HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜   作:伝説の超三毛猫

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ベアおば始末してはいおしまい、にならないのがエデン条約編の難しいところ。
何をどこまで書くかが腕の見せ所な気がする。そして大抵俺はトチる!

…さて、話は変わりますが、俺は初めてアリウススクワッドを描きました。我ながらよい出来のモノが仕上がったと思います。今回の話の挿絵に使っていますので、是非見ていってください。


意味深なフラグと火の後始末だけは絶対に欠かせるな

 

 

 ―――結論から言えば、ロイヤルブラッドとはCV○澤香菜のことではなかった。*1

 なんでも、アリウスの生徒会長が世襲制で決まっていたらしく、その血を引いているのがアツコってだけだったらしい。

 アリウスは生徒会長を国王か何かと勘違いしてるんじゃねーのとは思ったが、今は関係ないし、今のアツコはかなり弱ってるからそっちを何とかするのが先だろう。そしてそれは、サオリがなんとかする筈だ。

 

「……で、こっちだが……」

 

 アツコのCV問題が解決したところで、俺は違うヤツに目を移す。

 ベアおばだ。ヤツは、前も言及した通りもう戦うどころか、生きているのか怪しい状態にまで追い込んだのだが………

 

「どうすっかなコイツ。

 トリニティで晒し首にしたあとは………まぁ、テキトーに埋葬すっか」

 

 そうするしかないか。まぁアリウスを使ってトリニティとゲヘナに迷惑かけた責任は取ってもらおう。

 そう思った矢先の事であった。

 

 

「彼女の事は我々にお任せ頂けますか」

 

「「「「!!!?」」」」

 

 突如、知らない声が耳に届いた。

 声の主を聞いて、俺以外の連中は驚きを隠せない様子だ。

 まず、そのスーツ姿の異形には、本来あるべき首から上が存在していない。しかも異様なことに、そいつは後ろ向きの男の写真が入った額縁を持っていた。

 俺は……そいつ等を知っていた。

 

「このような姿でのご挨拶になるご無礼、どうかお許しくださいませ。

 私はゴルコンダ。此方はデカルコマニーとでもお呼びください」

 

「そういうこった!!」

 

 額縁の写真に写る後ろ向きの紳士から声がする。

 頭部のないコート姿の人間の男らしきそれが大声で肯定する。

 ゴルコンダ&デカルコマニー。俺が知る最後のゲマトリアだ。

 

「本日は私達にとって先生がどうあるか……それを見極める為に来ただったのですが……予想外の展開になりましたね」

 

「なに…?」

 

「ベアトリーチェの事はただの舞台装置だと思っていたのですが………まさかあそこまで圧倒的に彼女を破るとは。このような結末は考えていませんでしたね……」

 

 ―――間島スバルさん。

 

 名を呼ばれた時、俺は心臓を鷲掴みにされるかのような感覚を覚えた。

 不快感……いや、それはもはや「恐怖」とでもいうべきなのだろうか。

 ジェイソンと貞子の恐怖は別物であり、貞子のタイプは何をしてくるか分からない「謎」から来る恐怖だという話を、こんなタイミングで思い出してしまうくらいには………それくらいにはヤバい奴らだ。

 ……先生大好きクラブじゃあなかったのか? お前ら。大人しくネタキャラやってれば良かったのによ。

 そういうガチシリアスは【いりません】っての、なんで分からねーかな………

 

「私としては、もっと文学的な結末を望んでいたのですが……」

 

「私の生徒に話しかけないでくれるかな?」

 

「大丈夫だ、先生……ちょっとビックリしただけだ」

 

「………本当?」

 

 即座に前に出て、生徒を守ってくれる先生。

 非常にありがたいが、出来る限りコイツ等から情報を引き出しておかないといけない。

 戦う事はないだろうが、それでも言葉を選び、そして臆していると悟られないようにしなければならないな。

 

「ゴルコンダにデカルコマニーだったか。

 ベアおばを任せて欲しいとか言っていたが、そんな死体を持ち帰ってどうするつもりだ?

 どーせもうブッ壊れて使い物にならない舞台装置だ。廃棄もこっちに任せてくれても良いんだぜ?」

 

「そうはいきません。彼女は腐っても、ゲマトリアですから。

 それに………あなたには、彼女がもう既に事切れているように見えているのですか?

 

「は?」

 

 何だと?どういう意味だ。

 俺とて医学に詳しいつもりは無いけど……まず両手はもう二度と治らないレベルの怪我だ。右半身に至っては、肩から先がバッサリ斬り落とされている。更に下半身は焼失しており、残った上半身も真っ黒こげだ。コレで生きていたら、もはや人間ではない。

 そう伝えたら、ゴルコンダは首を振った…ように見えた。コイツ後ろ向きの男の写真だしな。

 

「いつ何時も…この瞬間でさえ、記号というものはその中に解釈によって導き出されるテクストを含んでいるのです。

 このマダムもそう。今の彼女はほぼ『死』や『滅び』のテクストに浸食されつつある。

 私の仕事はここからテクストを抽出し、形にすることです………例えば、ヘイロー破壊爆弾のように」

 

「「「!!!」」」

 

 サオリと先生が身構えた。

 「ヘイローを破壊する爆弾」……そのワードの意味を知っているからだろう。

 だけど、俺はそれ以上に……ゴルコンダの難解な言葉を、強く警戒していたと思う。

 死や滅びを抽出する…? 原理が全くわからないが……ベアおばを蘇らせる気か? 或いはもっと別のナニかをするとか…? いずれにせよ、ロクなものじゃあない!!

 

「先生!俺とサオリに攻撃許可を!!」

 

「スバル!?」

 

「アイツがベアおばの身体でナニをスるかは分からない………分からないが、このまま放置するのは何かヤバい!!」

 

「……………ダメだ、許可は出来ない」

 

「何ィ!!?」

 

 が…駄目っ!

 仕方がない、いざという時のために先生の許可は欲しかったが、ここで許可が下りないのなら、攻撃ができない…!!

 ベアおば以上にヤバいから、ここで対処したかった……いや、だからこそ備えるべき、なのか…?くそ、頭では分かってるのに、歯痒過ぎる。

 

「先生、なぜだ!? マダムの…ベアトリーチェの仲間なら…!」

 

「……やめとこう、サオリ。俺から言い出しておいてなんだがな」

 

「何故だ!?」

 

 引き止めたサオリに凄まじい形相で睨まれる。

 勘弁してくれ、俺も気持ちはよく分かるし、何ならサオリ以上にブチのめしたいと思っている。

 でも、先生に引き止められ、混乱しながらもあの異形どもを『観る』事で分かった事実もあった。

 

「アイツ………動揺していない。つまり…俺らがここで今、襲ってきた場合の対処を既に行っている」

 

「!」

 

「素晴らしいご慧眼ですね……その通りです。例えば今ここで、ヘイロー破壊爆弾を弱ったアリウスのロイヤルブラッドに投げつければ……少なくとも、ここにいる全員が守りに動くでしょう」

 

「……そんな事、させる訳ないじゃないか」

 

 先生の底冷えした声が、ゴルコンダを襲う。

 対してゴルコンダもデカルコマニーも落ち着き払った様子を崩さない。

 

「無論、本気ではございません。しかし、あなた方に今の私の兵器の数や、威力を知る術がありますか? 仮にあったとしても、私が改良した可能性は? 或いは他の兵器を使用する可能性は?」

 

 成る程。つまりコイツもまた、エデン条約編に関わっていた悪い大人ってワケか。

 

「果たして、その状態で…貴方は生徒を守れますか?」

 

「そういうこったぁ!!!」

 

「…………」

 

 煽るような、警告するかのようなゴルコンダの言葉とデカルコマニーの便乗に返せる言葉を持つものは、誰もいない。

 俺とて、コイツから何が出てくるか分からん。ヒナちゃんを即戦闘不能にできる武器を作れるのだ、俺特攻の兵器の一つや二つ、持っててもおかしくない。

 

「…ご理解いただけたようで何よりです。

 今はまだ、先生やスバルさんと敵対するのは時期尚早…と考えていたもので」

 

「……先生と同列に扱うなんて、お前らは俺を何だと思ってるんだ?」

 

「今語るべき答えは、そうですね…………『狂気の主(Óðinn)』…といったところでしょうか」

 

「は??」

 

「そういうこったぁ!!!」

 

「イヤ待て! 分からん分からん!!!」

 

 俺の引き止める声を無視して、デカルコマニーはベアおばの遺体にしか見えないそれを担ぎ、ゴルコンダは「またお会いできるのを楽しみにしております、先生、間島スバルさん」と言って、謎のワープ技術を使って逃げてしまった。

 

 

*

 

 

 サオリは、先生と約束をしていたみたいだ。

 曰く、『アツコを助けた後は好きにしていい』という条件付きで。

 …不器用なやつめ。責任を全部背負うつもりか? そんなん、全部ベアおばに押し付ければ良いものを。

 

子どもが苦しむのはその子のせいじゃあない。子供たちが苦しむような世界を作った責任は、大人の私にあるからね

 

 だが、先生はそれを良しとしない。

 サオリ達を悪い子と認めた上で、そこから矯正する機会を与えた。

 君達が責任を持つのは、君達の人生そのものだよ、と。

 サオリは、意味が分かってなさげだったが、アツコは分かっているみたいだった。

 

「それに、スバルも言ってたじゃないか。

 大人なんだから、責任を取らなくっちゃ、ってね」

 

「オイ待て、先生」

 

 だが、先生が俺の言葉を引っ張ってきた時は、流石に止めた。

 俺があの時あんな事を言ったのは、先生のせいなんかじゃない。俺は、先生に更に背負ってほしくてそんなことを言ったわけじゃあない。

 

責任を取らなきゃいけないのは、ベアおばみたいな悪い大人のことだ。

 先生は違う。サオリ達……じゃなかった、うちの子たちを見捨てなかったアンタが、悪い人間なわけがない」

 

「スバル、言い直さなくって良いよ?」

 

「と、とにかく。ベアおばみたいな悪い大人がしでかしたことを、先生が背負いに行く必要が……ないとは言えないかもしれないが、限度があるはずだ! アンタみたいな良い人が馬鹿を見る社会が、正しいワケが無い!!

 

 先生は、そこまで言った俺の肩に手を置いて、微笑みながらこう返した。

 

「確かに、悪い大人はいるよ。ベアトリーチェや黒服やカイザーの理事なんかがそうだしね。

 もちろん、一番悪いのはそういった人たちだ。でもね、ぜんぶが全部その人達だけのせいとは、決して言えないんだ。

 例えば、悪い人達の悪い事を見過ごしてきた人達………

 抗う為の力がなかった、勇気がなかった、関係ないと見て見ぬふりをした、そもそも気付かなかった………

 どんな理由があれ、苦しんでいる子達にとって、そういう人たちは皆『手を差し伸べなかった大人』だ。当然責任を負うべき大人なんだよ

 

「そ、れは……」

 

 思い当たる節が、ないでもなかった。

 ホシノおじさんの件だ。あの人は…あらゆる『大人』を信用せず、敵視していた筈だ。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 しかも先生はいま、「私も今まで手を差し伸べてあげられなかった大人だ」という考えを前提に話をしていやがる。

 

 俺は、一回「大人」を経験している。だから、分かる。

 俺がキヴォトスで生徒になる前は……こう言うのも何だが、先生みたいな偉大な人間ではなかった。

 先生みたいな立派な大人はフィクションなのだ。騙し合い、裏切り、切り捨ては当たり前。そんな社会の中ですり減っていた。

 だから、俺は驚くしかなかった。先生は、大真面目にこの主張をしている。

 本当に、なんて奴だ。黒服が「なぜ?なぜ?なぜ?(ry」ってなる気持ちが理解できた気がする。

 

「…………いつか、分かる日が来るでしょうか?」

 

「きっとね」

 

 重い沈黙が場を支配する。

 俺に、そんな日が来るのだろうか?

 確かに先生は尊敬してるし、信頼してるさ。

 でも俺がなれるか?責任を背負うことを当然とする『大人』に? かつての日本でも出来なかったのに?

 ……いやまぁ、キヴォトスの大人は先生と柴関の大将以外割とろくでもねーのしかいないけどさぁ……自信が湧かねぇ。

 

 

*

 

 

 聖園ミカは、限界を迎えつつあった。

 自分は、サオリがアツコを救うための囮となってバルバラと戦っていたのだが……バルバラは強大だった。

 

 ティーパーティーいちの実力者でもあったミカでも、体力が底を尽き、膝をついてしまったのだ。そして、バルバラが凶悪な銃器を向けた―――その時。 

 

私の大切なお姫様に何するの!!

 

「………わーお」

 

 先生が、大人のカードを輝かせながら現れた。

 奇跡が、バルバラの弾丸をすべて明後日の方向へそらしていく。

 だがバルバラの驚異は健在。今回当たらないなら次で、次もダメならその次で……無機質に、目の前の存在を消そうとしていた。

 しかし。それでも……奇跡はまだ、終わらない。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

「全て……無に帰るがいい!!」

 

 間島スバルの音速のラッシュがバルバラの姿勢を崩し、サオリの弾丸がバルバラの肉体に突き刺さる。

 

「スバルちゃん……サオリ……!?

 どうして…………!?」

 

「ベアおばは消した。後はお前さん連れ帰ってハッピーエンドだ!」

 

「アツコは助けた。私は今から…先生に恩を返す!!」

 

 目的を果たしたスバルとサオリもまた、ミカを救う先生の力になるべく動く。他のスクワッドのメンバーも、バルバラへ攻撃を開始した。

 だが、バルバラは恐ろしい複製だった。それらさえものともせず、全てをなぎ払おうとする。

 先生は再び、大人のカードを掲げてバルバラとの戦いを終わらせようとした………その手を、スバルが止めた。

 

「スバル!? 何を…」

 

「ソイツを、あんまりみだりに使わないでください。

 先生が先生でなくなるのは避けたいです」

 

「だからって……!」

 

「大丈夫ッス。さっき『見聞色』に引っかかったんですよ、助っ人が」

 

「助っ人……?」

 

 大人のカードの代償は大きい。ソレを理解しているスバルは、助っ人の存在を察知して止めたのだ。

 その助っ人の正体を知っていたから。その助っ人が、この場で頼りになる事を理解していたから。

 

「俺は呼んではいないんだけど……どうも、勝手に理解してくれたようでね…………来ているんですよ。最強の助っ人が」

 

 瞬間、バルバラが吹き飛んだ。

 誰もが言葉を失う中、そいつは……バルバラをふっ飛ばした張本人は、デカいタッパに可能な限りの武装を積んで、俺たちを見つけて安堵の表情を浮かべた。

 

「やっと見つけた……! おい、聞こえるかハナコ!

 こちらアギト!スバルとミカと先生を発見した!」

 

「アギト……!!」

 

「えぇ。考え得る限り、最高の助っ人だ……!」

 

 アギト先輩は、今の俺達に必要なものを完璧に持ってきてくれていた。

 それは……弾薬。俺は別に使わないから減りは少ないのだが、他の面々はそうじゃない。常に銃ぶっ放すから弾が減るのだ。全く、こういうデメリットあるから、こういう時に備えて最低限六式は覚えたほうがいいってのに*2

 特にその補給に助かったって言っていたのはミカだ。体力もそうだが、バルバラ達の足止めに自前の銃弾を撃ち尽くしていたらしい。

 

 更に、アギト先輩自身もめちゃくちゃ強かったから、ミカとサオリの負担が減った。

 ぶっちゃけコレが1番助かった。最悪俺が前に出る必要があるかと思ってたからな。

 

「先生…これで、カードの負担は減るはずです!!」

 

「そうだね……アギト、私達も一緒に戦うよ!」

 

「お手並み拝見と行こうか、先生。せいぜいこの私を、上手く使ってみせてくださいよ」

 

 大人のカードが、再び光る。

 ベアおばが用意したのであろう、ライダースーツ亀甲縛りのガスマスクシスター(バルバラ)やアンブロジウスが討伐されたのは、アギトが合流してから間もなくの事であった。

 

「いや〜、マジで助かりましたよ、先輩!」

 

「私はミカの復讐を止めに来たのだがな……でも、スバルの力になれて良かった」

 

 どんな理由にせよ、本当に助かりましたよ。だって、貴方の準備のお陰で、バルバラを倒せたんですから。

 長かったエデン条約編もコレでおしまいだ。

 トリニティもゲヘナも死者なし、アズサもサオリもアリウススクワッドも無事、ミカも再起可能ときた。思いつく最高のハッピーエンドだ。

 そう思った時。

 

 プルルル、と俺のスマホが鳴り響いた。

 こんな時に空気を読まず誰からだ、と思って液晶を見ると、意外な名前が出てきてぎょっとした。すぐに電話に出る。

 

「もしもし? カスミ、どうしたんだ!?」

 

『ハッハッハッハ! 喜べスバル!

 ついに()()()()()()()()ぞ!?』

 

 え? 馬鹿な。

 温泉開発部が、温泉を掘り当てた???

 

「…なぁ、それ水道管か井戸を爆破しましたってオチじゃあねーよな?」

 

『何を言う! 成分分析したから間違いない!

 ……ただ、少し問題が起こってだな』

 

 電話の主―――温泉開発部の部長・カスミから電話が来た時点で、嫌な予感があった。しかも。そいつの口から「問題が起こった」などと言われて予感が加速する。

 

「…問題って、なんなんだよ?」

 

『温泉を掘り当てたはいいんだが、あまりに水脈が細すぎてすぐに枯れてしまったのだ。

 場所を変えて、今掘り当てた水脈の大元を探らねばならん』

 

「それで?」

 

『そこで詳しい調査をしたところな、デカい建物の真下から反応があったのだよ。

 すぐにでもそこを調べたいからもしその中にいたならどいてくれないだろうか?』

 

「で、でかい建物? 良く分からないんだが、どこのことだ?」

 

『え? ここからでも良く見えるアレだよ。一番目立っているじゃないか。見えないのか?』

 

 アレ? 待ってくれ。嫌な予感がするんだけど。

 アリウス自治区で、一番目立つ、大きな建物?

 何故だ?俺は今、それを知っている。なんならさっきまで、その建物の中心部でベアおばと戦って天地魔闘で消し飛ばした記憶がありますけど?

 

「か、カスミ! ちょっと待ってくれ!

 多分俺らその建物の中にいる! ブッ壊すならその後で―――」

 

『なんだと? もうミサイルの照準を合わせてしまったぞ? あとはもう発射を待つだけなのだがな』

 

「ま、待って!お願いだから!!」

 

『ミサイルは時限式でな。あと30秒で着弾するぞ? もう止められん』

 

「な……なんだと……」

 

『ハッハッハ! まぁお前さんなら何とかするだろ?よろしく頼む!』

 

 返事を返す前に切れてしまった。

 冗談だろ? あと…数十秒でここにミサイルが着弾する?

 振り返ると、俺とカスミの会話が聞こえていたのかサオリ達と先生と、ミカやアギトまでもが青い顔をしていた。

 

「す、スバルちゃん……?

 カスミって…、あのカスミ?テロリストの?」

 

「…………うん。そう、です」

 

「な、何故……やつがアリウス自治区にいる?」

 

「あ、アギト先輩。

 その事については、後で説明します……」

 

 今必要なのは…やるべき事は……

 

「………先生とアツコを守れーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

「「「「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!?」」」」

 

 残った時間で出来る事は、俺達全員が先生の盾になる事だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆発が起こり、視界が揺れた。

 土煙が巻き起こり、咳が出た。

 先生は倒れているが、見たところ大きなケガはない。アロナが守ってくれたのだろうか?

 

「間島スバル! 先生は無事かーーーッ!?」

 

 サオリの声が聞こえてくる。

 幸い、ミサイルの威力はそこまでのようだったな。

 

「サオリ! お前こそ大丈―――」

 

 そこで俺は、初めてサオリを見たのだが……

 大丈夫か、と最後まで言い切ることは叶わなかった。

 何故なら、サオリはこちらを真剣に、先生を心から心配するような表情と血相をしていた。その言葉も、本気で先生を心配していたのだろう。

 その上で。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ―――髪型が、見るも無残なアフロになってしまっているのだから。

 

 

「ぶふぉっ……ちょ、おま、ふっはっははははははは!!!!」

 

「!? 笑っている場合じゃないだろう! 先生は無事かと聞いているんだ!!!」

 

「だ、だっ……だい、じょうぶ………」

 

 

 だ、駄目だ。

 ツボリすぎて、マトモな会話ができない。

 そこにヒヨリやアツコ達も戻ってきた。

 

 

「危なかった……何を考えていたの、電話の人…姫まで巻き込んで…」

 

「うわぁぁぁぁああん! 姫ちゃんも私もみんな髪の毛がチリチリになっちゃいましたぁ! もう駄目です、おしまいですぅ…」

 

「ふ、ふふっ………ぷっくく……みんな…おかしな頭…」

 

 

 ―――3人仲良く、アフロヘアーで

 

 

ゴボッフゥゥ!?!?!?

 

「スバルが吹き出した!!?」

 

「サッちゃんも……おかしな髪…!」

 

「ひ、姫だって、なんだその髪は?」

 

 腹筋をやられた俺、アフロのアリウススクワッド。煤けたアギト先輩。目を覚ました無傷の先生……そして、跡形もなく崩れ去ったバジリカ。

 それが、温泉ミサイル着弾後の惨状だった。

 

「や……」

 

「み、ミカ?」

 

「お、落ち着くんだ―――」

 

やっぱりゲヘナなんか嫌いーーーーーーっ!!!

 

 同じく煤けてボロボロになったミカが、涙目でそう叫ぶ。

 その声は、アリウス中に響くかのような大声であったが、声色には復讐を考え、ヤケになっていた時の悲壮感や虚無感はまるでなかった。

 

 

*1
当たり前である

*2
何気ない日常にほんの少しの奇跡を見つける青春RPGと少年ジャンプを勘違いで勝手に結びつけたヤツが言っていいことではない





Tip!
バルバラ戦は犠牲になったのだ……とっておきの温泉開発部のやらかし…そのギャグの犠牲にな…!
ちなみに、この後ミカは普通に保護され、アリウススクワッドは自治区から去り、温泉開発部は正実と風紀委員会に叩かれて捕まって、スバルはアギトに説教されたそうだ!!


 ア フ ロ ス ク ワ ッ ド
どうだ、参ったか!(謎)

エデン条約編4章、最も良かったスチルは?

  • ヒヨリ「ママぁ!」
  • サオリ「頼れるのはもう先生しか…」
  • ベアおば、貴様見ているな!
  • スバルvs.2体の聖女
  • ミカは魔女じゃないよ
  • ゲマトリア
  • 天地魔闘
  • アフロスクワッド
  • その他(存在しない記憶を…)
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