HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中〜 作:伝説の超三毛猫
スバル「NEWスキンだぜ!」
先 生「二人共可愛いよ」
ナギサ「~~~~~~~~~っ!?」
スバル「俺の顔で照れるな、キモいぞ」
ナギサ「わ、私の顔で顔芸する人に言われたくありません!」
ミ ナ「な、何だか知らんが燦陽樹の花は渡さんぞ」
俺とナギサのボディチェンジを治す薬を調合するには、必要なものがあった。
燦陽樹の花。それは、山海経の玄龍門が厳しく管理をしている代物であり、滅多に手に入れられないという。
俺達*1は先生の引率のもと、山海経の玄龍門を訪れて燦陽樹の花を分けてもらえないか交渉をしたのだが………答えはNo。
「お前達がどう聞いたかは知らないが、燦陽樹の花は
「ま、麻薬!!?」
「なら、なんで売ってるのよ!ま、麻薬なんて……危険じゃない!」
「用量さえ守れば本当に有用なものなんだ……医療関係では、重病に効く薬や、あらゆる鎮痛剤を作るには確実に必要なものだしな」
「そ、そんな1面があったなんて……」
「………ナギサ、知ってた?」
「小耳には挟んでおりました。しかし、ニュースで知るより深刻そうですね……」
つまりモルヒネ的な奴だったのか、燦陽樹の花。
ヒフミもコハルももとに戻れる薬の原料のまさかの1面にビビり散らかしているが、それを用いて薬を作らないとずっと俺とナギサが入れ替わったままだぞ。
ナギサも、燦陽樹の花の効能は知っていたみたいだが、思わぬ玄龍門の体制と現状に面食らっているようだ。俺も麻薬効果はちょびっと怖いけど、今はそこは考えないようにしなければ。
「前に大規模な密輸組織を玄龍門を挙げて壊滅させたのだが……それでもまだ残党も多い。まだ警戒中のブツだ。分かってくれ」
「お願い! 今度『カウガールビバンヌ』のDVD貸して上げるから!」
「何ッ!!? あのアニメDVDなど滅多に手に入らない筈!どこで手に入れたんだ!?」
「「「「………………」」」」
……あれ?
なんだコイツ。随分チョロくないか?
先生だからか? それともそういう性分なのか?
「………だ、駄目…だ!確かに先生には萬年参の件で世話になった*2!
だが買収しようとしても無駄だ! 玄龍門を甘く見るなよ!!」
あ、ちょっと釣れそうだったぞコレ。
カウガールビバンヌとは、ハードボイルド系のアニメ……まぁ要するにキヴォトス版カウ○ーイビ○ップのことだ。
それに反応したって事は、もしかしてだけど………ミナとやら、お前そういうハードボイルド系のヤツ大好きだな!!?
そうとなれば勝機はある。俺からもちょっとジャブをかましてスキを突いてやる。
「近衛様。わたくし達は別に、貴方がたの道理を曲げたい訳ではありませんのよ」
「な…なに?」
「ただ少しだけ、取引がしたいだけ……
わたくしは、燦陽樹の花が少し欲しい………貴方は玄龍門の信頼を守りたい………」
顔を近づける。
と、同時にミナの手に持っていたカカオシガレットを箱ごと手渡す。
「なっ、ちょ、近っ……!?」
「本当なら、ここで直接燦陽樹の花を分けて頂ければ有り難いのですが……」
そして、持っていた香水のビンを彼女のポケットに滑り込ませる。
「交換、という形でも宜しくってよ?
お好きな作品は何かしら? 『男たちの挽歌』?『フィリップ・マーロウ』?それとも『ブラックラグーナ』?
他に欲しいものがあるなら、ゼンブ言ってくれてイイのよ?」
「ぐっ………」
おぉ、効いてる効いてる。
ちなみに、今俺はらしくもない口調とらしくもないアプローチで説得しているから違和感を覚えるかもしれないが……
ちょっと想像してみて欲しい。今の俺は間島スバルのボディではない。チャイニーズファッションに身を包んだ、桐藤ナギサなのだ。しかも、その台詞はすべてCVはやみん*3で再生されているのだ。
我ながらエグいと思う。だがこの
「大丈夫…誓って変な事には使わないわ。
だから………ね?」
「な………な………」
実は俺と同レベルにあったナギサの胸の谷間から名刺を出して、ミナの服の内ポケットに差し込んだ。
完璧だ。これでコイツは、俺がハードボイルド系のドラマやアニメに出てくる、謎多き妖艶な美女にしか見えなくなったことだろうぜ。
「な……な………!!」
「あ……ぁぁ……!!!」
その過程で、なんか俺の顔で赤面しているナギサと猫の目になっているコハルについては、まるっとスルーすることにした。
しばらく顔を沸騰させるミナだったが、ふと何かを見つけたのか表情が……一瞬、真っ青に染まり。
そして首をぶんぶんと振って立ち上がると、テーブルに貰ったカカオシガレットと香水を叩きつけるように置いたのだ。
「―――駄目だ!! 誇り高き玄龍門を…この程度と見くびるなよ!!!」
誘惑を振り切った、だと……?
一体どうやって………と周りを見ると、部屋の入口からこっそりと……俺達を、というかミナを覗くチャイニーズツインおだんごでチャイニーズドレスなロリが。
「やぁ、キサキ。久しぶりだね」
「久しいの、先生。珍しく生徒を連れてきたと思うたら、ミナを買収して何をするつもりだったんじゃ?」
あーーーーーーーー。
じょ、上司に見られていた事に気付いたのか。
そりゃあ、是が非でも振り払うわな。
こりゃ巡り合わせとタイミングが悪かったな。
「私の身体でなにやってるんですかスバルさん!」
「イヤらしい誘い方して!エッチなのは駄目!死刑!」
先生が玄龍門門主・
結局のところ、玄龍門から燦陽樹の花を分けてもらう事は叶わなかった。
その理由を、キサキは理路整然と話してくれた。
燦陽樹は花に限らず葉や幹や樹液までもが薬用とされ、用量を誤れば危険な麻薬になりかねないこと。
しかし、用途は多岐にわたり、山海経の医学薬学には欠かせない存在でもあること。
それゆえに確認された限りの燦陽樹は玄龍門が管理し、どこにどれくらいの量を売るかを計算しながら売っていること。
余剰に収穫したら、不正や横流しの種になりかねないので常にピッタリに計算して採取・販売をしていること。
以上の理由で俺達には燦陽樹の花を譲り渡せないこと。
そして……それは、シャーレの先生のお願いといえど安易に覆せないこと。
………正論過ぎて、俺やナギサでさえ口を挟む余地がなかった。
ただ、それと同時にキサキは重要な情報を話してくれた。
「とはいえ、未だ燦陽樹の花による薬物乱用の被害はあまり減っておらぬ。この前壊滅させた密輸組織も…幹部が何人か、行方不明での。組織の復興を狙っているやもしれぬ。昨日も、中央特区から外れた東蔵地区から来た密売人から燦陽樹を押収したばかりでの」
「も、門主様!?」
「よい。妾達も万全を期して残党を狩りたいところじゃ。シャーレと手を組み、不当に流通する麻薬の減少に繋がればそれに越した事はないではないか」
「き、キサキ……それは、本当に良いのかい?」
「ミナは今、燦陽樹をはじめとした麻薬捜査を請け負っておる。
今回押収する麻薬の報告は
「…………いや、大丈夫だよ、キサキ。幸い、私たちも利害は一致してるから。」
「?? ど、どういうこと?」
「燦陽樹の花が手に入れたかったらミナに協力して欲しい、だとさ」
これはまた、なんだか一筋縄ではいかない展開になってきたぞ。
状況についていけてないコハルに耳打ちをしながら、そんなことを考えた俺だった。
*
キサキが出したのは、ミナの監督下での、捜査協力の許可だった。
形式上はそれだけだが、この場で出されたそれには裏の意味が込められていた。
―――つまり、捜査に協力して密輸組織の残党を狩る代わりに、燦陽樹の花を提供する、ということ。
燦陽樹を取り締まる側の玄龍門はやすやすと許可を出せない。故に、シャーレに対する補助の要請という形にしたのだ。
あっちの事情はよく分かった。先生もナギサもヒフミも、理解はしたみたい。あんま分かってないのはコハルとアズサくらいだな。
「東蔵地区ってどんなところなの?」
「山海経の中でもかなりの郊外にある地区だ。いまだ玄龍門の手が届ききっていない場所だよ」
「まー、そういうところでワルモノは犯罪するだろうな」
案内された東蔵地区というものは、ザ・スラム街といった感じの、荒れた街並みであった。
山海経の中華風で華やかな中央特区とはまるで違う。犯罪がわんさか起きそうだ。
その中の一角にある廃倉庫が、今回の残党達の根城らしい。
「先生、指揮を期待している」
「うん、任せて。
ヒフミもコハルもアズサも、準備いいかな?」
「はい!お任せください!」
「正義実現委員会のエリートの力、見せてやるんだから!」
「いつでも良いぞ」
着々と進む戦闘準備。
先生は、俺とナギサにより一層の心配の眼差しを向けた。
「…ナギサとスバルも、準備は大丈夫?」
「あぁ。間島スバル、問題ない」
「こちらも準備完了です」
今の俺達の武装はほんのちょっとだけ違う。
俺は「黒き手心」、ナギサは「ロイヤルブレンド」を使用している。つまり、傍から見れば間島スバルがクラシカルなワルサーPPKを、桐藤ナギサが真っ黒で無骨なコルト・アナコンダを装備していることになる。
ミナを籠絡しようとした妖艶な演技といいこの姿といい、桐藤ナギサのチャイニーズマフィア化が進んでいた。
「二人とも、今回は前に出過ぎないでね。
前線はミナと玄龍門の子たちに任せて、後方支援に徹する事」
「「はい」」
「それじゃあ皆…攻略を始めるよ!」
先生の号令の元、密輸組織残党討伐戦が始まった。
とは言っても、主に前線を張るのはミナをはじめとした玄龍門の生徒達。俺達は後衛でバックアップを中心に行っている。
相も変わらずペロロのデコイが良く目立つヒフミ。敵を一人ひとり淡々と撃ち抜いていくアズサ。敵にはダメージが入り、味方には回復効果が入る謎手榴弾を使っているコハル。
そして………俺とナギサも、先生の指示のもと激闘を繰り広げていた。
「邪魔です!」
「ぐあっ!?」
「ひ、怯むな!奴はタダの拳銃使いだぞ!」
ナギサは物陰に隠れながら、敵を狙い撃つ。ヒフミやアズサ、コハルのスキを埋められているようだ。ナギサを狙ってくる敵も、ヒフミやアズサが撃ち取っていく。
「大変恐縮なのですが―――」
「ぐええっ!?」
「うっ!?」
「ぎゃっ!?」
「―――息の根、止めさせて頂いても宜しいでしょうか?」
どうやら、こんな身体になっても、『擬・覇気』は使えるようだ。それを纏って撃った弾丸は、一撃でマフィアの意識を狩り取れた。
その間、フェイクで俺やナギサからは程遠い人物の演技も忘れない。
「な、舐めるなぁぁ!」
「おっと」
襲いかかってきたマフィアの弾丸を、『擬・武装色』を腕に纏わせて防ぐ。
直撃した衝撃が、いつもより体内に響いた。反撃しようとした時、目の前のソイツが「うぐぁっ!?」と体を痙攣させながら倒れた。
「スバルさん!」
「ナギサ」
「その身体で無茶しないでください!」
「あーそっか。お前の身体だもんな。
…俺の身体の方はもうちょっと無茶しても良いぞ」
「無茶言わないでください!!?」
『スバル、ナギサ、2人とも前に出過ぎないようにね』
その場にいない先生の指示が通る。これもアロナの機能か。
まぁ、先生やナギサの言う通り、今の俺は普段と比べて大暴れできる状態じゃあない。
ワンピースの『武装色の覇気』は硬化することで攻撃力と防御力があがるというものだが……オリジナルの武装色がそうであるように、俺の『擬・武装色の覇気』も防御力の底上げであり無敵の鎧を纏うものではない。そしてナギサの身体は、俺のそれとは違い鍛え抜かれたものではなかった。
「今、前線はどんな感じなんだろな」
通信の奥で先生がミナやヒフミ達に指示を送っているのが聴こえる。
ナギサが最後の敵を撃って以降、俺達のほうには敵襲はない。
ひょっとしたら、このまま前線だけで敵を鎮圧して終わりなんじゃあないか。
『二人とも!戦闘準備!!』
「「!?」」
『こちらアズサ!3人取り逃がした!』
先生とアズサからの連絡が来た。
即座に戦闘態勢に入ると、俺の目の前に、3人のマフィアが現れた。
「邪魔だァどけぇぇぇぇぇ」
「来るな来るなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなぁぁぁぁ!!」
「あひゃひゃひゃひゃははははははははははははは!!!!!!!!!」
どいつもこいつも、目の焦点が合っておらず、血走っていて、言動もなんだかおかしい。
コッテコテの麻薬乱用者みたいなヤツ等のようだ。おおかた、前線を無理矢理突破して逃げてきたのだろう。麻薬の力でも借りながら。
どう甘く見積もっても、マトモに会話できる状態ではない。ここで張り倒して、強制的に眠らせるしかないようだ。
「ナギサ…いけるか?」
「モチロンです」
「そんじゃあ、アバレアバレ暴れまくりますか!」
麻薬中毒者どもは、俺達を見つけるが早いか、持っている銃を乱射してきた。
だが、狂乱状態というのか、照準がマトモに定まっていない。ただ近づけさせない為の乱射だ。
それでも、持っている銃がマシンガンであったり、サブマシンガンであったり、アサルトライフルであったりと連射性の効くものばかり。弾幕としては十分な脅威だ。先生がこの場にいなくて良かったわ。
冷静に銃の乱射を遮蔽物で防ぎ、リロードに入るタイミングを見計らって前に出た。
引き金を引く。銃声が数発。
ナギサからの援護射撃と、俺の弾丸2発。
「ぐぎゃっ!? がァァァァァァァァァァァ!!!」
「おいおい、マジか」
マトモに食らった中毒者は、全身を震わせ、よろめき……しかし、倒れない。
薬物によって、無意識に抑えてるリミッターが壊れてんのか。
「ヴゥゥゥ…ハァァァーーーーーー!!」
「危ない!」
仕返しとばかりに向けてきた銃口に…俺は、防御ではなく、回避を選んだ。
横っ飛びに弾幕を躱し、追撃の為の呼吸を整える。
たまたま落ちていた鉄パイプを拾い、覇気を纏わせた。
……ここで、ナギサの身体の利点を述べておこう。
この間島スバルが当然のように動かしている身体と違って、ナギサの身体は力がなく、防御力も低い。まぁ、修行しまくって鍛え上げた俺のとは全く違うから仕方ないんだが………だからこそ、生まれた利点があった。
それは…軽さ。俺の身体よりも身軽で、動きやすかった。同じ条件で「
要するに、今の俺は……オリジナルの俺の身体よりも、素早く動ける。そして、その動きは……麻薬で正常な判断能力を失った奴には捉えられない。
「『擬・全集中・蟲の呼吸―――」
鉄パイプを持った突撃に、反応できた中毒者はいなかった。
「―――
駆け抜けざまに一人、殴りつける。
通り過ぎた後、脚力で方向を急転換。
もう一人に向かって真っ直ぐに飛び、一撃。
落ちていた瓦礫を利用して、最後の一人にも飛びかかり鉄パイプを振り下ろした。
それで終わりではない。直線移動してすれ違いざまに攻撃、方向転換……それを数回ずつ、繰り返して。
中毒者3人に、立てなくなる程のダメージを、叩き込んだ。
「―――
最後の一撃と共に、ナギサの隣に着地。
リミッターを壊した麻薬中毒者どもといえど、突然の人間離れした技に目を開いたまま、ダメージに耐えきれず膝をつくしかなかった。
そもそも、無理をしている状態だ。これ以上無理が祟ればマジに命の危険があるし、限界以上は出せないのだ。
100しか出せない戦闘力の持ち主は、麻薬によって普段75までしか出せない力を100まで引き出せても120までは引き出せない。それと同じだ。
振り返れば、3人の麻薬中毒者は、意識を失ったまま身体を痙攣させていた。
「これでよし」
「い……今の動きは何ですか!?」
「お前の身体スペックの本気」
「イヤイヤイヤイヤ!!?」
こんなの絶対できませんからね!と騒ぐナギサ。
でも出来たモンは出来たモンだしな。覇気は出来ないかもしれないが、動きそのものは桐藤ナギサのもの。
『擬・六式』の
そう思っていた所、奥の方でズゥゥゥン、と小さな爆発音が聞こえた。
「先生!今のは!?」
『あっちが決戦兵器を出してきた。
いま、交戦が始まったところだよ』
「戦況は?」
『五分五分だね。玄龍門の子たちの損傷が想定以上でね……
二人共、取り逃がした人物の捕縛は?』
「大丈夫だ。ついさっき、ブチのめした」
「応援は必要ですか、先生?」
『そうだね。そっちに捕縛要員を送るよ。その子達と合流次第、こっちに来てくれると助かる』
先生のその指示を受け、間もなくやって来た子達に麻薬中毒者達を引き渡すと、俺達は警戒しつつ奥へと向かう。
俺とナギサが廃倉庫の奥まで向かうと、そこは大激戦だった。
縦横無尽に駆け回りながら巨大なロボットに銃弾を浴びせるミナ、アズサ。その援護をするヒフミとコハル。
姿が見えないが、先生のサポートもあるとはいえ、キツそうだな。
「先生!ナギサとスバル、現着しました!」
『よし!すぐに攻撃に入って欲しい!
スバルは銃以外使わないこと!』
「え゛」
『ナギサの身体で無茶出来ないでしょ!』
個人的にはもっと蟲の呼吸を使いたかったが、先生から禁じられた以上仕方がない。
『擬・武装色の覇気』を利用した銃撃でサポートに徹するとする。
巨大ロボットが呼び出したらしきドローンを撃ち落としていく。
「しっかし、どういう状況だコリャ?」
「奴らの悪あがきだ! 中に最後の幹部がいる!」
「へェ。なかなかどうして、ドでかい麻薬販売機だ」
「…! あぁ…こんなもの、今日限りで廃棄処分にしてやろう!」
俺の台詞に、一瞬ミナが俺の顔を見たが、それも束の間、前を向いてカッコイイ台詞を吐いた。
それに反して、巨大ロボットはこれまで弾丸を浴びせられ続けていたにも関わらず、まだ動いて俺達にガトリングガン等の武装をぶっ放してくる。
「ははは! 無駄だ無駄だ! そんな豆鉄砲がいくら集まったところでこの『新・ネオゴリアテ改マーク2』に敵うものか!!」
「くっ……ふざけた名前のくせに…!」
改良しすぎてダサくなっている名前とは裏腹に、防御力はピカイチのようだ。アズサやヒフミの銃さえものともしないとは。
最大限、覇気を込めて引き金を引く―――が、銃弾が届く前に重厚な両腕に遮られてコックピットまで届かない。
銃弾を止めた腕の表面に小さなクレーターが出来るだけで、それ以上のダメージは見込めない。
「やはり
『出せないよ、スバル。アレを倒すためにさっきの技以上の何かを使うつもりなんでしょ?
流石に、反動が大きすぎる。言ったはずだよ、銃以外使わないでってね』
駄目か……普段通りの戦法が出来ない。
となると……このロボットを倒すのに、何かしら頭を使う必要が出てくるな。
こういう時、倉庫にあるヤツを使うのが鉄板なんだが……
「じゃあ、近くに可燃性ガスか小麦粉ないか!?」
『既に探したけどなかったよ。あったのは麻薬の材料だけだ』
「最悪だな…!」
そんなモン燃やしたら俺達全員が確実に中毒症状になる。
万事休す……ここは撤退して、俺とナギサのボディチェンジを治してからでもいいんじゃないか…そんな考えが頭をよぎる。
しかし、だ。
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「そんなに叫んで何になるってんだよォォ!!」
ミナは、まだ戦っている。山海経を、麻薬の密売から守るために。しかも、キサキからミナに協力しろと言われている。
ここで逃げたら、その条件を破ることになる。それに、ミナとの信頼関係を無に帰すことになる。そうなれば燦陽樹の花は絶対に手に入らない。
ホントにヤバくなったら先生が何とかするかもしれないが…それまで逃げるワケにはいかねーな!!
「食らえェェェ!!!」
「…ミサイル!? 総員、回避!!!」
―――とはいえ、敵の装甲がヤバいのは変わりない。
覇気を纏った銃撃でさえ、一発で貫けないとは。
果たして、この状況を打開する方法なんてあるのか―――
「打開策? あるに決まっているじゃニャいか」
「!!?」
どこまでも透き通るような教室の中。
俺は、声をかけてきた者の正体に仰天していた。
「ウ、ウェーブキャットさん!!? どうしてここに!!?」
「あの新ゴリアテなんとかの腕を……キミの攻撃を受けた右腕を思い出してごらん。
アレさ、ちょこっとでも、痕になっていたよね?」
「そ、それが…」
「それはつまり、
「!!」
そ、そうか…
覇気が全く効いてないんじゃない。
あと一押しまでイッている。そう考えるべきなんだな!?
「ヒエロニムスを消した時の状況を思い出してごらんよ。
ヒナちゃんの銃に、アズサちゃんの力を込めた銃弾を入れて、キミの覇気で強化する…
あれと同じようなことを、やればいいのさ」
一押しが足りなくて、しかもそれが俺が出来るものじゃないというのなら……答えは一つ。
信頼できる仲間と、力を合わせる事だ!
「―――合体技の再来、というコトか!!」
なお、この間0.01秒の出来事である。
ひらめきと共に浮かんだ策。
それが脳裏に現れるとともに、先生の声がした。
『スバル! アズサに銃弾を渡して!
アズサは貰った銃弾に力を籠めるんだ!』
流石は先生!
考え付いた作戦が、俺と一緒だ!
「アズサ!」
「あぁ!」
すぐに銃弾を投げ渡す。そして撃った弾丸を排莢してアズサを待つ。その間、襲いかかるロボットはヒフミとミナが足止めしてくれると信じて。
「スバルさん…何をなさるつもりです?」
「合体技だ」
『スバルが突っ込むから、ナギサには―――』
先生から作戦の連絡が入る。
それを疑う人は、誰もいない。
大なり小なり、ここにいる生徒達は皆、先生の世話になっている。信頼関係ならもう出来上がっていた。
アズサから弾を受け取った俺は、真っ直ぐロボットに突っ込んでいく。それに対して叩き落とそうと武器を展開してくるが―――次の瞬間、俺とロボットの間で大爆発が起きる。
「なッ!?」
たじろぐ幹部だったが…立て直した直後、「ばかめ!」と嘲笑った。いくらロボットの攻撃を防ぐためとはいえ、自分ごと爆発に巻き込んで無事なワケがない。
煙が晴れた後、現れたのは……無傷の
「ば…馬鹿なっ!何故今の爆発を無傷でっ!?」
動揺した直後、
「ううっ、しまった!?」
先生が立てた作戦はこうだ。
スバルが、アズサの神秘が籠もった銃弾を携え突撃。
迎撃してきたら新・ゴリアテの前で手榴弾を……コハルの味方を回復し、敵を攻撃する爆弾を複数、起爆。
更に、そのスキを突いて………
「目標、着弾! やりましたね、ヒフミさん!」
「ナギサ様のお陰です!!」
「行け―――!!!」
アズサの声が響く。
後は、至近距離からコックピットに向けて、神秘に覇気を上乗せした弾丸をお見舞いするだけだ。
コックピットに引っついた俺は、そのまま、コルトアナコンダの引き金を引いた。
*
こうして、俺達は密輸組織の残党が持っていた燦陽樹の花を、ミナの許可の元分けてもらい、他の材料を買いに行っていたユマやノボリ、ハナコ先輩やサヤと合流した事で元に戻る薬を調合してもらう事に成功したのだった。
この俺にとっても、ナギサにとっても、この数日は激動の日々だった。ボディチェンジなんて、もう二度と経験出来ないだろう。
調合した薬を飲んだ日の翌日には………俺達は、元の身体に戻っていた。サヤの腕には、感謝の意が絶えない。後日、お礼の品でも持っていくかね。
そう思いながら、なんの気なしにサイフを開いて……目を疑った。
中にあったのは……1枚のレシート。そこにあった、
「〜〜〜〜〜〜〜っ!?!?!?」
「ナギサァァァァァァァァァァァァァァァ!! 絶対に許さんあのブルジョアがァァァァァァァァァァァァ!!!」
金銭感覚がブルジョア過ぎて終わってるあのツチノコを、絶対に一発シバいてやると心に誓ったのであった。
……ちなみに、その頃ナギサはというと。
「間島スバルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!! 絶対に許しませんよあの変態がァァァァァァァァ!!!」
自身のスマホにいつの間にかあった
なおその直後、ナギサは激しめの筋肉痛によって死んだ。
Tip!
蟲の呼吸・
おまけ・作者がうすうす思ってること
作 者「ナギサのモデルってラファエルなんだかウリエルなんだか………どっちかの天使に『小さなタコに変身した』とか『急に5人になった』とか『ルシファーとボディチェンジした』とかいう記述書いてないかな〜〜」
聖 書「無茶言うな」
スバル「いやでも、ラファエルはアスモデウスを魚の匂いで追い出してストーキングした挙げ句緊縛プレイを強要したからワンチャン」
聖 書「ねーよ!あと言い方!追いかけて縛り上げただけだから!!!」
一番えっちいのは?〜山海経編〜
-
シュン姐さん
-
ココナちゃん
-
サヤ
-
キサキ
-
ルミ会長
-
レイジョ
-
ミナ
-
その他(おのが意見をコメントに…)