HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
でも時間がとれない…
アビドス高校・校庭。
砂に埋もれても尚、かなりの広さを誇るそこで、二人の少女が戦っていた。
というか俺と我が
「はっ!」
「せいっ!」
「『剃』!」
「『鉄塊』!」
人体からは到底出ないような風切り音と金属音が砂漠に響く。
やがて、修行の成果を確認してから、俺は口を開いた。
「……俺のいない間も頑張ったようだな」
「ん、私だけじゃない。皆も頑張ってた」
「皆も?」
「ん、アヤネも順調だし、セリカは『剃』で空を飛べるようになった」
「『
「ノノミは『鉄塊』したまま動けるようになったし、ホシノ先輩は『
「『鉄塊拳法』と『
どんだけ強くなってんだコイツ等!? ポテンシャル俺以上じゃねーか!?
百鬼夜行に無理矢理留学させられ、ミカのクーデター未遂に首を突っ込み、プレアデス性団へのお土産を携え無事に帰ってきた。その間、俺はアビドスへ行けなかったから、久しぶりに会うシスター達が、修行できなくてなまっちゃいないか不安だったが………これはまったくの杞憂だったようだな。
「なんで独自でその技法に辿り着けたか知らねぇが……それだけ出来てるんなら、更に“上”の領域を教えても良いかもな」
「更に……上?」
全員を集めてから、俺は話を始める。
六式を当たり前のように鍛え上げている者たちへの、“更なるステージ”…………その名も、『覇気』の存在を。
「覇…気?」
「なにそれ~?」
「全世界の全ての人に潜む『意志の力』…………気や精神力みたいな、目に見えない感覚の総称……ってトコロか」
「それで何が出来るのよ?」
「
俺と戦った時、毎回コテンパンにされたワケが……お前らの攻撃を常に読まれてたり、俺の腕が真っ黒に変色した理由が?」
「え、あ、確かに。毎回そんな感じでしたが……! まさか!」
「シスターが私達を圧倒した理由って……!」
「大きな理由の一つがコレだ。『覇気』を最大限活用して、アドバンテージを得まくっていたからさ」
そうして説明を始める。
『見聞色の覇気』……相手の気配を強く感じ取り、攻撃を先読みし、近い未来を見る覇気。
『武装色の覇気』……自身の身体に見えない鎧を纏う感覚に近い、攻防一体の覇気。
『覇王色の覇気』……相手を威圧する他にも、多くの謎が多い、最も特殊な覇気。
それら三つの種類がある事を始め、基本的には見聞色と武装色を覚えた方が良い事。覇王色は「王の素質」のある数百万人に1人程度しか覚えられず、漫画の主人公かチート級の敵でもない限り覚える事は不可能な事。
そして何より……覇気の修得は困難を極め、一朝一夕で身に付くものではないことも。
覚えている限りでの覇気の長所・短所を説明したと思う。
「うへぇ~、大変そうだぁ。スバルちゃんもただで身に付かなかったでしょ?」
「そうですね、ホシノ先輩。俺でさえ、『見聞色』と『武装色』を本格的に使いこなすまでに2年かかりました」
「に…2年ッ!? スバルでさえそれだけなら、私達じゃあ何年かかるか分かったものじゃないわ!」
「ええと…アビドスの借金を全額返済する時間よりはマシですけど……」
「あー、それなら大丈夫だ。
なにせ、修行前の俺は、そこらのヘルメット軍団にも劣る、クソ雑魚だったからな」
「「「「「!!!!!?」」」」」
何故か固まるシスター一同。
なんだ、そんなに意外だったのか?
まぁでも、思えば昔の話なんてコハル以外は知らないし、積極的にも話しちゃいない。こうなるのも当然…なのか?
「へぇ……意外だね~」
「スバルちゃんって、そんなに弱かったんですか?」
「い、いやいやいや! 流石に嘘、ですよね…?」
「ん……信じがたいけど、シスターはこんなしょうもない嘘はつかない…と思う」
「つまり本当………ってか、シロコ先輩はいつまでスバルをそう呼ぶのよ…?」
「ん、スバルと私は姉妹」
「まだ言ってるし…」
「つまり……だ。皆にも可能性はあるってこった」
それを伝えれば、全員に闘志が宿る。
修行の意志があるか否かなど、聞くまでもない。
「ん、シスター。私達にもその『覇気』を教えて」
「当たり前だ…!」
こうして、俺達の……我がシスターたちの覇気の修行が始まった。
⋆
修行開始から、数日経ったシャーレにて。
先生は、絶句していた。
「先生、おはよう」
「ん、よろしく」
「今日もお願いします~♧」
「え、えっと……」
その理由は、目の前の少女達にあった。
砂狼シロコ、黒見セリカ、十六夜ノノミ。
この日にシャーレの当番として、わざわざシャーレに来てくれたのだが……
「聞いて良いのか、良くない事なのか分かんないんだけど…」
「じゃあ聞かないで良いんじゃないの?」
「でも先生が気になっていることですし、聞くだけ聞いても良いと思いません?」
「ん。先生の質問なら、なんでも答える」
「そう。じゃあお言葉に甘えて。
―――何で三人とも顔がアンパンマンになっちゃってるの???」
三人揃って顔が
シロコもセリカもノノミも、元の顔は美少女である。それがギャグマンガにしか出てこないような、原型も留まらぬボコボコ具合になってシャーレに来たとなっては、先生が心配するのも当然ということだ。
動揺を隠せないまま疑問を口にした先生に、三人は落ち着き払って答えを口にした。
「これですか? これはですね、スバルちゃんに修行つけてもらった結果なんです~」
「うぅ……ボコボコにされたわ。明日には治るっていってたけど、ホントなんでしょうね……」
「ん、『覇気』を身に付ける為にやったの」
「修行でここまでボコられるってある!!!?」
いくら頑丈なキヴォトス人だからといって、これはやりすぎではないのか。
それにシロコ達は年端もいかぬ少女だ。その命ともいえる顔をここまで変形させるとか、今度スバルに会ったら絶対に説教してやると決意させる。
その感情を置いといて、先生は仕事を始める前に、三人に事情を聞くことにした。
「先生……私達は大丈夫だって言ってるのに」
「その顔で言われても全然説得力ないよ。それより、スバルとの修行がどんなものだったのか、具体的に教えてくれないかな」
「さっきも言ったのですが、『覇気』を身に付けるための修行…とのことでした」
「シロコもさっき言ってたね、その…『覇気』ってなんなの?」
「『全ての人に潜んでいる意志の力』……とかなんとか言ってたわね」
「う~ん……なんだか要領を得ないね」
「シスターが私達の動きを先読みしたり、腕や足を真っ黒にしている力なんだって」
「腕を…真っ黒? あ!」
先生は、そこまで言われて思い出した。
補習授業部で起こった件における、スバルとミカの激突を。
あの場では目が追えずに殆ど視認ができなかったが、後で録画しておいたものをスローで見返した時に、確かにあったのだ。ミカの銃撃を防いだ時や攻撃する時にできた、スバルの黒い変色が。
録画して解析したメインOS……アロナも「録画ミスや画質の変化ではない」とは言っていたが、少し繋がりかけてきた。
「まさか……スバルの使う戦闘技術を教わろうとしたのかな?」
「ん。でも、結構難しい…目隠しで攻撃をかわせから始まったもん」
「なんだって?」
今、目隠しで攻撃をかわせと言わなかっただろうか?
もし、己の耳がまだ機能不全を起こしていないというのなら、スバルは目隠しで前後不覚なシロコ達に攻撃を加えたことに他ならない。
難易度が高いどころか不可能な修行内容に、早速頭痛がしてきた。
「『誰でも攻撃をする際には意志がある』そうですから、それを読み切る練習として…数時間ほど♪」
「その結果ボコボコにされたっていうのかい?」
「ん、次は絶対かわしきる」
「ちなみに、ホシノとアヤネは……?」
「ん、二人共ボコボコにされてた」
次とかそういう問題ではない。対策委員会のあの5人がみんな仲良くアンパンマン状態とか、何が悲しくてそうなったと言わんばかりの惨状であった。
「でも、スバルも確か3年前に同じような特訓やったって言ってたわよね」
「はい。その時は機械相手にソレやったって言ってましたね!」
「機械の攻撃に意志なんてないでしょ……」
「でも、頑張れば機械相手でも使える気がする」
一体、何を根拠にそう言っているのだろう。
機械はそもそも、決められたプログラムに従って動くものだ。意志と呼ばれるものが一切存在しない機械相手に意志を読み取れとか無理ゲーにも程がある。
自分もその特訓の現場に居合わせて、やり過ぎないように見張った方が良いのではないだろうか。いや、近いうちにそうするべきだな。
戦術指揮は得意になってきているが、自ら戦場に立つ事は無く修行経験もド素人ながらも先生はそう考えていた。
だが。
この「機械相手に覇気の修行をした」というスバルの体験談には、シロコ達も先生も知らない、超ド級の爆弾情報が隠れていた。
その情報源は、修行中のセリカに対してスバルが言ったこの言葉にある。
『ちょっと! なんにも見えないこの状況で、どうやって攻撃かわせってのよ!』
『今は「攻撃する」っつってから殴るからまだまだ優しい方だろ。
ガチの戦闘時には、人は「攻撃する」なんて宣言はまずしない。それどころか意表も突くしダマすからな。おまけに機械とかに至っては、感情がねぇから余程鍛え上げないと覇気に引っかからねぇ』
『こ、これで一番最初の段階だって言うの!?』
『俺の時は
『は、え、機械相手に!? てかちょっと待ちな―――ぶっ!!?』
無限湧きするロボット。
実は、キヴォトスには一つ、この特徴をもつ存在がいる………いや、あるのだ。
ミレニアム近郊の廃墟に眠る、神の存在証明をするべく動き出したAI………慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者。
それが召喚した、様々な機械兵相手にこれをやったのだ。
つまり。あの変態は、あろうことか世界を滅ぼしかねない凶悪な人工AIをトレーニングアイテムとして完全に使いこなしていたのである。しかも1、2年前に。
もし、ケセドを開発した技術者が、その変態の大暴れを目の当たりにしていたら、彼らはペンを机に叩きつけてキレるか頭上に「Now Loading…」と出て宇宙猫と化すだろう。或いは、兵器が本来の使われ方をし、尚且つ一瞬で砕かれる様子を見て泣くだろうか。
―――いずれにせよ、間島スバルは、「ブルーアーカイブ」をプレイすることで得ていた中途半端な情報を元に、けっこう好き勝手に暴れていたのであることを、今はまだ誰も知らないのである。
話を戻そう。
シロコ達がアンパンマン顔になった原因である、スバルの理不尽な特訓の実情を知った先生は、すぐさまシロコ・セリカ・ノノミに救急の薬箱を渡し、仮眠室で怪我の手当と休息をするように命じた。
次にホシノ・アヤネ・スバルをモモトークでシャーレに呼び出そうとした。ホシノとアヤネは、先生からの呼び出しに応じ、すぐにシャーレに向かうと言ってくれたが……スバルだけは違った。
『話は分かりました。しかし…こればっかりは、大人しく説教されるつもりはありません』
「…どういうことか、聞いてもいいかな?」
いつもは何だかんだ先生に対する聞き分けの良いスバルの、意気地な態度が気になった。
すると、スバルは急に、こう話題を切り出してきたのである。
『この世界…キヴォトスは、子供達にとって生きづらいんじゃないかな、って思ったことはありませんか?』
「どうしたんだい、唐突に」
『いいから。答えてください』
いつもは変態な彼女の、いつになく真面目な問い。
それに対して真摯に答えるべきだと踏んだ先生は、しばし考えてからこう言った。
「…私もここに来て長い訳じゃないんだけどね。これだけは言える。
―――今のキヴォトスの子供達には、大人が必要だ。それも…責任を取るべき大人が」
『俺もそう思います』
先生の、生徒の為の誓い。『大人とは、責任を取るもの』。その考えに、スバルはノータイムで同意した。そこに、嘘偽りは感じられない。
『子供や無知な人間を騙し、搾取する事しか考えない大人が多すぎる。そんな環境下で育った子供が、マトモな考えを持てるとは到底思えない。そういう意味では、先生の生き方は……必要です。誰にとっても』
「スバル……」
『ですから、先生。
俺は、俺達は、もっと…誰よりも強くならないといけないんじゃないか、って思うんです』
誰よりも強くなる。
ただでさえ強い筈のスバルの宣言に、先生は息を呑んだ。
『あ、別に力だけじゃありませんよ?
嘘や策略を一瞬で見抜く目。裏切りをものともしない実力。「敵」を引き込み、「味方」を説得させる弁舌。あとは……そうですね、心の底から信じあえる仲間に、背中を預けられる“先生”、とか』
「!!」
『そういうのがあれば、ほら。
ホントに悪い奴だけブッ飛ばして、大切なモンを守れるんじゃあないかなーって』
スバルの意見を聞いた先生は、スバルが不良たる理由を察した。
なるほど、聞くだけ聞けば夢のような解法だ。しかし、それは「星を掴む」ようなもの。
子供の背を押す先生としては応援したいが、いちおう確認だけはしておかなくては、と先生は問うた。叶わない願いは呪いとなる。スバルが、スバル自身を呪わないために。
「スバル。それは、多分果てしない道のりだよ。私でさえ全然辿り着けていない場所だ」
『でも本気なら応援してくれる……だろう?
折角だ、先生。俺の夢を……このHENTAIの野望を聞いちゃあくれませんか』
「もちろん。私から聞きたかったところさ。
スバル……君が目指しているものとは、一体なんだい?」
スバルは先生に聞かれると、息を吸って、そして力強く、まるで体育祭の選手宣誓のように、こう言ったのであった。
『俺の野望とは―――いつかあらゆる子供達が、安心してエロ本を読めるようなキヴォトスを作る事です!!』
「やっぱりエロ本なんだ………」
肝心な部分が結局エロであった。
で、その野望をしっかり受け止めた先生はというと。
「スバル。君のその考え方は本当に凄いよ。
私の見た生徒達の中で、そんなに先を見ている人はいないと思う」
『ありがとうございます』
「でも!エッチな本は18歳になってから!!
あと女の子の顔を殴らないの!!!」
『あっすっ、すみません……』
責任ある大人として、スバルに世の正論をキッチリ叩き込んだのであった。
Tip!
覇王色の覇気の素質持ちは、キヴォトスに案外そこそこいると思うぞ!アビドスでさえ、覇王色持ちの候補はひとり以上いるのだ!他の学園にも少なくとも一人はいるかもな!
スバル「数百万人にひとり#とは」
シロコ「?」
おまけ・修行風景
スバル「目隠ししたなー?アヤネは眼鏡の避難は?……よし。それじゃあ、全員一発ずつこのトンボで殴るぞー」
シロコ「ん、グーじゃないの?」
スバル「グーでやったら死んじゃうだろ。手加減だ手加減。そんじゃ、シスターから行くぞ。ほーい」
シロコ「ん゛っ!」(失敗)
スバル「次、ホシノ先輩ね。そーい」
ホシノ「ぐえっ!」(失敗)
スバル「次、セリカ。とーう」
セリカ「ぎゃっ!?」(失敗)
スバル「アヤネ、行くぞ。とりゃー」
アヤネ「う゛っ!」(失敗)
スバル「ノノミ先輩ー、せーい」
ノノミ「うぐっ」(失敗)
スバル「かわすだけだぞ?よく観てかわせよー」
アヤネ「目隠しされてるんですけど!!?」
※この後全員アンパンマンになるまでボコられた
おまけ②・スバルがいることによる、顔芸差分の被害者
・早瀬ユウカ
→鬼麿差分①~④が追加。ガチギレした時に使用。
・桐藤ナギサ
→白目差分が追加。とばっちりを受けたり死んだりした時に使用。
・浦和ハナコ(加害者)
→しいたけ目差分を追加。エ□の同志たちと語らう時に使用。
・鷲見セリナ
→大照れ差分を追加。スバルのエ□関連始め、盛大に照れた時に使用。
・静山マシロ
→曇り表情差分を追加。スバル経由でFate/zeroを聞いちゃった時に使用。
・砂狼シロコ
・黒見セリカ
・十六夜ノノミ
→顔ボコボコアンパンマン差分が追加。スバルの修行後に使用。
・蒼森ミネ
→宇宙猫差分を追加。理解不能な事態に遭遇した時に。
・?????
→(>ワ< )差分が追加。存在しない記憶で???を??だと思い込んだ時に使用。
・?????
→エネル顔差分を追加。???が滅茶苦茶した結果こうなる。
・龍崎クオン
→衛宮切嗣顔差分を追加。「ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!馬鹿野郎ォォォーーーーッ!」
→白目差分を追加。アルやカホみたいなアレ。
・間島スバル(加害者)
→ヒフミ顔差分を追加。ヒフミのモノマネの時に。
→ブレン(仮面ライダードライブ)顔差分を追加。
→計画通り差分を追加。策が見事決まった時に。
→黒服顔差分を追加。黒服のモノマネの時に。
→大魔王差分を追加。スバルがキレた時に。
※ネタしかない顔芸差分祭りのスバルですが、ちゃんとカッコいい系の表情差分もあります。
結論:スバルがいると他キャラのイラストレーターさんの仕事が増えて死ぬぞ!まことに申し訳ございません!
覇王色の覇気を持っていそうなのは?
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シロコ
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ホシノ
-
ヒナ
-
ツルギ
-
ミカ
-
ネル
-
ワカモ
-
カンナ
-
スバル
-
それ以外(コメントでさり気なく…)