスキを突けるようにしたのだ。

 初見の……しかもフェイント。分かるワケがない。至近距離から放たれたそれは―――

 

「目がっ…!?」

 

 俺の攻撃を迎撃するためにしっかり俺の方を見ていたトキの視界に、間違いなく直撃していた。

 そう。いくら高性能なコンピュータが戦闘の補助をしていても……その操縦者が人間である以上、その人の動きが止まってしまえば、コンピュータも動かせないのだ。

 

「今だッーー!!」

 

「はい!光よ―――!!!」

 

「なっ!」

 

 そこにすかさず撃ち込まれたのは、アリスの砲撃。

 視界を封じられたトキに、躱すすべはない。

 アリスの銃が放った光のレーザーに、トキが飲み込まれていくのが見えた。

 

 

 煙が晴れ。

 その先には、何もいなかった。

 避けたのか?それとも、派手に吹っ飛ばされたのか? ハッキリしたことは分からない。

 でも、太陽拳で目を潰されて回避どころじゃなかったから、今ので仕留められたと思いたいがな。

 

「どう…ですか? トキは倒せましたか?」

 

「さぁな。でも、間違いなく目は眩んでたし、アリスの攻撃が当たったとこは見たぜ」

 

「なら、きっとやりました!

 パンパカパーン! アリスたちはトキをやっつけた!

 『洗脳を解いたもの』の称号を獲得しました!」

 

 アリスはすっかりトキを止められたつもりでいるらしく、勝利のファンファーレを口で奏でていた。

 しかし、油断できないぞ。トキが気絶しているトコロとか見ない事には、奇襲とかかけられる可能性あるから―――!!!

 

「アリス!まだだ!!」

 

「え――」

 

 アリスに飛び掛かり、その勢いでその場から離れた。

 その位置を見ると、俺とアリスがもともといた場所が、レーザー跡によって抉られてしまっていた後だった。………撃ってきたか、EXスキルを。

 それが意味するところとは……即ち。

 

「まだ、トキは動ける!」

 

「ええっ!?」

 

「どうやら……貴方は最初からそのつもりだったのですね…」

 

 トキは、まだ動ける!

 あの『存在しない記憶』による洗脳も解けておらず、俺達を本気で殺しに来た、ということだ!

 土煙の奥……建物が崩れた跡からボコリと這い出てきたトキは、俺の知る彼女とはまったく違う形相で、コチラを睨み吐き捨てるように怒鳴った。

 

「もう許しません……!

 リオ会長と同じように、私も社会的に殺害するつもりということですか!!」

 

「は? イヤ、そんな事一言も―――」

 

「スバル先生…いや、もはや貴方を先生と思わない!

 必ず……その薄汚い命で、罪を償ってもらいます!」

 

「くっそ、更に暴走しやがるか…!」

 

「アリス、知ってます!

 トキは連戦タイプのボスだったのですね!」

 

 まずリオ会長を社会的に殺したというのが意味不明だが――俺には分かるが、『存在しない記憶』を見ていない者にとっては理解不能だ――トキも社会的に殺すつもりだという確信を持ったのがまるで意味が分からん。

 まず社会的に殺害って何だ。リオの「社会的に自害」といい、なんで「社会的」にこだわるの? アレか、俺がエロ漫画家だから、そういうネタを俺の無意識が干渉したことによって出来た『存在しない記憶』は提供してくれてるってのか?

 

 よくやった、今度の企画案は「リオ似のOLがエロ用鍵垢で露出からのすれちがいS○Xネタ」にしてやるからな。

 

 だがその手の妄☆想の続きはトキを止めてからだ。

 まずトキの中にある俺=しくじり先生の思い込みを排除しないことには、どうにもならん。

 本物の先生に賭けるしかないが……その間にトキが、勢いで誰かを殺してしまったらシャレにならない。

 ゲーム開発部………早く先生を呼んでくれることに賭けるからな。

 

 あとアリスは気合入れろよ。

 ここが正念場だ。2戦目のムドー*1のように、気を抜いたらあっという間に全滅されかねないからな?

 

「大丈夫です! メドー*2のことならアリスも攻略済みです!」

 

「ならいいか。第2ラウンド、始めるか…!」

 

「はい!」

 

「まだです……!

 会長の無念を晴らすまで、まだ死ぬわけにはいかない…!」

 

 アビ・エシュフを強引に使っているのだろう。

 紫電を身に纏いながら、トキは俺達の前に立ちはだかった。

 

「さぁ、来なさい! C&C・コールサイン04…飛鳥馬トキ、この命をかけて……あなたたちを討ってみせる!!」

 

 そうして、全力を賭したトキが襲い掛かる―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと待ったぁ!!

 

 ―――直前に。

 男の人の鋭い声に遮られ、全員がそっちを見た。

 そこには、サムズアップを立てたモモイと息を切らしたユウカ、そして待ちに待った男こと、シャーレの先生がそこにはいた。

 

「え………???

 才羽モモイに……先生???

 先生が、二人…???それに、才羽モモイは、殺したハズ…」

 

「だぁから、勝手に殺さないでってば!!!」

 

 それを見たトキは、やはりというべきか、植え付けられた記憶との齟齬に混乱するばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 事情の説明に、数十分。

 先生とユウカによる説明が終わった直後。

 

 トキは飛び掛かるようにジャンプ!

 1カメ!2カメ!3カメ! でそれはそれはコミカルな、だがメイドらしい瀟洒な佇まいは一切崩すことなく―――綺麗な土下座を敢行した。

 

 

この度は…誠に申し訳ありませんでした……!

 

「わ、私は大丈夫だから、トキ……ミレニアムの皆にはしっかり謝るんだよ…?」

 

 騒動を起こしたトキは、ぽつりぽつりと事情を話していく。

 『TSC』をプレイしたこと。その後の昼寝で素っ頓狂な夢を見たこと。それを実際に起こった事だと思い込んでしまったこと。

 その夢で見たという事情は、俺が見た『存在しない記憶』とまったく同じ内容であった。

 間島スバルがおらず、代わりに「スバル先生」がいたこと。エリドゥ事変において、その人がリオを徹底的に打ちのめしたこと。リオが強硬手段に出た結果、その人に社会的に自害させられたこと………。

 ………こうして聞いても意味が分からんな。俺も記憶共有してなかったら「まるで意味がわからんぞ!」ってなる自信がある。

 

ま、間島スバルが、先生……?? この、変態が…???????????????????????????????????????????

 

ああっ!ユウカが混乱状態になってしまいました!

 

「まぁ無理もないっすよ。先生、ユウカにキアラルを」

 

「使えないよ!!?」

 

 とりあえず、トキは元に戻ったようで、ゲーム開発部を始めとした、今回の戦闘で迷惑をかけた面々に謝って回る事に決めたそうだ。

 ちなみにだが。

 

 

間島スバルゥゥ…! アンタには壊されたミレニアム、弁償してもらうわよ…!

 

「ま、待て!! 確かに俺は…その。トキと戦った時に色々壊したけどさ!

 不可抗力だったの!! 暴走したトキからゲーム開発部を守ろうとしてだな…!」

 

問答無用!! 先生は許しても、私は許さないわよ!!

 

「何でだァァァァァァァァァァァ!?!?!?」

 

 俺はこの後、ユウカにガッツリ絞られた(意味深に非ず)。解せぬ。

 

 

 

 

 

 ……あぁ、これも言い忘れていたことだが。

 

「……なるほど、つまり実際にはリオ会長が社会的に自害した事実はないと」

 

「当然でしょ…」

 

「まぁ、そりゃそうか…」

 

「どうして、そんなこと聞いたの?」

 

「実はですね……ミレニアム生の中で噂になっているんですよ。

 ミレニアムの会長だったリオは、性的写真のスキャンダルが原因で辞めたんじゃないか、って」

 

え゛。ど、どうしてそんなことに…」

 

「実は……俺と戦った時、トキが滅茶苦茶言ったんですよ。

 『リオ会長は俺のせいで死んだ』『社会的に自害したからもう人前を歩けない』って。

 なんの不幸か、そのことを聞いちゃったヤツがいたみたいなんですよ………気付けなかった俺にも責任あるんすけど」

 

「えー…っと…」

 

「訂正の連絡とかしたいんですけど、リオ会長の連絡先とか分かります?」

 

「ごめん、無くってさ…ユウカとノアにも確認したんだけど…スマホも繋がらないみたいなんだ」

 

「―――え、じゃあ噂を訂正するの無理じゃないですか?

 

あ゛

 

 あの後、ミレニアム内では、リオ会長がやめた理由がエッチな自撮りにあるとまことしやかに囁かれるようになったそうな。

 人の口には戸が立てられない上に、肝心のリオとも連絡が取れない。こちらから能動的に連絡できない以上……その噂が流行するのは必然であった。

 現在は、SNSの時代である。1分に700~800以上ものアクセスを得られる時代に置いて…その連絡不可能の点は、致命的であった。

 こうなったら、いくら火消しを行っても完全に消しきれない。消えそこなった火種からまた再燃するのみ。

 

 消されては再燃するイタチごっこのような絵面を見てしまった俺は……流石にいたたまれなくなり、リオ会長のナマモノだけは諦めることにしたのであった*3

 

*1
ドラゴンクエストⅥに登場する中ボス。通常と本気モードで、2連戦することになる。

*2
ブルアカ世界におけるムドーのこと。「ドラゴンテストⅥ」の中ボス。

*3
なお、キャラの見た目だけを変えてシチュエーションはそのまま形にして出したらしい。ホントギリギリのところをイく変態である





Tip!
リオの風評だが、合理的に情報を正して「性的写真が理由で会長を辞した」という噂話を訂正するハッカーが現れたらしい!でも、そのハッカーも一人しかいないのか、数多く流れる根も葉もない噂の量には勝てず、SNSの海に流されて行っちゃったそうな!



おまけ・リオのナマモノ

先 生「流石にリオが可哀想だからボツ」
スバル「う~~む、分かってはいましたケド、まぁそうですよね。ですので、オリジナルのヒロインを使用する事にします」
先 生「そうしてね。……ホントは、君がエッチな本を描くのも止めないといけないんだけど…」
スバル「そうは言っても、好きでしょう?俺の描くシチュ」
先 生「大好きです!」
スバル「ですよね☆」


あとがき
スバルを説教するユウカの顔についてですが、グーグル先生に「鬼麿 テオザケル」と聞きましょう♨

好きなメイドは

  • 大きくて人懐っこいメイド
  • 褐色で常識的なメイド
  • 上品で眼鏡っ娘なメイド
  • 小さくてヤンキーなメイド
  • 寡黙で不思議ちゃんなメイド
  • 肉食系な元お嬢様メイド
  • その他のメイド(ご意見を!)
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