HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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 劇場版の敵って、盛大に登場する割には尺の都合であっさりやられたりしますよね?
 つまりそういうことです。



劇場版に出てきそうな敵

 ヴァルキューレの第3分校に先生が囚われている事を知った俺達は、カンナを先頭に、カイザーの部隊を轢き倒しながら進んでいく。

 やがて目的地にたどり着くと、カンナは俺達を止め、こう言った。

 

「ここまでで大丈夫だ。先生の救出は私がやる。お前達はここでカイザーの足止めをして貰いたい」

 

「いいのか?」

 

「これは私の責任だと言ったハズだ」

 

 カンナに譲る気配はない。

 ならば、俺も異存はない。言う通りカイザーの後詰め部隊を粉砕してくれよう。

 

「聞いたな?」

 

「えぇ。わたくし達はカイザーの殲滅…ですわよね?」

 

「ほどほどにお願いしますよ?」

 

「セリナ先輩は下がっててください。回復役が落ちたら最悪詰むかもしれません」

 

 これからやって来るのは、カイザーの部隊。

 先生を監禁して世界征服を企んでるんだ、取り返しに来ている俺らには本腰入れてくるだろう。

 だが、それは俺らにとっては好都合。先生の…これからの生徒達の未来の為に。

 ここで潰れても構わんだろう? カイザーコーポレーション。

 

 

 

 

 

 

「ここで会ったが百年目!!」

 

 ヴァルキューレ分校を守るように散開し、やってきたカイザー兵をブチのめして回っていると、カイザー部隊側から声をかけられた。

 何かと思ってそっちを見る。次の瞬間、両手両足に何かが飛んでくるのが見えた。

 即座に破壊しようとして、拳を振るい……なんと、破壊が出来ずに巻き付いたではないか。

 

「!!?」

 

 破壊出来ない何か…足まで封じられるのはマズいと思い、足に飛んできたものは跳んでかわしたが……両腕に、何かを食らってしまった。よく見てみると、それは手錠のような形状をした何かだった。

 

「引っかかったわね、間島スバル!」

 

「相変わらず、愚かですこと!」

 

 突如聞こえてきた、勝ち誇っている様子の、聞き覚えのない声色。

 誰だと思い顔を向けると、機械兵の群れから縫うように出てきたのは、銃撃戦用の武装に身を包んだ生身の人間の女たちであった。

 誰だコイツ等。ヘイローがあるからキヴォトス人っぽいんだけど、ヘイローに特徴が一切ない。

 

「こんなところでカイザーに歯向かって何の御用なのでしょう?」

「まぁ何でもよろしいわ。こんな愚か者の考えなど理解する必要もないでしょう」

「いい気味ですこと! ずっと、こんな姿が見たかったのですわ!」

 

 しかも、出てきた女戦士3人は、揃いも揃ってお嬢様言葉で俺にヘイトを向けてくる。

 マジで誰だ? こんなキャラ、『ブルアカ』には絶対いなかったと思うが…

 

「1年前のお返し、たっぷりとさせて頂きますわよ…利子をつけてねッ!」

 

「1年前…?」

 

「あなたが、私達の顔に泥を塗った事よッ!」

 

「あの一件のせいで、どれだけ身内で恥をかいたかッ!」

 

「こうしてカイザーPMCの下っ端になったのも、全てはお前のせいだッ!!」

 

 あーー……1年前。

 そう言われて思い出した。

 

 アレはトリニティ入学前。

 入学試験前に不良共に頻繁に襲われた時期があった。あの頃は修行も大詰めだったし強くなってたから難なく勝てたんだけどな。で、その不良共に話を聞いた時に、トリニティのお嬢様にはした金(不良たちにとっては大金だったんだろうが)で雇われたとか。

 そん時、不良を畳むだけではなく、元凶の雇い主トリカスをシバいたり、不正のありさまをクロノスに匿名投稿したことがあったんだったな。

 言われるまですっかり忘れてたが、言われてみれば、確かにコイツ等は俺がブチのめしたり、クロノスに垂れ込んだ結果失脚したりしたトリカスの皆さんだ。

 

「お前の首を持ち帰れば、わたくしを見下していた一族を見返せる!」

 

「ちょっと! 手柄の独り占めは卑しいですわよ!!」

 

「そうです! 私がトリニティに復学する功績まで取らないでくださいまし!!」

 

「もちろん、分け前は山分けですわ。でもまずは…コイツを、這いつくばらせてから!!」

 

 コイツ等が俺を嵌めようとした結果しっぺ返しを食らったその後の事は一切知らないが、まるで自身の不遇な境遇がすべて俺のせいであるかのような言い方をし、再び俺に手錠みたいな何かを投げようとしてくる。

 俺は、その攻撃を躱そうとして―――

 

「おっと。そこから動かない事です」

 

 ―――トリカスの1人、後ろにいるヤツが持っているものを見て、固まってしまった。

 …それは、『ピンクアーカイブ』とオイルライターであった。卑劣なヤツ…ッ!!?

 

「な…やべっ…!」

 

「捕らえましたわ!」

 

 なんと、足にまで手錠が。

 これで、両手両足を封じられてしまった。

 引きちぎる事は………できそうだが、それをしたら真っ先に俺達の本に火をつけられる…!

 

「こうしてしまえば、間島スバルとて大したことありませんね!」

 

「ふふふ……このような低俗な紙束だけで止まるとは、なんと愚かなのでしょう?」

 

「さぁ、やっておしまいなさい!」

 

 トリカスの1人が号令すると、一瞬、周りのカイザーの兵たちが顔を見合わせる。

 だが、それも束の間、俺に向かって一斉掃射を開始した。

 

 

「お姉様ぁ!!?」

「スバルさんッ!」

「スバルっ!!」

 

 けたたましい銃声の中、仲間たちの声が聞こえる。

 俺の方は正直、痛くはない。この程度、身体が変色しない程度の『覇気』ですべて防げる。

 だが、他の皆は違う。俺に気を取られるんじゃあない!

 

「躊躇うな! 目の前の敵に集中しろ!!」

 

「「「なっ!!?」」」

 

「ふふ…変態らしからず健気ですこと。しかし…それも無駄ですわよ!!」

 

 そう言ってトリカスさんが出したのは……ロケットランチャー!!?

 こいつ…俺を撃っているカイザーPMCの味方も巻き添えにする気か!?

 

「食らいなさいッ!!」

 

 俺が制止する間もなく、そいつはロケランの引き金を引き………あっという間に目の前が爆発の光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 爆発に覆われ、カイザーのモブ機械兵が吹き飛び……しかし、俺はまだ五体満足。

 そうなれば、トリカス共は俺に直接攻撃を加えたがるというものであって。

 

「無駄にしぶといんだよ!」

 

「さっさと死になさい!!」

 

「あぁ……お姉様…!」

 

「くっ…今はスバルさんを信じるしかないッスよセラ!!」

 

 両手両足を縛られ地面に転がされた上で、トリカス共の殴る蹴る撃つの暴行を受けるがままになっている。

 その間、考えていた事は……コイツ等の身の上の推理だ。

 

「お前さえ…お前さえ、トリニティに入ってこなければ! お前さえ、いなければ!! 私は、あそこを卒業できたのに!!!」

 

「ティーパーティーのエリートであるはずのわたくしが、カイザーで傭兵をするしかなくなった屈辱!!

 あまつさえ、母校を変態の巣窟にして……絶対に許しませんわ!!」

 

「常に人を見下し続けるその傲慢さ! 命を以て償いなさい!!」

 

 幸い、身の上はコイツ等の方から勝手にポロポロ言ってくれるため、俺の経験と合わせて予想を組み立てていく。

 どうやら、俺の入学試験の妨害騒動の後……コイツ等はトリニティから退学処分を受け(つまみ出され)たらしい。

 確かに、返り討ちにしたのは俺だが………それは、彼女らが俺に何もしなければ俺の方も降りかかる火の粉を払うこともしなかっただけのこと。

 その責任を俺に転嫁するとは…烏滸がましいことこの上ない。いま俺のことを「人を見下さないと気が済まないのか」とか言って蹴りつけてきた彼女は、自分が人を見下している自覚はあるのだろうか。

 

 決めたぜ。コイツ等は……先生の元で更生させてヤる。絶対だ。

 だから、今は…全員ブッ飛ばさないといけない。

 

 

 

 

「なぁ……さっきっから黙って聞いていたが…」

 

「!! コイツ、まだ喋れるのか!」

 

お前らに好きなものはないのか?

 

「「「は…?」」」

 

 何を言われているのか理解できなかったのか、固まるトリカス達。

 俺は、その問いかけの真意を事細かに説明することにする。

 

「そもそもお前らから手を出してきたんだろうが。

 人の受験妨害しちゃいけないのは当然だろ。お嬢様学校にいたのに、知らなかったのか?」

 

「な…」

 

「そんで? お前らの言葉をいくつか聞かせて貰ったが、お前らの嫌いなモノしか分かりやしねぇ。まさか、無いのか? 好きなものが。

 好きなものもない、探そうともしない。気に食わないモノばっかりに噛みついて、底辺にまで堕ちてよ。

 嫌いなモンを駆逐することに時間を費やす………そんな人生、生きてて楽しいのか?」

 

「こ……この…」

 

 楽しいだけが人生じゃない。

 でも、苦しい・嫌な事だけが人生でもない。

 それは、アリウスの一件で証明したことだ。ましてや、幸せになるのに資格など必要ない。

 諸々条件とかはあるが………だが、コイツらのソレはそうは見えなかった。

 自分から嫌なモノに近付いて、そして不快な思いをし、責任転嫁をしながら攻撃をする………そんな馬鹿な生き方にしか見えなかったのだ。

 

「好きでも必要でもないことを嫌々やる事程無益なもんはないぜ?」

 

「だ……っ、黙れッ!! 角付きにも劣る、トリニティの面汚しの分際でぇッ!!!!」

 

「面汚し、ねぇ……」

 

 どっちが面汚しなんだか。

 片や説明不要の大変態、片や下級生への陰湿な悪事が原因で学園から追い出された傭兵崩れだ。まぁ俺が判断する事でもないからそこは別にいいけど。

 

「偉そうな態度を取れる立場だと思っているのッ!

 こちらには…人質がありますのよ!!」

 

 そう言って『ピンクアーカイブ』とオイルライターを見せびらかすトリカス3号。

 人質があるから手を出せないと思っているが……それは違うぞ。

 イヤ、違くはないのだが、こいつは人質の価値を全く分かっていない。

 人質とは………即座に奪い返される状況下では、何の意味もないのだから。

 

「思っているとも」

 

「動くなと言っているでしょう!!」

 

 俺が縛られた両足に力を込めても、威嚇するように怒鳴るだけで、本に火をつけるどころか、オイルライターを点火しようともしない。

 甘ったれ(マンモーニ)め。いや、女子だからマンモーナ、だったっけ? 「ブッ殺す」って言ってるだけじゃ意味ないんだよ。

 

「本を燃―――」

 

 膝のバネを使い、トリカス3号へジャンプ!

 そして、手錠で縛られている両手を、そのまま頭へ振り下ろす!

 

「ガッ―――!!!?」

 

「な…!?」

 

 手錠の残骸と、少量の血が飛び散る。

 倒れるトリカス3号から、『ピンクアーカイブ』を取り返し、懐にしまい込んだ。

 ……良し。今の一撃で、両手の錠は破壊できたようだな。

 

「ば、バカな! あり得ないッ!!」

 

「あの手錠は…チタン合金の特別製のハズなのに!!!?」

 

 両手が自由になって、続けざまにタンブリング……体操選手の床技のように移動し、隙だらけのトリカス2号さんの腹にドロップキックをお見舞いした。

 

「ぐあああああああああああああああああああああああッ!!?」

 

「そんな…鎌瀬さん!?」

 

 鎌瀬と呼ばれたトリカス2号さんが吹き飛んでいき、電柱に突っ込んでいくのが見えたと同時に、くっついていた両足が自由になった感覚を手に入れた。

 これで、俺を縛っていた錠はもう存在しない…というワケだ。

 

「『ブッ殺すと心の中で思った時、既に行動は終わっている』………プロシュート兄貴から覚悟を学んで出直すんだな……」

 

「あ……ぁ……」

 

「お前で、最後だ」

 

「ヒィッ!!?」

 

「降伏しろ。シャーレが復活すれば先生が温情をくれるだろうぜ」

 

 俺はもう自由になった。仲間ももういない。

 その状況でこう言えば、コイツも流石に心が折れるだろう。

 元より俺は、この人を殺す気はない。トリニティからつまみ出された不良なら尚更だ。先生だったら、間違いなく慈悲を与えそうだ。反省しないと意味なさそうだが。

 しかし、このトリカス1号さんは予想に反した。どうやら、俺に屈するのが相当イヤらしい。

 

「だ…誰が、貴様なんかに……降伏など―――」

 

「あっそ。じゃあ死ね」

 

 

 拳を構える。

 右手に、オーラが集まっていく。

 それは……傭兵の彼女にとっては、見たこともないほど膨大な量の神秘と覇気だった。

 

「な……何を言ってますの…?

 ほ…本気で…? 本気でわたくしを、殺すと…?」

 

「俺は降伏したヤツに攻撃するような死体蹴りはしない。だが立ち向かってくるなら話は別だ」

 

 拳にまとまった、炎のようなオーラが集い、閃光弾のような光を放つ。

 それを丹田に溜めるスバルを見て、傭兵は察した。

 

 ―――アレを受けたら、間違いなく死ぬ!!!

 

「あ…ありえない……ハッタリに決まっていますわ…!」

 

最初は…グー

 

「ひ…人殺しですわよ!

 人殺しが……キヴォトスで生きていけると―――」

 

ジャーン!!

 

「ヒィッ! ま、待って!待って!!」

 

ケーン―――

 

 説得をするも、聞く耳を持たないスバル。

 彼女がやろうとしていることと、その影響。法があるからと言っても、止まる気配が見えない。

 最初は自分を脅かすだけだと思い込んでいたが、スバルの気迫が本当に殺す気だと、彼女に思い込ませた。

 恐怖で、頭が回らない。動く事も出来ない。今にも殴りかかってきそうなスバルを前に。

 ただただ、本能のままに叫んだ。

 

 

グゥゥゥーーーーーーーーッッ!!!!!!

 

まいった!まいったああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――叫んだ元トリニティ生の傭兵の顔面は、吹き飛ばされていなかった。

 スバルの拳は、彼女を捉えることなく。彼女の顔面の前……鼻先1センチ前ギリギリで、止められていた。

 

 だが、彼女が喜ぶ事は無い。

 無様に白目を剥き、泡を吹きながら崩れ落ちるだけである。

 

「………ふぅ」

 

 スバルは己の言葉を守ったのだ。

 『降伏したヤツに攻撃する死体蹴りはしない』………トリニティ生の負の面として名高い、死体蹴りをしないと宣言し、そして『参った』と叫んだ傭兵の少女にトドメの一撃を加えなかったのだ。

 その行動が、スバルがトリニティに巣食っていた小さな闇を一つ、払った証左でもあった。

 

「『参った』って言うのが遅すぎるんだよ。間に合わなかったらどうする気だったんだ……」

 

 そんなことをぼやきながら、気絶したトリニティ生の応急処置に入る。

 勝負の決着のすさまじさは、周囲の全てに沈黙をもたらした。

 

「な…なんなんだよ、あの化け物は…!」

「勝てるワケがねぇ……逃げねぇと、殺される…!」

 

 先程までの数の暴力に任せた威勢はどこへやら。

 カイザーPMCの軍の中には、逃げ出す傭兵達も現れた。それを追う者は、誰もいなかった。

 そして、その沈黙は、カンナが先生を連れだしてくるまで続いた。

 

 




Tip!
このジャジャン拳の暴風と威圧は、原作で救援に来るキリノとフブキも目撃しているぞ!ちなみに、分校内に入ったカンナと捕まっていた先生は全く把握してなかったらしく、「外がやけに静かだな」程度にしか思っていなかったそうだ!
キリノ「局長さえ手を焼く敵かと思ったら、凄まじい味方でした。あの人をどうやって味方にしたのでしょう?」
フブキ「私いらなかったじゃん……せっかくのサボりがぁ~」



おまけ・プレアデス性団って犯罪者なの?

カンナ「……………公序良俗に反する創作物は作っていますが……指名手配犯ではありません。肖像権の侵害なども申告制なので。ただ、間島スバルだけは以前ヴァルキューレ相手にトンでもないことをしでかしまして……一時期指名手配も本気で検討したレベルです」
先 生「なにをしたのさスバル…」
スバル「ヴァルキューレに贈賄してた企業を一つブッ潰した。カイザーの下っ端の手先みたいなモンだったけど」
カンナ「いつか逮捕してやるぞこの野郎」
スバル「イヤ!俺は降りかかった火の粉を払っただけで…!」
先 生「どうしたら火の粉を振り払っただけで企業が一つ潰れるの…?」

先生ストーカー倶楽部の名誉会長は?

  • ワープ魔法使い・セリナ
  • NOZOKI魔・ノドカ
  • 盗聴の鬼・コタマ
  • ん、先生を襲う・シロコ
  • 災厄の狐・ワカモ
  • 主殿の忍び・イズナ
  • その他(意見のコメントを!)
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