HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
そこ!「もうあいつ一人で良いんじゃないか」とか言わない!
「今、この時を以て…俺たちの勝ちが確定した―――!!!!」
そう言いながら出てきた時、先生やアビドスのみんなや、ノボリの表情が一段と光り輝いて見えた。諦めちゃいなかっただろうが……それでも、俺の生存を知って喜んでくれてるんだな。
「やっぱり……スバルは生きていた! シロコも、誰も手にかけちゃいなかった!」
先生が歓喜の声をあげる。
クロコが何をイッたのかはわかんないけど、俺を殺したとでも言ったのかな。
現にクロコにヘイロー破壊弾を撃ち込まれた時はマジで死んだと思ったし。
あの時、謎空間で起こった出来事については、今でもまだ分かっていない。
半分近く夢なのかなって思うし、これから分かる日が来るとは思っていない。
でも……ああいうのを、恐らく―――奇跡、というのだろう。
「くっ…!」
クロコがムキになったのか、俺に銃口を向けた。
ヘイロー破壊弾か、だが
「ふんっ!」
「!」
クロコは紙一重でかわし、髪の毛が数本、ぱらりと散った。それ以外はかすりもしていない。
だが。―――だが、それがいい。それでいい!!
クロコが引き金を引く。だが…………弾が出てくることは、ない。
「!!? な、何で…弾切れ……いや、そんなワケ」
「あるんだよ。なんせ俺がそう
“真実の上書き”……その力さえあれば、クロコの行動を後出しからでも完封できるのだ。
俺はたった今、クロコに対して「真実の上書き」を行った。
『シロコ*テラーはヘイロー破壊弾など持っていないし、作りだすことも出来ない』……これで、クロコはもう即死攻撃が出来なくなったハズ。
あの謎空間をやすやすと切り裂いてここに帰ってくることが出来たからなんとなく理解したつもりではいたが………この力やべーな。
「もうお前に、俺にブチ込んだような即死攻撃なんてチートはもう使えねぇ。こっからは正々堂々と勝負とイこうか」
「チート武器を持って言っていいことじゃありませんね♧」
うん、それはそう。
ノノミの至極全うな指摘を受け、もとよりそうするつもりだった俺は
「………何の真似?」
「ノノミに言われずとも、もうこれ以上アレを使う気はねぇってこった」
はっきり言って、
でもそれではダメなのだ。俺は知っている。目の前のクロコが、別世界で酷い目に遭ってきた砂狼シロコであることを。
仲間を喪い、絶望に落ち、無名の司祭どもにすべてを奪われた果ての存在であるということを。
目の前にいるのは、大切な友達や先輩、愛していた先生を偲ぶ……傷つき、疲れ果てた少女であることを。
「舐めるな―――!!」
「踏ん張れお前ら!
勝負は今! ここで決める!!」
「頼むよ、スバル!!」
「えぇ、防御は任せてください! 前に出るタイミングは言います!!!」
こうして、アビドス+ノボリ+俺VSクロコの、最終決戦が始まった。
⋆
「うわっ…また地形が!」
「し、市街地!?」
「すぐにデータを送るよ!」
唐突に変わる戦場。
先程まで砂漠だった土地が、がらんとした市街地になる。
急に変化した地形の対応に追われる中、クロコは攻撃を続けんとする。
一瞬、動きの止まったシロコとセリカにマガジンをぶっ放そうとする―――が。
「―――!? レーザービーム…!?」
「セリカ!」
「うん!」
頭部に襲ってきたレーザー……スバルが放った「擬・どどん波」を紙一重で躱したことで一瞬の隙を生み、シロコとセリカに銃撃をする暇を与えた。
「く……この!」
「「『剃』!!」」
このままでは済まさないと反撃するも、二人は六式「剃」を使い離脱していた。
目にもとまらぬ攻撃の回避に苛立たし気な声をあげたシロコ*テラーは、シロコ達の距離を詰めた。
「おぉっと!ノノミちゃん!ノボリちゃん!」
「「はい(ッス)!!」」
これにホシノとノノミ、ノボリが迎撃。
拡散するショットガンの弾と大規模な範囲のミニガンの乱射を、プレナパテスの援護で逸らす。
次の瞬間。三人の足の感覚に異変が起こった。
「冷たぁ!?」
「足場がッ……!!」
「う、海…!?」
足場が浅瀬に変わったことで、迎撃のために足を踏ん張っていたホシノとノノミ、ノボリは、バランスを崩した。
その隙を突いて、シロコ*テラーはショットガンを構えた。そのまま懐に潜り込み、ノノミに銃口を向けた。
「―――ッ!!?」
―――直後、シロコ*テラーの全身に衝撃が走る。
バランスを崩し、転がりながら離れていかざるを得ない。
そうして衝撃が来た方向を見れば……やはり、スバルが突き出した拳を前に出して、不敵な笑みを浮かべていた。
「こいつ…!」
「ん、
スバルを睨みつけた瞬間に、シロコ*テラーにシロコのミサイルが集中した。
痺れを切らしたシロコ*テラーは、再び戦場を荒れ狂う砂漠に変換。加えて、あるものを召喚した。
「へ、ヘリ……!!」
「それもあんなに…!?」
「ドローンも飛んでるわ!!」
それは、おびただしいほどの数のヘリコプターとドローン。砲身のすべてが、先生を中心にあらゆる生徒たちに向けられている。
ホシノやノボリでも抑えきれない、あわや蜂の巣の危機か。そこで目の前に躍り出たのは、左手を上げ右手を下に置く、ほぼ棒立ちの姿のスバル。
「おっと、ここは俺に任せな」
「スバルさん!?」
「ちょ、いくらなんでもこれを一人でって!!」
「…何をする気なのかな〜?」
「スバル…やり過ぎないでよ」
動揺するセリカとノボリ。しかし、二人の心配とは裏腹に、問題ないと判断した人がいた。
強者ゆえにスバルのただならぬ雰囲気を感じ取ったホシノと、アリウスのバシリカで同じものを見た先生。
そして………ドローンやヘリコプターから、銃弾やミサイルが襲いかかった、その時。
「『擬―――」
―――天地をも統べる魔の闘技が、炸裂した。
「フェニックスウィング!!!」
右手から、不死鳥の翼のごとき掌底。
「カラミティエンド!!!」
左手は真上から、手刀を振り下ろし。
「カイザーフェニックス!!!』」
立て続けに、魔炎を放った。
フェニックスウィングは、襲いくるミサイルの群れを、目の前で止めた。
宙を舞うドローンの群れをカイザーフェニックス*1で撃墜。
カラミティエンドが、ヘリコプターを真っ二つに切り裂いた。
「な……」
あっという間に召喚した武装が殲滅される事態に、ついていけなくなりそうになるシロコ*テラー。
だが、彼女もキヴォトスを滅ぼした存在。一度状況をひっくり返された程度で、呆気には取られない。
「これなら―――ッ!!!」
続いてシロコ*テラーが召喚したのは……砂漠で何年も大いに暴れていた、機械の大蛇。
色彩という概念に触れ、狂化したビナーであった。
「び、ビナー!!?」
「どうして…あれは、アビドス砂漠にいたはず…!?」
「ワープでここまで持ってきたんだ…!」
アトラ・ハシースの箱舟とキヴォトスを自由に行き来できるシロコ*テラーならではの、意外過ぎる一手。
これには、先生を含めた全員が度肝を抜かれた。
アトラ・ハシースの箱舟の第4エリアに入るには大きすぎる。にも関わらず、どこまでも広がる砂漠を泳ぐかのように現れた巨大な機械蛇は、シロコたちを亡き者にしようと、口に莫大なエネルギーを集めた。
「―――ビナーか。なら俺にも考えがあるぜ」
―――だが、スバルの余裕の笑みを崩すことはなかった。
スバルの胸の前で、光り輝くエネルギーが集う。
それに指先を重ねるように両手を合わせると……見る見るうちに光は強烈なエネルギーの奔流となる。
そして。
「―――『ビックバンかめはめ波』ァァァァ!!!!」
解き放ったそれは…ビナーが咄嗟に放った極太の光線を鎧袖一触のごとくうち破り、色彩に染まったビナーの頭部を巻き込んだ。
閃光、爆発……そして、轟音と暴風。それらが過ぎ去った後、ビナーが転移してきたはずの場所には、もはや何も残ってはいなかった。
「えぇ…」
「うそ……」
「うへぇ……」
「す……すげぇぇぇッス!!!」
『さすがはお姉様ですわ!!!!!!!』
言葉を失うアビドス対策委員会。目を輝かせるノボリとセラ。
奥の手を一瞬で消され、唖然とするしかないシロコ*テラー。
そんな沈黙を破りながら、スバルは不敵に、不遜に、獰猛な笑みを浮かべた。
「さぁてクロコさんよ………次の奥の手は何だ?」
―――そう告げるスバルを前に、心が折れなかったシロコ*テラーは、初めて自分を褒めようと思えたという。
―――色彩ビナーを破★壊してからは、目に見えてクロコの動きが悪くなった。
ヤり過ぎた感が否めないが……さっきのアレを放置してたら間違いなく全滅しそうだったから最大火力で消しただけであってだな。
「まだ、まだ……!」
「……………」
『指示を確認。「シッテムの箱」、支援段階を一段、解放します』
それでも押しきれていないのは、プレナパテスと長髪白髪のアロナ……A.R.O.N.Aが支援しているからに過ぎない。
クロコが受けたダメージをあっという間に回復・強化して……さらに強くなって俺らに襲い掛かってくる。
それでもなお、シロコ達は連携しながら戦えている。俺の防御も先生+アロナの支援もあるとはいえ、攻撃が苛烈になってマトモに食らえば再起不能になるというのに。
「はぁぁぁ―――ああああああああああああああああああああああああっ!!!」
やがて向こうは―――最後の博打に出た。
プレナパテスの操作画面が見え……
そして、立ち上がってクロコの銃が―――光り輝いた。
「先生ッ!!!」
「分かってる!!」
先生がシッテムの箱を操作すると、俺の視界……その上に、何かのゲージが見えた。
見紛うはずもない……最後のクロコ戦に出てきた、決戦ゲージじゃないか。
先生の青い「S」のゲージと、プレナパテスのひび割れた紫色の「S」のゲージが拮抗しているのが見える。
押し切ってしまえってことだな。
「「「「「「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」」」」」」
俺らは、最後まで油断せず、全員が全ての力を持って、クロコに攻撃を叩き込む。
視界の上で、青のゲージが、一瞬で紫のゲージを削り切った。
⋆
クロコは倒れ伏して、もう動く様子はない。
意識は失ってはいないようだが、精魂尽き果てたといった様子で、もう戦える様子ではなさそうだ。
だが……その倒れたまま……堰が切れたといったように、泣き出した。
「う……うぅぅ……っ…
うああああああああぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!
あぁぁ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」
彼女は、泣きわめきながら、呟くように心の内を告白していく。
わたしのせいで、世界が滅んだ。
こんなこと、望んでいなかったのに。
私がいたから、みんなが死んだ。
ホシノも、ノノミも、セリカも、アヤネも……先生も。
こんな結末を辿るくらいなら、もらうべきじゃあなかった、と。
寒くて、おなかが減って……そんな中でホシノから貰った、温かさを。
大事な思い出の詰まったマフラーを、貰うんじゃあなかったと。
大切だったはずのマフラーを、あっさり無くしてしまったこと。
いつなくしたのかさえも、思い出せなくなったこと。
あのマフラーを貰ったこと自体が、間違った選択だったと。
「「「「「「…………」」」」」」
そんな独白を聞いていたホシノ達は、黙りこくっていた。
目の前の彼女が、別世界線から来たシロコであり…「マフラーを貰った」という言葉の意味が、ホシノ先輩から明かされてからもなお。
シロコ*テラーに声を掛けられる人はいなかった。目の前の彼女が………あまりにも絶望していたから。
代わりに、シロコが俺に声をかけてくる。
「スバル……」
「結局コイツも生徒だったのさ。
同じ、“砂狼シロコ”だった、ってことなのさ」
「ん…………」
それっきり、
先生も、クロコの慟哭を前にして、何も言わないでいるままだ。
………俺に、何ができるだろう。
思い出すのは、先程の、
あの記憶を、無駄にしたくない。目の前の彼女をどうにかしたい。
都合が良いのかもしれない。あっさり帰還して、クロコをブッ飛ばしただけの俺にはおこがましいのかもしれない。
でも、できるできないはどうでもいい。やらなかったら、あの時の“大人”に逆戻りすると思ったがゆえに。
その一心で、俺は倒れているクロコに近づいた。
「ごめん、なさい……ごめんなさい……ごめんな、さぃ……!」
「なぁ……」
「?」
「お前の先生は、子供に責任を負わすのか?」
「!!?」
「お前が知ってる対策委員会の皆は……お前に謝罪を求めるのか?
お前の仲間や、先生は、泣いてるお前に追い打ちをかけるような、酷いヤツなのか?」
気が付けば、視界が滲んでいた。
どうしてそうなったのかは、俺にも分からない。
「なに、も………なにも、しらない、くせに―――」
「あぁ、知らない。
「!」
「勿論、俺の知っている先生やアビドスの皆は違う。
だが、お前の……別世界の仲間たちのことは“別世界の砂狼シロコ”しか知らん。だから聞くんだ。
…………で? どうなんだ。お前の知ってるアビドスの皆は、仲間の傷に塩を塗り込むようなヤツか?」
「ちが、う……! 違う……ホシノ先輩は…みんなは、そんなこと、しない…!!!」
だろうな。
俺も、別世界のシロコ以外の皆がどうなったのかは覚えていない。
ちょこっとイベントスチルで出たかもしれないが…でも、クロコ自身がそう言うならば、きっと、性格も人の良さも、俺の知る彼女たちとほぼ一緒だったんだろう。
だったらクロコ、謝らないで欲しい。生きていてごめんなさいとか言うな。間違いなく全員、君のせいとは微塵も思ってないハズだから。
あとは……あとは、
クロコのことをよく知っている人。今この場にいる、唯一の大人。
彼にも正気を取り戻してもらわなきゃ。
ここから先は……きっと、彼の言葉の方が、彼女を救えるから。
そうして俺は―――プレナパテスの前に立った。
「…先生」
こんなことを言うのは、死体に鞭打つようで気が引けるけど。
そうせずにはいられなかった。目の前の視界の滲みは、より酷くなっていた。
頬の熱さを無視して、呼びかける。
「……アンタの生徒が泣いているぞ」
「…………」
「声、かけてやってくれよ………」
「…………」
「聞いてたん、だろ? これまでの、すべてを……」
頼むよ、
先生なんだろ? アンタの評判は、最終章後のSNSにまで轟いてるんだよ。
「プレ先」って言われる程に、尊敬される人ならよぉ。
頼みを聞いてくれよ。俺の為じゃあない、シロコの為に。
シロコを、救うために。
なぁ、漢なんだろ?
―――生徒一人くらい、救ってくれよ……!!!
目の前のプレナパテスが、動いた。
「先生……!」
ようやく声が届いたか。
そう思った次の瞬間。
『先生!アトラ・ハシース内のエネルギーが!』
「……え?」
船が、揺れた。そして……涙が全部、引っ込んだ。
Tip!
この間、脱出シーケンスが形成されているぞ!原作時空と比べて、シーケンスの回数が3回増えている!スバル・ノボリ・セラが参戦しているから当然だよな!
あとがき
スバル、そして作者。
誕生日おめでとう!!!(オイ)
スバル「俺のは兎も角自分の誕生日自分で祝うんだ…」
作 者「ま、まとめて祝おうと思っただけで……」
スバル「フーン。シュポガキの片方を分からせて(ガチャで当てて)調子に乗ってる?」
作 者「滅相もない!!!!!!!!!!!!」
好きな性癖発表ドラゴンが発表した性癖は
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わかるマン
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理解できぬ