双子の弟は小柄な少年   作:赫夜叉

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らんまが令和に帰ってくるのですごく楽しみです!


14話

【祐希side】

 

「ふむふむ成る程。で、その子が……」

 

「はい。父さんは知ってるだろうけど、この子が僕の許嫁の久遠寺右京、通称ウっちゃんです」

 

「ほう、あの右京が随分大きくなったのう」 

 

天道家に帰ってきた僕は父さんと早雲さん達にウっちゃんを紹介していた。早雲さんとかすみさんは頷きながら僕の話を聞いていて、なびきさんはウっちゃんのことを興味深そうに見ている。

 

「お初にお目にかかります。祐ちゃんの許嫁の久遠寺右京と申します」

 

僕の隣では同じく正座しているウっちゃんが丁寧な口調で挨拶をしている。

 

「数日前からこの町で店を出すことになり、今日から祐ちゃん達と同じ風林館高校に通うことになりました。これからよろしゅうお願いします」

 

そう言ってウっちゃんは頭を下げた。そっかぁ、店を出したんだ。今度食べに行こうっと。

 

「うん、わざわざ挨拶しに来てくれてありがとね。もし良ければあかね達とも仲良くしておくれ」

 

「はい」

 

と、僕がそんなことを思ってる間に早雲さんへの挨拶が終わったようだ。

 

「さて、じゃあそろそろ夕飯の支度しなくちゃ。あ、右京ちゃんせっかくだから今日は泊まって行ったらどう?」

 

「ええんですか?ありがとうございます!」

 

かすみさんからそう言われて、ウっちゃんは天道家に泊まってくことにしたみたい。

 

「それじゃ、すぐに夕飯用意するわね」

 

「うちも手伝いますわ!泊めてもらうんやからそれぐらいせんと!」

 

そう言ってウっちゃんはかすみさんとキッチンの方へ行った。じゃあ今日の夕飯はウっちゃんも作るのか、楽しみだなぁ。

 

「いやぁ、それにしても祐希くん。許嫁がいるのは聞いてたけど、あんな可愛い子がお相手なんてやるじゃない」

 

ウっちゃんがキッチンに行ったタイミングで、なびきさんがニヤニヤとした笑みを浮かべて僕にそう言ってきた。

 

「ま、まあ、はい……会うのは10年ぶりなんですけど、想像より凄い美人になっててビックリしました」

 

「……へぇ〜」

 

そう返すとなびきさんは一瞬ニヤリとした笑みを浮かべた。まるで良いことを聞いたというような……ハッ!?

 

「ウっちゃんの写真は撮らせませんよ!?」

 

「分かってるわよ。……チッ…バレたか

 

なびきさんはそう言ったけど、その後小さく舌打ちしたのを僕は聞き逃さなかった。ウっちゃんの写真でお金稼ぎなんて絶対許さないから。

 

「しかしわざわざうちに挨拶に来るとは、すごくできた良い子じゃないか。祐希くん、彼女を大切にね?」

 

「はい!」

 

早雲さんの言葉に僕は力強く頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふうむ、右京が店を開くのか……ふむふむ」

 

「父さん……変なこと考えてないよね?」

 

「(ギクゥ!)そ、そんなことはないぞ!」

 

「ふーん……」ジトー

 

 

 

 

 

 

 

「はーい、夕飯できたわよー」

 

「お待ちどうさん!」

 

しばらくして、エプロンを付けたかすみと右京が料理を持って居間に戻って来た。

 

「おお!今日はいつもより料理の数が多いねぇ」

 

「何品かは右京ちゃんが作ったのよ。味見したんだけど、この子本当に料理上手なの」

 

「ふふん!祐ちゃんのお嫁さんなんやから、料理くらいできんとアカンからな!」

 

得意げな表情で右京はそう言った。

 

『いただきまーす』

 

そして料理が全て並び、夕食が始まった。

 

「なあ祐ちゃん、これうちが作ったんやで!食べてや食べてや!」

 

「へえ、じゃあいただくよ」

 

右京にそう言われ、祐希は彼女が作ったという炒め物に箸を伸ばし、それを口に入れた。

 

「ん!美味しい、これ美味しいよウっちゃん!」

 

「そうやろ!祐ちゃんに喜んで欲しくて頑張って料理勉強したんよ!これとこれもうちが作ったやつやから、どんどん食べてな!」

 

祐希から美味しいと言われ上機嫌になった右京は自身が作った他の料理も勧める。

 

「ほお、本当に美味しいねこれは」

 

「うむ、良い味しとる」

 

「花嫁修行してただけあるわねぇ」

 

祐希だけでなく、玄馬や天道家の面々からも右京の料理は好評のようだ。

 

「うわ……すごく美味しい」

 

あかねも右京の料理を口にして思わずそう溢す。同時に自分との料理の差に衝撃も受けていた。

 

「お!これもうめぇじゃねぇか!」

 

チラリと乱馬に視線を向けると、乱馬は一口食べてからというもの右京の作った品に何度も箸を伸ばしている。

 

「(何よ、あんなにがっついちゃって……)」

 

「ん?なんだよあかね、こっち見て?」

 

「っ!別に!」

 

「?」

 

あかねの反応に乱馬は訳が分からない様子だった。

 

 

 

 

 

 

『ごちそうさまでした!』

 

夕食を食べ終え、かすみ達は空になった食器を片付け始める。

 

「じゃあ僕先にお風呂入りますねー」

 

自分の分の食器を片付けた祐希は入浴のため風呂場へと向かった。

 

「………」

 

「ん?ちょっと右京、どこ行くのよ?」

 

すると突然祐希の後を追おうとする右京にあかねがそう声を掛ける。

 

「どこって……風呂に決まっとるけど?」

 

「お風呂って……さっき祐希くんが入りに行ったの見たでしょ?」

 

「うん、せやからうちも入るんよ」

 

『ブッ!?』

 

何食わぬ顔でそう言い放った右京にあかねは噴き出し、テレビを観ていた乱馬も思わず顔を2人の方へ向けた。キッチンにいるかすみを除いた他の者達も聞き耳を立てている。

 

「え、はぁ!?そ、それどう言う意味よ!」

 

「どうって、うちは祐ちゃんの許嫁やし。旦那さんの背中流すのが妻の役目やろ?」

 

「なっ……」

 

平然とそう言った右京にあかねは絶句する。

 

「逆にあかねちゃんと乱馬は一緒に入ってへんのか?許嫁同士なんやろ?」

 

「いやいや、そんな訳ないでしょ!?」

 

右京の問いにあかねは全力で否定する。あかねにとっては男女で一緒に風呂に入るなんてありえなかったからだ。

 

「そ、そうだぜ。そもそもこんな寸胴と入ったって嬉しくねぇし」

 

「ちょっと!寸胴ってどういう意味よ!」

 

乱馬もそれに同意するが、またいらんことを言ってしまいあかねに詰め寄られていた。

 

「本当にデリカシーがないわね!あんたは!」

 

「んだと!可愛くねぇな!」

 

そしてそこからいつもの口喧嘩に発展する2人。それからしばらく口論が続いていたが、やがて見ていたなびきが声を掛ける。

 

「ねぇ、あんた達」

 

「「何!(何だよ!)」」

 

「右京ちゃんお風呂行っちゃったわよ」

 

「「え……」」

 

そう言われて2人が右京がいた方に視線を向けると、そこには既に彼女の姿は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜……」

 

一方、入浴中の祐希は浴槽に肩まで浸かり風呂を満喫していた。

 

「あったか〜い……」

 

と、祐希がゆっくりしていると……

 

『祐ちゃーん、うちも入るでー』

 

「うん〜。………え?」

 

扉越しに右京から声を掛けられそれに返事をするが、数秒後それがおかしいことに気付く。

 

「(え、なんで洗面所にウっちゃんが!?今は僕が入ってる筈なのに!?)」

 

そうして祐希が混乱している間に、風呂場の扉が開き右京が入ってくる。流石に裸ではなくバスタオルを体に巻いているが。

 

「わああああ!?///」

 

しかし祐希にとってはそれでも刺激的な姿であることに変わりはなく、顔を真っ赤にし慌てて後ろを向く。

 

女の裸自体はらんまのそれで見ているのだが、それはらんまが元々男だから気にしなかっただけで、普通の女の子の裸となると話は別だ。

 

「ふふっ、可愛い反応やなぁ」

 

「あ、ああ…///」

 

しかもそれが好きな子のとなれば余計にである。

 

「な、なんで入ってきてるの!?僕まだお風呂出てないのに!」

 

「許嫁同士なんやから、別に一緒に入っても問題あらへん。さ、背中流したげる」

 

「と、とりあえず一旦出てって!タオル巻くから!」

 

祐希は右京を一旦風呂場から出すと、浴槽から出てすぐにタオルを腰に巻きつけた。

 

「い、良いよ……」

 

祐希がそう言うと再び扉が開き右京が入ってくる。

 

「さ、背中流したるから座ってや!」

 

「う、うん……///」

 

右京に促され、祐希はまだ若干頬を赤らめながらも風呂椅子に腰掛けた。

 

「ほーら、ごーしごし」

 

祐希の後ろに座りスポンジで背中を洗ってあげる右京。祐希も右京がそれをしてくれていることに恥ずかしさもあったが、その表情は嬉しげだった。

 

「……はい!じゃあ流すでー」

 

そう言うと右京は桶にお湯を汲み祐希の背中に掛ける。だが、その桶の中身はお湯ではなく水で……

 

「冷たあっ!?」

 

急に冷たい水を掛けられたため思わず立ち上がり声を上げてしまう祐希。

 

「ああっ!?すまんわ祐……ちゃん?」

 

と、途中で右京の言葉が止まった。

何故なら水を掛けられたことで祐希は小柄な姿から高身長の青年になっていたからである。

 

「え、祐ちゃんなんか?」

 

「ん?……あ、そう言えばこの姿はまだ見せてなかったね。呪泉郷の泉に落ちて水を被るとこの姿になっちゃうんだよ」

 

「はあ……手紙でそういう体質になったってのは知っとったけど、めっちゃ変わるんやなぁ」

 

青年になった祐希を見て右京はそう言う。

 

「……それにしても、祐ちゃんめっちゃカッコよくなったなぁ。その姿じゃ祐ちゃんやなくて祐くんやな」

 

「え、祐くん?」

 

右京から祐くんと呼ばれ困惑する祐希だが、くん呼びがふさわしい容姿なのだと思うと悪い気はしなかった。

 

「じゃ、じゃあさ。これからはこの姿の時は祐くんって呼んでくれないかな?」

 

「うん、ええよ!」

 

祐希からの頼みに右京は笑顔でそう返した。

 

その後、風呂から出た2人はあかねと乱馬に色々聞かれることになるのだが、そんなことを知らぬ2人はゆっくり風呂を堪能していた。

 

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