戦女神放送局-Commuting Turns into Despair- 作:矢矧草子
ポン、ポン、ポン、ポーン
カシュッ
ゴクゴクゴクッ
「あ゛ー。sveidラジオ!」
「みんなー、オッハー。パーソナリティーの悠衣でーす」
「通勤お疲れ様です。お仕事頑張りましょう。詩です」
「お前らの通勤に絶望を添える朝から飲酒ラジオ。sveidラジオ! の時間がやってきました」
「また月曜日が始まってしまったわ」
「ま、私は毎日が日曜日だけどな」
「うらやましい限りね。というよりもよ。じゃんけんは?」
「じゃんけん?」
「下着の色の発表をかけたじゃんけん」
「あー、あったなー。え、何、姐さん。言いたいの?」
「そんなわけないじゃない。アンタが前言ってたんでしょ。小さい約束こそ守るって」
「そこまで言うならやろうか?」
「当たり前でしょ。じゃんけんぽん!」
「おー。姐さん、じゃんけん弱すぎね」
「はあ。1回くらいアンタの下着を、画面に見せつけてやりたいんだけどね。何回負けることになるか分かったもんじゃないわね」
「御託はいいから早くしな」
「はいはい。えっと。上は濃い目の赤。下はちょっとピンク系」
「そろそろ姐さんの秘密も暴いていきたいよね」
「秘密って何よ」
「言ってもいいなら言うよ」
「いや、ミステリアスに行きましょう」
「そんなことよりもだよ。昨日動画投稿したぞ」
「最近本職が何かわかんなくなってたわ。バンドマンだったわね、私たち」
「私たちが初めて歌ってる姿を投稿だ。お前ら当然見たよな?」
「誰に向かって言ってるのよ」
「将来のファンたち」
「いい心がけではあるのかしらね」
「あれ苦労したんだぞ、お前ら」
「仕方ないじゃない。顔出しNGが条件なんだから」
「いいアイデアだったろ。煙草のパッケージで顔隠すって」
「私はあんま動かないからいいけどさ」
「問題は花純なんだよな。あいつ、いつもまったりしてるくせに、ベース持ったら暴れまわるからな」
「あれで顔出しNGなんだからたまったもんじゃないわよね」
「結局顔隠そうと思うと、あいつのところだけ目一杯画像が居やがるから。一見なんの動画かわからんね」
「JTがスポンサーになってるみたいよね。あ、詳しくは動画をチェック。概要欄にリンクあるし、チャンネルページに行ってもわかると思うわよ」
「ナイス宣伝」
「ナイスというか、このためのラジオでしょ」
「忘れてたぜ」
「本末転倒もいいところね」
「姐さんはそもそもなんで顔出し嫌なん」
「は? 当たり前でしょ。逆になんでアンタは顔出してもいいのよ」
「可愛いから?」
「はあ」
「メロメロなくせに」
「メロメロかはわかんないけど」
「さ、今日のメールだぜ。また、ヒレカツ奉行から。部屋が汚すぎて、めっちゃでかい黒とオレンジのミミズみたいなのが出ました。と思ったら、おしゃれな紙袋の持ち手でした」
「どういうこと?」
「紙袋の取っ手がミミズに見えたんだろ」
「いや、そう書いてあるけども。え、部屋が汚すぎて?」
「部屋が汚ければなんでも湧く可能性があるってことだろ。毒をもったミミズも生まれるかもって」
「そう思うレベルの部屋ってどういうことよ」
「私に聞かれても書いてあることしか知らねえし。おい、ヒカレツ。詳細送れ。あとお前、ちゃんと朝の配信に来い。後からアーカイブで見てんじゃねえぞ」
「どうする? アーカイブも見てなかったら」
「よし、それも報告しろ。見てなかったらお前の家を見つけ出して性的にいじめてやる」
「期待しないほうがいいわよ。こいつの性的なイジメはほんとにたち悪いから」
「なんだよ。いつもあんなに嬉しそうに喘いでくれるくせに。もうしてやんねえぞ」
「あー、それは困るわねー」
「みんな。姐さんな。信じられんくらいドMだから、いつもクールに決めてるくせに、エッチの時すげえんだからな。超甘えてくるんだからな」
「そのあたりが本当かどうかも含めて、ミステリアスってことで」
「じゃあそろそろ締めるぞ」
「はいはい。宣伝。昨日ついにカバー曲を投稿したわ。頑張って練習したからぜひ聞いてね」
「絶対聞けよ」
「あと、メールフォームあります。概要欄のリンクからどうぞ」
「ヒレカツ。メールかけよ。あと、私と遊んでくれる女の子募集中だ。何でもいいから連絡くれ。最後に姐さんの授業だ」
「授業というか今日の1句ね。
「また明日ー」
「はあ。行ってきます」
概要
お前らいつもご苦労!
『チャンネル登録』、『いいね』まだしてねえ奴、今すぐやれ!
メールもよこせ! ラジオネーム忘れんな!
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