戦女神放送局-Commuting Turns into Despair- 作:矢矧草子
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「月曜日よ。一週間血反吐を吐きましょうね」
「姐さん、大事な話がある」
「すごく怖いんだけど、その振り」
「このラジオの目標はなんだ」
「まあ、私らの曲を聴いてもらうための販促よね」
「もっと具体的な数字目標は」
「あー、なんか前言ってたわね。1月中に同接10人って」
「越えてたぞ!」
「あら、すごい。ありがとねみんな。で、今日は」
「13人」
「あらま。みんなおはよー」
「通勤中の奴は手を挙げろ」
「どう?」
「えーっと。8人いるな」
「みんな頑張ってね。私ももうちょっとで出勤だから」
「でも姐さんは電車乗らねえじゃん」
「満員電車は何とか避けたわ。通勤時間も短いわ。でも、急ぎの仕事は私に降ってくるわ」
「家が近いんじゃ仕方ねえな」
「ま、そのおかげでラジオができて。いや、そのせいで朝から飲酒するあんたに付き合わされてるのキツイわね」
「こいつらも、朝っぱらから酒飲む私の姿見てツラくないのかよ」
「それはそれは複雑な思いがあるんじゃないかしら。会社に行きたくない気持ちの代弁者的な人や、この恨みで自分を奮い立たせて仕事を早く終わらせるとか、単純にマゾなのか」
「なんでもいいけど、曲聞けよ」
「そっちが本業だしねー」
「よし、今日のメールだ。ヒレカツ。最近読んだ本は?」
「ん-、最近と言っても2か月くらい前なんだけどね。えーっと、調べるわ。あー、っと。
「はあ」
「この2冊は、主人公が同じなんだけど、いわゆる並行世界の物語でね。えっと、謳い文句は、見る順番で結末が大きく変わるふたつのラブストーリー」
「はあ。並行世界ってなんだよ」
「難しいこと聞くわね。ん-、ドラえもんのもしもボックスとかがその例ね。つまり、ある小さな違いがあるだけのもう一つ違う世界があるんじゃないかっていう仮説的なものね。ザ・サイエンスフィクションね」
「んん?」
「例えばさ、いま私は仕事前にラジオをやってるわけ。でも、楽しくなりすぎてラジオをやめたくなくなってくる。そんな時私には2つの選択肢が出てくるの。ラジオを続けるか、仕事に行くか」
「はあはあ」
「そして私は結局仕事に行くことを選ぶんだけど、もしかしたらラジオを選ぶことだってあったかもしれないの」
「なるほど」
「そのもしかしたらの未来って、私は体験できないけど、実はその可能性の未来が同時に存在してるかもしれないの」
「そんな馬鹿な」
「それをもし本当に起きるならこうなんだろうってやつが、SFであり、並行世界という概念を題材とした話なわけよ」
「はー。よくわからん!」
「あんたに理解できると思ってないからいいわ」
「なんかムカつくから締めるぞ」
「はいはい。えっと、『Girls in Wonderland』と『magicaride』をカバーしました。ぜひ聞いてね」
「死んでも聞け」
「あとは、メールフォームあるので、メールください」
「NGなしだ。何でも来い」
「NGはないんだけどね、花純にちょっと聞いたんだけど」
「なんだ」
「そんなメールを送られても何もトークできねえだろ! ってメールは引っかかってるらしいわ。採用率100%ではないみたい」
「そうだったのか」
「ま、みんなは適当にメールちょうだいね。待ってます。あと、チャンネル登録といいねもよろしく」
「それな! めっちゃ大事!」
「あとごめんなさい、春の歳時記がなかったから、今週はひとまず冬の季語で行くわ。今日は
「じゃあなー」
「行ってきまーす」
概要
お前らいつもご苦労!
『チャンネル登録』、『いいね』まだしてねえ奴、今すぐやれ!
メールもよこせ! ラジオネーム忘れんな!
sveidラジオのメールフォーム
→https://peing.net/ja/sveid_radio