HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
作 者「まさか、みんな求めてないのか……?」
シリアル「1回破壊しちゃったから、仕方ないのかもな…」
シリアス「いいもん、どうせ俺なんて…」
スバル「スネてやがる…」
ギャグ「(破壊したのに復活した点については触れないのか……)」
お気に入りがあっという間に2600を超えて、UAも33万を超えました。本当にいつもありがとうございます。またいつも感想ここすき(デビルマン)してくださる方、本当にありがとうございます。
さて、今回ですがスバルよりも美食研究会の方が出番の割合が多いです。嫌な方はブラウザバックをするかこの話を飛ばすようにお願いします。
ベアトリーチェが生み出した兵器の1つ、ユスティナの第二位聖女・カタリナの
「………」
しかし、そんなものを一切気にしないかのように、カタリナはスバルに襲いかかる。まるで、威圧にさえ気にも止めず、目標を駆逐するべく動くオート兵器のように。
振りかぶった巨大車輪の一撃を、スバルは身体を逸らすだけで躱す。
「……薄々思ってたけど、どこまでイッてもベアおばの兵器なんだな……」
スバルの瞳には、最早アガタと組んだカタリナに押されていた時の焦燥の感情は存在していなかった。
あるのは、まずスバルがこれまで歩んできたエロに対する誇り。次に、心なき兵器に成り下がってしまった名も知らぬ彼女への悼意。ユスティナ聖徒会がかつて実在していたシスターだったという事を知っているからこその感情。そして……この暴挙の元凶であるベアトリーチェへの、言いようもない怒りだ。
エロとは、自由で人を救い幸福にしてくれる、親愛なる隣人でなくてはならない。
決して、目の前の複製のように、凶悪で誰かを傷つけるだけの、意志亡き人形に落ちぶれる事などあってはならない。
にも関わらず、ベアトリーチェはその禁忌を犯した。エロを侮辱し、性欲を侮辱し、大いなる意味と意義を侮辱した。「侮辱する」という行為に対しては殺人も許される、とはどこかのデブったギャングも言っていたが………スバルにとっては、空前絶後というレベルで怒髪衝天となっていた。ゆえに、これまでの彼女とはまるで違うのである。
「せめて………そのエッチさに敬意を示して。
1秒でも早く
吐き出した言葉。それは、意志なきカタリナの複製に対する悲しみと弔意だった。
それを無視するかのように、カタリナは地を踏みぬいた。それは、ただ命令に従うままに己の目の前にいる敵の命を奪わんとするためだけの動き。
そこには、聖女の誇りはない。強大な戦士が放つ気迫もない。だが、速さと力はあった。キヴォトスでさえ、このカタリナの速さを見切れるものはそうそういない。
たとえ銃弾に頑丈な生徒といえども、マトモに食らえば一撃で
もし、ここに誰か意思ある者が―――例えば、剣先ツルギや鮫洲アギト、あるいは錠前サオリや先生でも良い―――などがいれば、戦慄していただろう。
この時のスバルのオーラは、これまでとは比べ物にならない程に膨大に膨らんでいたのだから。
「『擬・滅・昇竜拳』」
次の瞬間、頑丈に見えた巨大車輪は、粉々に砕け散った。
車輪を持っていた手は、あらぬ方向へへし折れていた。
突き上げた拳は漆黒に光り輝き。飛び上がった姿は空覆う暗雲を吹き払う龍を思わせる。着地した姿はまるで蛮勇にも己に立ち向かう戦士を叩き潰す魔王のようだ。
この間、カタリナは何も見えなかった。反応しきれなかった。複製になって底上げになった膂力と瞬発力さえ、今のスバルのそれには敵わなかった。
だが、カタリナの動きは、鈍る事は無かった。
「……ほぅ、再生能力があるのか」
へし折れた右手が徐々に修復していくカタリナ。よくよく見れば、先程「擬・火拳」で盛大に焼けた腹も、少しずつ火傷の面積が狭まっているような気がする。
生半可な攻撃では一切傷がつかない頑丈さに加えて判明した…再生能力。本来ならばそれは、戦う相手に絶望を与えるのに相応しい力である。
だが、それがどうしたのか。
今のスバルは、傷が癒えていくカタリナを前にして、戦意を失わないどころか慌てもせず、まるで実験で新たな結果を得た博士のように頷くだけである。だが決して、カタリナを侮ったり見下したりしている訳でもない。
カタリナは強い。
その攻撃力、防御力、戦闘のスペックにポテンシャル。駄目押しとばかりに追加されている再生能力。
チンピラ上がりのヘルメット団や傭兵程度では、カタリナに傷1つつけられない。
練度を上げた死兵たるアリウス生が束になってかかっても、受けた傷の再生に間に合わずに敗北するだろう。
先生の率いるネームド生徒の小隊でも、“大人のカード”無しでは窮地に陥るレベルかもしれない。
だから……今ここで、カタリナは倒さなければならない。この仮初の姿をした兵器を、沈黙させなければならない。
ゆえに、スバルは膨れ上がった闘気を全身に込め、その次の瞬間にはたて続けに技を放っていた。
「『擬・爆裂拳』―――!」
両の拳が、荒れ狂う龍のごとく舞う。
その一発一発が、カタリナに突き刺さった。
一発目。カタリナの再生を始めた腕を再び折り、再生を遅らせた。
二発目。カタリナの脇腹に片方の拳が食い込んだ。
三発目。カタリナの右肩に、クリーンヒットした。常人なら、鎖骨が折れる一撃だ。
四発目。とうとう、カタリナの頬をスバルの拳が捉えた。
しかし―――爆裂の勢いは、たった4発では、終わらない。それどころか、拳を撃ち込めば撃ち込むほど、次の攻撃の間隔と速度は増していく。
「オラ、オラ、オラ、オラ―――!」
間髪入れずに殴り続けていく。
カタリナも黙って殴られるわけもなく、反撃や抵抗を試みる。
砕けていない左手で殴りかかろうとした。スバルの拳と激突して砕けた。
車輪を再生しようとした。直後にスバルのパンチが車輪の軸を破壊した。
蹴りを繰り出そうとした。それよりも先に顔面を殴られ、それどころではなくなった。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
次々と繰り出される拳。それを躱す事が出来ないカタリナ。
常に発動し続ける再生能力。再生したそばからカタリナを削っていく拳の乱打。
スバルは、現在進行形で乱打を放ちつつも、脳裏では思考をやめないでいた。
「(生半可なスピードじゃあ、コイツは再生してしまう! もっと早く!もっと早く!!)」
先程大ダメージを与えた事で判明した、カタリナの再生能力。それを上回るスピードで攻撃を続けることで、再生を追いつかせなくする。
そうやってカタリナを倒す事に決めたのだ。難易度は高いながらも、シンプルなやり方で。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
殴る。殴りまくる。殴り続ける。
早く。もっと早く。カタリナよりも早く、さっきの自分よりも早く、1秒前の自分よりも早く。
そうして攻撃を続けてきた刹那だった。スバルが異変を感じたのは。
―――カタリナが一瞬、動きを止めた。
「!!?」
それだけではない。カタリナが殴られた際のリアクションも一瞬だけ、止んだのだ。まるで………スバル以外の、全てが止まってしまったかのように。
「―――オオオオオオオオ!!! ラァァァアアアッ!!」
だが、それも一瞬のことで、すぐに動きは再開した。
本当に瞬きほどの一瞬のことであり、下手すれば気のせいや見間違いともとれる一瞬の停止。
しかし、今のスバルには、それについて考えている余裕はなかった。気づいていないワケではなかったが、そんなことを考えられる程、リソースは割けなかった。今なすべきことは……目の前の
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオッ!!
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアアアーーーーーーッ!!!」
徐々に速度を増していった連撃は、最終的に人知を超えた絶技となった。
次々と炸裂する破壊と殺戮の乱撃がまるで花火のように咲き乱れ、サンドバッグと化していたカタリナを、あっという間に飲み込んだ。
嵐がやみ、砂埃が静まった頃。
「――――――ッフゥーー―――……」
月の光も届かぬアリウス自治区の一角。建物も瓦礫も、粉々の灰塵に帰した土地の真ん中で、1人の呼吸音がいやに響いた。
更地と化した戦場の中央には、1人の少女が、濃紫の片翼をはためかせながら佇んでいる。足元には、透けた花嫁衣裳とガスマスクを身に付けた
スバルは、崩れ
「花嫁さん……こんな形の復活は不本意だっただろう。眠ってるトコロ、ベアおばのせいで叩き起こされちまって。ホント、悪かったな」
スバルは、この
だが、ベアトリーチェの仕業である点と、このエッチな花嫁がかつてユスティナ聖徒会の実力者だっただろうということは、薄々理解したのである。
「シスターフッドは、上手くヤれています。サクラコ先輩も、マリーも、立派な修道女ですよ」
戦いの後の……それも、天変地異のような暴威を解き放った張本人とは思えない程の穏やかな声。
それをもって、スバルは言葉を続けた。
「俺達を見ていてください。いつかトリニティは…貴女がた
さらっとトンデモないことを約束しおったぞコイツ。
だが、この場には意思ある者はスバルしかいない為誰もその言葉にツッコミ訂正を入れる者はいない。
スバルの斜め下にすさまじい誓いを聞かされたカタリナは、そのまま朽ちて消滅していった。もし本当にカタリナの魂がスバルのトンチキな誓いを聞いていたら、確実にキレ散らかしていた事だろうが、叶わぬ事だ。
「……………さて、ベアおばはこっちを見てるかな…?」
それは、アリウス生による敵襲よりも、どこかしらの不可思議で説明不能な何かを通して自分を観察している誰かを警戒しているような動きである。
先程までアレだけ暴れて警戒もへったくれもないかもしれないが、スバルとて手札を全て見せたつもりは無い。いくら狡猾で悪辣な大人でも、覚妖怪のように心を透かし読むことは出来ない。
その警戒の動きに気付いた存在の数は、決して多くない。
⋆
―――スバルがカタリナとタイマンを繰り広げていた頃。
美食研究会はというと。
「フウカさん! 回復を!」
「またぁ!? もう間に合わないわよッ! もうちょっと被弾減らすとか出来ないの!?」
「うぅぅ……だって、あっちがめちゃくちゃ正確に撃ってくるんだもん!」
「くっ…リロードは…まだみたいですね…☆」
「こっちの
…苦戦していることが疑問だろうか? 否。そもそも、同タイミングでカタリナをタイマンで圧倒していたスバルがおかしいだけである。一部の例外*2を除いて、普通ならこうなるのが当たり前だ。
正確無比な射撃を、マシンガンで放って来る。しかも、相手はいくら弾を受けてもダメージが通らない液体ボディ。無策では絶対に勝てない相手である。
「ならば、もう一度銃を狙って……!」
「―――――」
「な…!?」
ハルナがもう一度銃を狙撃して破損させ、攻撃手段を奪おうとするも、二度目は銃を庇うように射撃体勢を変えられ、躱されてしまった。銃を狙った弾丸は、変わった体勢の、右脇腹を貫く。アガタは特に気にもしてなさげに、美食研究会への反撃の引き金を引いていた。
狙撃を見てから躱された事実は信じがたいが、起こった事は受け入れるしかない。
「会長! いま、あの子……」
「えぇ……恐らく、一丁目で学習したのでしょう。もう武器破壊は狙えませんわね」
「ええぇぇーーっ!! じゃあどうするんですか!? アイツ、撃っても撃っても効かないんですよ!」
「全然手ごたえありませんよね☆ まるで、水でも撃ってるみたいに…」
しばらくアガタのマシンガンを新たな遮蔽物で凌ぎながら、美食研究会は頭を回して勝つことを諦めていない。
すべては帰還後の、スバルの奢りのために*3。軽口を叩き合いながら、戦意を鼓舞する。だが、アガタがそれを待っているワケがなかった。
「―――」
「――ッ! 来ましたわよ!!」
アガタが前進する。ハルナ達が弾幕で迎え撃つも、今度は液体になって躱される。
前に進んだことで、地面ではない、食料庫のコンクリート床に足を踏み入れても尚、前進をやめない。
動く水たまりのように弾幕の中を掻い潜ったアガタは、ハルナ達の陣の中央へ、床の上を凄まじい速度で泳いでいく。
水たまりから飛び出し、狙った銃口の先にいたのは……ハルナだ。
「―――」
「危ないっ、会長!」
しかし、ハルナにマシンガンの乱射が刺さるほんの直前。
彼女を突き飛ばし、代わりに銃撃を受けたものがいた。
イズミであった。いつもは鈍いが故に囮にされがちな彼女であったが、たまたまハルナの一番近くにいたが故に間に合った。
だが、ハルナを庇った代償が、小さいハズがない。
「イズミさんっ!」
「ぅ……ぐぁ……」
アガタのベルトリンク半分の弾丸を受け続けたイズミは、意識を保つのが不可能になり、銃口をアガタに向けながら崩れ落ちた。
「よくも、イズミをっ!」
お返しと言わんばかりに、手榴弾がアガタを襲う。
敵をようやく1人黙らせたアガタは、それを寸分違わず撃ち抜いた。
爆発と黒煙が周囲を満たす。それを振り払った時には、ハルナ達はもちろん、さっき倒したはずのイズミも姿を消していた。
ぐるりと獲物を見渡す。先ほどの手榴弾で視界が悪くなっている内に、ハルナ達は近くの遮蔽物への避難に成功していたのだ。
それも………アガタに壁を背負わせ、逃げ場を奪った形で。
「形成逆転…ですね☆」
「ほんとに逆転してるんですか? これ……」
「いずれにせよ…そろそろ決着をつけねばなりませんわ」
美食研究会3人で、アガタを撃ち始める。
アガタは反撃に撃ち返すが、アガタが攻撃するたびに、3人は遮蔽物に隠れてやり過ごす。
アガタがベルトリンクを撃ち尽くして、リロードをする。その際に、3人が一斉に攻撃をする。
その流れを何度か繰り返し、壁を背負った状態でアガタが何度目かのリロードをした、次の瞬間である。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッ!!」」
「―――!」
ジュンコとアカリがアガタ目がけて飛び掛かってきたのだ。狙い目は、アガタの持つ
それさえ壊してしまえば、アガタの攻撃手段はなくなる。実質勝利のようなものだ。
更に、ジュンコとアカリの奥から、ハルナのスナイパーライフルの銃口が向いているのが見えた。これで、3方向同時攻撃。
グレネード。狙撃。アサルトライフル。この3つから、持ち前の銃を守り抜くのは至難の業であろう。ヒナでも、手を焼くかもしれなかった。
その、同時攻撃に………アガタは、とんでもないやり方で対抗した。
「―――」
まず、液体化して体勢を崩した。これで、ハルナのスナイパーライフルの射線上から逃れる。
「くっ…!」
更に、アカリの撃ってきた榴弾を、身体の水で包み、火薬を湿らせる。これで爆発が起こらない。
「まさか…」
最後に、ジュンコの二丁のアサルトライフルの猛攻撃に対して……それが放たれるよりも先に、凄まじい速度でジュンコに水鉄砲が放たれた。思いきり噴射された水は、ジュンコの顔面に直撃し……攻撃そのものを不発にしてしまった。
「ぶわっ!!?」
オマケに、崩れた水の中で、
「何ですって…!!?」
アガタは何事もなかったかのように水から濡れ濡れの水着姿を現して、ジュンコに銃口を向けた。
彼女はまだ水鉄砲のせいで前が見えていない。アガタが引き金を引くだけで戦闘不能に陥る。万事休すか………そう思った時。
ジュンコは、銃口から逃れるではなく……
「―――!!」
「ハァ……ハァ……やっと、捕まえた…!!」
根拠も特にない、咄嗟の判断に意地の前進。それだけで
これには、流石の
アカリも、アガタ本人を撃ち抜こうとして……しかし、榴弾でもアサルトライフルの弾でもジュンコが巻き込まれる可能性もある。失敗したらアガタがあっという間にジュンコを再起不能にすると分かっているため、なかなかアガタを撃ち抜けていないでいる。
「会長ーっ! アカリ先輩! はやぐぶぶっ!!?」
「ジュンコちゃん!?」
アガタは、無力化したと思っていたジュンコを妨害しなければならなかった。残ったもう一丁の銃を失うワケにはいかない。なんとしても。
ゆえに、空いた手でジュンコの鼻と口を覆ったのだ。塞いだ手は、形を崩して色を失っていき、水となっていく。しかし、それがまるでアガタの身体の一部であるかのように、重力に落ちて床を濡らす事はなく、ジュンコの顔面に纏わりついていた。
そう―――アガタの身体は水。その気になれば、人ひとり窒息させるなど訳ないのだ。
銃を狙撃されてお釈迦になるのが先か、ジュンコの息が底をつくのが先か。その勝負になった。ジュンコは突然息を遮る水に驚き戸惑っているものの、しがみついた銃から離れる気配がない。
だが、それだけ。このままでは、あと数十秒でジュンコの息が限界を迎え、溺れてしまう。
分が悪すぎる勝負だと、誰もがそう思っていた。
ブワァァァァアアアアアッ!!
―――アガタ自身に、大量の“粉”を振りかけられるまでは。
「――――!?」
アガタに死角から“粉”を浴びせかけたのは……フウカだった。手に持っていた食糧缶に詰められるだけ詰め込んだ“粉”を、アガタにぶちまけたのだろう。
戦闘が不得手なフウカの意外な行動に全員が言葉を失った…その時。アガタに異変が生じた。
「―――!?!?」
「え…効いてる…!?」
“粉”をぶちまけられたアガタが、生き物の悲鳴とも機械の故障音とも楽器の不協和音ともつかない叫び声をあげながら、苦しみだしたのだ。
「ち…縮んでますね。銃弾さえものともしなかったのに……」
「フウカさん…今、アレにかけたものはなんだったのです?」
「乾パンを砕いたものよ。本当は吸水ポリマー*4みたいなやつが良かったんだけど…こんな所に、そんな上等な物はなかったわ」
「か、乾パン!? どーしてそんなものが、アイツに効いてるの!?」
「
なら、乾パンなら……それ以上に吸うでしょ―――水をっ!」
そう。フウカは美食研究会を回復しながら、食料庫にあった乾パンという乾パンを砕いていたのだ。
あのままではジリ貧になると薄々分かっていたため、フウカなりに手を打とうと考えていたのだ。そこで、アカリの言葉が頭をよぎった。
『全然手ごたえありませんよね☆ まるで、
まさかと思ったフウカは、ハルナに黙ったまま後方で乾パンを砕き始めた。
イズミがやられた時は肝が冷えたが、間一髪。間に合わすことに、成功したのである。
フウカが立てた仮説……それは「アガタが銃が効かないのは水が関係しているからだ」と言う事。
ならば水を封じてしまえば、戦況は大きく変わるのではないか………そう思っての行動であった。
確証はなにもなかったが………現在進行形で体積を乾パン粉に奪われて縮んでいくアガタを見るに、それが正鵠を射たものであったことは明らかだ。
「フウカさん…あなたともあろうものが、食材を…」
「お説教なら後で受けるわよ。でも、今はアイツを生きて倒す事が先、でしょ!?」
「…致し方ありませんわね」
フウカとて、このやり方は不本意だった。
水を吸うものには、他にも色々あったはずだが―――しかし、今この状況で手ごろに用意できるのが砕いた乾パンしかなかったのだ。他の物を探すにもアリウス自治区は危険だし、何よりハルナ達の戦いに間に合わねば意味が無い。その点については、ハルナもある程度の理解は示したようだった*5。
さて、水を奪われたアガタだが、ひとしきり乾パンの粉に水を奪われたお陰で姿は見違えるほどに小さくなり、15センチ定規ほどの大きさになってしまっていた。当然、このサイズでは
「ど…どんだけ水含んでたのよ、コイツ!?」
「フフフッ……随分可愛らしい姿になりましたね♡」
ジュンコとアカリが、トドメを刺すべく銃口を向ける。
しかし……
「まぁいいわ。後は……ッ!?」
「これは…!?」
「う、嘘…!!」
突如、水を吸った乾パン粉が浮かび上がる。美食研究会が呆気に取られているうちに、それを押し固めて、一本のロープに作り上げたのだ!
「あっぐ!…………っかぁ…!?」
「フウカさん!」
「ま、まだ襲ってくるの!?」
そのロープが、狙いを悲鳴をあげたフウカに定め、首に巻き付いた。
そのまま、ロープが意思を持っているかのようにフウカの首を締めあげようとし―――
ブチン、と誰かに
「………っかはっ! げほっ! ゲホゲホッ……」
「う~~ん……濡らして柔らかくしてもあんまり美味しくないですね☆乾パンだからでしょうか?」
乾パンのロープを食い破ったのはアカリだった。首を締めあげた乾パンのロープを見て即座にフウカに駆け寄り、物理的に食いちぎったのである。
最後の武器を失い、逃走を試みようとするアガタを、美食研究会の3人の瞳が捉えた。
「今のは、流石に看過出来ませんわね……いくら乾パンだろうと、食材は食材。それで首を絞めようなんて、禁忌中の禁忌ですわよ………!!!」
その言葉を言い終えた瞬間。
ハルナと、ジュンコと、アカリの弾丸が、小さくなったアガタの背中に一斉に襲い掛かった。
銃声は、アガタがボロボロになり、消滅するまで食料庫内から轟いたという。
こうして、美食研究会は恐ろしい
Tip!
この戦いを見ていたオリジナルのカタリナは「ユスティナ聖徒会はエッチじゃない!」とキレまくっているし、オリジナルのアガタは銃を片方狙撃で破壊したハルナやロープを食いちぎったアカリにエネル顔を晒しているぞ!!
おまけ①・ちょっとした質問集
Q:パンが水を吸うってマジ?
A:マジ。
Q:乾パンって水を吸うの?
A:吸うらしい。現に乾パンには氷砂糖も入っていることが多いらしいが、これは唾液を多く出して、乾パンを食べやすくするためだそう。え、アリウス自治区の乾パンに氷砂糖?そんな上等なモノあるわけがなかろう。
Q:水の吸収速度速すぎない?あと吸収量もパないような…
A:気にするな!
Q:カタリナが他の生徒達と戦ってたらどうなってたの?
A:カタリナは能力が単純ゆえに強力です。万全状態のヒナやネル、ミカ、ツルギだったらタイマンで超ギリの辛勝レベル。それ以外だと先生の指揮&仲間とのコンビネーションが無いと詰む。なんならあっても詰みかねない。
Q:コイツ等がベアおばのスバル用兵器?
A:カタリナの攻撃もアガタの攻撃もスバルに通用しますし、能力もシンプルゆえに強力です。たまたま美食研に出くわしてなかったらスバルといえども危なかった。そも、温泉開発部と美食研究会に攻め入られている事自体ベアおばにとっては半ば想定外です。
ベアおば消した後の日常パートでスバルと絡ませたいのは
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ナギサ
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ヒフミ
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マシロ
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ハルナ
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カンナ
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キリノ
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サヤ
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アスナ
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アル
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コユキ
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ミネ
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マコト
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イチカ
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黒服
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その他(感想にさり気なくシクヨロ)