HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
「アズサ、ちょっとよろしいか」
「何だ?」
「話があるんだけど…」
とある日。
補習授業部へ向かった俺はアズサを借りて、話を聞き出そうとしていた。
先生から去り際に「変なことを吹き込まないでね」と言われたが、俺を何だと思っているのか。
無知シチュの主人公じゃあるまいし、エロを吹き込む為じゃない。
「…それで、話って何だ?」
「アズサにはよ、教えて欲しいんだ。
……アリウス分校のこと、すべて」
「!!」
今回アズサを借りたのは、知るためだ。
この後攻めてくるであろう、アリウス分校の事を。
「…それを知ってどうするつもり?」
「どうもしない。ただ、今後の為に備えておこうと思ってな」
「? ミカとアリウスの一件なら片付いたじゃないか」
「そうだな。その件は助かったよ。
でも、俺にはアレで終わりとは思えないんだよなぁ」
「……」
「憎しみってのは厄介なモンだ。
中々消えない上に、消えたと思っても小さな火種として燻り続ける。んで、些細なきっかけで燃え上がって、テメェ自身を焼き尽くすまで止まらねぇ。
人の感情の中で、1番御しづらいものだよ」
本当はサオリもベアトリーチェも、これまで影も形も出てきてないから、絶対にまだ何かあると踏んでのことだけど。
でも俺の言葉に思うところはあるのか、アズサはしばらくの沈黙ののち、
「…分かった。でも期待はしないで。私もぜんぶ知ってるわけじゃない」
……アリウス分校について、話してくれた。
アズサから語られたアリウスは、俺の予想していたよりも遥かに酷かった。
己を絶対の真理とし、憎しみを洗脳教育で植え付け、当たり前のように使い捨てられる。
アズサが語ったのはほんの一部だという事を鑑みても、それらをやらかしたのがベアトリーチェだというならば………SNSでのベアおばへの風評も分かるような気がした。
俺は今までベアおばは「黒幕にして存在しちゃいけない生き物」となんとなく思っていたが……その考えに中身が伴ったような……そんな感覚がした。
経験を伴わない憎しみはホーディ*1と一緒だ。そうならない為には、他でもない俺自身がアリウスを知る必要があった。葛藤があっただろうが、話してくれたアズサには感謝だな。
「ありがとな、アズサ。
あと、悪かったな……サオリ達のことについても、教えてくれてよ」
「問題ない」
サオリ達の本名を知れたのも大きい。
これを使えばアリウスの敗残兵から何か聞き出せるかもしれねぇな。
あ、そうだ。アズサには、ちゃんと伝えなきゃならない事ができた。
「アズサ…」
「なに?」
「お前達アリウスの教義……えーと、バニー、なんだっけ」
「『
「アズサがどんな思いでこれを口にしているのかは良く分かった………だから、敢えて頼みたいんだ。
……どうか、俺の目の前ではあまりそれを言わないでくれないか?」
アズサが衝撃を受けたように顔を歪めた。
無理もない。彼女はアリウスの話をする中で、確かにこう言ったのだから。
『全ては虚しい…例えそうであっても、抗うのを諦めるべきじゃない』
アズサらしい、彼女の決意を言わないでくれと頼まれて、驚かない方が無理だろう。
「それは、どうして…?」
アズサはまだ知らないだろうが、俺は気づいてしまったのだ。
その言葉が持つ、
「全て虚しい……俺にとって、それは絶対に許容できない言葉だからだ」
*
アズサからアリウスの事を聞いた後向かったのは、トリニティの地下の牢獄だった。
トリニティの地下牢獄では、重罪を犯したやつらが閉じ込められる。そして、目も当てられないほどの拷問が行われるという噂もある。ミカが収容されてんのもここだ。前のアリウス生の一部も、ヴァルキューレではなくここに閉じ込められているとか。
で、俺がここに来た理由だが、アズサから手に入れた情報をもって、そのアリウス生から詳しい事を抜き取る為であった。
地下牢には当然見張りがいたが、アギト先輩がついていてくれたことで、簡単に捕えたアリウス生の前まで辿り着く事ができた。
「おい……聞こえてるか? 耳がまだ効くならこっち向け」
その声で、アリウス生はこちらを向いた。
その目に敵意…いや、憎悪を宿しているのは明らかだ。こりゃあ、いくら拷問しても口を割るワケないな。
だが、俺はもう、交渉のカードを既に持っている。
「―――ベアトリーチェ」
「!!?」
「錠前サオリ、秤アツコ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリ……」
「き、貴様どこでそれをっ!!?」
「さぁ?お前の方が良く知ってるだろう。
俺達は既に、持ちうる情報すべてを連邦生徒会に出してアリウスを『特別指名手配』として認定させる事に成功している。
運良く生き残れても、次の『ヘイロー破壊爆弾』の実験台になるのは誰だろうな? ハッハッハッ……」
「……」
「もし、情報をくれるんなら、俺が口添えして罪を軽くするように掛け合ってもいい。さぁ……」
「………な」
「?」
「何を話せばいい………?」
カタカタ震えながら呟くようにそう言ったアリウス生に、牢番のモブとアギト先輩は驚きを隠せていない。まぁ、こちらに超敵対的だったヤツが、イキナリこうも態度を急変させりゃ無理もないか。
そう尋ねたアリウス生に、俺は詰め寄った。
「全てだ!全てを話せ!!!
兵器のこと、調印式のこと、計画のこと、戦力のこと……全てをな。
必要な情報かどうかは俺達が決める。お前は包み隠さず全部話せばいい。隠し事や嘘をついたら当然、口添えもナシだ。よく考えて話せよ……?」
俺の耳元で囁くような指示に従うように、ペラペラと話してくれたアリウス生。
アギト先輩は、その様子を見ながら「抜けた私の後釜、お前で良いんじゃないか」等と嬉しくない賞賛を授けてくれた。
いくらなんでも、リアルガチな拷問役なんてやりませんよ。エロマンガにそういうハードコアなジャンルあるけども。
そうして情報を聞き終えて地下牢を後にした俺に、アギト先輩は声をかける。
「まさかあそこまで情報を隠し持っていたとは……スバル、お前なかなかやるな」
「いやいや、それ程でも。指名手配の下りなんて大嘘だったもんで……」
「それでもあそこまで堂々とハッタリをかませるなど才能だ」
「……とんでもない。あんなん慣れりゃ誰だってできます」
それこそ、前世の頃のつまらない人間だった俺でもね。―――とは、流石に言わないけれども。
そうした結果、笑えないような情報をポンポン出しやがったからな、あの捕虜。
いくら俺でも、目の前で動揺しないようにするので精一杯だった。
「なんだよ巡航ミサイルって…なんだよユスティナ聖徒会って……マジで洒落にならねぇ情報しか持ってやがらなかった」
「まぁ、アリウスの行き方はじめ、有益な情報ではあったのは確かだ」
「…これ、ナギサに報告しなきゃならんよな……」
「待て、流石に全部はまだ言わない方がいい」
「…と、言うと?」
どういうことだろうか。アリウス生から得た情報をナギサに話さない方が良いとは?
そう思っていると、先輩はこう続けた。
「分かってるかもしれないが、あの女はいざという時視野が狭くなる。
そんなヤツが『アリウス分校への行き方』を知ったら、先手を打って攻めに行く……などと言いかねん。
エデン条約という大事を控えている以上、アイツには条約の調印と防衛に専念させた方が良いだろう」
「めっちゃナギサに詳しいっすね」
「そうならざるを得なくなっただけだ。
それに、孫子の兵法にもあったろう、『敵を攻める時には5倍の戦力が要る』と。
不確定要素も多い以上、無闇に攻めるのは愚策中の愚策だ」
「成る程」
俺の実力は軍どれくらいだと思います? と思ったが、アギト先輩曰く「そもそもアリウスの戦力が分からない時点でこちらの戦力がどれくらいだろうと攻めるべきじゃない」………と言う事だそうで。
そういう事なら、とナギサに報告するのはアリウスの作戦だけにすることとなった。
「ナーギサー!!ツチノコになって死んでるー?」
「「「「「言い方ァ!!!」」」」」
ドアを蹴り開けるという、淑女?何それ美味しいの?とでも言うかのような入場とあまりにも意味不明な言い方に、死んだ奴が返事をするかと言わんばかりにティーパーティーの一同の声が揃った。
そこで俺は気づく。真ん中のラウンドテーブルの席についているのが、ナギサだけではなくなっていることに。
「お、セイア!退院したのか!
アズサや先生から身体が良くねーって聞いていたが、回復したようで何よりだ!」
「……まだ無理は出来る身体ではないがね」
「それよりも、間島スバルさん」
「お?」
ナギサが俺とセイアの再会をぶった切ってこちらをキッと睨みつける。
普段のナギサらしからぬ、ティーパーティーの威厳ある顔つきだ。一体どうした?
「何ですか先程の入り方は。手を使わず足で蹴破るなど、淑女からは最も遠い野蛮人の所業ですよ。それに、ここは貴方の箱庭ではないのです。好き勝手に立ち入りされては困りますね」
「うわー、ヒフミの物真似で即死した奴の言葉とは思えねぇ」
「ぅ…………………今は関係のない話です。そして……おや、先日ティーパーティーを抜けたばかりのアギトさんではありませんか」
俺から目をそらしたナギサは、次にアギト先輩の方に目を向けた。
二人の互いを射殺すかのような視線が突き刺さる。アギト先輩の方は今にも殴りかかりそうだ。『覇気』を使うまでもない。この一瞬で、この場の殺気が数倍に膨れ上がったかのような錯覚だ。
「私の命を狙ってまでティーパーティーを辞しておいて、よくもまぁぬけぬけと顔を出せたものです。短期間で随分と面の皮が厚くなったご様子で」
「黙れ疑心暗鬼。嫌味からしかものを話せないのか貴様は」
「なんの御用なんです?もうここに来る事はないと仰っていたのは何だったのですか?」
「状況が変わった。本来ならここに来るつもりなど毛頭なかったが、洒落にならん情報が手に入ったから、ティーパーティーに報告をとな」
「あら、今更なんのご報告を? 私と完全に袂を分かった貴女が言う事などありましたでしょうか」
口を開けば始まる嫌味と暴言の応酬。
これは良くない流れだ。敵は明確*2なのに、味方同士で争っているなど、つけいる隙以外の何者でもないからだ。
取り敢えずここを収めて、何とか情報共有に持ち込みたい。悪いが、口喧嘩はそこまでにしてもらうよ。
俺は、ボイスチェンジャーを手にヒフミの顔真似をして―――
「『いい加減にしてくださいナギサ様。嫌いになりますよ?』」
「がふっ!?」
「「「「「ナギサ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?!?」」」」」
よし、死んだ。
流石はエンジニア部。良い出来になっているじゃないか。
やった事といえば簡単だ。俺の顔マネとエンジニア部謹製のボイスチェンジャーでヒフミを演出し、言ってない事を言っただけ。
ナギサはヒフミ関連で即死することは知ってるからなぁ……そこでヒフミの声で辛辣なことを言えば、1000%死ぬと踏んでいたよ。
「…スバル。ナギサに何をした」
「いや、なーんにも。ただ、この前のことを思い出してもらっただけだよ*3」
「ナギサのこのリアクションとそのふざけた顔から見るに、明らかに『何かした』の範疇だろう!
まったくなんてことを……!」
セイアが駆け寄る。
ナギサは、椅子から崩れ落ちて床に痙攣しながら横たわっていた。
「あぁ……ヒフミさん…ごめんなさい…」
「気をしっかり持ちたまえ。ヒフミならきっと許してくれるとも」
そのままナギサを励ますセイア。
アギト先輩が「もう一発やるか」とか言っていたが、流石にこれ以上の追い討ちは、ナギサが1日経つまで復活しなくなるかもしれないからやめておいてやれ。
ピクピク震えていたナギサだが、じっくり見てみると顔やばいな。後藤ひとり*4といい勝負するんじゃねーか?
「私が……私がトリニティのツチノコです…*5」
「何を言っているんだナギサ。落ち着きたまえ君は誉れ高いティーパーティーだ」
「ノコノコ…ノコノコ……*6」
「やめたまえナギサ。床を仰向けで這うのはやめたまえ!ティーパーティーの威厳の欠片もないぞナギサっ!」
「嘘だろナギサ……顔が変形しているぞ」
突然始まったナギサの奇行に、セイアや他のモブ共は勿論、敵対視していたアギト先輩さえも言葉を失っていた。
モノマネとはいえ、ヒフミの一言でここまで即死するって、本人と会話出来ないんじゃねーの?
あいつしょっちゅう「あはは…」って言うし。その度に死なれちゃヒフミもビックリするだろうが。まぁ、俺としちゃ面白いからこのままでいて欲しいけど。
面白いからこのまま煽ってやろう。
「ナギサ、ナギサ!しっかりしたまえ! ティーパーティーの面目が丸潰れだぞ!?」
「なんだ、この程度で潰れる
「これを見て言っているのか!? どんな威厳も吹き飛びそうな有様なんだが!!?」
「吹き飛んで困るメンツなら仕舞っときなさいや!!!不備を認めた程度で落ちる信頼なんざ元々ねェも同じだ!*7」
「凄まじい顔*8をしながら何を言っているんだ!? というか、ナギサに不備を作った元凶の君には言われたくない!!!」
「ノコノコ…ノコノコ……*9」
ワハハ、おもしろ。
あと3時間くらいこのツチノコナギサ*10を観察しても良いのだが、そろそろ本題に戻る必要があるため、おっ死んだナギサの蘇生をティーパーティーのモブに任せつつ、報告の席についた。
俺とアギト先輩の二人から報告を受けたセイアは、はぁとため息をついた。まぁ、分かる。それ程までに面倒な情報なのは確かだ。
「アリウス、か……数々の情報提供、感謝する。また何かあったら連絡するさ」
「ちゃんと作戦会議には呼べよー。俺やアギト先輩だって作戦は立てられるんだし」
「今のティーパーティーは前ほどの力はない。シスターフッドや救護騎士団の力を借りざるを得ないだろうね。もしかしたら、新進気鋭の君達にも声がかかるかもしれないね。………少し、いや、かなり……不安だが」
「俺の何が不安なんだよ?」
「そういう自覚がないところ、だろうか」
セイアから若干不安な宣言を受けたが、あとの事を考えて、こっちでも策を考えた方が良いかな。
「ヒフミさ~ん!」
「うわっ!?ナギサ!!? 一体何を…」
「あぁん、逃げないでヒフミさん!」
「よく見たまえ、私はセイアだ!」
「申し訳ございませんセイア様!
ナギサ様の蘇生の為に使ったお砂糖の分量を間違えてしまいました!」
「待て、ツッコミどころが山ほどあるんだが!?
まず蘇生ってなんだ! 砂糖を使う意味は!? 分量を間違えたらどうしてこうなる!!?」
どうやらティーパーティーも忙しくなるみたいだ。
部外者の俺達がいつまでもここにいちゃあ、迷惑だよな。
アギト先輩に目配せをしたら、席を立つのが同時になった。
「じゃあ、俺達はこの辺で」
「また会う事になるかもしれないだろう。今度は、プレアデス性団として」
「ちょ、ま、待ちたまえ間島スバル!
ナギサがこうなった事、確実に知っているだろう!!?
オイ、待て、話を聞け! 逃げるなァ!!!」
「キャラ忘れるとか必死だな。
大丈夫だセイア、そのナギサに害はない、先生のお墨付きだ」
己に抱きついてくる、明らかに異常事態のナギサ。その原因が俺にあると思い込んで*11キレているセイア。
俺は、そんなセイアに努めて冷静になるように、ナギサに問題はないと言ってから、ティーパーティーのテラスを去っていったのであった。
Tip!
ティーパーティーの風評はこの時点で半殺しになってるぞ!ナギサが何度も死んだり生き返ったりしていることで、「ナギサ様の体は人間の体ではないのかも」と噂になっている程だ!
おまけ・先生のお墨付き
スバル「―――という訳で、ナギサがぼっちみたいなすぐ死ぬ&生き返る体質になりました」
ヒフミ「何してくれてるんですかスバルちゃん!?」
スバル「いやまさか、俺もNTR同人読ませてからこうなるとは思わなかったんだ。流石キヴォトス、何でもありだわ」
ハナコ「ミレニアムに見つかったら身体の隅々まで検♡査されちゃいそうですね♡」
コハル「なんで息多めに検査って言ったの!?エッチなのは駄目!死刑!」
アズサ「……で、結局ナギサは大丈夫なのか?」
スバル「防御力と体力は1になったが、残機が無限にできた。でもまぁ危ないのは確かか。判定は先生にくだしてもらおう。先生ー?」
先 生「まぁ大丈夫でしょ(適当)」
スバル「はいOKでましたー」
ヒフミ「どこがですか!?!?」
※こうは言うが何だかんだ先生はナギサを気にかける模様。
はい。という訳で、ボチボチアリウス侵攻編に入るかと思います。便利屋&アスナの大爆発はまだ細かな所が決まんないから後で。
その際に、スバルにどこまで暴れさせるか魔王レベルで聞きます。……えぇ、聞くだけです。あと基準となる魔王は私個人の偏見となりますので、あしからず。
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