戦女神放送局-Commuting Turns into Despair- 作:矢矧草子
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。
「お前ら、元気かー。
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。パーソナリティーの
「お前らの通勤を絶望に変える飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間だ」
「番組中にチューするのはよくないらしいわね」
「スイッチ入っちまうか」
「入るでしょ、そりゃ。あんたも朱音で発散してたんでしょ?」
「ああ」
「いーなー。仕事じゃなければなー」
「休んじまえ」
「そうはいかないことくらい、よーく分かってますよー。最初のメールね。メビウスのしろまるさん。打製石器と磨製石器どっちが好きですか」
「は? せっき?」
「石の器《うつわ》で石器ね。またキモイメールが来たわね」
「パース」
「パスって何よ」
「こんな知らんこと聞かれても困る。私はパスだ」
「どうせ全部が全部答えてないじゃない。えっとー。打製石器のほうがワイルドでロックよね。見た目が」
「石だけにか」
「やば」
「なにが」
「そのギャグはきついわ」
「姐さんが言ったやつだろ」
「そういう拾い方したほうに、すでに責任が移ってると思うわ」
「すぐ逃げやがる」
「次のメールよ。セッタのヒレカツ奉行さん。いつもありがと。指の皮が戻ってきた」
「よかったな」
「ぱっくり割れもなかったのかしらね。よかったわね。でもまだ油断しちゃだめよ。最近はアルコール消毒がブームだからすぐに乾燥するから。気を付けてね」
「消毒するなってか」
「やり過ぎに注意ってだけよ。消毒は大事よ」
「汚物は消毒だ」
「バラバラのバランさん。歴代総理大臣全部言えますか? 無理よ。あとメールの落差が」
「姐さんも頭いいアピールだけで実質が伴ってねえよな」
「全部は覚えてないけど、たぶん7割くらい言えるわよ」
「強がるなって」
「まず、初代からしばらくは頭文字で覚えるでしょ、普通。いくやまいまい おやいかさかさ かやおてはたか やきかわたはわ」
「は?」
「7音で区切るとリズムが良くて覚えやすいと思うわ。最初の14音で明治。やきかわまでで大正。あとはー、大戦中の総理大臣が、
「うざい」
「あとちょっとだけ。これだけ言わせて。
「姐さんが歴史のこと喋りだすと止まんねえかんな」
「ちなみに高校は地理選択だったわ。歴史は趣味でやってます」
「キモイ」
「歴代内閣はどうやって総理が決まって、どうやって内閣が倒されたかを押さえておくのが一番ね。有名なのは第2次
「もーいい。さすがにうぜえ」
「せっかく高校生なら、ちょっとくらい伝えたいのに」
「うるせえ。次だ。ウィンストンの舎弟1号」
「出たわね」
「姐さんが飛ばしたスイカの種を舐めたいです」
「残念。私は種を掘ってから食べるタイプだから、口に含んで飛ばすなんてしないわ」
「お上品に食いやがって。庶民の食べ物だぞ」
「いろいろ汚したくないのよ。飛ばして床に落ちたらあと誰が掃除するのよ」
「姐さんだろ」
「だから嫌なんじゃない」
「でもどうせ私とか花純は飛ばすぞ?」
「少しでも数は少ないほうがいいでしょ」
「だめだなー。それでもロッカーかよ。わかった!」
「なによ」
「今年の夏は、スイカの種飛ばし大会やるぞ」
「誰がうれしいのよ」
「私がうれしい」
「そう」
「よーし。終わるぞ」
「今思い出したけど、ホルモンのライブTシャツ着てなかったわ。来週をお楽しみに」
「やっぱ忘れてたな」
「あんたもよ。えっと。先週の日曜日に、
「絶対聞け」
「画面下の動画説明欄にメールフォームあります。メールください」
「NGなしだ。何でも来い」
「チャンネル登録といいねもよろしく」
「今すぐしろ」
「今日は
「じゃあなー」
「行ってきます」
概要
お前らいつもご苦労!
『チャンネル登録』、『いいね』まだしてねえ奴、今すぐやれ!
メールもよこせ! ラジオネーム忘れんな!
あと、喫煙者は煙草の銘柄も書いとけ!
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