めんどくさがり屋の極地   作:暇人

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綱彌代時灘あまり知ってる人いない感じなのかな。自分はめっちゃ好き。
ただこの話の主人公はどちらかと言うと綱彌代時灘と真逆の性格にしていきたいと思ってる。


2話目

 

 

 

「剣を振る時に考えていることぉ?」

 

ある日のお昼時。いつものファミレスに2人はいた。

 

イッキはいつものように自身の財布が軽くなるほどの量を食べる先輩に問いかけた質問を投げかけ、それに対して彼は眉をひそめた。

 

「はい。先輩の剣はなんと言うか……読めないんですよ。気がつけば斬られてるというか……すいません。言葉が」

「あーいいよ、何となく言いたいこと分かるから。……ふーむ」

 

イッキの言葉に先輩は顎に手を当て考える。

彼に師はいない。扱う剣技も剣技と呼べるものでは無い。

 

「……お前ってさ、あれあるじゃん。相手の剣の……なんたかを盗むやつ」

「え?あ、模倣剣技(ブレイドスティール)ですか?」

「そうそれ。んで前にさ、俺自分の剣はただのチャンバラごっこって言ったことあるじゃん?」

「……そうですね」

 

先輩の言葉に困惑しながらも頷くイッキ。

相槌を打つもあまり理解はできてない様子。

 

「結局俺って他の奴らと違って剣の技術とか格闘技術とか習ってないわけよ。だから俺の振る剣って言葉通りただ振ってるだけ。お前の相手の剣の理を読んで剣技を模倣するって力が俺に効かないのはそもそも理もへったくれもないからって話。前にしたことあったっけ?」

「……しましたね。それが先輩の攻撃を見切れない理由なんですか?」

 

今までの言葉に怪訝な顔を浮かべるイッキ。

自分が先輩の剣を真似れない理由、そこまでは理解出来た。だが、雑に振られる剣なら普通なら余裕で対処出来る。

イッキは言葉にしないだけでそう思っていた。

そんなイッキを待て待てと先輩は手で制した。

 

「あー違う違う。俺がなんでそんな戦い方をしてるかって話なわけよ」

 

そう言いながらチッチッと指を振る先輩。

 

「いいか?俺は自他ともに認めるめんどくさがり屋だ。それは日常生活から当然戦闘に関してまで適応される。俺はお前らみたいに戦うことに特別感も充実感も高揚感も持ってないんだ。ただただめんどくさい。ここまではお前も理解できてるな?」

「……はい」

 

「おk。そんじゃ話は変わって戦国時代の武将たちの話をしよう。刀と刀の切っ先が向かい合い、両者睨み合いが続く。この時の武将たちはただ睨み合ってるだけかな?」

「いえ、相手の出方を伺ってる……ってとこでしょうか?」

 

「正解〜、ピンポンピンポーン。戦いというのは言わば意識の読み合いだ。相手がどう動いてくるのか。それに合わせて自分がどう動くか。はたまた相手を動かせないためには自分はどう動き出すのか。こう来たらこう、ああ来たらああやって……そんなのをみーんな無意識でやるわけだ」

 

そこまで一気に話した先輩はフォークを手に取りさらに乗せられてるハンバーグへ突き刺し、そのまま一口で口の中へと放り込んだ。

 

モゴモゴ口を動かし喉へ胃へと落とし、近くに置いてあるコーラを飲み一息つく。

 

「ぷふー。……さて、イッキ君や。攻撃というのはいつから始まると思う?」

「……攻撃を仕掛けようとした時、ですか?」

「惜しい。いいとこまで行ってたんだけどね。正解はこれ…!」

 

そこまで言った途端に先輩はテーブルに足を乗せ、そのまま向かいに座るイッキの元へと手にしたフォークを突き刺しに行った。

 

しかし、イッキもまた驚きはしたもののフォークを手にした先輩の腕をガッチリとつかみ阻止。

 

「正解は"攻撃をしようと意識した時"からでした」

「……いきなりは驚くのでやめてくださいよ」

「優秀な後輩ならちゃんと受け止めてくれると信頼したゆえの行動だと思ってもらいたいね」

 

そうしてへらへらと笑いなが周りの客や店員さんへと喧嘩じゃないですからねーなんてことを手を振りながら席へと座り直した。

 

「さ、そんな事で俺が闘いの最中に考えてることを答えてしんぜよう。意識の読み合いの最中、緊迫張り詰める状況、その中で俺は……"何も考えてない"でした」

「……何も、ですか?」

「何もじゃないか。イッキに何奢ってもらおうかなーとかそういえば新作のポケ○ンが発売されるなーとか。ちなみに今日はコンビニで立ち読みしたグラビアのとある娘のおっぱいデカかったなー名前はなんて言うんだろうなーってことを考えてたわ」

 

そう言ってコーラを飲む先輩を見ながらイッキは衝撃を受けた。

 

何も考えない。

簡単そうに言うがそれの難易度がどれほどのことかをイッキは理解していた。

 

無意識、無殺意で相手を攻撃するなど、

 

「……武の極地…!」

「そんな大層なものじゃないがね。聞くけど俺の基本的な戦い方ってどんなだ?」

「……完全受け身のカウンタータイプ。……まさか」

「気づいた?攻撃しようとこちらから動けばその時点で意識が生まれる。だから待つ。待って、向かって来たところをズッパリってね。感覚的には、表現が悪いけどいきなり顔の前に飛んできたハエを反射的に潰すみたいな感じだな。反射で動くってことは無意識だから。まあ、この戦い方は俺の能力とも相性がいいしな」

 

明かされた真実に空いた口が塞がらない。

固まるイッキだったがやがてその口を開いた。

 

「よく、そんな戦い方思いつきましたね」

「楽に勝つためにはどうするかと考えた結果だな。色々調べに調べ強いやつに共通する部分の隙を突いただけよ。最低限の仕事で最大限の結果を産む。我ながら天才」

「……努力してたんですね」

「だっはー、いきなり失礼ー。まあ、後々楽するために効率のいいやり方を模索する位はするわな。未来の楽のために現在の苦労は必要な犠牲ってやつだ」

 

めんどくさがり屋故の楽をするための戦闘法。戦いに関しての圧倒的なまでの無関心。

 

通常、研鑽に研鑽を重ね一生のうちにたどり着くか着かないか。それほどの極地にただただ楽をするためだけという理由でたどり着いた男。

 

「……武の極地ならぬめんどくさがり屋の極地、ですか」

「何?褒めてる?バカにしてる?」

「いえ……ただ、どんな事でも突き詰めてしまえばそれもひとつの才能になるんですね」

「そらな。古武術とかでも歩く、走るといった動作も突き詰めてしまえば特殊な歩法になる。要は自分の持ち味を活かせってことだ」

 

その言葉に目からウロコが零れる感覚を感じるイッキ。

自分の持ち味、それはなんなのか。

 

しかし、それでも確実に強くなるためのピースを手に入れることが出来た。

 

「さ、飯も食った。さっさと出るぞー。じゃないと授業終わりの学生さんらと鉢合わせになっちまう」

「そうですね。出ましょうか」

 

そうして会計を済ませ外へと出た2人。

その時だった。先輩の携帯が震えた。

 

取り出してみると、

 

「……はぁ」

「…?どうかしました?」

「いや、ただの呼び出しだ」

 

そう言いイッキに向けられた画面に映っていた名前は先輩の担任の名前だった。




タイトル適当につけすぎたなと思ってるんで誰か考えてくれ。タイトルとかつけるセンスが作者には皆無なんじゃ。

……主人公の本当の固有霊装はいつ出てくることになるんだろうなぁ。
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