HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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メンダコナギちゃんが人気過ぎて笑ってる。
中には「メンダコナギちゃんをメインに出そうぜ(笑)」みたいな声まで出てきて。
実は私もう一つ、「EXスキルでヒフアズを見て死んで半天狗みたいにアジタート・ノービレ・スケルツァンド・ラメントーソ・メンダコ(本体)に分裂する正月振袖ナギサとか考えてました。
水着ナギサとの違いとしては…

水着Nの長所:ナギサ本人も攻撃できる。メンダコにダメージ判定がなく、スキルの強制解除もない
振袖Nの長所:手数と攻撃範囲が圧倒的に増え、すさまじい速度で敵を蹴散らせるようになる。

です。

ナギサ「完全に人間やめてるじゃないですか!!?」
スバル「知らなかったのか?この世界のお前はもう人間をやめてる…!」


嘘をつくのはやめろ

 ―――アズサが、出ていっちゃった。

 

 その言葉を聞いて、俺も先生も衝撃を受けた。

 アズサは…元アリウス生だ。それに俺は、アズサが錠前サオリをはじめとしたアリウススクワッドとただならぬ関係だった事を他でもない本人から聞いている。

 だから、アリウスの侵攻に思うところくらいあると思っていたが……まさか突っ走るとは!

 

「コハル…………その経緯を、詳しく話してくれないか?」

 

 努めて冷静に聞き出すと、コハルは話してくれた。

 

 曰く、エデン条約が不当な形とはいえ結ばれた以上、取り返すにはアリウススクワッドを殺すしかない。そう言って、アズサはトリニティを出ていこうとしたこと。

 当然、ヒフミ達補習授業部は止めに入った。苦楽を共にした仲間だ、そんなもの認められるワケがない。

 だが、アズサは毅然として、ヒフミ達にこう返したという。

 

『ならば他に良い手があるとでも? ないならいい加減に私の邪魔をしないで。

 ……大丈夫、所詮私も人殺しとして育てられた。元に戻るだけなんだから…

 ―――だから、そこをどけ、トリニティ』

 

 殺気の籠った眼光と共に放たれたその言葉に……ヒフミも、ノボリも、ハナコも……そしてコハルも。誰一人言い返せなかったという。

 そしてアズサが出ていくのを許してから、コハルは必死で先生や俺を探してトリニティ中を走り回って探していたそうだ。

 

 

「話してくれてありがとう、コハル。とりあえず、ヒフミ達のもとへ行こう」

 

 コハルの話が本当なら、ヒフミ達も相当なショックを受けている筈だ。

 案内をしてもらいながら、その場へ向かえば、膝をつくヒフミと、どうすればいいのか分からないかのように立ち尽くすハナコ先輩・ユマ・ノボリがいた。

 先生がすぐにヒフミに駆け寄る。その間に俺は、ユマとノボリに声をかけた。

 

「ユマ、ケガはもう大丈夫なのか」

 

「はい。まだ私は動けます」

 

「…スバルさん、あの、えっと…」

 

「状況はコハルから聞いた。けどノボリ、お前からも話を聞きたい」

 

「そうっすか……」

 

 ヒフミやノボリからも、大体同じことを聞いた。

 コハルにしたことと同じかもしれないが、皆不安なのは事実だ。吐き出させてやらないとな。

 

「……ジブンは、アズサがあんな目をするなんて知らなかったっす。だから、あの時にも身体が動かなくって……そのせいでアズサは…」

 

「やめましょうノボリちゃん。今はだれかの責任か決めてる場合じゃあないわ」

 

「でも…!」

 

「ユマちゃんの言う通りですよ。落ち着いてどう状況を打開すればいいか考えましょう」

 

 みんながみんな、混乱している。

 早いところ、落ち着かせないとマズイか。

 俺と先生は知っている。アズサが何故出ていったのかを。そして…アズサの考え以外で、条約の問題を打開する方法を。

 

「それなんだがな。解決策はある」

 

 そうして、俺と先生が思いついたエデン条約を取り返す方法を伝える。

 大人な方法で寝取られたならば、大人の方法で寝取り返せば良い。その策なら、こっちが持っている、と。

 

「それ、上手く行くの…?」

 

「でも、やってみる価値はあると思います!」

 

「大人の方法で奪われたものを、大人の方法で奪い返すなんて……ふふっ、やりますね、スバルちゃん、先生?」

 

「いわゆる救済NTRってやつっすね!」

 

「ヤられたらヤり返す……良いと思います!」

 

「あんたらはさぁ!! もう、空気くらい読みなさいよ!! エッチなのは駄目!死刑!!」

 

 ハナコ・ノボリ・ユマは乗り気だ。その過程でコハルにエッチを窘められるが、この場に集まっている人間の7人中4人(半分以上)がHENTAIなので、こうなるのは自明の理である。

 それはそれとして、作戦自体は一種の賭けだ。でも、やらなければアズサが無茶な特攻を行うだろう。というかそれをしに出ていってしまったのだ。

 

「じゃあ…それをアズサちゃんに伝えれば……!」

 

「その説得は俺がやる。皆は、先生と一緒にナギサ達にこの作戦を伝えて、説得の手伝いをしてくれ」

 

「え…スバルちゃんが、ですか? 大丈夫なんですか…?」

 

 ヒフミが不安そうに見てくるが、俺にも考えがある。

 

「アズサは覚悟を固めて出ていったハズだ。生半可な説得になる筈がない。

 しかも、アリウスの戦地への道中で行うんだ。迅速に、静かに説得することを求められる。

 最悪、アズサと戦うハメになるかもな。そういう状況に陥っても、振り切られないことが絶対条件だと思っている」

 

「スバル……」

 

「こういう言い方になるのはちょっと申し訳ねーが……最悪力ずくになったとしても、アズサを止められるのはこの中で俺だけだ。まぁそうならないのが理想だが………とにかく、あいつは俺に任せて欲しい」

 

「…そこまで言うんなら…」

 

「お願いします、スバルちゃん。アズサちゃんが人殺しをしないといけないなんて、間違ってますから」

 

 あたりまえだ。

 俺は力強く頷いた。

 とはいえ、トリニティの事をヒフミ達に丸投げするのもよろしくない。先生がいるとはいえ、せめてウチの無事な団員の中から、助っ人を補習授業部に送りたいところだ。

 俺はすぐさまモモトークで、心当たりのある団員たちに連絡を繋ぐ。

 

「クオン、アギト先輩、今時間大丈夫か?」

 

『スバル? あぁ、今は正実の会議が終わったばかりだが』

 

『こちら鮫洲。大丈夫だ』

 

 クオンと、アギト先輩だ。

 先日の進攻で、大きな怪我もなく戻ってこれた団員達。

 クオンは、ミカの一件でアリウスとの戦闘経験があってか。アギト先輩はもともとかなり強いので、そこまでダメージを受けていないのだ。

 そんな二人に、補習授業部の今の状況とエデン条約奪還の秘策の概要を伝える。

 

「クオンには、補習授業部についてサポートをお願いしたいんだが、できるか?」

 

『あぁ。だが私も正実の配置があるから、付きっ切りは不可能だが』

 

「大丈夫、それでいい」

 

『私はいつでも行けるぞ。それと……白洲アズサの説得に行くのなら、私のコレクションをいくつか貸してやる。欲しいものがあったら言ってくれ』

 

「ありがとうございます。お言葉に甘えていくつかお借りします。

 それと、先輩に頼みたいことがありまして―――」

 

 クオンとアギト先輩に後のことを任せ、アギト先輩からいただいた武器を整えた俺は、すぐさまアズサに追いつくために、行動を開始した。

 

 

 

 

 そうして、俺はアズサの追跡を始めた。

 出ていった方向は恐らく通功の古聖堂だろうが、いちおう『擬・念能力・円』で索敵を行いながら、だいたいの方向の見当をつける。こういう時、念能力は便利だ。

 そうして闘気や精気で人を探す技術でアズサを探しながら瓦礫の合間を走り抜ければ、目的の人物の背中が見えてきた。

 接近された事に気付いたアズサはほぼ反射的に俺に銃口を向けてきたが、近づいてきたのが俺だと分かれば、驚きの表情を一瞬見せ、だがすぐに警戒心MAXに引き出して口を開いた。

 

「…なんのつもり? 引き止めに来たのなら無駄―――」

 

「落ち着け。お前がいない間に状況が変わったから、それを伝えに来たんだ」

 

「何を……何も変わっていない。ヒフミ達から聞かなかったの?サオリ達を殺さない限り、エデン条約は…」

 

「そのエデン条約だけを奪い返す算段がついたって言ったら、どうする?」

 

「え……?」

 

 アズサが呆けた隙を狙って、話を始める。

 話題は勿論、エデン条約を奪い返す方法……セイアの夢の中において、俺と先生が思いついた方法について説明する。

 説明が終わるとアズサは案の定というべきか、怪訝な顔をして尋ねてきた。

 

「それは……確実に成功するといえる方法なの?」

 

「………」

 

 俺は答えられなかった。

 当然だ、この方法は俺と先生の思いつきに近い。

 マエストロから聞いた理論上は上手く行く。でもそれだけ。肝心な部分は賭けになるだろう。

 だが、証明できなければアズサは俺を振り切ってでも行くだろう。そんな事は、許さない。

 

「そうじゃないのなら、そこをどいて。確実に止めるなら、私が……」

 

「そうやって、みんなを振り払って行ったのか。

 その手を血で染めてから後悔しても遅いんだぞ」

 

「問題ない。私はもともと、人殺しとして育てられた」

 

 覚悟を固めたかのような無表情のまま、そう告げるアズサ。

 だが俺は聞いている。ノボリやユマから、補習授業部でどんなことがあったかを。そこで生まれた友情を。

 そして何より、他でもないアズサ自身から聞いている。アズサの座右の銘を。補習授業部との友情を。

 

 

「アズサ、お前………もうそんな嘘をつくのはやめろ

 

「嘘、だと……?」

 

 あぁ、嘘だとも。

 友達を守るための嘘。

 自分を犠牲にしてでも、守りたいものを守るための嘘。

 だが……俺にとっては、どうしても看過できない、とても罪深い嘘。

 その嘘を今、振り払う。

 

「『すべて虚しくても、抗うのをやめてはならない』………アリウスについて訊いたあの日、お前はそう言ってくれたな。だが…それにしては()()()()()()()んだな?」

 

「!?」

 

「アリウスのくだらん教えについてはおおかた聞いた。耳を傾ける価値もない、()()()()()()()()()()()()()()()()()だよ。

 この世は辛いことばっかりで、殺すか殺されるかだけが世界の真実……今思えば、その教えを独自に解釈して、あがこうとしていたお前は立派だと思ったさ」

 

「………」

 

「だが蓋を開けてみればこのザマか。所詮はその他大勢と同じだな。

 あの戦場で何を見て何を聞いたかは知らんけど……ちょっと不測の事態が起こった程度で、補習授業部(あるべき居場所)を捨てて、いっちょ前に殺しの覚悟なんて決めちゃってさ。

 人殺しとして育てられたから何だ? 今違うならそれでいいじゃねーか。関係ない過去を引っ張り出しやがって、馬鹿馬鹿しい」

 

「!!?」

 

 アズサの瞳がわずかに揺れた。

 悪いな。ちょっと荒療治になるが、ここからたたみかけさせてもらうぜ。

 

「大人しく俺と先生の策に乗ってくれよ。上手く行きゃあ、アリウスを撃退できるし、誰も人殺しになる必要がなくなるんだぜ?」

 

「上手く行く保障がないって言ってるでしょ!!」

 

「お前の特攻こそ、上手く行く保障ねーだろ。中途半端やっても犬死にするだけだ、やめてくれ」

 

「ッ!! 中途半端なんかじゃ―――」

 

「ないってんなら、()()()()()()()()()()()()?」

 

「!!?」

 

 俺の問いに、更に瞳が揺れた。

 いいぞ、動揺している証拠だ。分かっているのだろう。少なくとも、1ミリも迷わなかった…という様子ではないようだ。

 このまま、一気に突き崩してやろう。

 

「お前がサオリを殺そうと決意した時、ヒフミ達は止めようとしたって聞いたぜ。それを威圧して、振り切って行っちゃったともな。

 だが……邪魔してくるんなら、1人くらい殺せば良かったじゃあないか。そっちの方が効果テキメンだろ」

 

「何を……言っているんだ…?」

 

「おや?分からない?俺の言っていることが分からないか?

 アリウススクワッドの4人を手にかけるんだ、1人殺せなくてなんになる?」

 

「………」

 

「人殺しの技術は学んだっつったろ、俺以外のトリニティのお嬢様ひとりくらいわけないだろう。

 ……それとも、これから人殺しになるってのに、たった1人も殺せないなんてワケはないよな?」

 

「………ッ」

 

「『殺せなかった』のなら論外だ、殺人にゃ向いてない。

 『殺さなかった』のなら…でも、トリニティ生ひとりを瞬殺できなくって*1、サオリに勝てる道理はない」

 

「………れ」

 

「お前が言ってた『抗う』って、そういうコトじゃねーだろ。

 誰も殺さず、殺されず、こんな状況でも上手く行く方法を探る。『これしかない』じゃあなくって、『もっといい方法があるはずだ』と考える

 そうじゃなかったのか? それとも…俺に語ったあの信念そのものがウソだったのか!?」

 

「黙れッ!!!!」

 

 アズサが飛び掛かってくる。

 その目は揺らぎに揺らいでいて、世辞にも冷静とはいえない。辛うじて音のする銃撃をしていないあたり、軍人の教育はされているようだが。

 『擬・見聞色の覇気』で攻撃してくるポイントもあらかじめ分かる。当たってやる義理はないし、本気で取り押さえるまでだ。

 突っ込んできたアズサを最小限の動きで躱して、その隙に地面に抑え込み、動きを拘束する。

 

「うぅっ!!? …くそっ、くそっ!!」

 

「頭に血が上り過ぎだ。だからこうもあっさりと取り押さえられる。

 ……サオリはこれ程甘くないのだろう? 一体どうやって殺す気だったんだ」

 

「………」

 

「……あ。今懐のものを隠したな。ちょっとソレ見せてみろ」

 

 厳密には、『念能力の円』に、()()()()()()()()()()()()()が見えただけだ。

 その先に何があるのかは知らん。半ばタダのハッタリでかましたようなものだったが……

 アズサがこれまで以上に動揺した。その様子は、誰から見ても明らかだろう。

 

 アズサを抑えたまま、懐を探って変わった手触りを引っ張り出す。そうすれば、戦場にふさわしくないモンの感触を見つけ、すぐさまそれを引っ張り出した。

 

「これって…?」

 

「……!! 返せッ!!!」

 

 それは、ペロロ人形だった。片手で持てるサイズのそれは、おそらくヒフミからアズサに送られたものだろうか。

 そして、この人形を取られた瞬間、アズサの様子が目に見えて変わった。まるで、コレを絶対に取られたくないかのように。

 普通に考えれば、友情の証。それは大事なモノで、俺にすら触られたくないもの。そういう解釈が真っ先に思い浮かぶだろうし、俺もそうだと思っていた…………ペロロのお腹の、雑な縫い目に気付くまでは。

 

 即座に縫い目を引きちぎり、出てきたものは……機械じみた、爆弾。

 元アリウススクワッドだったアズサが持っていたそれが、ただの爆弾である筈がない。

 

 即座に機械をペロロから引っこ抜くのと、アズサが火事場の馬鹿力を発揮して俺を振り落とすのがほぼ同時だった。

 アズサが、俺から爆弾を取り返そうと躍起になって襲い掛かる。

 

「うああああああああっ!!」

 

「……」

 

「うっ…ふっ、ハァッ…!」

 

 アズサのナイフを使った戦闘術は、目を見張るものがある。

 今まで戦った中でも、見たことが無い位のハイレベルな技術。

 アリウスの軍事教育の賜物なのだろう。銃がなくともある程度戦え、持ち直せる程度には強い。

 俺も……『覇気』と『念能力』がなければ、一方的に押されていただろう。

 

「……『擬・流水岩砕拳』」

 

「ぐっ……!?」

 

「―――からの、『擬・鉄山靠』」

 

「うわあああああああっ!!?」

 

 しかし、アズサはまだ頭が冷え切っていないのか、攻撃が我武者羅だ。それに、精細さを欠いていた。

 故に、見聞色・武装色同時発動からの受け流しの拳法で軽く受け流し、背中からの体当たりを簡単にクリーンヒットさせられる。

 力は込めていない。ただ、アズサの猛攻を受け流し、逸らすだけだ。

 

「どうした? 何故起爆しない?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()! 起爆スイッチを押せば、すぐにカタがつく!」

 

「ふざ、けるな……! 

 今、押したら……サオリに騙し討ちが出来ない―――」

 

「今押さなかったら、そもそも殺しなど出来ないぞ。

 もっとも、俺がいる限りお前に殺しなどさせないけどな」

 

 健在のまま両足で立つ俺。ダメージはないはずだが両手を地面について立ちあがれもしないアズサ。

 俺の即答で、沈黙が流れる。太陽の見えない曇天から、ぱらぱらと雨が降り出した。

 雨が降り続け、両者の服が濡れても尚、アズサは起爆スイッチを押そうとはしなかった。それどころか、取り出したであろうスイッチがかしゃん、と音を立てて地面に転がる。

 どれくらいの時間が経ったか………アズサが沈黙を破った。

 

「どうして…」

 

「ん?」

 

「どうして、スバルは………そこまでして、私の邪魔をするんだ…!」

 

「簡単だ。俺が、俺自身の意志や、約束や、誓いを守るため」

 

「スバルの……意志……?」

 

「誰も死なせず、殺させず、条約を奪い返してアリウスを撃退すること。

 その為には……俺と先生のあの策が要る。理論上なら、アレは成功する」

 

「そんなの………」

 

「それに俺、昨日の襲撃でアリウススクワッドの幹部を瞬殺した時に言ったんだよね。『殺す価値もない』って。

 そう言っておいた翌日にさ、手の平返して命を取りに行くのもなんか違うというか……ダサすぎて笑えないだろ?」

 

「!? あ、アリウススクワッドを瞬殺!? 誰を!!?」

 

「スティンガーミサイルを持って、黒いマスクをした黒髪ショートの女…で分かる?」

 

 アズサが信じられないような顔をしながら「ミサキを瞬殺…?そんな馬鹿な!」などと言っている。

 大丈夫だ、一太刀は入れてやったし、言いたいことは言ったが、いま言った通り殺してはいない。

 しかし……成る程、あの無気力バカが戒野(いましの)ミサキだったのか……これで容姿が分からないのは槌永(つちなが)ヒヨリだけだな。

 ―――っと、論点がズレたな。

 

「とにかく……だ。

 奇跡は、最期まで諦めないヤツの頭上にしか降りてこない。綺麗事は、諦めたヤツには絶対に叶えられない。

 なら俺は、死ぬまで………イヤ、意地でも死んでやらない。奇跡を手繰り寄せるまで諦めを踏破して、生きてやる。俺の周りの奴らも死なせはしない!!!

 

「奇跡は……諦めないやつの頭上にしか…降りてこない…」

 

 アズサが、なんとも言えないような目で俺を見つめてくる。

 表情の読みづらいという彼女の表情は、先程の怒りに満ちたそれとは違い、何かを見つけたような顔であった。

 ここで、俺はアズサに問いかける。最後の問いかけだ。

 

 

「アズサ。お前はどうするんだ? 諦めて手を血で汚すか?それとも諦めずに大団円(ハッピーエンド)に手を伸ばすか?」

 

「………」

 

 ここまで言って、それでもなお頑なにサオリを殺しに行くとほざくのならもう、アズサに当て身をかまして寝てもらうしかない。果たして………

 

 

 

 

「………vanitas(虚しい、) vanitatum, et(どこまで行っても) omnia vanitas(全ては虚しいものだ)

 

「!!」

 

「すべては、虚しい…どこまで行っても、虚しいもの…」

 

 !!! ダメか―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも私は、決めたんだった。

 それでも、抗う事を、決めたんだった……!」

 

「アズサ……!」

 

「ごめん…スバル……私、忘れてた。

 ペロロ様人形を爆弾にしてまで……

 そうやって、優しさを捨てたつもりだった………その筈なのに…」

 

 アズサの顔は、クールな顔とはとてもいえない、今にも泣きだしそうで。

 顔に降りかかった雨が、アズサの涙にも見えた。

 

「これしかないって、思ったのに……!

 ヒフミ達と一緒にいれないって、思ったのに……

 そんなの、嫌だって、思って、しまう……!!」

 

「良いんだよ、それで。手はあった。救いはあったのさ。

 ………合流したら、ヒフミに謝っとけよ」

 

「うん……そうだ……言わなきゃ…な…

 大事なモノを……こんなに、しちゃったん、だから……」

 

 えづきながらボロボロになってびしょ濡れになったペロロ人形を見つめながら、泣き止まないアズサ。

 俺は、ヒフミに謝るように言ってからはそれ以上は何も言わずに、雨でぬれた彼女の髪から水を切るように撫でてやった。

 

*1
一部例外アリ





Tip!
霧雨の中、スバルがうずくまって泣くアズサを撫でるシーンは、拙作時空のブルアカ屈指の名イベントスチルになっているぞ!



おまけ・プレアデス性団ガチャ

『Sの運命/大魔王のパーティータイム』

ピックアップ&期間限定登場
・間島スバル(☆3)

期間限定登場
・鮫洲アギト(☆3)
・鞠瑠璃ノボリ(☆3)
・狐坂ワカモ(☆3)
・水着ホシノ(☆3)
・聖園ミカ(☆3)
・水着ハナコ(☆3)

確率UP実装(期間後も募集可)
・雷久保ユララ(☆2)
・朝陽ユマ(☆2)
・龍崎クオン(☆1)
・六星セラ(☆1)


『鷺と審判と慈愛の記憶』

ピックアップ&期間限定登場
・鮫洲アギト(☆3)
・雷久保ユララ(☆2)

期間限定登場
・間島スバル(☆3)
・鞠瑠璃ノボリ(☆3)
・狐坂ワカモ(☆3)
・水着ホシノ(☆3)
・聖園ミカ(☆3)
・水着ハナコ(☆3)

確率UP実装(期間後も募集可)
・朝陽ユマ(☆2)
・龍崎クオン(☆1)
・六星セラ(☆1)


『深窓の未熟たちはなにを語るのか』

ピックアップ&期間限定登場
・鞠瑠璃ノボリ(☆3)
・朝陽ユマ(☆2)

期間限定登場
・鮫洲アギト(☆3)
・間島スバル(☆3)
・狐坂ワカモ(☆3)
・水着ホシノ(☆3)
・聖園ミカ(☆3)
・水着ハナコ(☆3)

確率UP実装(期間後も募集可)
・雷久保ユララ(☆2)
・龍崎クオン(☆1)
・六星セラ(☆1)


作者にガチャ名タイトルのセンスはないから、異例の本や古典以外からタイトルを作ったぞ!まぁ、極まったオタク達には秒で元ネタを見抜かれるだろうけどね!

ノボリ「ヒィィィッ!?ジブン、場違いじゃないっすかぁ!?」
スバル「大丈夫だ、俺がいる」
アギト「私達は仲間だ」
ノボリ「でも戦闘力的な意味で差があり過ぎるっすよぉ!!」
スバル「大丈夫、お前なら俺達全員の攻撃を躱すくらいできるっしょ!」
ノボリ「死んじゃうっすよ!?!?!?!?」

スバルの魔王度合いはいかがでしょう?

  • やりすぎ
  • 丁度いい
  • もっと容赦なく
  • 息の根を止めろ
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