HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
またスバルがやらかします!
―――美食研究会に出会ったのは、本当にたまたまだ。
あの恐ろしき温泉開発部と対談した翌日、昼食を取りにとある焼き鳥屋に入った時のことだ。
ごった返す先客の中に、ハルナ・アカリ・イズミ・ジュンコ………美食研究会がいたのだ。
「ヒッ…!? 間島スバルッ!?」
「落ち着けジュンコ。別に見ただけでお前らをブッ飛ばそうなんて考えちゃいないよ。
…………お前らがココ爆破しないならだけど……」
「ご心配には及びませんわ、スバルさん。ここのお店は、食への敬意に満ちています」
「へぇ…そうなのか」
美食研究会の座るカウンターの一個空けた隣に座って、適当に食事を頼んでからハルナに話しかけた。
「いっつも店爆破してるだけじゃないのな」
「わたくし達が爆破するのは食への敬意に欠けている店のみ、ですわ。
そちらこそ、今日はわたくし達に攻撃しないんですのね」
「俺がお前らシバくのは本燃やした時かフウカさんを誘拐しようとした時だけだ。積極的にブッ潰そうとは思わんよ、ヒナスキアコイヌじゃあないんだから」
「ヒナスキ…?」
「天雨アコの学名だよ、聞いたことない?」
ブッ、と音がした。
ジュンコが口元を抑えながら震えている。
よくよく見ると、アカリも超山盛りの焼き鳥を頬張りながら、苦しそうに胸を叩いていた。何だ、ツボったのか?
ハルナは「アカリさん、ジュンコさん」と嗜めるように二人の名を呼んだ。食事中に行儀のよくない真似はNGってか。
「しっかし、美食研究会っていうモンだから新たな食の可能性を探るモンだとばかし思ってたわ。特殊調理食材の開発とか」
美食研究って名前とは裏腹に、こんな普通の焼き鳥屋さんにも寄るんだな、と。そういう意味合いで呟いたつもりだった。だが、ハルナには聞こえていたようだ。
「必ずしも高い食材、珍味…それだけが美食ではありません。店の雰囲気、もてなし、心遣い……それらも合わさって美食となるのです」
「そうなのか?」
「例えばこのお店で、イタリアンなど出ないでしょう? それは、お店のテイストに合っていないからです。そこを理解出来なければ、よい食への敬意とは言えないでしょう」
「あー…確かにそう考えると食材だけが味を左右する…とは限らないのかも?」
「それを探るのもわたくし達美食研究会の使命ですわ。
…それはそうと、興味深い言葉を仰りましたね、スバルさん。……『特殊調理食材』とは?」
ヤベェ。そこ聞かれてたのかよ。
特殊調理食材。それは、調理するのに特殊な工程や技術が要る食材のこと。漫画『トリコ』のキーワードだ。
例えば、食べる前に驚かせてそのビックリ度合いで甘さが変わるとか、お湯の温度を80度ジャストにキープしながら煮て灰汁と一緒に毒を抜くとか、決まった方法でしか食べられない、というものだ。
当然、そんな奇天烈なものがキヴォトスに存在するわけがない。でも、調理に特殊な工程が要るヤツなら心当たりがなくもない。
「決まった方法で調理しないと食えない食材のことだよ。キャッサバとか、フグの卵巣とかがそうだな」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!
フグの卵巣って…確か、猛毒じゃなかったっけ!?」
「そうなんだけどな。どうやら、塩と糠で2、3年ほど漬けこむと、毒で死ななくなるんだと」
「そ、そうなんだ……」
フグの卵巣と聞いて反応したジュンコが、納得したような声を出す。
確かあれ、前世の日本で作られてたんだよな。食べたことないからどこ産かは忘れたけど*1。
キヴォトスではどうなんだろうな。俺はキヴォトスの生徒になってから3年、色々見てきたつもりだが、前世にはなかった、とんでもない食材にはまだ会えていない。まぁあんまり気にしなかったってのもあるかもだけど……トリコに出てくるようなのがポンポン出てくるなんてのは流石にない。そんな事が起こったらキヴォトス=グルメ界説という頭のおかしい説が生まれんぞ。
「なるほど。あなたはそんな呼び方をなさいますのね」
「まーな。だって気になるだろ、あんな調理方法どうやって発明したんだって」
「うふふ。確かに、そこに思いを馳せるのもまた、趣のあることなのかもしれませんわね」
ハルナが笑い、しばらくの間会話のないまま時間が流れる。
焼き鳥屋特有の喧騒の中食べる焼き鳥は、タレと鶏肉がうまいこと絡み合っていて、普段のソレより美味い気がした。
「…ところで、スバルさん」
「ん?」
「わたくし達は今、捜し物をしていますの」
ハルナが話しかけてきた。
他の3人も食べ終わったのかこっちを見ている。
なんだなんだ、お前らが探すモンって。怖いぞ。
「アリウス自治区……そこにある食材を求めているのです」
「アリウス……だと…!? どこでその名を聞いた?」
「カンタンだよ! きのう会った温泉開発部の人が、そう言ってたんだー」
「食事中に温泉開発という名の爆破に巻き込まれただけだけどね…」
温泉開発部にタレこんだだけの情報を何故知っていると思ったが、イズミやジュンコが言った事によると、もうさっそくあのテロリスト共が大暴れをして、その結果爆破の現場に居合わせたコイツらもアリウスのことを聞いて仕入れたんだろう。
だけどだ。あのベアおばが支配している土地に美食研が気に入るような食材があるかといえば……あるとはとても言えないな……
「アリウス自治区に食材ね……なにかアテでもあんのか?」
「いいえ。ですが……それを探求するのも、食の探求というもの、ですわ」
「それが美食研究会ですものね☆」
そうは言ってもなぁ。
ないとしか思えないんだよなぁ……食材。仮にあったとしても、ロクでもないものの可能性が高い気がする。
「……あそこは洗脳されたテロリストの巣窟だ。お望みのものが手に入るどころか命を落とすかもしれないんだぜ?」
「その程度のことで止まる美食研究会ではありません☆」
「そうだよー!私達が何度風紀委員会と戦ったと思ってるの!?」
「わ、私だってまだ食べたいモノが山ほどあるのよ!」
「……と、いうことですわ」
「い。イヤイヤイヤ!
なんで即答できるんだ!? もっとこう…あるだろ!命あっての物種とか!」
「うふふ……その程度の危険を顧みなければ、美食研究会は務まらないということですわ」
「EATorDIE……それが私達のモットーですから☆」
………どうやら俺は、何か知らぬ間に、コイツらの美食魂に火をつけてしまっていたようだ。
この時の俺は、いまだにキヴォトス有数のテロリストを舐めていたようだ。まぁ、お店爆破するのとフウカさん拉致る現場に居合わせる程度のことしか面識がなかったし、それ以外の情報といえば……
どうやら、まだ俺の美食研究会に対する解像度がまだ低かったようだ。
食の為なら炎の中にでも飛び込む……まるでそう表現するかのような…『スゴ味』があるッ!!
アズサから聞いた限りではアリウスが食料に飢えている不毛の地であることは明らかだ。火薬が染み込んだ土地で育つ
でもコイツ等の邪魔をしようものなら、戦闘になるだろう。流石に負けはしないが…そうなったら確実にこの焼き鳥屋が瓦礫の山になる。
無理でも説得するしかない! 出来るだけ刺激しないように、言葉を選んで……方向性をちょこっと修正するとか……
「…これは、俺が元アリウス生から聞いた話なんだが………アリウス自治区は、戦火の絶えない地域で、とても食料生産なんかできる土地じゃあないらしい」
「へぇ……行っても得られるモノがないからやめろと?」
「いいや……そこまでは言わないよ。俺だってそんな不毛で戦火の絶えない地の『食』に一切興味がないといえばウソになる。…………ただ」
「ただ?」
「本当に危険だからな……このまえ条約の調印式で襲撃を受けた時は、ヒナちゃんでさえ死にかけたんだ」
「あ、あの風紀委員の委員長が!?」
「そ、それは…本当ですの?」
「疑うんなら横乳かチナツに問い合わせるといい。俺、2人の電話番号なら持ってるから」
お、ヒナちゃんの名前を出した途端に動揺が走ったぞ。
流石に毎回ブチのめされてるだけあって、苦手意識の「に」の字くらいはあったようだな。
「そういうワケなんで、普段通りのお気楽テンションで行ったら……マジで死ぬぞ」
「「「「!!!」」」」
俺がミサキやヒヨリを圧倒できたとはいえ……アリウスは強敵だ。
なにせ、ギャグパート全開の便利屋68でさえ、怪我人が出たんだ。お遊びで挑んだら、冗談抜きで死人が出る。『色彩』が来る前に脱落者がここで出たら後がキツくなる。俺も強くなったが、カバーにも限界がある。
もしお遊びで来るつもりならやめておけ……さっきも言ったが、今度はケガしたヒナちゃんという具体例を出した。
返事は………返ってこない。どうやら、自分達を圧倒した強者……ゲヘナ最強実力者でも怪我を負う程であるという事実に愕然とし、すぐさま答えが出ないようだ。
……冷や水をぶっかけ過ぎたか。少しだけ焚きつけてから帰るとしよう。
「……いちおう、アリウス自治区の行き方は教えておく。入口が見つかった時の連絡もな。行くか行かないかは……お前らが決めろ」
箸が止まって食が進まなくなった美食研究会に悪いことをしたなと思いつつも、食事を終えていた俺は立ち上がると、会計を済ませて店を出た。
⋆
「―――以上が美食研究会の件のあらましです」
『『『『……………』』』』
俺が温泉開発部の件で盛大に非難された後に美食研究会の件まで説明するのはかなり心苦しかった。だって「お前もテロリスト」って言われたんだもん。先生も庇ってくれなかったし。
でも、美食研の話を聞いた電話越しの沈黙を聞くあたり今回もソッコーでテロリスト扱いはなさそうだ。そう考えようとして。
先生の神妙な声が、俺の鼓膜に伝わった。
『スバル』
「な…なんですか?」
『スゴク行きそうな展開だよ。ハルナ視点で』
「え、えええええええええええええええええええええええええええっ!!? そんな馬鹿、な………」
叫んだ後で、美食研に取った言動を思い出して。
―――たまたま飲食店で出会うシチュ。
―――アリウス自治区という謎の存在*2の明言。
―――「お気楽に行くとマジで死ぬ」という本気の助言。
―――行き方は教えておくといいながら立ち去る俺。
………あ。
「し、しまったァァァーーーーーーーーーーー………ッ!!」
……げ。
ゲームかアニメだったら絶対に行くフラグだコレー!?!?
モモイかアリスに見られたら「フラグ出まくりだよ!」「お約束ですね!」って騒がれるレベルの典型的なフラグをバラまいてしまった!!
ましてやここはブルアカ! 思いっきりスマホゲー! なんてこった……説得中は美食研を刺激せず、かつアリウスで好き放題暴れさせない為に釘を刺す事に集中していたから、そこには気づかなかった!
俺としたことが、こんな初歩的なミスをしでかすなんて!
しかも……相手は美食研究会!
『お前…何故我々にすぐ通報しなかった!?』
「あぁいや……えっと……すぐに通報したら、奴ら何らかの抵抗で焼き鳥屋爆破させるかもしれなかったし………?」
『何故疑問形で答えるんだ!!?』
『あの……美食研究会の方は偶然だと分かりましたが、温泉開発部に行った理由をお聞かせ願えますか?』
「フフ…まぁ、色々あってね先生?」
『え、私?』
反省している暇はない。今は風紀委員の追及から逃れなくては。
こうして俺は、イオリやアコ相手に説明を行い………温泉開発部も美食研も配下に入れていないこと、美食研究会とは積極的に繋がったワケじゃないことを納得してもらう事ができた。
意気地なイオリとアコに対して、先生と……あとチナツがすぐに俺の説明を信じてくれて、仲介になってくれたのはありがたかった。
結局、俺は先生とこの後待ち合わせすることになって、電話は切られたのであった。
―――そして、数分後。
「おーい、スバル! 待ったかい?」
「それ、色んな子にイッてるワケじゃないでしょう?」
「うっ! ……っていうか、スバルのイントネーションが一部おかしかったように聞こえたけど」
「気のせいでは?*3」
先生がやって来てた。
風紀委員は大丈夫なのか聞いたところ、「ヒナは寝かしつけたから大丈夫!」などと言っている。
念のため、もう少し風紀委員にいて欲しいところなんだけどなぁ。
「さて、スバル。聞かせてもらうよ……どうして温泉開発部の子たちに会いに行ったのか」
「えぇ。呼び出したのは俺です。筋は通さねば」
温泉開発部の連中と接触した理由について、あの後こう言ったのだ。
『先生にだけ特別に教えましょう』
つまり先生は、その為だけに俺と直接会いに……ゲヘナ学園本校付近の待ち合わせ場所に来てくれたのだ。
先生だけを呼んだ理由はただひとつ。この先の戦いを―――先生とアリウススクワッドがベアおばと戦う展開について、少し教えておくのだ。少しでも、先生の負担を軽くするために。少しでも、よりよい未来に近付く為に。
「先生。俺には予感があるんです。
……近いうち、アリウスと本格的に戦う予感が」
「えっ、アリウスと? ……でも、エデン条約の調印式の時の襲撃は撃退したんじゃ…」
「撃退しただけです。元凶が、まだ残っている。………そんな気がするんです。
どうしてアリウス生は歪な憎しみを持つようになったのか……それを解決しない限り、終わりじゃあない」
「スバル……」
「マ、もしかしたら元凶の生徒会長とかいるかもしれませんしね。それも30歳以上の」
「スバル? な、何言ってんの???」
何ってエデン条約編の黒幕に決まってんだろ。
大人とは責任を取る者。責任は取らなくっちゃあならない。
そんな腐った大人が作った地獄なら、破壊し尽くした方が良いってモンよ。
それはそれで置いといて……だ。
「ところで先生、あの日…俺が真っ黒になったヒヨリを連れてきた時。スクワッドのサオリと何か話してましたよね」
「あ…うん、まぁ」
「その話の内容を教えて頂いても?」
先生は、サオリとの会話内容を教えてくれた。
内容は…案の定、罪を背負った生徒の生き方。死んで逃げようとしていたサオリに対して、それはダメだと断言し、罪を犯した人の未来を理不尽に奪っていい理由には…ならないしなってほしくないと諭し、どんな
「成程…これは俺の思った通りの先生だ…」
「スバル?」
「この際だ、先生。俺からもちょっと気になった事を聞かせて欲しい」
先生の事はよく分かった。
これなら、恐らくサオリも頼りに来るだろう。
ちょっと思い出したんだが、サオリが「頼れるのはもう…○○先生しか……」のスチルがあったはずだ。SNSでは○○の中に好き放題名前を書き込んで大喜利にされてたが、状況的に大真面目なんだろう。
きっと先生は、罪を犯した生徒達をも救おうとするんだ。だからエデン条約編が神シナリオとか言われるんだろうし、2周年でミカが実装された時は大いに盛り上がったんだ。そうに違いない。
だから俺は……それ関連で、ちょっと思いついた事を尋ねてみるとしようか。
「先生。きっと、先生が助けようとする『悪い子』ってのは……
例えるなら、『お前の罪を数えろ』って問われたら、『今更数えきれるか!』って返すタイプだと思うんです」
「うん? そ、そうなるのかな?よく分からないけど…」
「だったら、ですが。『お前の罪を数えろ』って問いに『そんなものはない』…って返すようなヤツに会った時。先生はどうするつもりですか?」
先生は、俺の質問にう~~ん、と唸り出した。
何を言っているのか、想像しづらかったかな? 俺も、抽象化がムズい問題なんだけど。
えーーとだな。前者は世間一般での極悪人でありながら…それを自覚出来ているヤツで。後者はそれ以上に単純に、悪や罪を悪く罪深いコトと考えていないヤツにあたると思う。
どっちが悪いかは場合によるが……くっそ、難しいな。
これ以上コッチ方面に考えると、エロに影響が出そうだから、今からでも先生×美食研のハー○ム逆○式乱○モノの漫画のプロットを頭の中で考えて……
「スバル、私だったらね」
「うぉぉおっとぉぉぉぉお!?!?」
「す、スバル!? 大丈夫!?」
「え!あ!はい!なんとか!!」
「えっとね。多分、そう言う子は知らないんだよ。何が良い事で、何が悪い事なのか。
だからね、
「成程……じゃあ、そう言ったのが『大人』であったなら?」
「………その人が何をしたかによるかな。場合によっては、私は全力で敵対すると思う」
「……フ」
「?」
やはりこの人は“先生”だ。
分かり切ってはいたが、信頼できる。
かつて俺の目標であった、『素敵な大人』そのものじゃあないか。
これなら、サオリの救いを求める手も取ってくれるだろうな。
「先生……これからも、その先生らしさを忘れないでくださいね」
「もちろんだよ。スバルも、スバルらしく頑張ってね」
「だから、その…今回のことは…」
「分かってる。全部が全部わざとじゃないってことは。でも反省はしてね?」
「うぅ……ハイ…」
少なくとも。
今の俺は先生を前に、脳内で練りかけていた先生×美食研のハ○レム逆○式○交モノの漫画のプロットを悟られる訳には行かなくなったのであった。
Tip!
スバルに警告された美食研究会は、それぞれで悩んだり、先生と食べ歩きデートに行ったりして、数カット挟んだのちに再び集合して、アリウス自治区に行く決意を固めたぞ!フラグ回収成功だ!
おまけ・そいつだけはアカン
スバル「…キヴォトスにフグ鯨なんている訳ねーよな…」
イズミ「ふぐ…」
アカリ「鯨!?」
ハルナ「お話を…お聞かせ願えますか?」
スバル「おいやめろ!アレは料理チートと毒探知チートと捕獲チートがいないと調理できない食材なんだよ!そもそもいるかどうかも……」
ハルナ「それを探すのも美食家…ではなくて?」
ジュンコ「あんたがそれ知ってる事自体がいる証拠みたいなもんでしょ?」
イズミ「楽しみだなぁ…フグ鯨!」
ハルナ「参りましょうか………幻のフグ鯨を探しに!」
スバル「……………………骨は拾ってやるからな…」
→イベントクエスト【フグかクジラか?美食研究会と幻の海の幸】へ続く
一番えっちいのは?〜ヴァルキューレ&SRT編〜
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