めんどくさがり屋の極地   作:暇人

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主人公の名前はいつ出てくるんだろうか?そもそも出るのだろうか?なんなら名前なんて考えてないかもしれない?(一応考えてはいる)


3話目

 

 

 

「黒鉄一輝とはもう関わるな」

 

呼び出しを食らった先輩は担任の元へと来た途端にそう言われた。

 

そんな言葉に彼はだるそうに頭をポリポリと掻きながら口を開いた。

 

「なんでぇ?」

「あの男には孤立していてもらわなければならない。目立つことはおろか、世間にあの男の存在を知られるわけにはいかないのだ」

「まーたそれぇ?もういいってそういうの。上の方もそろそろ黙ってろって」

「………」

 

ヤレヤレと呆れる先輩を視界に収める担任は無言を返した。

 

「……黒鉄家からFランクの騎士なぞ排出したら家名に泥が着く。お前もわかるだろ?」

「だから陥れるって?……それに関して俺は疑問しかないけどね」

「……何?」

「才能が最底辺のFランクも活躍できるってなればさすが名門黒鉄家と思われると俺は思うんだけどね。それなのに陥れる理由って、家名に泥を塗られたくないから。……なのかねぇ?」

「お前が気にすることでは無い。いいから黙って従え」

「だったら俺からも言わせてもらうが、俺のプライベートの友達付き合いをセンセにあーだこーだ言われる筋合いねーんですよ」

 

まさに一触即発。険悪な空気がその場に流れ2人の視線が交差した。

 

「……筆記も実技も問題なし。サボり癖はあるが最低限の単位は取ってる。このまま行けば問題なく平和に暮らせるが?」

「脅し?別に俺は気にしねーんで好きにやれば?」

「……後悔するぞ?」

「それは俺が?それとも……そっちが?」

 

脅しの言葉と煽りの言葉が職員室に響く。

周りの教員らも先輩に対して少し怒気を孕んだ視線を向けていた。

 

「……はぁ、もういい話は終わりだ。行け」

「あいあいさー」

 

そうして先輩は踵を返しその場を後にした。

 

 

 

職員室を出て廊下を歩いていると見知った顔が向こうからやってきた。

 

「おー、ユリちゃんセンセ」

「あ、久しぶりねー。元気してたー?」

 

ユリちゃんセンセ。本名『折木有里』。

先輩が1年の時の担任で、現在はイッキの担任になっている教師である。

 

そんな彼女はひと目でわかる病弱そうな青白い顔に笑顔を咲かせ寄ってきた。

 

「ユリちゃんセンセも元気そうで。服が汚れてないことから察するに今日はまだ吐血してないな?」

「そうなのよ。今日なんか調子いいみたいでね。……ところで君はここで何してるの?」

「んー?あー、担任からの呼び出し。最近面倒見てる後輩に関わるな、だってさ」

 

その言葉を聞いて暗い表情が浮かぶ折木。

胸に手を当て悲痛な面持ちで口を開いた。

 

「ごめんなさいね。私もあの子のことはどうにかしたいと思ってるけど……」

「まあ、しゃーねーでしょう。一介の教師が出来ることなんて限られてるし」

 

そんな生徒の言葉に心にトゲが刺さる感覚を覚える折木。

事実だからこその精神ダメージだ。

 

「そんじゃこのあとも愛すべき後輩の特訓サポートしに行かなあかんのでここいらでばいちゃってことで」

「あ、うん……あ、あの」

「ん?」

「私はね、黒鉄君やキミの味方だから。何かあった時は気軽に相談してくれると……嬉しいなぁって思ってたりするんだけど、ど、どうでしょう?」

「……そこは断言しときましょーや」

 

相変わらずな様子を見せる折木に先輩は呆れの混じった微笑が浮かんだ。

 

「ま、そういうとこ意外と好きだけど」

「へ?……お、大人をからかわないゲボォッ!」

「……えーーーーー」

 

いつものようなからかいの言葉をかけると照れた様子の折木は其の儘口から血を吐いて倒れた。

 

衣服と床に広がる赤い水たまり。

ほっとくのもさすがにアレなので先輩は慣れた手つきで折木を担ぎあげ保健室へと向かった。

 

 

 

●●●

 

 

 

「──血だらけなのはそんなことがあったからなんですね」

「いや去年の今頃なんてもっと凄かったぞ。頭のてっぺんから足先まで真っ赤にされたこともある」

 

折木を保健室のベッドへと放り投げた先輩は血だらけのワイシャツのままイッキの元へと戻ってきていた。

 

戻ってきた時は凄かった。全身から血を滴らせ、笑顔で手を振る様はもはやスプラッタホラーである。

 

「それにしてもあの先生と先輩って仲良かったんですね」

「サボるためにあの人の看病俺がやってたからな」

「いつも通りで安心します」

「倒れる度に俺が運んでたぞ。ついでにおしりとおっぱいも揉んだことがある。病弱のくせして何故か肉付きはいいんだよな」

「……反応に困るのでそういう話やめません?」

 

ワキワキと手を動かし感触を思い出す先輩に困り顔のイッキ。

まさか自分の担任と世話をしてくれる先輩がそんな関係だったなんて。そんなことを考えていた。

 

「揉んだら揉んだでひゃーっ!とか叫んでさらに血をぶっかけられたんだよなぁ」

「それは先輩が悪いと思います」

 

イッキは真顔でツッコんだ。

 

「……よし。それじゃ先輩。今から相手して貰えません?」

「えぇーまた?午前もしたじゃん」

「……先輩の愛読してるグラビアの最新刊を買ってあげます」

「さ、やろうか!」

 

現金な先輩に呆れるイッキ。

 

自分で言っといてなんだが流石に物に釣られすぎじゃないか?イッキはそんなことを思った。

 

「ちなみにイッキがしっかりレジに持ってけよ?表紙を店員に見せるようにな?恥をかくお前を俺は見たい」

「……」

 

この先輩を嫌いになりそうなイッキであった。




ちゃんとした戦いの描写を書くのはいつになるんだろうね。
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