HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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そろそろアリウス編の前日譚とRABBIT小隊のフラグの建築もしていきたいこの頃。

今回はシナちゃんがヒナヒナになります。


誰がテロリストだバカ野郎

 ゲヘナ学園・風紀委員会本拠地。

 至急、応援を頼みたいと呼ばれたシャーレの先生が現地に辿り着いた時に見たもの。それは………

 

あぁ…せんせぇ…来てくれてありがとぉ……

 

 ……干からびかけた空崎ヒナであった。

 目元にクマができ、足取りもフラフラだ。心なしか、普段はフワフワな髪の毛さえ縮れているように見える。

 

ヒナァーーーーーッ!?!?

 

 先生は、すぐさまヒナの介護を始めた。

 ふらつくヒナの身体を抱き止め、ソファに寝かせる。ヒナは休むわけにはいくまいと抵抗しているみたいだが、貧弱なハズの先生を振り払えていない。一体、何日徹夜をすればこうなるのか。

 

せ、せんせ…わたしは、だい、じょ

 

「大丈夫なわけないでしょ!さっさと休みなさい!」

 

 なにか言いかけていたが、そんなもの些事だ。ヒナを休ませる事が最優先。

 

「アコ! イオリ! チナツ! 誰かいないのーーっ!?」

 

 ソファに寝かされた後も弱々しく抵抗していたが、しばらくしてると寝息をたて始めた。もう限界だったのだろう。

 ここまで頑張るなんて、一体なにがあったのか。ヒナがワーカホリック気味なレベルで勤勉なのは知っている。でもこれは流石にやりすぎだ。

 現にヒナは先生に寝かしつけられて、ちょっと先生に押さえつけられただけで瞼が閉じてしまったのだから。

 今日も、風紀委員会は激務である。

 

「……すみません、わざわざ来ていただいたのに…」

 

「いいんだよチナツ。でも、ヒナはどうしたんだい?」

 

 駆けつけた風紀委員。ヒナの寝顔に夢中になる天雨アコ(ヒナスキアコイヌ)。そんな中チナツに、先生は事の経緯を尋ねる。すると、驚くべき事情が明らかになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――スバルが温泉開発部と美食研究会を配下にしたァァ!!?

 

「現在調査中の噂でしかありませんが……逮捕した温泉開発部から証言が取れました」

 

「本当にやってくれたよ、あの魔王…!」

 

「ヒナ委員長のこのお姿は、動きの変わった温泉開発部を逮捕するためにゲヘナ中を日々駆け回った結果なんです……お労わしい…」

 

 間島スバル。

 トリニティに属する大のつく問題児だ。

 彼女のエロ関係のトラブルには多々巻き込まれてきた。あらゆる生徒をほぼ無断でエロ漫画のキャラのモデルにするなど当たり前、百鬼夜行の陰陽部を買収したり、あらゆる戦場で暴れまわったりと、事件の裏で己の利のために好き放題暴れてる節がある。

 だが、テロリストと呼ばれている温泉開発部や美食研究会と手を組むだろうか。特に美食研究会とは、初対面時に同人誌を焼かれた事で、こっぴどくブチのめしたとスバル本人から聞いている。手を組むとは思いづらいし、あっても相応の理由があるんだろう。

 先生はそう考えた。

 

「この事はマコトやナギサは知ってるの?」

 

万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)は抗議をティーパーティーに送ったそうです。だから知っているとは思うのですが、普通に考えて正義実現委員会がゲヘナ学区までは来れないでしょうね……」

 

「またナギサがショック死しそうだね……」

 

 既にマコトの耳にまで情報が来ているというアコ。

 先生の中で、ナギサが不憫な目に遭う事が確定した瞬間であった*1

 

 流石に大事になってきたと判断した先生は、このまま放っておくのはマズいと思い、スバルへ電話をかけることに決めた。

 

「とりあえず、スバルに電話をかけてみようと思う」

 

「出るハズがないだろう?」

 

「スバルは、シャーレに早い段階で入部して以降、ずっと私を助けてくれた生徒だ。この中では、チナツの次くらいには長いんじゃないかな」

 

「それだけの理由で……」

 

「それだけじゃあない。エデン条約調印式の時はミサイルを撃墜したり、私と一緒に条約を取り戻す手伝いもしてくれたんだよ」

 

ミサイルを撃墜って何ですか!!?

 条約を取り戻す手伝いはともかく……」

 

「私もそこら辺はよく分からない。ただ、プレアデス性団のみんなが証言したことによると、あの日の調印式会場ではミサイルが撃ち込まれようとしていたらしい」

 

 先生は知っている。

 スバルは自分がキヴォトスで先生に着任してから、自分を助けてくれた存在だと。

 アビドスの時は、銀行の強盗(強制捜査)やカイザーPMCとの戦いで多大な貢献をした。

 ミレニアムのアリスを中心とした騒動では、あらかじめ重要な情報をいくつか調べてくれていた。そのお陰で、アリスとミレニアムを失わずに済んだ。

 ミカのクーデター未遂事件の際は言うまでもない。襲撃のタイミングでミカを強襲し、補習授業部の勝利を担った。

 エデン条約調印式の時は巡航ミサイルの撃墜をしただけでなく、条約の奪取も助けてくれた。更にアリウススクワッドを一人倒したし、ヒエロニムス撃破の立役者でもあるのだ。

 

「………とにかく、スバルには何か考えがある筈なんだ。

 電話に出てくれると思うし、出なかったとしても、私達の悪いようにはならないハズだよ」

 

 そういって電話をかける先生。

 疑いの眼を向ける風紀委員会の面々。

 風紀委員会の本拠地にコール音。1コール、2コールと鳴り響き…………そして、カチャリ、と小さな音がした。

 

 

『はい、もしもし〜?

 こちらプレアデス性団・間島スバルでございまーす』

 

「「「「!!!」」」」

「で、出た…!」

 

 声からして、間違いない。

 電話越しの声は、間島スバルその人のものであった。

 電話に出ると思っていなかったのか、風紀委員の中に緊張が走る。

 

「…スバル、なのかい?」

 

『おう、俺だ』

 

「良かった、ゲヘナ学区で良くない話を聞いたから心配したんだよ」

 

『…? 先生、今どこにいるんだ?』

 

「ゲヘナの風紀委員会だよ」

 

「せ、先生!スピーカーにしてくれ!

 おい間島スバル!!テロリスト達を従えてどういうつもりだ!?

 貴様もテロリストに成り下がるつもりか!!?」

 

 先生からスバルの連絡が来た事でスピーカーに切り替えた電話に食ってかかるように迫るイオリ。

 

『誰がテロリストだバカ野郎。

 いいか足舐めちゃんよォ、俺は別に温泉開発部や美食研を仲間にしたわけじゃあねェんだよ』

 

「誰が足舐めちゃんだ!!?」

 

「……どういうことか、説明してくれるの?」

 

『もちろんです。……どうやら、風紀委員会も誤解しているみたいですからね………』

 

 そうして、電話越しのスバルは、説明を始めた。

 

 

*

 

 

 俺が温泉開発部に接触したのは、1週間ほど前。

 トリニティ学区で道路と建物を爆破しているゲヘナ生を見つけたときのことだ。

 

「ヒャッハー!源泉は爆発だァー!」

 

「掘り進めろ!!」

 

「全ては温泉のために!!」

 

 ……てかそいつらが温泉開発部だった。

 ゲヘナ学園の温泉開発部とは…その字の通りのお優しい団体ではない。温泉を掘り出す為ならどこにでも赴き、どんな行為も行う。…………そう、どんな行為も、だ。

 よその自治区に入ったりよその建物を爆破することも、当たり前のようにやってのけるのだ。しかも……正実によるとソイツ等が爆破するのは大抵水道管だったりするらしい(コハル&マシロ情報)。

 そのこともあり、あらゆる学園から『テロリスト』と呼ばれてる危険団体の一つであるみたいだ。

 でも俺はそいつらに、ちょっと聞きたいことがあったのだ。上手くいけば、()()()()()()()()()()()()()()()()()からな。

 

「やってんねぇ〜、ちょっと良いかい?」

 

「ん?どうした?

 あ、分かったぞ!お前も温泉を掘りたくなったんだな?」

 

 そうはならんやろ。

 ツッコミの言葉を飲み込んで、俺は笑顔を浮かべてこう言った。

 

「そんな感じだな。でも……ホラ、俺トリニティだろう?

 だから、部長に直談判しようと思って…部長のお名前と居場所を知りたいんだが……」

 

「部長か…良いだろう!

 でも変なマネはするなよ!!」

 

 思ったよりもアッサリと、部長の情報を手に入れた俺は、ゲヘナ学区にある温泉開発部の中心部、その部活の部長―――鬼怒川(きぬがわ)カスミというらしい―――の元へと足を運んだ。

 

「よく来たな!お前が入部希望のトリニティ生か!!」

 

「間島スバルと申します」

 

「鬼怒川カスミだ」

 

「今回は部活動について二人きりでお話をしたく思いまして…」

 

「? なぜだ?普通に話せば良いだろう」

 

「あまり多くの人の耳に入れたくない事ですので……」

 

「あ、そうか!トリニティだから我々と話しづらいとかそういう事だろう?

 大丈夫だ、私もアイツらも、そんな事は気にしない!源泉があれば掘り当てて温泉にするのみ!

 奴らが我々の温泉開発を邪魔する事が多いのは事実だが……我々を肯定する人間まで無碍にはしないとも!!」

 

 え、そうなの?

 いやまぁ確かに、コイツらトリニティとの確執よりも温泉開発を優先しそうな連中ではあるけども。

 俺がカスミと二人きりになりたかったのはコイツを上手いこと言いくるめられないかと思ったからであってだな……

 ………まぁいいや、予定通り作戦を始めよう。

 

「…アリウス自治区のこと、と言えば分かりますか?」

 

「! おい、お前ら、ちょっと外に出ていろ」

 

 アリウスの名を出すと、神妙な顔をして人払いをするカスミ。

 

「アリウスの名は私もニュースで見た。

 でもあのテロリストが一体どうしたのだ?何故今出てくる?」

 

 よしよし、興味を引けたようだ。

 これで反応が無かったら強引に行くところだったが…これならゆっくり話ができそうだ。

 

「実は、捕えたアリウス生に尋問したところ……アリウス自治区の存在が明らかになったんです」

 

「アリウス………自治区?」

 

「えぇ。今のトリニティも知らない、忘れられた土地です」

 

 そうして、俺は説明を始めた。

 アリウスとは、その実態、戦闘力、そして……自治区の存在。

 

「そこで育ったらしき彼女達は、トリニティとゲヘナの憎しみと戦闘技術しか知りませんでした。

 それは即ち、自治区では洗脳と戦闘訓練しか受けてこなかったということ………」

 

「末恐ろしい連中だな……」

 

「しかし、こうは考えられませんか?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()……それはつまり、あの土地においては、()()()()()()()()()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「!!! そ、それは……」

 

「温泉開発のためなら何処へでも赴くのが温泉開発部……勝手ながら、俺は貴方がたはそういう部活だと認識しています」

 

「………………素晴らしい!!!」

 

 カスミは、両の手を叩いて、満足そうに笑った。

 …前々から、とんでもない軍団だと思っていたが、予想以上だった。まさか、現状テロリスト(ガチ)の巣窟と思われているアリウス自治区の話をしているのに、温泉の可能性が出ただけでこれなんだから。

 

「よく我々を分かっているじゃないか!!!

 我々の使命はただひとつ、源泉を見つけ、温泉を築き上げることだ!!

 テロリスト?知った事か! 元より温泉開発は危険なもの!その程度の危険で臆していて、温泉を掘れるものか!!」

 

 アリウスを「その程度」と言ってのけるか。実力は兎も角、その覚悟ヤベーな。

 流石は世界一イカれた部活の部長。俺にゃ真似出来る気がしないぜ。

 つーか「テロリスト?知った事か!」じゃないのよ。お前らがテロリストなのよ。

 

「お前ら、喜べ!! 温泉話だ!

 アリウス自治区がまだ全く温泉開発のおの字もなされてないらしい!!!」

 

「「「「「「温泉!?!?!?」」」」」」

 

 うるせェよ。

 払ったはずの人が、カスミの上機嫌な声でドアを蹴破る勢いで入って来たんだけど。

 これから祭りでも始まんのかってくらいの勢いで狂喜しているさまは、ぶっちゃけおんなじ人間と思いたくない。

 

「ちょっといいですかね?

 問題なのは、そのアリウスへの行き方なんです」

 

「お、おぉ、そうだな!

 で、で!? アリウス自治区とやらにはどうすれば行けるんだ!!」

 

 詰め寄るカスミ。いつのまにかいる巨乳お姉さん(下倉メグ)。ことごとく地味に胸の大きい温泉部員のモブの方々。

 目を輝かせる彼女達に若干………イヤ、ミリくらい申し訳ない気持ちを抱きながら、「不完全な情報になりますが…」と前置きしてから、肝心の行き方を伝えた。

 

「アリウス生たちによると………どうやら、カタコンベとかいう場所を通って行くらしいんです。

 ただ厄介なことに、カタコンベの入り口は毎回ランダムになる上に、カタコンベ内も迷路になっているんだとか」

 

「ほ~~~ぅ……そいつはなかなか手強そうだな…」

 

 コレはアズサから聞いた事だ。

 アズサも詳しくは知らなかったようで、俺もカスミに基本的な情報しか伝えられなかった。

 カタコンベ………歴史では、キリスト教徒がローマ帝国からの弾圧から逃れる為の地下教会だったな。

 その名前からして地下洞窟なのかもしれないな。少なくとも空に浮かんだ謎通路とかではないと思いたい。

 

 まぁとにかく、カタコンベの位置すらわからずに中途半端な情報提供になってしまったのだが、カスミ達に不満そうな様子はない。むしろ、ワクワクしていて、楽しみって感情が隠せていない。モブから部長まで、全員が。

 

「よし!良いだろう!!

 我々温泉開発部も協力しようではないか!!

 ランダム要素?迷路?構わん!! 全部ブッ壊せば、そんなものないも同じだ!!

 

「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」

 

「諸君! これからはもっと激しく掘るぞ!

 その先に、温泉とまだ見ぬ未開の地が待っているッ!!!」

 

「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」

 

 カスミが煽り、温泉部の面々がどこかへ走り去っていく。

 雷が鳴る直前のような、地割れのようなゴゴゴゴ、と轟く音がしばらく響いて、場は静かになった。

 ……ヤベェ。これ、温泉開発部を煽っちまったか? 俺としては、アリウス攻略戦で奴らの力が借りられればと思っただけなんだが………

 …………………俺、しーらね。

 

「スバルには礼を言いたいよ!何なら、温泉開発部(ウチ)に入って欲しいくらいだ!!」

 

「入部なら断らせてもらう。既に部長なんだよ、俺は………」

 

「なにぃ!?」

 

「でもそうだな。カスミ、モモトーク交換しようぜ!!!

 

勿論だ!!!!

 

 こうして俺……間島スバルと温泉開発部は、利害一致による、一時的な同盟を結ぶことに成功したのであった。

 …………なお、この結果温泉開発部のモチベーションが上がりまくった事については、一切考慮しないものとする。うん。

 

「俺も俺でカタコンベ探すからよ、捕まるなんてヘマはするなよ!

 見つかっても『捕まってて来れない』なんて言ったら、置いていくからな!」

 

「はっはっは!笑わせてくれるなよ!温泉の可能性がある限り、我々は不滅だ!」

 

「あ、そうだ。最後に一つ、聞き忘れたことがあったんだ」

 

「何だ?」

 

カスミ、お前の男のタイプは?

 

温泉だ!!!

 

 オイ質問に答えろ。

 

 

 

 

「―――ってことがあったんだ」

 

 俺は、噓偽りなく説明を終えた。

 キヴォトス公式のテロリストがあそこまで活発な事は予想外だったが、俺にはなんの関係もないはずだ。

 俺の話を聞き終えた電話の向こうでは、先生と風紀委員会のみんな(ヒナちゃん除く)がいるはずなんだが……やけに静かだな。どうした?

 

『スバル……』

 

「なんですか?」

 

『やっぱり貴女が原因じゃないですか……!!』

『ヒナ委員長が倒れたんですよ!どう責任をとるつもりなんですか!!?』

『もう貴様を指名手配してもいいだろコレは!!!』

 

「な、何言ってんだお前ら!!?」

 

 俺はいずれ来るアリウス戦に備えて使える手を打っただけだぞ!?

 だというのにチナツも、アコも、イオリもまさかの俺をテロリスト扱い!?

 くそ、こうなったら先生に弁護してもらうしか……

 

「先生! コイツら説得して…」

 

『…ごめんね、スバル。とても庇いづらいよ、今の君は』

 

何でだァァァーーーーーーーーーーーッ!?!?!?

 

 俺はテロリストじゃないって言ってるだろォ!?

 美食研究会の件も説明しないといけないのに……これは酷い。ひどすぎる!!

 だが俺の悲鳴は、むなしく電話に響くだけであった。

*1
現に、万魔殿からの抗議文書を読んだナギサは、紅茶を吹き出しながら死んだりしている。





Tip!
信じられないだろうが、コレは前編だ!キリがいいので、二つに分けたぞ!



おまけ・温泉開発部員の供述
「新たな温泉地のタレコミがあったのだ!」
「そこに温泉と温泉未開発地があるからだ!」
「あらゆる障害物を撤去してやるぜぇぇ!!!」

 …スバルが黒幕として疑われても(というか実際黒幕だけど)仕方ないな!!

一番えっちいのは?〜アビドス編〜

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