戦女神放送局-Commuting Turns into Despair- 作:矢矧草子
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「バレンタインデーだけど、それよりも火曜日よ」
「ラジオパーソナリティがイベント事を適当にしてどうすんだよ」
「大丈夫よ。もっとかわいらしい子たちが一生懸命バレンタインやってくれるわ。私には無理よ」
「ちなみに私にチョコはないのか」
「今日帰りに買ってくるから」
「手作りじゃねえのか」
「朱音が作ってくれるでしょ。それでいいじゃない」
「姐さんの手作りも食べてみたいなー」
「見返りは?」
「出来次第だなー」
「ん-。土曜日まで待って」
「無理」
「じゃあ私も無理」
「けちー」
「あんたと違って仕事があるんだから我慢してなさい」
「はーい。じゃ、ヒレカツ。ネカフェの喫煙室でパチンコの大当たり動画を見続けてるおじさんがいました」
「それは逆に末期ね」
「逆か?」
「そうよ。打ちたいけどお金がない人にとって、その手の動画は簡易的に脳汁《のうじる》が出せて便利なのよ」
「のうじるってなんだ」
「脳みその汁なんだけど。ちょっと待って、調べるから。えーっと、アドレナリンみたいな。脳内麻薬のことを指すですって。ニコニコ大百科から引用」
「はあ」
「パチンコの連チャンって、最近のは音も映像も激しいからもう続けば続くほど脳みそが焼き切れちゃうのよ。その快感を知っちゃうと抜け出せないんだけどね」
「姐さんもやってるだろ」
「私は1パチ打ってるだけだから。気晴らしに月1回くらいね」
「いちぱち?」
「1円で1玉買って打つのよ。比較的低レートだから、負けてもキレないし、勝ったら嬉しいし」
「姐さんってそういうの強いのか?」
「たぶん辞め時が分かってるからあんまり大きく負けにくいわね。トータルではプラマイ0くらいのはずよ」
「花純は」
「あの子は情報で戦ってるから。トータルで結構勝ってるみたいよ」
「おいおい、じゃあパチンコの動画出せばいいじゃん」
「それしたら本当に私たち何者か分かんなくなるわよ」
「物は試しだって。一回だけ」
「顔出さないんだけど?」
「知ってるが。出さなきゃまずいのか?」
「ま、いいわ。要検討ってことで」
「初投稿だ。ビッグマックビッグ抜き」
「ありがとう。ちなみにビッグを抜くとどうなるのかしら」
「普通のハンバーガーが出てくるんだろ」
「あら、かわいそう」
「姐さんは未成年のころどうやって煙草を入手してましたか」
「なんで花純はこのメールを通したのかしらね」
「面白いからだろ」
「えっと、まず未成年のころに吸ってたかについてはシークレットよ。というか、ちゃんと聞いてくれてる人ね。そこはまず感謝だわ。アピールの仕方が歪んでて好きよ」
「姐さんの好き発言出ました」
「私はそもそも、元カレが吸ってたから吸い始めたの。というか、同じのを吸うことで一緒の気持ちになるみたいなね」
「姐さんそういうことするキャラだったんだな」
「健気よねー。歪んでるけど。ようは、彼のをもらって吸ってたからその人と付き合ってた当時は買ったことなかったわ。自分から吸おうと思ったこともなかったしね」
「なんで分かれたのさ」
「重すぎるってさ。健気は時に枷《かせ》になるのね」
「ドンマイ姐さん」
「ま、傷心中にアンタに拾ってもらったし結果オーライよ」
「拾ったのか拾われたのか」
「そんなのどっちだっていいわ。もう締めましょっか」
「よろしく」
「こうやってたまには昔話もいいわね。えっと、日曜日に第3弾のカバー曲。相川七瀬さんの『恋心』を投稿しました。『Girls in Wonderland』と『magicaride』もぜひ聞いてね」
「3000回聞け」
「多すぎない? あとは、メールフォームあるので、メールください」
「NGなしだ。何でも来い」
「チャンネル登録といいねもよろしく」
「今すぐしろ」
「今日は正木《まさき》ゆう子の1句。
「じゃあなー」
「行ってきます」
概要
お前らいつもご苦労!
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