HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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今回のお話はアンケート結果を元に作っております。
アンケートの選択肢は、大体の構想を書いておりますので、今回選ばれなかったやつもいずれ書きます。多分。




キツネ、襲来

「お前を…殺すよ? ここで……今…!!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!! ちょちょ、ちょ、ちょっと待って下さいぃぃぃぃぃっ!!!!?」

 

 トリニティ自治区・某所。

 俺は、ある情報を受けて愚か者の天誅を行っていた。

 

 

 プリンスメロンの同人誌が、異常に高い値で取引されている。

 きっかけは、ハナコ先輩から耳にし、SNSやインターネットで調べた結果出てきたそんな情報だった。

 それを聞きつけた俺は、情報源のハナコ先輩や見回りでたまたま出会ったコハルやヒフミ、シスターフッドで慈善活動をしていたマリーを加えて捜査を始めた。

 ヒフミやコハル、マリーが奴の悪質さを理解していなかったが、俺が身近なグッズで例えて話をすれば、たちまち捜査に協力してくれるようになった。

 やがて見つけたそいつの根城にカチコミをかけ、見張りらしかったヘルメット女を1秒でブッ飛ばし、ソイツの部屋に殴り込んだワケだ。

 

『な、なんだお前は! ここを私の部屋だと知っての…』

 

『ドーモ、ハジメマシテ。プリンスメロンです』

 

『なっ!? ぷ、プリンスメロンって、まさか……』

 

『あぁ……てめぇが買って……そして阿漕な値で売りさばいた本の作者様だよ…転売ヤー=サン!!!』

 

 そして抵抗してきた転売ヤーを秒でボコって、縄で縛って今に至る。

 初めて存在が発覚した時、前世だけに飽き足らず、このキヴォトスにもいやがるのかと思った。

 グッズを求める者から金を搾り取ることしか考えず、コンテンツの寿命や経済への悪影響を一切顧みない、存在してはならない生き物。それこそが転売ヤーだ。

 

 それだけなら、まだ俺はこの転売ヤーをアホほどブチ転がすだけで済ませていただろう。

 だがコイツは―――よりにもよって、俺の前で愚かの最骨頂の如き発言をしでかしたのだ。

 

『わ…私は悪くないッ! 私はただ、お前の本を広めてやっただけだ!

 お前のところにも金が入ってくるからいいだろうがッ! 人気もある!有名税ってやつだ!』

 

『そんなに私のやってる事が気に食わないんなら…エロじゃない本でも描いてろよッ!!』

 

 あぁ、もうこいつは死刑……否、死刑以上の極刑確定だ。

 転売ヤー 撲滅すべし 慈悲は無い。間島スバル・心の俳句。

 

 

 ―――そして、冒頭に至る。

 俺が覇王色の覇気に目覚めてないで良かったな。目覚めていたら、即こんなカスは気絶していた所だ。まぁ、それが出来ない時点で地獄かもしれないがな!

 

「この間島スバルにとって、金や名声なんてどーでもいいッ!重要なのは『読んでもらう事』ッ!!!

 お前は……健全な読者から、読む機会を奪った! 常識的にありえねぇ値段まで釣りあげて……!!」

 

 拳を振り上げ、そのまま転売ヤー………の顔スレスレの壁に叩き込む。

 粉々になったコンクリートが、パラパラとそいつの方に降りかかった。

 

「本を広める? 俺に金が入ってくる? 有名税?

 そんなもん、全部貴様の『金が欲しい』建前だろうがッ!!」

 

「ヒィィィィィっ!?!?」

 

 こうして凄んでも尚、「どうやったら逃げられるか」「なんとかして助かりたい」などと自分勝手な欲望が見え見えなあたり、コイツは救えないヤツだ。

 バレてないと思っているのか? その程度の思考、『見聞色の覇気』で余裕で筒抜けだわ。

 ……と、そこで通信が入ってくる。

 

『スバルちゃん、証拠を押さえ終わりました』

 

「お、ハナコ先輩。丁度良かった。こっちは転売ヤーのカスをひっとらえて尋問を終えたタイミングだったんですよ」

 

『データは後で正義実行委員会にでも送れば大丈夫です。証拠だけでも有罪いけますよ♡』

 

「つまりコイツはもう用済みだという事ですね?」

 

 話はまとまった。

 転売ヤー、さっきも言ったがお前は存在してはいけない生き物だ。

 有罪? 何を当たり前のことを言っているんだか。

 コイツには―――死すら生ぬるい!

 考えることさえ出来ぬようにしてくれるわ。

 

「ハァァァァ……!」

 

「え…? ちょ、待って……何をする気よ…!?」

 

「この間島スバル最大の……天誅用必殺技を! 今から君に見せてやるぞ!!!」

 

「す、スバル! ダメ!!!」

「スバルさん! いくら何でも殺すのはやりすぎです!!」

 

 コハルとマリーが声を荒げて止めようとする。

 だが、二人がひっついた程度で俺を止められると思ったら大間違いだ。何なら、このまま技を撃っても、二人には影響が及ばず転売ヤーだけ制裁できるまである。

 

「コハル、マリー、大丈夫だ。「殺す」ってのはただの言葉の綾だ…」

 

「「え?」」

 

「この拳では命は奪わん。命()な……!

 転売ヤー…未来永劫、人の引き継ぐ叡智に別れを告げるがいい!!」

 

「ひっ……嫌…」

 

『擬・天舞宝輪』!!!

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

 部屋全体に仏教寺院じみた絵柄や、蓮華の花が現れ、拳が転売ヤーの顎を直撃した。

 

 天舞宝輪とは、元々は乙女座の聖闘士(セイント)が使っていた奥義である。

 本来の効果は、敵を小宇宙(コスモ)で生成した異空間に引きずり込んで、五感をひとつずつ奪っていくというトンデモなく恐ろしい効果であったが、いくら俺が修行しまくった後とて、そんな芸当の再現までは不可能だった。せいぜいが、仏教デザインを相手に見せる事くらい。

 

 おそらくこれは、俺のエロへの信仰と、それを侮辱された怒り・悲しみ、そしてエロを広めるために立ちはだかる悪を倒さんとする純然たる正義の意志が反映されたものだろうが………この状態で相手を殴った時、ソイツに不思議な異変をもたらしたのだ。

 それは、明らかに異常といえるレベルでの知能の低下。

 いつだったか、俺の本を勝手に漁って燃やした上に燃えカスをゴミに捨てた愚か者に放った時に判明したことだ。ソイツは制裁前、そこそこいい点を取るマジモンのエリートだった筈なのに、技を食らった後では、テストで1ケタの点すら取れなくなり、会話もマトモに通用しなくなった。要するに、アホになってしまったのだ。

 俺は、コレを使えないかと技に組み込んで、必殺技にまで昇華させた。

 

 ビジュアルこそ似ているものの、効果は全くと言っていい程別物。

 でもこれは、オリジナルなくして生まれなかった秘技。

 だから俺は、これをこう名付けたのだ。

 『擬・天舞宝輪』と。

 

 

 

 

 転売ヤーを成敗し、無力化してからコハルに引き渡す。

 コハルは、『擬・天舞宝輪』を食らった転売ヤーのあまりの変化に狼狽していたが、報告と連行はちゃんとやってくれるらしく、先輩たちと甲斐甲斐しく連絡を取っていた。

 

「スバル、あんた……この人、どれくらいで治るとかあるの?」

 

「うーむ、あまり数打ってないから詳細は分からないが……少なくとも、向こう2週間はアホのままだろう」

 

「2週間ですか…長いですね…」

 

「少なくとも、最後に打った奴はそれくらいだった」

 

 しばらく転売ヤーからまともな取り調べ出来ないだろうけど頑張ってくれ。

 今のそいつ「1+1は?」って聞いたら「みそスープ」って答える位のアホだけども。

 そうして連絡を終えたコハルやマリー、ハナコ先輩とも別れ、後は寮で漫画の続きを描くだけとなった。

 陽も沈みつつあるし、さっさと帰っちゃおう。

 

「いや~、良い事をした後は気分が良いぜ♪」

 

 足取りも非常に軽い。

 おろしたてのパンツを履いた正月元旦の朝のような気分とはこのことか。

 本当に良い気分だ―――

 

 

 ―――ドガァァァン!!!

 

 

「!!?」

 

 目の前で大爆発が起こる。

 もうもうと黒煙があがり、人々が悲鳴をあげながら蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

 その爆発の中心部から、人の姿のシルエットが浮かび上がる。

 黒地の和服に、ツンと立った赤と黒の狐耳。そして、極めつけに狐の仮面。

 俺は、その人物にあてはまるヤツを1人しか知らない……!

 

狐坂(こさか)ワカモ……!?」

 

 七囚人の一人にして、最強格の生徒の一人。

 個人の戦闘力はもちろんのこと、チンピラを率いてシャーレに突撃できる程指揮官や参謀の適正にも優れた、元?百鬼夜行の生徒。

 性格はヤンデレ…に近いようなかなり重いものだ。先生以外には制御できない、ある意味危険な生徒ではある。

 

「貴女が……『プリンスメロン』……間島スバル、ですね?」

 

「!」

 

 彼女の、まどかが好きすぎて悪魔になったほむらみたいな声が告げた言葉に、背筋が粟立ち、全身が固まる。

 コイツ…俺の正体を……プリンスメロン=間島スバルという事実を知っている?

 別に隠していたワケじゃないとはいえ、積極的に調べなきゃ出てこないことだぞ。なぜ調べたんだ?

 

「………確かに間島スバルは俺のことだが―――」

 

「疾ッ!」

 

「!!?」

 

 俺の答えを聞いた瞬間、銃声が鳴った。

 その手に持った三十八式歩兵銃みたいなショットガンで、ぶっ放してきたのだ!

 即『武装色』で全身を守ったから事なきを得たものの……こんな街中で、躊躇ってモンがねーのか!?

 

「おいおい、随分なご挨拶だなっ…!」

 

「ふふふ……」

 

 不気味な笑みを仮面の奥から零しながら、変わらず銃をぶっ放してくる。そこに会話する意思を感じられない。

 くそ、前世でシャーレにお迎えした時はここまで可愛げない子じゃなかったぞ!?

 やっぱり俺が先生だった頃とそうじゃない時の違いだってのか!?

 

「はっ!」

 

「温い」

 

「うおっ!?」

 

 コルトアナコンダで反撃するも、弾は当たらず、むしろヤツに隙を晒す結果となった。

 正面から弾丸を警戒していると、足元に転がる何かがふと目についた。

 

「―――ッ!!!(手榴弾!!)」

 

 反射的に近くの建物内に逃げ込み、爆発から逃れる。

 さて、どうやって反撃するかと思ったところで、また手榴弾が投げ込まれ、更に奥への逃走を強いられる。そこで駄目押しとばかりに手榴弾で挟み撃ちにされる。

 かわし切れないと思って『擬・武装色の覇気』『擬・六式・鉄塊』を始めとした防御で耐える準備をしていたが、襲ってきたのは火薬による衝撃と熱ではなかった。

 

「…爆発物、じゃない……?」

 

 拍子抜けの爆弾モドキが何だったのかは知らないが、即座に銃声が聞こえてその方向に戦闘態勢を構える。

 ワカモは自分と先生以外の存在は邪魔な害虫程度にしか思っていない。

 だが思い知らせてやろう。今回相手にした女は、虫どころか、お前如きが叶う生き物ではない(ミラボレアス級の生命体である)ことを!

 心を研ぎ澄ませ、精神を落ち着かせろ。そうすれば、ワカモが次にどう襲ってくるかは絶対に見えてくる。

 深呼吸して、俺の気を同心球状に広げていって………次に襲ってくる方向は……

 

 

 ガシャァァァン!!

 

 ―――真上!

 

『擬・破壊殺空式』!!」

 

「――ッ!!?」

 

 屋根が壊れ、襲い掛かってきたタイミングのワカモに食らわせたのは、空を裂き質量を持って飛んでいく拳。

 攻めよりも守りや迎撃に長けた拳法から放たれた対空攻撃は、空中で身動きの取れなかったワカモにヒットして……距離の離れた廊下に優雅に着地する。手ごたえがあったのに、まるで効いていませんと言っているかのような優雅な着地だ。

 タフなやつめ。こちとら、転売ヤーをブッ飛ばして気分良いから、早く新作が描きたかったのによ。ホントについてないぜ。

 いくらキヴォトスに来る前からの知り合い(前世で見事当てた生徒)だからって、これ以上は手加減しないぞ。

 

「悪いなワカモ。俺は今、お前に構っているヒマはない! 『擬・界王拳』!」

 

……私など眼中に無いという訳ですか…!

 

 ? 今ワカモがなにか呟いたが、聞き取れなかった。

 まぁいい。このまま押し切ってやろうと構えたその時だ。

 

「…!」

 

 『擬・見聞色の覇気』が危機を警告。俺が飛びのくと同時に、建物の柱がいくつか爆発した。

 やがて、ズズズズと不吉な音と同時に建物内の空気全体が揺れている気がする。

 この建物を崩す気か……そう思って入り口へ逃走を図るが、その時全身に弾丸が着弾した。

 

「なッ!!? 馬鹿な、『見聞色』にはなんの反応も無かったってのに!」

 

 『見聞色の覇気』は、攻撃する時の「意志」に反応して検知されるものだ。

 普通に「攻撃しよう」と思って攻撃すれば、必ずと言っていい程覇気に引っかかる。

 それなのに、今の弾丸は何故反応しなかったのか……?

 足を止め、集中して良くない目を凝らす。

 

 再び弾丸が飛んでくる。

 今度はソレを『武装色』で防いだ。そして、その時に見えた弾丸のルートから、さっき『見聞色』が反応しなかった理由を察した。

 

「そうか…()()! だから反応しなかったのか!!」

 

 高速で跳び回る弾丸は、時に壁や床、天井にぶつかった際に急に弾道を変えることがある。それが跳弾だ。

 狙って跳弾を当てるのは難しい。陽が沈みかかっていて、暗くなっている今なら尚更だ。 

 そこまで考えて、俺は自らの異変に気が付いた。

 

「ん……体が光っ……!! 蛍光塗料!?」

 

 そんなモン一体いつ塗られた!?

 ワカモの攻撃は注意を払っていた。さっきの跳弾以外、ほぼ何も受けていない。

 そうしてワカモに襲われてから今までを振り返って………思い出した。爆発したかと思ったら、威力がほぼなかった手榴弾のことを。

 あれは……ただの爆弾じゃなくて、蛍光塗料をターゲットに振りかける為の爆弾だったのか!!

 

「チッ……! また跳弾が…!」

 

 跳ねながら襲ってくる銃弾を再び弾く。

 くそ、『見聞色』に反応しないから、常に後ろを注意しながら建物から脱出するしかない。

 だがそれだと足止めを確実にされてしまう。

 というか、この手を使ったワカモは建物崩壊に巻き込まれないのか? 思いきりの良すぎる事だ。

 まずいな、このままだと脱出が間に合わない。崩壊に巻き込まれる―――

 

 そこまで考えた時、瓦礫が頭上から降ってきたのである。

 スローモーションでコンクリの塊たちが迫る中、俺の考えた事とは―――

 

 

 

 

 なに?自分の性癖に合う本が見つからない?

 それはねスバル、無理矢理見つけようとするからだよ。

 逆に考えるんだ。“自分で作っちゃえばいいさ”と……!

 

 

 

 

 そうだ。俺はそうやって、いつもエロ本を描いてきたじゃあないか!

 自分のドンピシャな性癖を、自分の手で創造する! エロを探すだけじゃなくて作り出す!

 例え絵がヘタクソでも、文章が目も当てられないくらい終わっていても。

 

 今だってそうだ。建物から「脱出する」ことばかり考えていた。

 でもそうじゃあない。逆に考えるんだ。

 脱出はしない。ならばどうやって切り抜けるか?………そんなものは決まっている。

 

『擬・DETROIT SMASH(デトロイト・スマッシュ)ッッッッッ!!!!」

 

 ―――切り抜けるのではなく、()()()()()()()!!

 界王拳の上乗せされた拳は、降り注いできた瓦礫を一瞬で粉々にし、崩れかかった天井や壁さえも完全に破壊した。

 その結果、俺の頭上からは瓦礫どころか小石一個降ることなく、真上には星空が見え始めていた。

 

「……さて、そろそろ俺に襲い掛かってきた理由を話して貰おうか」

 

 どういうワケか、建物の崩壊から無傷で逃れていたワカモにそれを聞いてみる。

 ほぼダメ元での問いだったが、意外な事に答えてくれた。敵意丸出しで。

 

「…貴方の艶本の男性役のモデル、ほぼあのお方で描いていますわよね?」

 

「あ………お、おう」

 

 ヤベェ。もう何故怒ったのかが想像できたわ。

 

「つまり貴女は、恐れ多くもあのお方の一糸纏わぬ姿を見たことに他ならないという事。

 あのお方に全てを捧げた者として、絶対に看過できぬ暴挙です!」

 

 デスヨネー。

 さて、どうしよう?

 このままワカモを倒すまで戦う選択肢は……面倒くさい上に俺もタダで済むか分からないから取りたくない。

 

 でもどうやって説得しようか?

 そもそも彼女、説得とか絶対に通じなさそうなんだよなぁ。

 先生の裸なんか見ちゃいない。竿役の竿など、ネットを漁ればいくらでも簡単に見つかるぞ。ソレ見て描いたの。

 そう言っても信じて貰える気がしない。

 先生の言葉なら信じてくれなくもないかもしれないが、信じたら信じたで「この痴れ者は先生(あなた様)に隠れてNOZOKIをしたに違いありません!」などと甚だしい言いがかりをつけてくるだろう。ワカモなら絶対そうする。

 

 と、なると説得はナシだ。戦闘は避けたいし、逃走も後が絶対めんどくさくなる。

 八方塞がりか……………イヤ、待て。今良い手を思いついた。

 

「仮にそうだったとして…それに何の意味がある?」

 

「何ですって?」

 

「先生の先生(ティンティン!)を視界に入れた程度ではアドバンテージにすらならない、と言っているんだ。重要なのはその先…先生と■■■(ピッ――)したかどうか、じゃねーか?」

 

「……直球すぎませんこと? 表現が…」

 

「もう陽は沈んでるから問題ない」

 

 残念ながら問題大アリである。

 それを知ってか知らずか、スバルは言葉を並べていく。

 

「俺はな、先生とはスケッチ対象でさえあればそれでいい。それ以上の関係になる事などないし、仮になったとしても、1番2番3番など簡単に譲るだろう」

 

「言わせておけば……!!」

 

「おっと、続ける気か? 今夜あたり、誰かが先生にアタックするかもしれないぞ?

 ミレニアムの太もも会計とか、ゲヘナの風紀委員長とか、我がシスターとか」

 

「そのような詭弁に騙されるとでも思って?」

 

「詭弁だと思うならば好きにするが良い。その結果、2番手に甘んじる結果になっても、まぁ致し方ないで済ませられればな」

 

 説得するどころか、先生への恋のライバル(?)の出現を予見し、ワカモを煽るスバル。

 キヴォトスで唯一ワカモを優しく接した人物が先生ならば、キヴォトスで唯一ワカモを煽ったのは間島スバルだ。

 真紅の災厄(短剣付き三八式小銃)を突きつけたワカモは、しばらく仮面越しの瞳でスバルを伺っていたが、スバルに全く動きが無いことを読み取ると、銃を下ろしてため息をついた。

 

「………今回ばかりは、その扇動に乗っかって差し上げましょう。

 ですが覚えておきなさい。あの方に…先生に直接手を出したその日が、貴方の命日であることを」

 

 そう言って、ワカモは夜の街並みの闇に紛れて消えていった。

 ワカモの姿が完全に見えなくなったことを確認してから、俺は息を吐いた。

 

「あー、危なかった」

 

 色んな意味で。いくら七囚人とはいえ、先生にベタ惚れなのは間違いないから、後で怒られるワケにもいかなかったんだよね。

 でもまぁ、ワカモにはちょっとだけ悪いことしたかな。先生竿役にしてエロ本描いてたんだし。本人気付いてねーけど。

 

「……次のヒロイン、ワカモモデルにすっか」

 

 でもまぁ、この日の経験もエロ本のネタになったっちゃあなったから、結果オーライだ。

 

 それから数週間後、『プリンスメロン』が新作を発表する。幼馴染というシチュエーションをシリーズ化した「幼馴染シリーズ」の最新作は、大正日本を舞台にした、人間の男子学生と半妖の狐娘の幼馴染の恋愛浪漫物語であったという。

 





Tip!
この後、ワカモはめちゃくちゃ先生に甘えに行ったぞ!寝泊まりは、シャーレの屋根裏でしたそうだ!



おまけ・スバルの描いた「幼馴染シリーズ」
①俺の優雅な幼馴染
 大人気のアダルト漫画家「プリンスメロン」先生の幻の処女作!
 主人公と幼馴染の純粋な恋模様から夜の生活まで描いたちょっぴり過激なラブストーリー。
 シリーズが凍結された為、コレクターの間では地味に値が張るという。
 ヒロインがほぼユウカに似ている。

②Marry me!
 大人気アダルト漫画家「プリンスメロン」先生の幼馴染シリーズ第2弾!
 仕事に真摯な姿と夜の恋人の幼馴染に甘える姿のギャップに刮目せよ!
 ヒロインがどことなくマリーに似ている。

③アリシアの攻略ルート
 大人気アダルト漫画家「プリンスメロン」先生の幼馴染シリーズ第3弾!
 ゲームオタクな彼女が、ある日主人公のベッドの下から本を見つけて………やがて、何も知らない彼女に手取り足取り子作りレッスン!
 ヒロインがどことなくアリスに似ている。

④大正浪漫純愛譚
 アダルト漫画家「プリンスメロン」先生の幼馴染シリーズ第4弾は、大正日本が舞台!?
 人と半妖の、ハードルある愛の物語を、今その手で知ることになる。
 ヒロインがどことなくワカモに似ている。

読んでみたい『プリンスメロン』の本は?

  • 俺の優雅な幼馴染
  • JK華ちゃんの花散らし
  • Marry me!
  • JK華ちゃんのゴールデンウィーク
  • アリシアの攻略ルート
  • 砂漠の国のハーレム
  • JK華ちゃんと桜ちゃんの初体験
  • 大正浪漫純愛譚
  • ハーレムくのいちのエロエロ忍法帖
  • ヒフ×アズの勝利に脳破壊されるナギサ
  • 先生にヒフミを寝取られるナギサ
  • ミカ×先生超ラブラブもの
  • 黒服×先生
  • ベアトリーチェ輪○
  • エッチなのは駄目!懲役!死刑!
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