HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
アロナから受けた報告によると、アトラ・ハシースの箱舟のエネルギーが、プレナパテスに集まっているという。
「こ、れは……!?」
そして、プレナパテスはというと………なんと、頭上にエネルギーを集め始めたではないか。見るからに禍々しいエネルギーで、何をする気かは知らないが、一つだけ分かったことがある。
それは。
「――っ、クソッ!」
………俺の声は、未だ届かなかった、と言うことだ。
それと同時に、アビドスの皆が銃撃を開始する。
先生もまた、指揮を再開した。
「うふふ…お待たせしました、先生」
「アレを撃てばいいんですね☆」
「ちょ……やばいじゃん! なにか撃つ気満々じゃないの!!」
「ラストバトルに間に合いました!アリス、参戦です!」
「先生!指示を!!」
美食研究会とゲーム開発部も合流した。
全員が全員、ヤる気マンマンだ。まぁ、彼女たちからしたら、目の前の、力を貯めているプレナパテスは敵にしか見えないかもしれないが………
「先生! プレナパテスが……!」
「わかってる!…けど、プレナパテスにアレを撃たせたら駄目だ!」
「……仕方ないか…!
じゃあ、どうやって止める?」
「リンちゃんが主砲を準備してくれてる。それまで耐えるよ!」
どうやら、先生も俺と同じ気持ちはあるようだ。
プレナパテスは、先生である。それを踏まえて、攻撃しないといけないのだ。あの人に………“先生”に、生徒を傷つけさせない為に。
ならばと俺は、銃を撃ちながら別の質問をする。
「こっから脱出するのはどうするんだ?」
「脱出シーケンスを使う。一瞬で転移する代物だ。
起動と指示は私がやるから心配しないで!」
「何回分ある?」
「スバル?」
「その脱出シーケンス、あと何回使えるんだって聞いてるんだ」
「…残り15回。オペレーター組は全員起動済みだって」
15回、だと……
落ち着け、落ち着いて計算するんだ。
とりあえずリロードをしてシロコに後を任せれば、「ん、任せて
このうちに全員数えるんだ。
オペレーター組は全員起動済みってことは、セラやアヤネ、リンちゃんといったまだ残っているオペレーターはもう既にシーケンスを起動し準備を終わらせたことになる。
ってことは、ここにいるので全員。
まずアビドスの4人だろ。ゲーム開発部のモモミド、アリス、ユズで8人。美食研究会を足して12人。俺とノボリで14人………
数えている内に俺は、ある重大な事実に気付いちまった。
「足りねぇ……!!!」
脱出シーケンス……クロコの分がねぇ!!
しまった……こんなところで、致命的なミスを犯した!
こんなことになるって知ってるんだったら、この脱出シーケンスの作者に予め予備分を作らせておくんだった!
でも……脱出シーケンスを使うなんて今の今まで知らなかった!
クソッ!!! 最終章を見なかったことが、ここに来てネックになるなんて……!!!
『ウトナピシュティムの主砲、標準に狙いを定めました。
そう長くはもちません。チャンスは一度きりです…!』
や、ヤバイ。時間が刻一刻と迫っている!
このままではマズい。このままだったら…………
―――
⋆
―――スバルの脳裏に現れた、解くことの出来ない難問に、答えは出ることのないまま。
ウトナピシュティムの主砲が、プレナパテスに直撃した。
『プレナパテスが倒れました!―――っきゃああああ!!』
『アヤネさん!』
『お二人とも早く避難を!爆発に巻き込まれたら、命はありません!!』
爆発と悲鳴、その後にセラとアヤネが転移する音が聞こえる。
そんな中、プレナパテスへのエネルギー収束が止まった。
ここからは、脱出シーケンスだ。アトラ・ハシースの箱舟が爆発する前に、先生が、指定した生徒を地上へと送っていく。
「先生。俺は見ての通り『神秘解放』中だ。最後まで付き合うぜ」
「…わかった! でも絶対、送り届けるからね!!」
一人、また一人と送られていく。
美食研究会はもうハルナしかいない。モモイもミドリもユズも送られた。
そして、たった今脱出シーケンスによって、ノノミとセリカも送られた。残り生徒
俺はこんな中で、銃を撃ち……しかし、プレナパテスには当てないまま、考えていた。
この後どうするかを。何ができるかを。
「(一か八かの
こうしている間にも、ハルナが転送され、アリスが転送された。残り生徒
「(……俺は、オリジナルと約束した。未来を変えると。俺を帰すと。ならば、選ぶべきは―――)」
先生の脱出シーケンスに従い、箱舟から帰還する
先生に脱出シーケンスを使わせ、箱舟に残る
➢先生に脱出シーケンスを使い、自身も箱舟から帰還する
先生は、俺の言葉を律義にも守ってくれているようだ。
ノボリを転送し、ホシノ先輩を転送し、我が
これで………残り生徒は、
「スバル、次は……」
「言ったでしょう。
「…わかった」
先生は、プレナパテスの方へ歩いていく。そして、シロコ*テラーに声をかけた。
「シロコ…プレナパテスが……伝えたい事があるみたい、『色彩の嚮導者』になってまでここに来た理由を…」
「?」
そこまで言うと。
今まで一言も口を利かなかったハズのプレナパテスが……口を開いた。
そして……その姿からは想像もつかない、普通の…ほんとに普通の男性の声で、シロコ*テラーに言ったのだ。
「“―――あなたのせいじゃないよ、シロコ”」
“自分の生を悔やんだり……責めないで
幸せになりたいと願う気持ちを……否定しないで
生きることを諦めて、苦しみから解き放たれた……だなんて悲しい事を言わないで
苦しむために生まれてきた……なんて、思わないで
そんな事は絶対にないのだから
どんな
子どもの『世界』が苦しみで溢れているのなら……
子どもが、絶望と悲しみの淵でその生を終わらせたいと願うなら……
そんな願いが、この世界のどこかにまだ存在するというのなら……
それは……
その『世界』の責任者のせいであって、子どもが抱えるものじゃない……
世界の『責任を負う者』が抱えるものだよ
たとえ罪を犯したとしても、赦されないことをしたとしても……
いつ、いかなる時であっても……
子どもと共に生きていく
「……責任は、私が負うからね」
……………本当に。本当に……なんて人だろう。
この人の精神は、なんて……目が眩むほどの、黄金の輝きをしているのだろう。
こんな生き方……一生かかってもできるだろうか?
これだけで分かる。この人は…この大人は、どんな姿になっても、どこまで行っても先生であろうとしたんだな。
尊敬とは……きっと、今この胸の中に湧き上がっている、この溢れそうな感情のことを言うのだろう。
「“……生徒達を、宜しくお願いします”」
「…えぇ、勿論」
そうして、当然のように。
先生は、シロコ*テラーに脱出シーケンスを使った。
シッテムの箱から、『せ、先生…?』とアロナの戸惑う声が聞こえる。
脱出シーケンスの残り回数は―――1回だ。
「じゃあ…スバル」
「先生はどうするつもりですか」
「私は…なんとかするよ。いつだって、そうやって乗り越えてきたんだから!」
「…………必ず、帰ってきてくださいね。ここで死んだら、永遠に恨みます」
「それは怖いね…それじゃあ」
と、先生は戸惑うアロナを置いてきぼりにして、俺に対して脱出シーケンスを使おうとする。
その指が、タブレットの画面に近づいていくのが見える。
触れるまであと5センチ、3センチ、1センチ―――
そこで俺は―――
「
抜け駆けをした。
チャンスは一度。アロナが呆け、先生が油断しきったこの一瞬だった。
いくら俺が『元・先生』であり、アロナを認識してパスワードを知っていたとしても、デカグラマトンをくしゃみで破★壊できる
更に、神秘解放したパワーをフル活用した超加速………『
時を止めてる3秒の中で俺が出来たことと言えば………脱出シーケンスを起動するまさにその直前、先生の手からシッテムの箱を搔っ攫い、脱出シーケンスの対象を変えることだけであった。
「え……? あれ……!!?」
「騙して悪いが仕事なんでな…なんつって」
一瞬、何が起こったか分からない様子の先生だったが、俺が持っているシッテムの箱と光に包まれる自分自身を見て、状況を察したのだ。
「な…なんて事をしてるの! スバル!!」
「生徒を地上に置き去りにしようとしたアンタに言われたかないっすね」
先生の行動は、ある意味予想通りだった。
神秘解放で、しかも奥の手に
それでも尚、生徒だからって理由だけで迷わず俺に脱出シーケンスを使うとかヤバ過ぎるだろう。
まぁ…それでこそ、俺の尊敬する先生だけど。
「先生……なんて顔してるんだ。アンタにゃ帰りを待っている人がいるだろう?」
「それは…それは、スバルだって、同じことでしょ!!
セラはどうなるの!ノボリは!コハルは!ハナコは!?」
「貴方には、やるべきことが残っている…導かないといけない生徒が、たくさんいる……地上に戻った生徒を、誰が明日へ導くんですか」
「スバル…スバルだって、私にとっては大事な生徒だよ!!!」
「貴方は導くんだ……導き手が、そんな泣きそうな顔してどうします」
「スバル!!!」
「そんな顔しちゃ、
―――笑って。
いつものように笑いかける。
先生は、俺に手を伸ばして……そして、そのまま、光に包まれて消えていった。
後には…俺と手の中のシッテムの箱だけ。
『す、スバルさん!!! あなた、なんて事を!!!』
「いーんだよコレで。帰りの手はあるし。
それよりアロナ、君はプラナを……プレナパテスのA.R.O.N.Aを助けてやれ」
99%賭けだったけど、上手くイッて良かった。
後は、俺だけの仕事……プラナを回収して、アロナと共に
ただ…俺は、最後にプレナパテスに声をかける。まぁ、聞こえてないと思うし、俺の自己満足だけどな。
「プレナパテス……いいえ、先生。初めましてになるかな?
俺は、間島スバルというものです。生徒のナリをしていますが…中身が別世界出身の、元大人でしてね?」
時間もないので、身の上は軽く話した。
俺は元の世界で、この物語を知っていること。本来の物語には、「間島スバル」という人物は影も形も出てこないこと。
元悪人の、イレギュラーな俺が生きているままでは、いずれ物語に歪みを生むだろうということ。
「存在がイレギュラーな俺は、ここで貴方と心中…退場する
『つもり……?』
「でも…オリジナルの『間島スバル』と約束したんです。“俺”をここから帰すと」
もしここで、俺が退場してしまったら………オリジナルの彼女との約束を破る事になる。
彼女の存在を知ってしまった今……俺は、生きなきゃいけなくなった。
………神秘解放を、2度も使っちまったのにな。
「だから…先生。貴方をここへ置いていってしまう。どうか…それを許してほしいんです」
独り言を言い終わり、いざプラナをプレナパテスのシッテムの箱から移そうとタブレットに目を向けた時。
視界の端で何かが動いた気がした。
「“―――いいんだよ”」
「!!!?」
「“君が生きて、君自身の足で歩いていくことが、きっと、一番だから”」
え……せ、先生?
なんで………この人、流石にもう力尽きているんじゃ……。
「“わかってるから。……スバル、君はここで終わるべき子じゃないって”」
なにを言っている? 初対面のハズなのに、なんでそこまで言い切れるんだ!
混乱が収まらないまま、にわかに足元から、眩しい、蒼い光が現れ、足元が掬い上げられる感覚を覚える。
ワープゲートだ。何故だ。一体……
「どこにそんな力が―――!!」
「“生徒を…守るのが……私の役目、だからね…”」
「先生―――」
プレナパテスを見る。
鉄仮面であるはずの彼の表情は、笑っているように見えた。どこか誇らしげに。
「“―――君の未来を、信じているよ。だからどうか、胸を張って…前を向いて…進みなさい”」
そんな言葉が聞こえた。
穴へ落ちる。
落ちた先には、トリニティの街並みが真下に見え……周囲には、透き通ったような蒼が広がっていた。
⋆
俺が落ちたのは、トリニティ自治区の外れであった。
落ちていく最中は、アロナが守ってくれたおかげで、服にも体にも大した損傷はない。
懸念していたプラナだが、アロナと一緒に顕現していたから、きっと移せたのだろう。
……俺が元先生の記憶を持っていたことに、2人ともめちゃくちゃ困惑していたけど。
どれだけそうしていただろう。
俺はもう、立っているだけで精一杯。一歩も動けない。
確信があるんだ。この「神秘解放」を解除したら最後……このキヴォトスから消えるのだろう。
「やはり、ダメか……」
ワンチャン、黒服が嘘をついている可能性に賭けたが……アイツは、こんなところは誠実だったようだ。
申し訳ないが…オリジナルとの約束を破ってしまうな。やはり俺は、“先生”の器じゃあない。
悪人は所詮、生まれ変わった程度では性根を変えられんってことか。
「スバル!!!」
声が聞こえた。
みんなが……アトラ・ハシースの箱舟に乗っていた皆が、俺を探しに来てくれたのか。
先生やセラ、ノボリはもちろん………おぉ、ヒフミやアズサ、コハルも来ていたんだな。
「探したわよ…!」
「帰ろう…
「スバル…皆、心配したんだよ。今夜は…お説教だから」
おぉ、こわいこわい。
でも……きっともう、俺は先生のお説教を聞くことはできないだろうな。だって。
「早く帰んなよ……皆が待ってるぜ」
「帰んなよ、なんて……あなたも、でしょ?」
ハナコが言う。けれど……俺には、謝る事しかできないな。
「ゴメン………もう、体が動かないんだ。どうやら…ここまでのようだ」
全員の表情が一気に変化した。
さすがに察したようだ。俺の言葉が……何を意味するか。
「けれど…この人生に、悔いはない。皆、俺と出会ってくれて、ありがとう」
「ふざけないで!!!」
コハルが、ヒフミが、ハナコが、皆が、駆け寄ってくる。
俺の意識も、いつまで持つかわからん。全部……言っておかなくては。
「ホシノ先輩…ノノミ先輩……後輩を大切にな」
「なんで…おじさんに声かけるのさ」
「スバルちゃん……」
「セリカ…儲け話はほどほどに」
「………ぅう…うるさいっ…」
「アヤネ…アビドスの皆に振り回されることも多いかもしれないが、強く生きろよ」
「うぅぅ………っ!」
「
「ん………」
まずは、アビドスに。
全員が全員、俺の言葉を真正面から受け止めてくれたようだ。
「コハル…ハナコ……君達は、俺の生涯の恩人であり、いい親友だった…」
「ばかぁ…!!」
コハルが、絞り出したような声で泣き出した。ハナコも、涙をこらえきれていない。
「ヒフミ。俺のウェーブキャットさんは…全部、君達にあげよう。
アズサ分けて…俺だと思って、大事に使ってくれ」
「そんな……スバルちゃん!」
「アズサ……サオリ達に俺のこと、よろしく伝えておいてくれ」
「………………………………わかっ、た…」
ヒフミは、俺にしがみついた。
アズサは、こっちを見ず…けれど、肩が震えている。
「セラ……プレアデス性団の部長を、お前に任せる。ノボリは、これを伝えて回ってくれ。
みんなで力を合わせて……どうか、俺の立ち上げた同人魂を、守ってくれよ」
「できません………お姉様がいてこその、プレアデス性団なんですよ!!」
「そ゛う゛ッス゛よ…ジブンは…ジブン゛はぁ゛っ…!!」
セラには、俺の頼みを、秒で断られてしまった。
困るぞ、俺がいなくなった後のプレアデス性団は、お前たちで守るしかないというのに。
「先生…」
「ダメだよ……こんな所で、お別れなんて…」
「ずっと貴方が好きでした。人として……」
「え……?」
「決して、生徒でハーレムを築き上げているからではありません」
先生。
この人はずっと、俺の目標だった。
超人たる連邦生徒会長が慕うのも理解できた。
この人の選択と、大人の責任。ゲームでプレイした時には軽く考えていたが………
「貴方は…こんな俺にも、分け隔てなく接してくれた。
俺の選択を尊重し、応援し、大人の責任というやつを、教えてくれた………」
「スバル…!!」
「あと…シッテムの箱をパクってすみませんでした。あの後、プレナパテスのアロナも移住したんで、二人とも可愛がってやってください。」
「誤魔化しちゃダメだよ……スバル。君が、生きるのを望んでいる人がいるんだよ………!!」
「俺の人生は、もう教えたでしょう?
先生、死んだ人が生き返る、なんてホントはあり得ちゃいけなかったんです」
子供を守り、教え導く。それが、先生のような偉大な大人の責任だというのなら。
俺のような悪人の責務……それは………自分よりも良い子や先生を、命を張って守ることだったんだ。
「ほんの一瞬だったけど……初めて責務を果たせたよ。ありがとう……」
「嫌だ……こんなお別れなんて嫌だよぉ…スバル…!!」
「許しません…許しませんよ…こんなの!」
「いいや…お別れだ、
脳内に、「目を閉じますか?」という問いと選択肢が出てきた気がした。
きっと……俺の魂は、これで消える。間島スバルという存在そのものが消えるのか……それとも、目が覚めて起きたら、「
先生が、何か言いたげな、ひどく悲しそうな顔で俺を見つめてくる。何かを言い出す前に、俺の方から封じよう。
「これは、誰の責任でもありません。あり得なかった現象が、修正されるだけ。
そう……
「スバル! スバル!!」
眠たくなってきた。
そろそろ………目を、閉じよう。
「スバルーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
「ぐぅ……ぐぅ……」
「「「「「「…………………は?」」」」」」
「むにゃ……あぁ…まだ……描きたい……ネタが…あった、にゃ…………」
「「「「「「は????」」」」」」
寝息。そして、寝言。
死んだとかそういう比喩抜きで、マジに眠っているスバルに、全員の口から凄まじい低さの声が出た。
………そして。
「―――起きろォォォォオオオオオオオ!!!!!」
「グホオオオオォォォォォォォォォッ!?!?!?」
コハルのボディブローが、スバルに突き刺さった。
「ぐぉぉぉっ…!? な、何すんだ!
……ってアレ? どういうことだコリャ!?」
「そ・れ・は・こっちの台詞なんだけどぉ…?」
「コハ…ふぉぁっ!?」
俺は、絶句した。
何故なら、死んだと思ったら……目覚めた後の光景が、変わっていなかったから。
そして…コハルだけでなく、ハナコやヒフミ、アビドスの5人、そして、プレアデス性団の面々が…全員、ヤンデレ彼女のようなハイライトのない真っ黒な瞳で俺を見ていたからだ。
「あはは…冗談にしては質が悪過ぎると思うんですけど……」
「ですわね……お姉様、流石に肝が冷えました」
「スバルちゃん?言っていい冗談と悪い冗談があるの、知ってますよね?」
「おじさんびっくりしたんだよ〜?ホントにスバルちゃんが死んじゃったかと思っちゃった〜」
「ん、シャレにならない」
「いや、ちょ、違っ……」
ヤバい。完全に怒ってる……!
でも、こんなの想定外だ。身体はまるでさっきのやり取りが嘘のように軽い。でも、目の前の生徒たちの様子がそれどころじゃねぇんだけど!?
そもそも、神秘解放を2度使ったのに……どうして俺の身体は何ともないんだ……?
プルルルル、と電話の音がやけに大きく響く。
何かと思えば俺のスマホだ。誰も取っていないのにガチャリ、と音がした。
『お元気そうですね、スバルさん』
「「「「「黒服!!?」」」」」
このタイミングでお前!?
しかも、ご丁寧にホログラム付きでこの場に現れた。
何しに出てきやがった? だが、丁度いい。
「おい黒服!これは一体どういうことだ!?」
『何のことでしょう?』
「すっとぼけんじゃねぇぞタコ!
お前、俺に『2回神秘解放を使ったら魂が消滅する』って言ってただろうが!!」
『嗚呼成る程、その事ですか』
クックック、と喉奥で笑うと黒服は。
『貴方は私を買いかぶり過ぎているのですよ。
私が嘘をつかないのは……先生のように高尚な理由があるからではありません。
その方が契約に力を持たせることが出来るからです。嘘をつかない事と、人を騙さない事はイコールではありません』
「は? ……つまりどういうことだ?」
『こんな事もあろうかと……私は貴方に、
え……? つまり、何だ?
黒服が言っていた、「2回神秘解放をすると魂が消える」ってのは……嘘、ってこと?
嘘じゃないけど、ホントは
「なんでそんなマネを……」
『我々は神秘を研究するゲマトリア……貴女を失うのは極力避けたい、と申し上げたハズです。その為ならば……この程度の
「な…な……」
俺は、ここでようやく気づいた。
……黒服に嵌められたと!
「何してくれてんだコノヤローーーーーッ!!!
お陰で…トンデモねーこと口走っちゃったじゃあねぇーかァァァァァーーーー!!!」
『まぁ良いではありませんか。命あっての――』
「おめーが言うんじゃねぇこの先生大好きクラブが! 今から場所特定して……」
『おっと、急に電波が』
「小学生以下の言い訳するな!……あっ、切りやがった!!!」
この卑怯者!!
こんな事なら信用すらするんじゃなかったあの異形め!!
だ……ダメだ。顔が……顔が熱い!
チクショウ!さっき言ってた言葉がゼンブ跳ね返ってきやがった!! 恥ずかしすぎる! 消えたい!!!
「スバル」
「スバルちゃん」
「ヒィッ!!?」
コハル!? ハナコ!?
二人に呼ばれたけど、振り返る事すら怖い!
だって、あんな事言って、結局無事でしたーなんて、どう言い訳すればいいわけ*1!!?
知ってたらこんなタチ悪いマネしなかったよ!!悪いのはこんな重要なこと黙ってた黒服だろうが!
そんな言い訳を考えていた俺に襲いかかったのは……2人分の体重と、柔らかい感覚だった。
「心配したんだから……ばかぁ……!」
「責任、とって貰いますからねっ……!」
「………おう」
涙ながらに抱きつく2人に……俺は、茶化すことすら出来ず、普通に返事をするしか出来なかった。
顔の熱さは、先程よりも増して、熱くてかなわなかった。
なお、この後滅茶苦茶みんなに説教されて、一週間はシナシナのままになった。解せぬ。
Tip!
前書きに並べたものは、現実のブルアカ最終章実装時に現れたXのトレンドに、拙作の展開を踏まえたものを混ぜたものだ!漏れがあったらよろしく!!
あとがき
黒服殴らせろエンドは、前々から決めていました。
ちなみに、方舟脱出シーンでは、本来はスバルがプレ先と心中する気だったけど、オリジナルとの対話を盛り込んだので「俺は生きなきゃいけないんだ!(スザク)」風メンタルになり、こんな形になりました。
結局僕にはシリアスなど書けまちぇん。許してヒヤシンス。
好きな性癖発表ドラゴンが発表した性癖は
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わかるマン
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理解できぬ