戦女神放送局-Commuting Turns into Despair- 作:矢矧草子
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。
「お前ら、元気かー。
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょ。パーソナリティーの
「お前らの通勤を絶望に変える飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間だ」
「乃木坂46、予習週間の3日目よ。今日の最初の曲は『ジコチューで行こう!』。飛鳥がセンターの曲だし、絶対歌うからみんな覚えとけ! ウォウウォウウォウウォウ!」
「は?」
「どうもこんなコールがあるらしいわよ。Aメロの最初のフレーズ終わり」
「ん? ああ。なんか言ってんな」
「続くわよ。美味しそう。そうか。食べながら演奏しよう。もうそうしよう! 却下ー、んー」
「却下しねえのか」
「するほどでもないようなー、ってね。最後よ。ウォウウォウウォウウォウ!」
「いきなり歌うとキモいぞ」
「私のせいじゃないっての! どうなのよ」
「めちゃくちゃキャッチーだな。これは盛り上がるな。最初に髪の毛パタパタさせてんの良いな。姐さんもやってみ?」
「可愛くないわよ?」
「可愛くないから良いんだろ?」
「むー」
「サビ前の、この、ストロー咥えさせてる。こいつの顔好きだぞ。この、あんたは私の物よ感がある憎たらしい顔だな」
「えっと、一応聞くけど、褒めてんの?」
「最高の褒め言葉だ。姐さんはどうだ」
「このサビの、手をぐるぐるするの可愛いわね」
「エッチか?」
「エッチでは、うーん」
「じゃあエッチなとこはどこだよ」
「そうねー。強いて言えば、2番のウォウウォウのところで、手をにゃんにゃんしてるのエッチじゃない?」
「まあ、良い線ではあるな」
「あんたの価値基準分かんないわよ」
「正解は、2番で提灯みたいなのの中に立ってるこいつと」
「これ、齋藤飛鳥ちゃんじゃない?」
「知らん。あと、ラスサビの転調前のこの屋上のシーンの、一番左のこいつだ。この首に手を当ててるやつ。これがエッチだ」
「はあ」
「姐さんもこれくらい言ってくれ。事前に見てんだろー」
「観点が違いすぎるから無理よ。次いくわね?」
「おう」
「2曲目『悪い成分』。カッコいい。テンポも良い。中森明菜風味を感じてる。今まさに感じてる。私は中森明菜に満たされてる。違った。乃木坂だった。なにこれ」
「何を自問自答してんだ」
「ちょっと、変な紹介文ね。ダンスもキレキレ。あれ、私たちってダンス無い? 踊ろう! 却下ね」
「却下か」
「ドラム叩きながら踊る方法があれば教えて欲しいわ。この子もキーボード弾けないからね?」
「投稿するやつは録音だけ別にしときゃ良いだろ」
「それじゃ演奏動画になんないじゃない」
「まあなー」
「私もピュアだから、指一本触れないでね。あ、みんなレズ風俗には来てねー。これ聞いてる奴らは行けないわよ?」
「これは紹介文なんか?」
「分かんないわよ」
「まあいいか。ただ、これはカッチョいいな。サビめっちゃ好きだぞ」
「あら、珍しいくらい高評価ね」
「あと、イントロ終わりに目線が急にカメラに向くのいいな」
「それはあれね。『けいおん!』の時にもそんな話したわね」
「したか?」
「ほら、『NO,Thank You!』の時。視線が逸れて戻って、ちょっとエッチだって」
「そうか。じゃあそういうことだ」
「どういうこと?」
「この話してるときまで戻って聞いてこい」
「たぶん1月の後半よ」
「よく覚えてんな」
「今までのカバー曲考えればタイミングはここしかないわよ」
「さすが雑用担当だな」
「これは雑用なのかしら?」
「今日はこんなとこか」
「まあ、そろそろ終わりましょうか。この前の日曜日に、
「絶対聞け」
「画面下の動画説明欄にメールフォームあります。メールください」
「NGなしだ。何でも来い」
「チャンネル登録といいねもよろしく」
「今すぐしろ」
「今日は、あれ。忘れたわ」
「は?」
「歳時記を忘れたわ。えっとどうしようかしら」
「なんかひとつ小話して終われ」
「え、急にそんなー。えっとー。うーん。今日の一曲目のジコチューって話でね」
「なんだ?」
「字面だけ見て、乙女ゲームでよくある、廊下の曲がり角で男の子とぶつかってチューしちゃう、いわゆる事故チューかと勘違いしたわ。みんなもしたわよね?」
「じゃあなー」
「あー、ちょっと流さないでよー」
概要
お前らいつもご苦労!
『チャンネル登録』、『いいね』まだしてねえ奴、今すぐやれ!
メールもよこせ! ラジオネーム忘れんな!
あと、喫煙者は煙草の銘柄も書いとけ!
sveidラジオのメールフォーム
→https://peing.net/ja/sveid_radio