HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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条約を寝取るというパワーワードはワイのもんやぁ…


寝取られたなら寝取り返そう

 読者の諸君、こんばんは……というべきだろうか。

 今俺は、ティーパーティーのテラスにいる。

 いつも通りに紅茶と茶菓子が並んだラウンドテーブルにて……

 

「…セイア。身体が弱いのに無理をするもんじゃあない」

 

「誰のせいでこうなっていると思っているのかな?

 君は少々、問題意識というか責任感というか、協調性というか……集団で問題を解決するために必要なあらゆる要素に欠けているようだ…!」

 

「だ、だめだよセイア!まずは話を聞かないと!」

 

「みー!みー!」

 

「あ、あ……えぇと、えと…!」

 

 百合園(ゆりぞの)セイアに、首根っこを掴まれていた。

 もともと体の弱いセイアがそれをやるもんだから、無論掴む力は弱く、その気になればすぐに振りほどけるだろう。しかし、俺はそれをやらない。

 それを知ってか知らずか、止めてくれているのは2人……いや、1人と1匹。眼鏡イケメンの先生と……ベージュの色をした謎のメンダコである。

 で、残りの一人……伊草(いぐさ)ハルカは、この状況にうろたえるのみだ。

 

 ……想像してみたところで、理解が追い付かないだろうか。

 まぁ、追いついた先生方もいるだろうが、念のため、経緯を説明させてくれ。

 

 

 

 

 そこに着いたのは、休むために床について寝たであろう直後だ。

 一見、トリニティのティーパーティーの茶しばきの場である真っ昼間のテラス。だが、俺は確かにベッドで寝た記憶がある。

 でも気が付けばテラスにいて。で、席には先客が何人かいた。1人はセイア。1人は先生。1人はハルカ―――彼女だけはどうすればいいのか分からないみたいに立っていたけど。そして。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 もうひとつの席……というかテーブルの上には、メンダコのような生き物がいた。

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

「…なんだ、セイア・先生、ハルカに()()()かよ。

 ってことは何だ、ここは夢の中か? フリーダムだなお前も」

 

「待ちたまえ間島スバル。何故この生き物がナギサだと分かる!?」

 

「えっ!? 待ってスバル、このタコみたいなの、ナギサなの!!?」

 

「みー!みー!」

 

「そうですよ、なんで分からなかったんですかーって聞いてるぞ。二人に」

 

「分かるわけがないだろう!私の友人にタコに変身できる人間はいないのだが?

 というかそもそも、人という生物はタコに変身できる機能など持っていようもないのだが!?」

 

「ご、ごめんねナギサ!? でも私の知っているナギサとちょっと…だいぶ違ったからさ!!?」

 

 セイアが慌てふためきながら自己弁護をする。

 先生は、メンダコと化したナギサを慰めようとする。

 しかし、健闘むなしくメンダコナギサは「みーみー!」と泣きだしてしまった。

 あーあ、いーけないんだー。

 

 

 

 

 

 さて、一端場が落ち着いてきた頃、俺はまずセイアに確認をしておく。

 

「さて、セイア。ここはお前の夢の中って事で良いんだよな?」

 

「あぁ、そのとおりだ。そして、先生と空崎ヒナ、そして便利屋の彼女を招いた」

 

「……ヒナちゃんはいないみたいだけど?」

 

「すぐに目覚める未来が見えたから来れなかったのだろう。手術が上手くいったんだ、近いうちに意識を取り戻すさ」

 

「そっか…」

 

「? 未来?」

 

「あ、そっか先生は知らないのか。

 このセイアって言うのはティーパーティー……つまりナギサやミカの同僚で、未来を見る力を持っている」

 

「そうなんだ、よろしくね」

 

「あぁ、よろしく。

 ……ところで間島スバル。急に話を振るようで申し訳ないが、君は何故この夢に来れたのかな?」

 

「ん?」

 

 先生がセイアと軽く挨拶した後で、俺はセイアにこう問いただされた。「ここに呼び出したのは空崎ヒナ・伊草ハルカ・先生だけの筈なんだがね」と。

 心当たりは……ある。かつて俺が「間島スバル」になる前、俺はブルアカの先生(プレイヤー)であった。

 セイアの夢に入るのに資格か招待が必要かどうかは分からんが、仮に招待される必要があり、かつセイアが「先生」を招待した場合、現在の「シャーレの先生」だけでなく「かつてシャーレの先生だった(『ブルーアーカイブ』をやっていた)者」も招待を受けた……という可能性がある。

 まぁ全部仮説だし、そんなことよりも大事な話は山ほどあるから言わないが。

 

「ん……知らん。何かしらお前の方がミスったんだろ。

 その理論でいったら、ナギサがここにいる理由も分からんだろ」

 

「いや、ナギサは、その……こんな姿だったから分からなかっただけであってだね…」

 

「あ、あの………」

 

 お、ここでハルカが声をあげた。

 目が泳ぎ、完全に緊張しまくっている。

 

「わ、わ、私……ここにいて良いのでしょうか…?

 場違いじゃありませんか? 場違いですよね?

 あぁぁ………死にたいです、死にます!!」

 

「ま、待って!? ハルカ落ち着いて!!」

 

「で、でも先生……!」

 

 あまりにも煌びやかな場に耐え切れなくなったのかなんか勝手に自害しようとする。

 先生がそれを止めようとしてくれているが、セイアやナギサは止める様子がない。というか怯えているような様子から一転自爆しそうに振る舞ったハルカに引いているって感じか。

 仕方ない。俺が止めるしかないようだ。

 

おい伊草ァ!!

 

「ヒィィィッ! ハイっ!!

 い、いいいい依頼は失敗ですよねごめんなさい!

 私の命でお詫びしますのでどうかアル様達だけはぁ!」

 

「座れ、話を聞け」

 

「す、スバル! ハルカにそういう言い方は―――」

 

「いいか伊草! ここでお前が大人しく座らねーとアルちゃんの報酬金だけ10分の1にすんぞ!

 そうなったらお前のせいってことになるわなァ……お前のせいでアルちゃんだけひもじい思いをするんだぞ!!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!?!?!?

 す、座ります!座りますからそれだけは…!

 アル様にもお恵みをぉぉぉ……!!」

 

「あぁ、座って俺の話を聞くがいい!

 あとそこの狐耳の女に紅茶とお菓子を好きなだけねだれ!いいな!」

 

「はいぃ…」

 

「何故君が仕切っているのかね?」

 

「スバル…意地悪なような、優しいような…」

 

 困惑しているらしき先生をスルーして、セイアに紅茶と茶菓子を出すように視線で促す。

 セイアは困ったようにため息をついてから、空のティーカップとティーポットを手に取った。

 注がれた紅茶がハルカの手元に置かれたのを確認してから、俺は話を始める。

 

「一番気になってるであろう事から教えてやる………アルちゃん達はまだ諦めてないぞ。依頼も、お前の事も」

 

「………そう、ですか…!」

 

「むしろ『仲間を傷つけられて黙ったままの便利屋じゃない』と意気込んでいた」

 

 ハルカが眠ってからのことを伝えると、ハルカは最初こそ嬉しそうな顔をしていたが、しだいに表情が曇り、俯いてしまった。

 どうした? なにか、悪いことでも言っちまったか?

 

「アル様は、そうすると思っていました……。

 でも、私は駄目ですね………みんな、そこまで頑張っているのに……

 わたしは、先生を一回かばっただけで倒れて……。

 その上こんなところでお茶なんて飲もうとして…」

 

 あぁ、そうか。

 自己肯定感がゼロを通り越してマイナスに突入してしまっているハルカからすれば、先生を庇うだけ庇って倒れた自分が情けなく感じちゃっているのか。

 だが、ここには先生がいる。このまま塞ぎ込ませる事はさせないだろう。

 

「そんなことないよ、君は立派な子だ。

 あの時、ハルカが道を開いてくれたし、なにより私を守ってくれたんだから」

 

「先生……」

 

「本当は、私が君達子供を守らなくっちゃあいけなかったんだ。責任は、私にある。

 だけど……これだけは聞いて。―――私を守ってくれてありがとうね、ハルカ

 

「そんな、すみません……そこまで言って頂いて」

 

「俺もアルちゃんから聞いた。『ハルカは先生を守るって俺の依頼を果たした』って」

 

「スバルさんまで……」

 

 先生が、守られていた人の立場からお礼を言う。

 この人からすれば、子供は守るもののはずで、守らせてしまったことに責任感を感じているはずなのに。

 で、俺も俺で、アルちゃんが言った事をそのままハルカに伝えて、こう慰めるのだ。

 

「ハルカ。こういう時はな、『すみません』って言うモンじゃあねぇ。

 ……ありがとうって言われたんだから、『どういたしまして』って答えなくっちゃ」

 

「あっ、はい……」

 

「まぁ、目下のハルカの依頼は生きて目覚めることだな。

 お前とアルちゃんを引き離そうとする死神をブチ殺して、とっとと目を覚まして、アルちゃん達に元気な顔を見せてやるこった」

 

「え、あ、は、はい………」

 

 俺の依頼内容の更新と、先生の純粋なお礼に、流石のハルカも自己肯定感の箱がちょっとでも中身がはいったようだ。

 控えめな笑みで、俺の言葉に答えたのだった。

 

「…ふむ。どうやら、まとまったようだね」

 

「ごめんね、待たせちゃったようで」

 

「こうでもしないとハルカは暴走しちゃうから……。

 さて、時間もあるか分からないし、聞きたいこと言いたいことが山ほどあるんだ。

 本題に入っちゃおうぜ」

 

「だから、君が仕切るのは………」

 

 

 

「セイアのことだ。

 ―――()()()()()エデン条約についての対策会議だろう? コレ

 

「「「………」」」

 

 俺のその一言に、先生は苦笑いで答え、ハルカは目が点になり。

 セイアは呆気に取られたとばかりの宇宙猫……ならぬ宇宙狐顔を晒したのであった。

 

 

 

 

 ―――そして、今に至る。

 

「私達は真面目な話し合いをするためにここに集めたんだ。茶化すようなら帰ってくれないか?」

 

「俺は大真面目に話をしているんだよ。どっかのトリカスのように必要以上に死んだり言葉遊びしたりしてない」

 

「ナギサが死にまくるようになったのは君が原因だろう!?

 ……そうじゃなくって、何故今『寝取る』なんて単語が出るんだ、ふざけている以外のなんだというのか?」

 

「みー!みー!」

 

 首根っこを掴んだセイアが、俺を揺さぶってくる。

 ダメージが自分に跳ね返りそうなのに、無茶するんじゃあないよ。

 ナギサもメンダコ語で抗議をしたところで、先生が割って入ってきた。

 

「はいはい、セイアもナギサも落ち着いて。

 スバルはその……独特だけど、真剣な時は真剣にやるからね、こう見えて」

 

「………むぅ」

 

「それで…スバルは、どうして『寝取る』なんて言葉を使ったんだい?」

 

「そもそもエデン条約って、俺達トリニティとゲヘナで結ぶ平和条約だろう?

 それをアリウスが勝手に横から入って、先に調印して自分達のものにしたんだ。

 これを『寝取られる』と言わずになんて言うんだ?

 

普通に『奪われる』とか『盗まれる』で良いんじゃないかな!?

 

 分かってないな先生。

 奪われちゃいけない、大事な大事な条約だからこそ『寝取られる』が適応されるんだろうが。

 この単語をイヤらしい意味だと捉え、不真面目さを見い出す奴こそ、固定概念とエロ妄想に凝り固まった奴なんだ。

 

「あの、『寝取られる』って何ですか?」

 

「ハルカ、『寝取られる』とは…」

 

スバルストップ。エロ漫画の単語の説明は今はナシだ

 

「……くっ」

 

「え、エロ漫画!?」

 

 ハルカが興味ありげだったので説明したかったが、先生に止められてしまった。

 歯噛みする俺含めた全員に「今はわかりやすさ優先で『奪われた』って事にしよう」と釘を刺してくる先生。

 

「あー…では、説明を始めようか、先生?」

 

 そこで、ようやくかと言わんばかりに話を始めるセイア。

 

「先生、君はキヴォトスの外部から来た人間であり大人だ。となれば、契約、取引、合意…そういった『約束事』のもつ重要性についてよく知っていることだろう。

 例えば『悪魔との契約』というものがあるだろう?有名なのは『ファウスト』における、悪魔メフィストフェレスとの契約だ。

 昔話においても『驚異的な何かが不注意な約束をしてしまったがために敗北する』、あるいはその逆に『そういった約束により打ち勝つ』というお話は幾つもある。

 …だけど、そこからはこうも読み取れないかい?

 単純な紙切れ、あるいは口約束に過ぎないとしても………『約束』というものは時に何かを強く拘束し、定義づけることもある。

 契約、戒律、法則……こういったものはそれら昔話と同様に、キヴォトスにおいても重要な概念だ」

 

 ………つまり、契約とかの約束事、とは俺らの思っている以上にドデカいパワーを持っていると。

 

「成る程。ユスティナ聖徒会のときにも出てきたね。戒律の守護者……とか」

 

「そうだ。トリニティの経典には太古の始まりの『神性』、そしてそれとの間に締結された10の戒名が描かれている。その他にも、私達は原初において『約束』を破ったから楽園から追放され、生まれながらの罪を背負いながら生きる羽目になった――その罪はある聖人がすべて背負って処刑されることで贖われたらしいが――………そのようなことも記し伝えられている。

 ……とはいえ、『契約』を利用して誰かを救ったことがある先生にとっては、もう今更の事かもしれないがね」

 

「…あの、どういう事ですか?」

 

「アビドスにホシノって小さい先輩いたろ?

 実はあの人、悪い大人に嘘の契約で騙された事がある。でも先生は、その契約の『穴』を見破って救ったってこった」

 

「なるほど……でも、その……そんな契約?なら、燃やしてしまえば良かったのでは?」

 

「確かに契約書のオリジナルを燃やしてしまえば、契約があったことの証明が消えるため、契約そのものをなかった事には出来るがね、伊草ハルカ。

 だが総てにおいてその対処法が通用するとは限らない。例えば条約のような、広く知れ渡ってしまっているものの契約は、原本を燃やす程度ではどうにもならないさ。

 敵もそんなものは知っていよう。常識だろうね。だから、契約書のコピーを取ったり、原本を保管したりして、必要以上に守っていることだろう」

 

 おおう。流石はゲヘナの便利屋、過激なところがあるな。一理あるけれど、セイアの言うことも正しい。黒服やマエストロ、ベアおばみたいな悪い大人なら、弱点を弱点のまま晒す訳がない。

 

「話を戻そうか、先生………アビドスでのことを思い出してほしい。

 『ゲマトリア』と呼ばれたアレは、アビドスの生徒に何かを強いることはできず、ただ『契約』を要求していた。

 その契約が成立しないとなれば、ゲマトリアは退くしかなかっただろう。

 …この事件もまた、そういうことだ。『エデン条約』…これ自体はあくまでも、トリニティとゲヘナという2つの学園の間の約束事に過ぎなかった。しかし、アリウスの介入でそれは大きく意味を変えてしまったのだ」

 

「…………要するにゲマトリアは、契約しか求めてないワケだ。アビドスでも、今でも。ウマい話にゃご用心ってこった。その裏でなに企んでるか分かったモンじゃない」

 

「そして、起こったのが『第一回公会議』の再現……ユスティナ聖徒会によってアリウスが排斥された歴史的事実の再発ということだ。複製(ミメシス)の顕現という、かなり特殊な事例になったがね。

 『エデン条約機構はアリウススクワッドが担うものとする』……それだけを書き加えて、条約に歪んだ解釈をし、湾曲させ、曲解を加えて、己の思い通りの結果を捏造した。それがやつらの言う大人のやり方………………スバル、その私に向けた角砂糖をどうするつもりなのか聞いても良いかな!?」

 

 チッ、見咎められたか。

 あまりにも話が長すぎるから、角砂糖を弾代わりに、ベアリングの要領でセイアの額に御見舞いしてやろうとしたのに。

 撃つ前にバレちゃあ仕方ないか。

 

「セイア、お前は話がなげーんだよ。要約するって事を覚えろ」

 

「これでも要約している方だ!情報に抜けがあったらコトだろう!!」

 

「いいや。お前はまだ重要な事を先生に伝えていない。

 …先生。つまりセイアが…いや、俺達が言いたい事を簡単に言うとですね」

 

 俺は先生に向けて頭を下げ、手を差し出した。

 一種の確信を―――先生なら、確実に生徒の力になるという確信を―――持ちながら。

 

 

このままじゃガチの戦争が起きて皆を人殺しにしちまう。助けてください

 

もちろんだ

 

 

 即答、そしてそれと同時に手に伝わった暖かい握手。

 そこからは、長ったらしい言葉遊びにはない、心の熱さの感触が伝わってきたのだった。

 

 

 

 

 

 先生の協力を改めて取り付けた俺達は、本格的にエデン条約についての対策会議を始めた。

 

「取り敢えずエデン条約だ。アレをどうにかして無効にしねーと無限湧きの複製がどうにもならんだろ」

 

「しかしそれは奪われてしまった。条約そのものが正当なものである以上、『やっぱりなし』で無効に出来るわけがない」

 

「じゃあ条約に穴とかないの?」

 

「無理だな。既にゲマトリアが穴を見つけてしまった。それは埋められているだろう」

 

「お前な……まだ調べもしない先から…」

 

「そんな余裕がないと言っているんだ。仕方ないだろう。これは各々が追い詰められ、誰かが誰かを殺めざるを得ない――」

 

「諦めが早えーんだよ馬鹿野郎!そうならない為に呼んだんじゃねーのか!?」

 

 堂々巡り。

 俺の案は、セイアに全て否定されまくる。

 セイアのやつ、なにかする前に否定的に捉えるっつー、ニヒリズムな点があるから、何か言う前に否定しようとしているように見えるんだ。なんか、諦めようとしている節があるんだよなぁ……

 

「あ…あの……」

 

「? どったの、ハルカ」

 

「あっ、何でもないですごめんなさい!

 ウジ虫が意見しようとしてごめんなさい!!」

 

「うぉぉおおおおお!? 待て待て待て!!

 謝らないでいいから!何が気になったのかだけ教えてくれれば良いから!!」

 

「あっ…………えっと、あの……そもそも、『エデン条約』って、誰が言い出した事なのかな……って、思った、だけでして………」

 

 そこで、ハルカが根本的な意見を出すと、セイアはため息を堪えるようにスラスラと答えた。

 

「そこからか………エデン条約とは、連邦生徒会長が言い出した、トリニティとゲヘナの講和条約……いがみ合いをやめて、仲良くしましょう、という条約だ。要約すればな…」

 

 その言葉に、俺は引っかかる。

 

「―――()()()()()()()?」

 

「? 知らなかったのかい、間島スバル?」

 

 今はいない連邦生徒会長。

 その代わりに設立したのが、プロローグに出ていた……シャーレ。その顧問。

 エデン条約を寝取った方法…………マエストロが語ったのは、「アリウスはトリニティに統合されるハズだった」という曲解……

 

 

「あ―――」

 

 

 ……イケるかもしれない。

 もしかしたら、だが。でも、やってみる価値はある!

 

「ハルカ、ナイス質問だったぞ!

 お陰で―――良い方法(コト)思いついた」

 

「……奇遇だね、スバル。

 私も1つ、イイ考えが浮かんだ」

 

 イイ笑顔を浮かべたイケメン先生と目が合う。「スバル、悪い顔だね」と言われたが。ほっとけ。

 でだ。肝心なエデン条約の対策だが。それを話しておくとしようか。

 

「イイ……考え? スバル、先生?

 それは、いったい…………?」

 

「聞いて驚けセイア。せーので言うぞ先生。せーのっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人のやり方で奪われたなら、奪い返すまでだ

寝取られた条約を今―――寝取り返すんだよ!!

 

「…おや?」

「…スバル?」

「…………いいかげんにしてくれ、間島スバル」

 

 

 俺は至ってマジメだっつってんだろォ!?!?

 

 

*

 

 

 ―――その頃、現実では。

 

「ハァッ!?」

 

「な、ナギサ様!? おはようございます……大丈夫ですか? かなりうなされてましたけど…」

 

「………少し夢見が悪かっただけです。お気になさらず」

 

「そうですか……まぁ、アイツ等の件もありますし、仕方ありませんよね……」

 

「(…………言える訳がない。あんな夢……)」

 

 ナギサは、心配するティーパーティーのメンバーを振り切り、支度を始めた。

 まぁ、無理もない。『自分がメンダコになった上、セイア・スバル・先生・伊草ハルカと会議する夢を見た』などと言っても、誰もセイアの夢の中の出来事とは思うまい。頭の不調を疑われて終わりなだけだ。

 なお、それが正夢にしてセイアが招いた結果起こった混沌ティーパーティーだったという事はまだ知る由もない。





Tip!
メンダコナギサはみーみー言っていたが、ほぼ誰も言っている事が分からなかったので後半空気になったぞ!!なお、この夢はナギサ本人も見ているぞ!


おまけ・メンダコナギサの出番

ハルカ「か、かわいいです…」
なぎさ「みー! みー!」
先 生「あんまりつつかないであげてね」
ハルカ「は…はい!ごめんなさい!」
スバル「こいつトリニティのマスコットにしようぜ!売れる気がする」
セイア「本人の意志を確かめてからにしたまえよ」
なぎさ「みー!!!!(イヤです!!!)」
先 生「ナギサはなんて?」
スバル「構いませんよって」
セイア「嘘だろナギサ……」
なぎさ「みー!!?(言ってませんが!?)」

トリニティのマスコットは?

  • ツチノコ
  • メンダコ
  • ゴリラ
  • キツネ
  • シマエナガ
  • 片翼の天使
  • ペロロ様
  • エ駄死
  • カーマ・スートラ
  • 覚悟礼装with亀甲縛り
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