HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
…シリアス?そんなもんウチに期待するな!
ミサイルを墜とそう
エデン条約調印式・当日。
俺は一部のプレアデス性団の団員数人――ユマとユララ、セラもいる――を連れて、ゲヘナでもトリニティでもない、とある小高い丘にいた。
大事な条約の調印式を放ってそこに行ったのには、ワケがある。
「ホントに、飛んでくるのでしょうか……巡航ミサイルが」
「アリウス生が吐いたんだ、撃ってくるハズだ……」
調印式の会場と、ヒナちゃんの移動する車……そこに向かって放たれる巡航ミサイルを、この手で撃ち落とす為だ。
防衛システムでも撃ち落とせるかもしれないが、相手はあのベアおば…………つまりゲマトリアだ。奴らの正体は分からないが、
つまり
「アギト先輩も言ってたけど、奇襲が上手く行くポイントって、『敵の裏をどれだけかけるか』なんだ。どんな名将だろうと、知らない策の対策は出来ない。
初撃に巡航ミサイルってことは……防衛システムを突破できる自信があるってことじゃないのかな」
特にベアおばは自信のない策なんか使わなさそう。
撃つとしたなら、キヴォトスの技術なんか突破できる、と自信と確証を持って撃ってくる気がする。
そう、『気がする』。根拠のない勘だが、今回のこれは外れる気はしなかった。
―――そして、時は来た。
「―――! 『円』に反応アリ。撃ってきやがったな…!」
「え、ホントですか? まだ防衛システムに反応はありませんが…」
俺が限界ギリギリまで展開していた『擬・念能力・円』。そして、同じく120%に研ぎ澄ませた『擬・見聞色の覇気』……どちらからも、飛来物が来たという反応があった。数は2機。どちらも調印会場へ向かってきている。
「ユララはネットワークを使って、ユマは望遠鏡でも何でも使え、飛来物の特定をしろ。念のためな」
「「了解!」」
「俺は……アレを撃ち落とすッ!」
即座にこの身にあらゆる強化をかける。
『擬・界王拳』、『擬・一刀修羅』、『擬・無双転生』、『擬・ヒートライザ』……それらを以て生まれた黒い炎を……
普通の槍なら即座に融解する……が、そうならない為の『武装色』。お陰で槍は、真っ黒い槍の形を保っている。
更に。ここに、『必殺マジシリーズ』並の全力を上乗せする。そこまでやって、槍に変化が現れる。
「や、槍が…!」
「真っ白?赤?に光り出した!!?」
ここまで強化をブチ込んでも尚、ミサイルを撃墜できる保証はない。
だからこいつに、名を付ける。
「『神槍・スピア・ザ・グングニル』―――!!!」
それは、絶対不可避の槍の名。
北欧神話にて、最強の神が使っていた武器を冠したその技に……この瞬間だけは、『擬』を付けなかった。
まぁ願掛けみたいなモンだ。この時だけはそうであってくれと。
その時。
「!?」
「お姉様!? 大丈夫ですか!」
視界がグラついた。
力を込め過ぎたか? いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。
早く安定させて発射しないと、撃墜が間に合わない。
「いや、問題ない。行くぞ―――」
光り輝く槍を、やり投げの要領で逆手に持つ。
そして、………一歩。
踏み込んだ。
「行っけええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!!!!!」
全てを置き去りにした槍が、俺の手から消えた。
そして、わずか1秒も経たないうちに、空の遠く彼方が光ったと思えば。……台風とも感じるレベルの爆風が、全身に襲い掛かった。
「「「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!?」」」
「うっ……お!!?」
全力中の全力を出し切った後だからか、何ともない筈のそよ風で吹き飛ばされそうになる。
だが、ここまでの風が生まれると言う事は即ち。
「へへ…撃墜、成功……!!」
「やりましたね、お姉様!!」
「ほ、ほんとに…やっちゃった!!」
ユマとセラはじめ、他のプレアデス性団員が喜びを分かち合う。
これでアリウス達の不意打ちにも対処しやすくなるハズだ―――
「ま、待って、皆!
まだ…まだミサイルの反応がある!!」
「「「「「!?!?!?!?」」」」」
衛星映像を映したパソコンの画面を見ていたユララ先輩から、鋭い声があがった。
馬鹿な。
確かに撃ち落としたハズだ。
そう思ってもう一度『円』と『見聞色の覇気』で見てみると………先輩の言うとおり、もう1発、ミサイルの反応があった。
避けられた?それとも時間差だった?………いや、この際理由は後回し、ソレをどうにかするのが先決だ。
「ミサイルのルートは!?」
「こっちに向かってる!」
「ってことは式場狙いの奴か…」
「お姉様!さっきの槍をもう一度……」
「無理だ、セラ。
俺が全力を出し切った後だし、何より時間がかかりすぎる。着弾前に間に合わねぇ」
「そんなっ!?」
さっき同じものを撃墜してみせた『神槍・スピア・ザ・グングニル』。アレ並みでないと撃ち落とせないだろうが、流石の俺も、あんなのを連発出来るわけではない。
しかもあのミサイル、早い。もう既にキィィィィンというミサイルのエンジン音が聞こえだした。モタモタしてたらここを通過される。
「ど、どどどどうしましょう!!?
こういう時はおおお落ち着いて手札を整理、して…」
「一、会場の団員に連絡して一か八か防衛ミサイルを手動で撃たせる…
二、避難を最優先させる…
どっちも時間的にヤバい気がするんよねー…どうする、スバルちゃん!?」
確実に慌てているユマとパッと思いついたことを言ってくれたユララ先輩の言うとおり、このままだとヤバい。
特に会場にいる先生は致命的だ。ミサイルの爆撃はモチロン、余波で飛んできた瓦礫の欠片が頭にぶつかったとかで死にかねない。
ミサイルは止めねばマズい。でも撃ち落とす手段がない。ならば―――
「―――三、地盤を盾にして防ぐ」
「「「!!!」」」
⋆
―――地盤を盾にして防ぐ。
字面だけ見ても、意味が分からないことだろう。
それは、我々
いくら巡航ミサイル相手でなくとも、まず地盤とは盾にできる代物ではない。
だが、この場にいたのは、スバルをはじめ無駄に洗練された無駄のない無駄な訓練を積んだ者達である。
スバルのその言葉を、1ミリも理解できない者は存在しなかった。
「分かりました!……総員!物陰に隠れて!」
ユマが指示を出す。それに従い、プレアデス性団が一糸乱れぬ軍隊のように物陰や岩陰に隠れたのと同時に、スバルは振り上げた拳を地面に叩きつけた。
「『擬・炸裂―――ガイアクラッシャー』!!!!」
スバルの目の前の真っ平らな地面が、隆起した。
それは、まるで突如現れた、防壁のようで。高層ビルとも見紛うレベルの高さまで地面が盛り上がった、次の瞬間。
―――ドッグォォォォォォオオオオオオン―――!!!
その隆起した岩盤のような地面に何かがツッコみ、視界が真っ白に染まった。
「けほっ、けほっ……」
「みんな、大丈夫!?」
「っくぅ……!はぁ、はぁ……!」
鼓膜を破壊するかのような轟音がなり、静寂が戻ったその頃。
粉微塵になった瓦礫がモゾモゾと動き、土埃と焼け焦げた痕だらけの少女達が這い出てきた。
ユマにユララ、セラだ。全員、軽傷こそあれど、戦闘不能ではなさそうだ。
「いった~~い! ヤバすぎでしょ、あのミサイル!」
「こんなものが式場に降り注いだら、どうなっていたことか……」
「スバルさんのあの壁が役に立ちましたね…」
そもそも、巡航ミサイルとは、キヴォトス人であってもまともに食らって立っていられる代物ではない。キヴォトスの外から来た技術なら尚更だ。プレアデス性団全員が、剣先ツルギ並みの耐久力を持っている訳でもない。ならば何が被害を防いだかといえば―――スバルが直前に出した、あの地面の隆起。
―――炸裂・ガイアクラッシャー。
本来、巨大な人型兵器に乗って放たれるこの奥義は、間島スバルは生身での発動を可能とする。
その効果は………疑似的な
たかが瓦礫の山程度では巡航ミサイルなど防げない。だがいくら巡航ミサイルが街一つ消滅させられる程威力が高くても、地殻を消し飛ばすことは出来ない。だからって「ならばそれを盾にすればいい」とはならないが。
こんなことを咄嗟に思いつく辺り、間島スバルはぶっ壊れている。
……で、スバル本人はどこにいるかというと。
「お姉様! なんとおいたわしい……!!瓦礫に埋もれてしまうなんて…!」
「セラ、助けてくれ………今の俺じゃあ身体が動かん」
「少々お待ちを!!」
セラ達動ける団員達によって、掘り出されていた。
いくらキヴォトスで桁違いな力を持つとはいえ、流石に120%の全力をたて続けに放ち、巡航ミサイルの爆風を最前列で受けて尚無事、とはいかなかったようだ。
今のスバルは、RPGで言うところの「MP切れ」だ。『神槍・スピア・ザ・グングニル』に加えて、二発目のミサイルを塞ぐため『炸裂・ガイアクラッシャー』を無理して使ったのだ。代償が出てこない方がおかしい。
現に、たかが瓦礫に埋もれている状態を、自力で解決できていない。普段のスバルならば、これくらい簡単なことのハズだ。
「スバルちゃん………大丈夫?」
「傷は大丈夫……だが、まっっっったく動けねぇ。あと眠い」
「お姉様!!?」
「あの全力の反動……ってことですよね」
ユマの言う通り……音速の巡航ミサイルを撃ち落とせる程の大技をぶっ放しておいて、リスクなど無い訳がなかったのだ。
団員に掘り出され、セラに背負われながらも、スバルは下がりそうになる瞼に抗いながら、こう言った。
「会場に、アリウス生が、出てくる筈だ………友達や先生が不安なら……俺を置いて、先に行ってくれて構わない……」
「そんな、スバルさん! 貴方を置いて行けません!」
「そうです!」
「私達は貴方と一緒にいます!!」
「大体スバルちゃん、今更指も動かせないクセに、アリウスに襲われたらどうするつもりなん?」
ここは俺に構わず先に行け。
その言葉を一切承服しない団員達。
セラもユマもユララも、他の団員達も、スバルを置いていくつもりはさらさらないと。
それを見たスバルは、弱々しい笑顔で、途切れそうな言葉を繋ぐ。
「じゃあ……しばらく……おれを、まもってくれ……
お、れ、ちょ………と…ねる…………」
その言葉を最後に、スバルの瞼が、意識が、完全に落ちた。
普段のたくましく、強烈な実力とキャラからは想像もつかないような、穏やかな寝顔から、すーすーと静かな寝息が聞こえだした。その様子は、これから戦場へ行く者には到底見えない。
「……ユマさん、ユララさん、周囲の警戒をお願いします」
「ですね………あ、副部長。私、ノボリちゃんやクオン達に連絡を取っても良いですか?」
「勿論です」
「……はい、というワケだから〜……スバルちゃんが目覚めるまで、ゆっくりすこ〜しずつ会場に行くよ!
敵に見つからない事を優先して!スバルちゃんを守り抜くよ!!」
「「「「「了解!!!」」」」」
スバルがいなくなった後のプレアデス性団は、セラを中心に、そしてユマやユララの献身を元に動き始めた。
………これは、本来の道筋からはかなり離れだした展開である。
それは、この時点で各地に様々な変化を及ぼし始めていた。
「ひ、ヒナ委員長!今の爆風は…!?」
「多分、巡航ミサイル。それも、防衛システムが機能しないレベルの……。でも、おそらく……」
「ふぇぇ……どうしてミサイルが撃墜されたんですかぁ……!?」
『致し方ない。ヒナを出来るだけ足止めしろ。アレの確保まで持ちこたえるんだ』
「りょ、了解ですぅ!
えへへ…そういう訳なので……」
だが、『本来の道』を誰も知らない今となっては全て些事である。この世界において、その変化こそが、『本来の道筋』なのだから。
「先生!ご無事ですか!?」
「ツルギ!ハスミ!
今、どうなってる…?」
「どこからともなく謎の武装した生徒達が……」
「なっ…正義実現委員会の委員長と副委員長!!?」
「! ゲヘナ……ッ」
「ハスミ、落ち着け」
「待って、ハスミ。アルは私を護衛してくれてる子だよ」
「…分かりました」
ただ。
その知る由もない未来において……1つ言えることがあるとするならば。
「…ミサイルが撃墜された?そんな事あるの?」
「分からない。だが……例えどんな事が起ころうとも―――この作戦は、成し遂げる」
「いつでも行けるよ、リーダー」
「vanitas vanitatum, et omnia vanitas……行くぞ。トリニティとゲヘナを……地に堕とす」
この『展開』は、心優しき大魔王にとって、確実に良い方向へ向かって動いている、という事だけである。
Tip!
スバルが「スピア・ザ・グングニル」を撃ったのは、巡航ミサイルがどれだけの火力で撃墜できるか分からなかったからだ!確実を期すため、最初に全力中の全力を出し尽くす勢いで迎撃したぞ!!
おまけ・調印式前の或るモモトーク
変 態「依頼がしたい」
社 長『え』
社 長『あ、依頼はなにかしら?』
変 態「エデン条約調印式に出席する、先生の護衛だ」
変 態「頼めるかな?」
社 長『報酬は?』
変 態「ひとまずコレでいいか」
変 態「(スーツケースに敷き詰められた札束の写真)」
社 長『こ、こんなに!!?』
社 長『じゃなかった』
社 長『写真なら幾らでも拾えるわよ』
変 態「じゃー事務所の場所教えて」
変 態「詳細話すついでに持っていくわ」
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